校長の部屋

2021年11月の記事一覧

123 ちょっとした変化に気づく(11/19)

 先週、メガネのフレームを父が少しの期間だけ使用したものに替えました。形は大きく変わりませんから誰も気づきません。でも、ひまわり学級の教室に入った途端、ある児童から「眼鏡を替えた?」と尋ねられました。感覚なのか記憶なのか、その鋭さにびっくりしました。もしかすると、メガネや髪形、服装が一体となった校長像ができていたのかもしれません。

 ただ、気づいて声をかけてくれると嬉しいものです。ですから、子供たちの髪型や身長、服装など、ちょっとした変化に気づいて声をかけてあげたいと思います。この「変化に気づいて声をかける」ということが家ではできずに呆れられています。家具の配置や家の中の装飾の変化、美容院へ行った後の妻の髪など、「きっと気づかないだろう」と期待されていないことが悲しい!

 さて、今夕、部分月食が観測できるといいます。5月下旬の皆既月食に続いて今年2度目となりますが、今回は約98パーセントが欠ける「ほぼ皆既月食」なのだそうです。4時半前に始まり、6時頃が最も大きく欠けます。天気さえ大丈夫なら、この変化は私にもわかります。同じ空、同じ月を一緒に見上げてみませんか?

122 古くなっても(11/18)

 60歳という年齢を実感した、最近の出来事。

 自分の口座から出金する必要があって、銀行窓口に用紙を提出。すると、アンケート用紙への記入や請求書などの提出を求められました。尋ねると、60歳を超えた人が一定額以上を引き出そうとする場合に、振り込め詐欺の被害を防ぐために行うそうです。私って、金融機関では高齢者の仲間入りを果たした人物だったのです。確かに、襟巻きとかタートルネック、ズボン下なんて言葉が未だに自然と口から出てしまうのですから。

 さて、ここ10年近く、ゆとり世代とかZ世代の間で「昭和レトロブーム」が起こっているといいます。先日は、レコード復活のニュースを見ました。テレ東の原田知世さん主演ドラマ『スナック キズツキ』を観ていますが、店内の様子が「昭和」の装いで落ち着く感じです。純喫茶も流行っているといいますし、無印良品のメロンソーダが爆発的に売れたとも聞きます。「古臭い」「親父臭い」と忌み嫌われていたものたちが、若者たちに受け入れられているということです。景観を敢えて古めかしくした商店街をニュースでも取り上げていたほどです。

 人間だって年齢を重ねて味が出てくることもあります。ただ、学校の職員は子供たちに囲まれているせいか(若さのエキスを吸っている?)気持ちだけはいつまでも若くいられるような気がするのです。でも、身体はちゃんと衰えていることを認識していないと、無理をして肉離れを起こしたりけがしたり…。気をつけます。

121 対話して初めてわかること(11/17)

 すれ違う通行人。話しかけられたのかと思ったら独り言?いえ、Bluetoothで通話をしている人のようです。こうした人と結構出会います。比較的大きな声で、しゃべりながら歩いているのを見るたびに、違和感を感じてしまいます。聞きたくもないのに勝手に他人の会話が飛び込んでくるのですから…。といっても、私には内容は聞き取れていません。

 先週あたりからわんぱくタイムや昼休み、放課後などの時間を使って、6年生の何人かと個別に話をする機会がありました。「自分のよいところは?」「中学校に行って、どんなことをしたい?」など、質問をしてみました。どの子もしっかり考えを持っています。ただ、それを相手にどう伝えるか、どう伝わるかまで意識しているかどうかは不明です。

 校長と面と向かって話をするなんて、小学生にとってみれば緊張を強いられる以外なにものでもありません。心臓の音が聞こえてきそうな子だっていましたから。以前、中学校の校長先生から聞いたことがありますが、受験を控えた3年生と面接練習でのこと。緊張に耐え切れずに泣き出す子がたまにいるといいます。

 ですから、堂々と自分の思いを語る子を見たとき、「もっと話をしたら面白そうだな」と感じさせるのです。それこそこの子の良さであり、人間的魅力です。

 昨年も書きましたが、コロナ以前は、今頃から給食を校長室へ運んで4~6人のグループと会食を始めていました。130人以上いる6年生ですから30グループ近くと会食する計算になります。これは結構大変ですが、児童の為人(ひととなり)を知る絶好の機会です。また、こうしたことがあると、教室に訪問した時の子供たちの見え方が変わってくるから不思議です。さらには、卒業式の証書授与が特別な瞬間になるのです。それが叶わないことを恨めしく思ってしまいます。

 だから、まるで独り言のような会話をするより、面と向かってたくさん話ができるときが早く訪れますように…。

120 小学生だって(11/16)

 10月末に、5年生のある学級がハロウィンにお化け屋敷を計画しました。子供たちだけで企画・運営をしたそうです。当然、担任の力添えはありますが、物事を創り上げて成功させたいと思う意欲がうれしく思います。仮にうまくいかなくても、その過程には大きな学びがあるはずです。逆に成功を収めた時の満足感は大きいでしょうし、自信につながり次の活動意欲へと発展します。全校での学習発表会などができれば、総合的な学習で学んだことをほかの学年の人や保護者に訴えて、自分たちの主張を広めていくということも可能です。ぜひ思いを形にする挑戦を続けてほしいと思います。

 さて、先月の生徒指導部会で、名札と黄色い帽子の着用、そしてチャイムの必要性が話題に上りました。子供たちが自分事として考えて、問題提起することができるようになったらどんなに素晴らしいだろうと思うのです。昨年度の6年生が、学校宿泊の校長許可をもらうために、計画書持参で校長室に説明に来たのを思い出します。また、宿泊する夜の学校近隣の見回りを警察にお願いしている場面もありました。校則の見直しを生徒会が中心となって行った高校の話を読んだことがありますが、小学生にだって、強い意志と行動力があればできることはあります。学習も同様です。

 そうした願いが、学校教育目標に掲げる「意欲・行動・自信・創造のサイクル」には込められているのです。

119 昆布の日(11/13)

 来週月曜日は振替休業日です。今週は長く感じたことと思います。ゆっくり休んでください。ちょうど七五三でもあります。また、「昆布の日」でもあります。なんて綴ると「また、それ?」といった声が聞こえてきそうですが敢えて…。新昆布が出回るのが11月中旬頃。子供たちに栄養豊富な昆布を食べて、元気に育ってほしいという願いが込められた日なのです。

 昆布といえば、利尻・日高・羅臼など北海道産が国内の9割を占めて有名ですが、北陸の富山市は昆布の年間支出金額が何十年にもわたって全国1位といいます。昆布が採れない富山市で、どうしてこれほど消費されているのか不思議です。これは、海上交通が盛んになった江戸時代、北海道から京都(大阪)へ運ぶ船の寄港地だったからといいます。富山では、米を中心に、酒や醤油、薬などが積み込まれました。そんな歴史的な背景があるようです。

 「昆布を食べると髪が増える」という俗説もありますが、昆布だけ食べていても髪は生えてこないようです。何事もバランスが大事。食事、運動、睡眠など健康な生活が前提となって昆布効果が期待できるようです。髪の毛はもう諦めてますが、今晩は湯豆腐で温まって出汁とり昆布をモグモグといきましょうか。