文字
背景
行間
Bee's Cafe
066_名もなき家事(25.7.17)
家事の種類を問われたら、炊事・洗濯・掃除・買い物・育児など、家庭生活に欠かせない仕事全般であることは間違いありません。でも、その詳細はとらえきれない自分に気づきます。土日は食事の後の洗い物をすることがありますが、拭いて棚にしまうことは滅多にしません。シンクのごみを始末したり台布巾を漂白したりといった細かい作業は全部放っているのが現実。
ある番組で「見えない家事リスト」を紹介していました。全160項目。当たり前に享受していることを挙げると、「お茶を入れた水筒を準備する」「洗濯機のフィルターを掃除する」「Yシャツの襟袖を先に手洗い・漂白する」「洗面所の排水口をきれいにする」「トイレを拭く」「献立を考える」「冷蔵庫にあるものの消費期限などを管理する」「シャンプーなどを補充する」「家計費の管理をする」など、気が遠くなるほどあります。
そんな私が妻に薦められて読んだのが、『山の上の家事学校』(近藤史恵 著)。“家事とは、やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活に少しずつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのことを言います” “賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向があります” と、家事学校の校長が話す場面があります。そして、家事を自分の仕事と考えられるかどうかは、“否応なしに子供でいられなくなる人と、いつまでも子供でいられる人” の差なのかもしれないと考えさせられます。そういう意味で私は、シニアの子供なのかもしれません。
“家をまわすことを他人事ではなく受け止める” “家事をやっている人が、常に健康で問題なく家事ができるとは限らない” “よその人に対してできる気遣いを、いつもそばにいる人に対してできない” など、グサグサと我が身に刺さる言葉があちらこちらに登場し、焦る日々です。よし、夏休みこそ…。
065_新聞を読もう(25.7.16)
今月上旬に、2軍の拠点としてきた鎌ケ谷ファイターズスタジアムを、北海道へ移転させる方針が発表されました。5年後の開業を目指すようです。鎌スタに私が足を運んだのは二度ほど。それも野球観戦ではなく、陶器市の会場になっていたので立ち寄ったというもの。まだ先のこととはいえ、毎日の通勤経路上にある鎌スタが、移転後にどのような形で残っていくのか興味があるところです。
さて、 各教室に市川市新聞協会の厚意で3~4紙が毎日届きますが、子供たちが手に取って読んだり、学習等に活用されたりしているか疑問です。古紙回収箱にきれいなままの新聞を見ると残念な気持ちになります。見出しを利用したり、都道府県名を探したり、市川市の記事をスクラップしたり、使い方はいろいろ。何に興味関心を示すかもそれぞれですが、最初の一歩を演出するのは私たち教員という意識がないと、好意も無駄になってしまいます。
わが子たちの家庭も含めて、新聞をとっている家は減少しています。でも、様々な社会の動きや事件・事実を網羅できるのも新聞などのメディア。紙面を広げれば様々な情報が目に飛び込んできます。その多くの情報から自ら選んで読んだり感じたりできるような働きかけを学校や家庭で行うことは、きっと今後どこかに生きると信じています。
そんなことを思いながら、ある日の新聞を見て、「えっ」と驚いた小さな記事(写真)。鹿児島で頻発する地震について伝える記事の脇に、警察署から児童相談所への出向が取り上げられていたからです。しかも顔写真付きで、「捜査一課への配属を夢に見ていた…」とまで書かれています。でも、目を凝らしてよく見ると番組の宣伝ではありませんか。妻に話すと、「くだらない!」とバッサリ切り捨てられましたが、なぜか新鮮に映ってしまう私は単純なだけ?
064_考えを真っ直ぐ伝える(25.7.15)
新聞やニュース番組は、20日の参院選一色です。投票日は納涼祭なので、期日前投票を初めてやってきました。そんな中、新聞投書欄に小6女児の意見がありました。“私は、参議院選で環境問題のことがあまり話題になっていないことが心配です”と始まります。真っ直ぐに伝えようとする意見文は新鮮でしたし、普段から新聞をよく読んでいることが窺われます。
さて、学校評価を6月期と12月期の年2回、市内全学校で行っています。対象は保護者であり、小学校であれば5・6年児童です。その児童アンケートに、「『もっと○○だったらいいなぁ』と思う、学校をよくしたり楽しくしたりするための、あなたのアイディアを教えてください」という、自由筆記欄を設けました。すると、次のような意見があったのです。
校庭を芝生にしてほしいです。 私は、塾の国語の授業でよく説明文を読みます。それで読んだ説明文の中に、とても心を動かされました。その内容は、竹炭を活用して校庭に芝生をはやすというものです。 例えば土の中に竹炭を入れることにより、水が長持ちしたり、肥料になったりします。 実例では、竹炭を入れることにより、半年間芝生が枯れなかったということもあります。それ以外にも、芝生の中に住む多様な昆虫などの動物に触れ合う機会が増えます。そのようにすることで、校庭で転んで怪我をする件数も減るのではないでしょうか。こうして、工夫を重ねることで、安心安全に生活でき、自然にも多く触れ合うことができる学校になることを祈っています。(原文のまま)
実現できる・できないは別にして、真剣に考えてくれていることに嬉しくなります。夏季休業中には「市川市児童議会」が開催されます。市内の小学5・6年生約40名が児童議員となって、自ら考えた質問を市長に投げかけます。柏井小からも参加します。自分の考えを自分の言葉でしっかり伝えてほしいと思います。
063_苗字(25.7.14)
新紙幣が発行されて1年が経ちました。財布の中で旧紙幣と混在していますが、新千円札(北里柴三郎)でも万札(渋沢栄一)の輝きがあって、見間違えてしまうことがあります。こうした紙幣のデザインや原版製作を担うのが工芸官。偽造防止などのために技を磨き、その伝承に努めていると聞きます。熟練者は1mmの幅に10本以上の線を彫ることができるらしいのです。約30人いる工芸官は、犯罪防止ために名前や写真が公表されません。もしかして、家族にも秘密にしなければならないことがあるかもしれません。
職業柄、多くの人の多くの名前と知り合う機会があります。ある人の苗字は、「けんがく」だと言います。漢字にすると「見学」さん。初めての出会いです。全国でも200人くらいしかいない珍名さんの部類でしょうか。また、ある日の新聞には、千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長名に「角鹿」さんを見つけました。角鹿は古代の豪族で、全国でも360人くらいのようです。主に北海道や青森県に分布しますから、あの人のルーツは…などと考えます。
「蜂須賀」も珍しい部類に属しますが、全国4700人と前の2つとは桁が違います。ドラマでも時々登場します。『アルジャーノンに花束を』の天才科学者、『ドクターX 大門未知子』の本部長、『星降る夜に』の看護師など。ある時は、箱根駅伝のランナーだったことも…。ただ、決して多くはありませんから、すぐに覚えてもらえるよさがありますし、武将や殿様と結び付けてくれることもあります。ただし、悪いことは絶対にできませんし、家族への隠し事だって…。あ・り・ま・す・ん。
062_昭和の夏、令和の夏(25.7.11)
強い日差しを受けて朝の挨拶をしていると、「暑くない?」と声をかけてくれたり、日傘を差しだしてくれたり。でも今日は、暑さが和らいで過ごしやすそうです。
さて、小学生の頃、入道雲とともに夏休みがやってきました。雷や夕立ともセットでしたし、ラジオ体操のハンコを押してもらう厚紙の配付もちょうど今の時期。朝起きて、外に出ると涼しい風に夏のにおいがする中に、日中の暑さを予感したのは、半世紀も前。
今に比べると、あの頃の暑さなんてかわいいもの。今では40℃に迫る猛暑日が当たり前となり、夕立がゲリラ雷雨・局地的大雨となって生活を脅かします。うだるような暑さと蝉の声、結露したグラスとスイカを盛った皿。そして、なぜか落ち着く蚊取り線香の香りに日本の夏を感じていたのは、今は昔。それでも、そんなリアルな夏の一日を鮮やかに思い浮かべて懐かしんでいます。
高校野球では、クーリングタイムや午前と夕方の二部制の導入が見られますし、プロサッカーでもこまめな給水が行われています。この給水はペットボトルが中心ですが、マイボトルではないため口を付けずに喉に流し込んで回し飲みする姿も見られます。これは私には無理!口を付けずに飲むなんて、誤嚥を起こしそうで怖い!
私にとっての夏の風物詩は、麦茶・素麺・花火・焼きトウモロコシ・扇風機。蚊取り線香。風鈴も挙げたいけれど、聞こえないものに風情はないでしょう。子供たちにとっては、柏井地区の納涼祭と花火が夏の風物詩になるのでしょうか?
あと1週間で夏休み。毎年「今年こそは泊まりの旅行をしたい」と思いながら、動き出す気配がないのを見て「口先だけ」と言われ続けてもう何年?だから、窓口に行って予約しました!(わくわく)
061_粋(25.7.10)
へぇ~、「YOKOHAMA AIR CABIN」っていうんだぁ。テレビドラマを見ていると、時々高層階のオフィスの窓越しに空中ゴンドラが動くシーンがあります。まるで近未来のような光景です。「日本初、世界最先端の都市型循環式ロープウェイ」という謳い文句です。高所から街を見下ろして、楽しみながら移動できる施設。往復券だと1800円、なんて言ったら無粋?
ラジオショッピングから始まり、創業から30年目となる「ジャパネットたかた」は年商数千億といわれます。創業者・高田明社長の独特の声でしゃべるプレゼンは天才的ともいえました。どこにでもあるような商品をガンガン売ってしまう手法は、一般的なセールスマンとどこが違うのでしょう。そのヒントになるエピソードがありました。
当時、「一眼レフカメラ」を売ろうとしていた高田社長。もし自分が売り込むとしたら、どんなポイントを挙げるでしょうか。画素数の高さからきれいな写真が撮れること?軽量なので、どこにも持ち運べること?望遠レンズで遠くの景色まで鮮明であること?魅力として考えられることは様々です。でも、高田社長は、こう売り込んだのです。
“お子さんが生まれたら、毎年1枚、よいカメラで写真を撮って、それを新聞の大きさに伸ばしてください。すると、成人の日までに20枚の大きな写真が揃いますよ。それを、お子さんにプレゼントするんです。最高の贈り物になると思いませんか。それができるのが良いカメラなんです。皆さん、スマートフォンで撮りますね。でも、誰もプリントしない。それでは感動は生み出せません”と。商品をモノとしてではなく、ストーリーで売り込んでいるのです。価格やスペック以上に、聞く者をストーリーの主人公にしてしまうなんて粋ではありませんか。真似をしたい!
060_あぁ勘違い(25.7.9)
日常の取るに足らないこと、瑣末なことほど可笑しさを感じます。趣きや風情はないので、平安文学に見られる「いとおかし」とは表現できませんが…。
新聞の下方にある雑誌の見出し。「ケアレス・ミスをなくす○○」という一文を見て、ずっと昔の勘違いを思い出しました。家族には「あり得ない!」とバッサリ言われましたが、「ケアレ・スミス」だと思っていたのです。こう考えると、似たことは結構あるものです。「ふくろはぎ」と書いた作文を朱で担任に直されたり、「アルプス一万尺」の歌を「♪子ヤギのう~えで」と歌ったり…。声にはしないものの「台風一家(一過)」「ハロー(波浪)注意報」と音を文字化していましたし、ウィンナーコーヒーに入ったソーセージはどんな味なのだろうと想像したりもしました。また、天ぷらやおひたしにする「おかひじき」は、未だに人名に聞こえてしまう私。
こんなこともありました。私は自車を「BT5」という型式で呼ぶことがあります。先日、妻とのLINEに「BT5のオフ会があるのだけれど…」と送ったら、「いつからBTSのファンになったの?」と返信。全員が兵役を終了したというニュースを見た直後だったからかもしれません。確かに、「5」は「S」にも見えます。
また、ハラスメントが多岐にわたるのは誰もが知ること。そこまで行くかぁという最たるものが「フキハラ」と勝手に決めつけています。「不機嫌ハラスメント」以外に、我が家では「音ハラ」が出現しました。車に乗ると、Bluetoothに接続されたスマホの音楽が流れます。でも、好きでもないのにそれを聴かされること自体、ハラスメントだと…。もしかすると新語登録されるかも?なんて勘違いも甚だしい。
059_野球盤(25.7.8)
キックスケーターやキックボードという名称が出てこなくても、「ローラースルーゴーゴー」と言えば通じてしまう私たち夫婦。『ちびまる子ちゃん』にも、「ローラースルーゴーゴーをどうしてもほしいの巻」があります。ただ、この大人気商品も2~3年でブームの終焉が…。事故がやり玉に挙げられて、危険な乗り物とされたからでしょうか。それが今では、電動です!
エポック社の野球盤が大人気だった世代の私。デラックス盤でよく遊びました。その後、消える魔球が搭載された野球盤が登場するなど、令和の時代まで改良に改良を重ねて続いてきました。でも、それより楽しかったと思い出すのが、手作り野球盤。小学校高学年だったか中学生だったか、自作して遊んだのです。
透明ビニールシートをめくると、紙などを挟める下敷きがありました。それを球場に見立て、「ヒット」「ホームラン」「アウト」「三振」などといったエリアを紙に書き込んで挟みます。消しゴムのカスを固く丸めたボールをホームベースに置いて、シャーペンをバットにして弾きます。下敷きから落ちてしまうと、「アウト」だったか「ファール」だったか?
高校野球をイメージしていましたので、対戦表も作ります。各県代表校を架空の学校名でいくつも考えます。大会が重ねると様々な代表校が登場させなければならないので、地図帳で地名を調べます。不思議なことに贔屓の学校があって、ちょっとだけズルして勝たせたりすることもあるわけです。こんな感じで、机の上で延々と試合が続きます。いつ勉強していたのだろうと思うと同時に、一人飽きもせずよく没頭できたものだと感心してしまいます。
千葉県予選は、明後日から約2週間行われます。147チームの熱い闘いは、野球盤より断然面白い!
058_こっくりさん(R7.7.7)
夏になるとお化け屋敷や肝試し、怪談などが若干増えるような気がします。テレビ番組でも『ほんとにあった怖い話』が恒例になっています。夏休み前の学級会で、お化け屋敷をやりたいという案が可決されたことがあります。教室を真っ暗にするのは至難の業です。でも、段ボールをガラス窓に貼り、理科室の暗幕を借りて暗闇を作った子供たち。どうやって怖がらせたかは忘れましたが、やりたいことを自分たちで形にしていく過程をうれしく思ったものです。
中学生の時だったでしょうか、「こっくりさん」が流行りました。漢字では「狐狗狸」と書き、狐の霊を呼び出してお告げを聞くといった一種の占いでした。遊び半分でやると呪われて、精神異常をきたすと怪談話としても語られます。
机の上に鳥居を描いた紙を置きます。「はい・いいえ・男女・漢数字・五十音表」も記入されたもので、その上に硬貨を置いて、参加者全員が人差し指をその上に添えるのです。脱力したまま「こっくりさん、おいでください」と唱えるとあら不思議、硬貨が動き出すというもの。きっと誰かが動かしているのだろうと思いながら遊んでいたのです。
当時のオカルトブームの影響で、つのだじろう氏の恐怖漫画をよく読みました。エピソードも絵も怖くてこっくりさんからも遠のいていきましたし、ボットン便所から手が出てきて引き込まれるかもしれないなんて、中学生が真剣に怖がっていたのです。
今日はスリーセブン!敢えて表題の年月日を普段と変えてみた七夕です。
057_失敗は神様の贈り物(25.7.4)
幾多の衛星や探査機を宇宙に届けてきたH2Aロケットの最終50号機が、6月の終わりに打ち上げに成功しました。20数年前の6号機の打ち上げ失敗以降、一度も失敗することなかった国産ロケットの成功率は98%。技術者の一人は、「失敗は神様の贈り物」という思いを大切にしてきたと言います。「失敗は、自分たちの考えが及ばなかったことに気づかせてくれる」「改善すれば、次は必ずうまくいく」という信念と入念な準備には、頭が下がる思いです。1機100億ともいわれるH2Aから低コストのH3ロケットに引き継がれますが、技術力の継承だけを目的にしてほしくはないと思うのです。
やはり6月下旬に、1年生が大根の収穫を行いました。深く根を張っているので1年生は悪戦苦闘です。株元を前後左右に揺らすのですが、グラグラすれども抜ける気配はありません。ある子は真ん中辺りで折れて、残り半分は土の中。ある子はすんなり抜けたと思ったら、まるで白ゴボウ。ある子は泣きべそ状態で助けを求めます。終いにはあちこちからSOSの声がかかります。手を引いて自分の場所に私を連行する子もいます。最後に引っ張ればよいだけにしておくと、抜けた大根を掲げて笑顔で担任のもとへ駆けていく姿が微笑ましい。
国語科で『おおきなかぶ』を学習するのが今頃だったような?「それでもかぶはぬけません」というフレーズの繰り返しは、大根の収穫体験を思い出させてくれるかもしれません。動作化や「うんとこしょ、どっこいしょ」などの読み方に、この経験が生きることを期待します。
それを引き出すのが教員のチカラ!日々の学習の積み重ねにより、ロケット開発者や宇宙飛行士を目指す子が現れるかもしれません。今日6年生が学ぶ「縄文体験」は、将来の考古・歴史学者を掘り起こすかも…。うんとこしょ、どっこいしょ。
056_かもしれない(25.7.3)
柏井小の子供ってすごい!と感心すること。雨の日に細い道に車がやってきたとわかると、道の端に避けるだけでなく、それまで差していた傘をすぼめて車とぶつからないようにするのです。そうした所作が身についている子が一人や二人ではないことに驚きます。
逆に、どこの学校でも同じですが、挨拶をしても視線すら合わせない子がいることは残念です。私は透明人間なのかなと疑ってしまうほどです。旗当番や見守りボランティアの方の嘆きもわかります。ほんの一握りであっても、それが全体かのように強く印象付けられることもありますからもったいない。
ある日、学校から帰ると、テーブルの上にリンゴが乗っている。でも、「もしかしたら、これはりんごじゃないのかもしれない」「大きなサクランボの一部かもしれない」「何かの卵かもしれない」と妄想が広がっていく主人公の想像力を描いた絵本『りんごかもしれない』は絵本作家ヨシタケシンスケさんのデビュー作です。
この「かもしれない」という想像力・発想力は、危機管理にも応用できそうです。車の発進時や左折時などに、死角に入った幼児・児童がはねられる事故が相次いでいます。運転者は、「子供がいるかもしれない」と考えるべきですし、子供は「気づかれていないかもしれない」「歩行者用信号機は青だけど、車が止まらないかもしれない」などと最悪を想定することで事故を回避することができます。地域では、「このブロック塀が地震で倒れてくるかもしれない」「あの暗がりに人が潜んでいるかもしれない」と想像豊かにすることは自分を守ることにつながります。昨日、1年生と3年生が交通安全教室を受講しましたが、知識と実践は自分の身を守ります。ただ、必要以上にネガティブならない程度に。
AIに依存しすぎることなければ、物は使いよう。そして、自分の頭も使いよう。
055_ようせい(25.7.2)
今日から6年生の卒業アルバム用の写真撮影が始まります。授業場面や委員会の写真、集合写真などいろいろです。私自身、撮影がある日に合わせて剃髪する日を決めます。誰も気にしないし気づかないと言われても、2日目の髪が丁度よいと決め込んでいるのです。
ある日、前任校の同僚の先生からラインが届きました。今、ChatGPTでの画像作成に嵌っていると言うのです。さらに、卒業アルバム用に撮影された私の写真を加工したものが添付されます。「この写真を蜂の妖精にして!」とお願いしたそうです。さすが妖精!ジジイに似ず、可愛くてなかなかの好印象ではありませんか。しばらくの間スマホの壁紙にしています。
さてここ最近、頓(とみ)に人の名前が思い出せないことが増えたような気がします。ドラマに出る有名な俳優も同様で、「○○というドラマに出て○○の役だった、ほらっ、あの人だよ~」といった感じ。先生の名前もそう。毎日顔を合わせているのに、肝心な時にド忘れしてしまうわけです。顔は思い浮かぶけれど、名前が出て来ないことは日常茶飯事です。きっと名前を覚えるシナプスがブチブチに切れているのかもしれません。残念なことに子供の名前も、覚えた翌日に「あれっ?」なんてこともしばしば。そんな時は、記名された上履きや名札をカンニング。
ただ、「先生」というワードに関しては超便利。医者・議員・教員なら、「先生」と発しておけば苗字なんか二の次。名前を思い出せなくても、問題なく会話が成立。そしてとんでもない時に、突然その名を思い出すのです。
「今朝のおかずは何だっけ?」「今朝、ご飯食べたっけ?」とならない頭に養成しなければ!
054_半夏生(25.7.1)
昨日の給食にあった「夏越(なごし)」の厄除けは、恥ずかしながら初めて知りましたし、京都では古くから6月の最後の日に「水無月」(和菓子)を食べる習慣があって、一年の半分の穢れを落とし、残り半分の厄払いをするということも少し前に聞きました。
さて、今日は「半夏生(はんげしょう)」という、節分や彼岸、八十八夜などと同じ雑節。この半夏生は、夏至から数えて11日目(一般的に7月2日)から七夕までの5日間を指し、この頃に「天から毒が降り、地から毒が生える」という言い伝えがあったため、農家は半夏生までに田植えを終わらせるという習慣まであったといいます。
また、関西では半夏生の頃に、豊作を祈ってタコを食べる習慣があります。これは、作物がタコの足のように大地にしっかり根を張ることを祈願するという意味が込められているのです。タコにはタウリン(ファイト~、イッパ~ツ!)が豊富に含まれるため、蒸し暑さなどから疲れが増すこの季節に食べるのは理にかなっているようです。讃岐では半夏生にうどんを食べる習慣があるといい、7月2日を「タコの日」あるいは「うどんの日」としている地域があるのです。
気が付くと今年も後半戦。新年度から数えても4か月目です。振り返ってみたときに「何をしただろう」「成果と呼べるものは何だろう」と焦りを覚えます。できることを「自分から積極的に楽しむ」という姿勢を、残り半年貫いていくための振り返り地点だと思います。そんな気持ちが、時間とともに薄れてしまわないように気を引き締めます。
相変わらず高値が続いているタコ。「タコの日」に限らず、誰かが口に入れてくれるタコなら刺身でもたこ焼きでも遠慮なくいただきます。
053_モヤモヤ(25.6.30)
以前住んでいたマンションは、約20年前に最初の大規模修繕工事を行いました。管理組合の理事長を務めていた流れで、修繕委員長も引き受けることになったのですが、業者選定に始まり修繕工事内容ほか、委員・住人の方と何度も協議を繰り返しました。80世帯と規模は大きくありませんが、やり遂げた感があったことはよく覚えています。その後、修繕が行われているのを見ないので、居住者の理解や修繕費の高騰など、難しいことが立ちはだかっているのだろうと、要らぬ心配をしてしまいます。
住宅ローン完済の見通しが立たず、手放さざるを得なくなった同世代の会社員の記事も目を引きます。マンションの管理費等の値上げ、私学に通う子供の学費、リーマンショック、病気の治療費など、当初の予定をはるかに上回ることになり、二進も三進もいかなくなったといいます。身につまされます。
また、「定年延長で同じ仕事 給料減なぜ」という見出しの新聞投書を、朝からうなずきながら読みました。高校の先生で、4月から定年延長の1年目突入。実際に給与明細を見て、給与30%削減の現実を突きつけられたといいます。仕事があって恵まれていると思う一方で、これまでとスキルが大幅に下がったわけでもなく、何一つ変わらない労働に対して、給与削減はモヤモヤが残ると記しています。
ある先生は私を、「コスパ最強の校長」と称えてくれましたが、若返る校長会の平均年齢を爆上げする老害と言われないように、今だからこそできることに恐れずチャレンジです。
そうは思いながらも、ボーナスの明細書を見るのは辛い!
052_心戒十訓(25.6.27)
本土最大の地上戦となった沖縄。日米合わせて20万人が犠牲になったその日から80年。追悼式典で、小学6年の「おばあちゃんの歌」という作文の朗読があったと報道されました。新聞掲載された全文を読む中で、改めて沖縄戦体験者の苦しみと散らした命、そして命のつながりを実感しました。さらに翌日、作文にあった言葉を引用して、“胸迫る「艦砲射撃の食べ残し」(佐藤隆治作)”と朝日川柳に投稿がありました。
にもかかわらず、世界に目を向けると、ロシアとウクライナ、イランとイスラエルの戦争に終わりが見えません。報道されない紛争がほかにもたくさんある中で、私たちは何ができるのでしょう。決して他人事ではなく、危機感を覚えてしまいます。
私たちは、人間関係で支えられていると言ってもよいのではないでしょうか。だからこそ、大人も子供もその人間関係が悩みの種となって苦しむことがあります。この人間関係のベースとなるのは、相手との信頼関係。そのために必要なことを、故 渡辺博史氏は『心戒十訓』(10個の自戒の言葉)として残しています。「人間関係は、相手の長所と付き合うもの」「人に何をしてもらえるかより、自分に何ができるか」とあります。その裏には、相手を変えるのではなく、自分の思いや行動を変えてみる。つまり、互いの信頼関係を築くのは自分の出方次第と読み取れます。これらは、外交にも通じそうです。
「挨拶はされるものでなく、するもの」「分かるだけが勉強ではない、できることこそ勉強」「いい人生は、いい準備から始まる」という言葉もうなずけます。今から始めても早すぎ(遅すぎ)るということはないはず!
さて、5年生は友達や自分の良さを発見して、ちょっと成長して帰ってくるかな?
051_主人公(25.6.26)
「月光仮面」を知る人、この指と~まれ!でも、月光仮面なんて古すぎると一刀両断にされそうですし、私の記憶にある実写映像だって再放送かも?
今日から5年生が、館山方面での林間学校に出かけました。林間学校で校長の役割の一つは、キャンプファイヤーの「火の神」。真剣に見つめる子供たちに何を語るか、悩みに悩みます。一方、楽しかったのはファイヤーのスタンツ。先の月光仮面の歌を歌いながら、子供たちをリードしていた指導者を見て憧れたのは、教員になりたての頃。見よう見まねで自分の学年でやったことを思い出します。「♪月光仮面のおじさんは~」のフレーズでは、かからないエンジンを始動させるために何度もペダルをキックするポーズ。「♪疾風(はやて)のように現れて~」では、ハンドルを握ったポーズで右や左へ行ったり来たり。歌も月光仮面の存在を知らない世代に、声を嗄らしながらやっていた若かりし頃が懐かしい。
ところで、月光仮面はアニメにもなっていますが、それ以外もほぼ例外なく、主人公の名前が番組のタイトルになっています。例えば、『サザエさん』『ドラえもん』『アンパンマン』『クレヨンしんちゃん』『ゲゲゲの鬼太郎』『忍者ハットリくん』等々。
ただ、『天才バカボン』(赤塚不二夫)の主人公を問われたら、「バカボンのパパ」だと思います。どうも連載が始まる前は、バカボン(愚かな兄)とハジメちゃん(賢い弟)の二人が中心になる予定だったといいますが、パパのバカぶりが読者に受けて、出番が多くなったと。このパパは、昭和元年のX’マスの夜に生まれ、生後2か月までは天才だったと何かで見た記憶があります。これも懐かしいと思うのは私くらいで、「何のはなし?」と首をひねる人のほうが多いのだろうなぁ。
引率でみんな出払った今日からの2日間、留守番役にもいくつもの仕事が与えられて大忙し必至。
050_万歳と手締め(25.6.25)
ヤマモモの実が地面にたくさん落ちています。この実が食べられることを知ると、帽子を投げて落とそうとする子がいます。そのすぐそばでは、2年生が育てるミニトマトが徐々に赤みを増しています。実付きもよさそうです。嬉しさゆえに慌てて口に放り込んで、ウズラの卵同様、喉に詰まらせないように!
さて先日、船橋や鎌ヶ谷の市長選、そして都議選があり、速報がテレビで報道されました。翌日のある朝刊には、船橋・鎌ヶ谷両市の市長が声高らかに万歳をしている写真が並んでいます。よく見ると、手のひらが内側を向いています。両手を真上に挙げたとき、手のひらが互いに向き合うよう内側にするのが、万歳の作法といいます。このときに、右足を半歩前に出すのが正式なようです。こう考えると、私がする万歳はお手上げのポーズ以外の何物でもありません。
また、手締め(手打ち)が宴会や会合の最後に行われますが、手締めにはいくつかの種類があり、選挙の慰労会などでは「三本締め」が一般的なのかもしれません。一方、「一本締め」は「よ~ぉ、パパパン・パパパン・パパパン・パン」の10回の手拍子。この「10」には意味があって、「九に一を加えて丸となり、物事を滞りなく丸く収める」という想いが込められているといいます。それをさらに簡略化したのが、「よ~ぉ、パン」と1回だけ手を叩く「一丁締め」(関東一本締め)になります。妻曰く、「それって教員の世界だけで通用するものでしょ」と。よって、ここはその説明も兼ねます。
たまにあるのが、一本締めなのか一丁締め(これも一本締めと呼んでいるので)なのかよくわからない場面。「あれっ?」なんて恥ずかしい思いにさせられてしまうことも。だからそうならないために、とりあえずパンと叩いた後、周りの様子を窺って追随する弱気の虫が現れるわけで…。
ただ、会を締めたにもかかわらず、店を出たところに大勢が集まって話し込む光景はよくありますし、通行人の迷惑なっている自分にも気づいています。
049_ドミノ効果(25.6.24)
最近、俳優の山口智子さんを起用したテレビCMを目にしました。還暦を迎えたというのに、あまり変わらないのはうらやましい限りです。CM内容は、骨粗しょう症に関する早期受診と適切な治療を訴えるもので、「STOPドミノ骨折」というキャンペーン。女性に特に多いとされる骨粗しょう症が原因で、一度骨折すると次の骨折を引き起こしやすくなると言います。高齢化により、さらに患者数の増加が予測されているため、啓発を目的としているようです。高齢者がケガにより床に伏せる期間が長くなると、衰えが加速するのは経験により実感しています。自分も家族も十分気をつけます。
さて、ここで取り上げられたドミノの牌サイズは、一般的に長さ5cm・幅2.5cm・厚さ1cm弱が多いようです。このドミノ牌は1.5倍の大きさのドミノ牌を倒すと言われます。つまり、高さ5cmのドミノは、30枚目で東京スカイツリーの高さのものを倒す計算になります。53枚目で地球の半径、133枚目で銀河系の直系の高さを倒すというわけです。これが「ドミノ効果」といわれるもの。
ちなみにこんな問題もあります。A:1億円を一括でもらう、B:1日目は1円、2日目は2円…というように倍になるように30日間もらう。あなたならどっちを選ぶ?という質問。どこかドミノ効果に似ているような気がして…。結果、Bは28日目で1億を超え、30日目で5億超えでした。
もしかすると、人の「やってみよう」といった純粋な想いには、とてつもない大きな可能性を秘めているのかもしれません。だからこそ、今迷っているその小さな一歩を踏み出す勇気、考えたことを行動に移すことには、きっと意味があると思うのです。
048_日傘もいいもんだ(25.6.23)
自宅キッチンのカウンターには、季節に応じて手ぬぐいの柄が変わって敷かれます。梅雨入り頃から、てるてる坊主の図柄ですが、その中に見慣れた顔が混じっています。誰かがペンで部分的に書き加えたのかと目を凝らしましたが、最初からプリントされているようです。そんな手ぬぐいに親近感を覚えた一コマでした。
さて晴れた日は、暑さ指数(WBGT)計測器を校庭にセットして、休み時間や体育学習の前には確認します。総武線沿線の学校だと、指数31を優に超えているだろうと思われる日でも、柏井小は若干余裕がある数値を示します。高台にあり、木が多く、風通しがよい環境だからでしょうか。
先週猛暑日の正午、船橋法典駅まで歩いて出かけ、一番暑い時間帯に帰校しなければならない出張がありました。この日、ついに日傘デビューを果たしました。日射しを遮るものがない頭部を守るのは帽子か日傘しかありません。さすがに帽子はないので、選択肢は日傘(晴雨兼用)を差すか差さないか。でも、使ってみるとなかなかよい気がします。駅に着いて触れた傘の表面は結構熱くなっていますから、効果はあるのでしょう。
この時、1年生の国語『おじさんのかさ』をふと思い出しました。雨の日なのに大事な傘を濡らしたくないおじさんは傘を差しません。子供が傘に当たる雨粒の音を歌にしているのを聞くうちに、自分も広げてみて傘の本当のよさを知るのです。体裁ばかり気にして差さなかったのに、いざ使ってみると、よさを実感し意味に気づいた自分とどこか似ているような気がしてきたのです。
こんな経験から、子供たちには日傘を推奨したいと思います。
047_珍解答(25.6.20)
校長室金庫にある大事なブツを受け取りに、PTA役員の方がやってきました。いつものように開錠しようと思いきや、鍵が回らない!なぜ?そういえば…。先日校長室に来た子がダイヤルをグルグル回していたのを思い出しました。操作手順を示す紙があったので事なきを得ましたが、心配なのでダイヤルをテープで固定しました。逆に、これまではずっとその必要性がなかったということかぁ。
さて、子供たちが真剣に考えて絞り出したテストの解答には、思わずクスッと笑ってしまう珍答が混ざっていることも少なくありません。私自身、間違えた解答にも粋なコメントを朱で添えられるようでありたいと思ったものですが、なかなかうまくはいきません。それでも、「次は頑張ろう」という気持ちにさせることを心がけたつもりではいます。
例えば、「“文集”という言葉を使って熟語を作りなさい」という設問に対し、「週間文集」と書いた子供がいたら、「週刊文春かな?」と書いて丸をつけてあげたいものです。低学年で「水という漢字を使った言葉を書きなさい」という問題に「水どう」「水みんぐ」という答えを見つけたらどうしましょう?切り返しには、ウィットと心の余裕が必要です。
■一兆(丁)目の角を曲がる
■空(家)に帰る
■住めば港(都)
■休日に家で死(詩)を味わう
■球を切った切り口の形 は? ➡ まっぷたつ(円)
■〔 〕の文同士を意味が通るようにつなげる問題 ➡〔A君はお母さんにいつも怒られてばかりです。昨日も〕お母さんに怒られて〔ます。だから、今月の目標は〕ひっこし!
どれも見事な解答です。どんなコメントを添えましょうか。(SNSより)