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091 変わること、変わらないこと(10/17)
先日、地域の方からうれしい電話を頂戴しました。“新田2丁目の狭い路地ですれ違おうとしたときに、さしていた傘をすぼめてくれた子が二人いました。とても立派な行為です”と。5月の学校だよりで「江戸しぐさ」について記しましたが、「傘かしげ」と同じ。「よりよく生きるマナー」を子供たちがちゃんと実践できることを考えると、年齢には関係ないことを改めて思います。
さて、9月下旬、4年生対象に落語教室が行われましたが、その中で座布団にも前後ろがあるという話を初めて耳にしました。縫い目のない方が前で、お客さんとの縁が切れないようにという思いが引き継がれているのだそうです。
そうこうするうち、10月に入って三遊亭圓楽師匠が亡くなりました。50年以上の歴史がある『笑点』を長く支えてきた一人です。現在の最古参は、林家木久扇(元 木久蔵)師匠です。座布団運びの山田隆夫さんも長いのですが6代目。その山田隆夫さんがバンド「すうとるび」のメンバーだったことを知る人は数えるほどになってしまったのかもしれません。
9日の朝日新聞日曜版に食品用ラップに関する記事がありました。日本でラップが初めて登場したのが1960年で、「クレラップ」と「サランラップ」といいますから60年以上の長寿商品です。最初はさっぱり売れなかったのが、冷蔵庫の登場とともに売り上げを伸ばしたといいます。ただ、このラップのルーツが軍需品だったとは…。第2次世界大戦下のジャングルにおいて、靴の中敷きにして水虫防止にしたり、弾丸や火器を湿気から守ったりするために重宝されたと知りました。
そういう目で台所、いやキッチンの抽斗を開けてラップを取り出します。「NEW」クレラップとして売り出したのが30年以上前なのに、パッケージには相変わらず「NEW」の文字?実は、常に目にはつかない改良・調整を地道に加えて今に至るようですので、「NEW」もまんざら嘘ではありません。最近では災害時にも役立つ必須アイテムにも数えられているラップが、急に偉く見えてきました。