校長の部屋

2021年6月の記事一覧

046 略語にKP!(6/14)

 強い日差しが頭皮を刺すように降り注ぐ季節になりました。今朝のようにポツポツ降り出した雨に反応する天然アメダスが、汗でびしょびしょになりますし、日差しを遮る帽子が必要になります。ただ、自主的禿げ頭のよいところは、寝癖がつかないこと。濡れてもすぐに乾くこと。白髪が全然目立たないことなど。「私のつむじはどこでしょう」クイズもできます!

 さて、なんでも略して話す言葉は、日常会話だけでなくメディアからも聞こえてきます。決して新しいわけではありませんが、「レンチン」「味変」とラジオで聞いて違和感をおぼえるのはおじさんだからでしょうか。週刊誌の見出しに「女子アナ・ステマ疑惑」とあったのは少し前のこと。ステーションモール(略すと「ステモ」)とかまつ毛に関する略語などかと思いきや、「ステルスマーケティング」のことだったのですね。意味も調べないとわかりませんでした。

 ただし、言葉を略すのは今に始まったことではありません。「スーパー」は「スーパーマーケット」ですし、「テレビ」は本来「テレビジョン」。「ロケ」「コネ」「パンフ」「マイク」「リハビリ」「リモコン」「ワープロ」「通販」「学割」「原発」など数えだしたらキリがありません。そういえば、娘が中学生だったころ、「百均」と言っているのを、「百円均一と言いなさい」と妻がたしなめていたのは遠い昔。「セブン」と聞いても、「ウルトラセブン」を思い浮かべる人はまずいない…。そういえば、ネット上で「知らないとおやじ認定される若者言葉」という記事を読みましたが、一つもわかりませんでした!表題にある「KP」って「乾杯」だそうです…。

 逆に、死語になるスピードも増しているということになります。ただ、言葉と違って「坊主」という髪型に流行り廃りはありません!

 明日15日は、37回目の県民の日でお休みです。

045 じっと我慢?(6/11)

 数日前、我が家に扇風機が登場しました。就寝中に活躍しています。

 これから心配される熱中症、どうも江戸時代からあったようです。三浦豊彦氏の『徳川時代の熱中症予防と20世紀初頭の高温職場の食塩補給の歴史』という論文らしきものをちらりと目にした程度の知識です。また、江戸時代においては,熱中症を表す言葉として,霍乱(かくらん)や中暑(ちゅうしょ)、暍(えつ)が用いられていたといいます。漢方医学の分野では現在も用いられているそうです。

 熱中症は、暑さによって引き起こされる脱水症ともいえ、重篤な場合は40度近い発熱やけいれん、意識障害などが加わります。現在、救急搬送でも受け入れ先病院がない状況がある中、熱中症搬送が加わった場合の混乱ぶりは、予想に難くありません。ですから、個々で予防をしっかりして自分の命と医療現場の負担減を図ることが大事です。

 さて、江戸庶民の避暑方法ベスト5を見つけました。第5位「金魚の鑑賞」、第4位「温かい甘酒」(飲む点滴・甘酒は夏の季語)、第3位「打ち水」、第2位「団扇を使う」、堂々の第1位「我慢」だそうです。日中は用事や仕事がない限り、直射日光を避けて日陰でじっと耐えていたようです。「耐える」以外は結構大事かも…。

  

 学校で我慢はちょっと。エアコンも修理を進めていますが、首の後ろを冷やす器具や多めの飲料水持参など、今年も対応をしっかり行っていくことが望まれます。

044 アイスの季節がやってきたぁ(6/10)

 梅雨入りは来週?暑い日が続くので、心配の種はコロナに加えて熱中症。一方、さらに暑くなっていく季節の楽しみといえばアイス。「冷たいアイスは冷蔵庫に欠かせない!」なんてつぶやくと怒られそうです。

 子供のころに食べたいろいろなアイスを未だに思い出します。「あたり」があったらもう1本貰えた、名糖『ホームランバー』。メロンの形の容器にシャーベットが入った『メロン・ボール』や『おっぱいアイス』も懐かしい。どれもパッケージを変えながらもまだ健在のようです。

  

 氷菓『サクレレモン』も大好きです。この商品も今年で36周年(1985年誕生)という歴史があるとのこと。また少し前のニュースで、井村屋のアイス『あずきバー』の売り上げが、昨年度過去最高だったとありました。1973年発売で今年48周年を迎えるそうです。「ぜんざいを凍らせたようなアイスができないか?」という発想から誕生し、1本に約百粒のあずきを使って風味とさっぱりした甘さを出している商品。でも、とにかく硬い!冷凍庫から出したばかりだと歯が立たない。その硬さの理由は3つあるそうです。①空気の含有量が極めて低い、②乳固形分が全く入っていない、③乳化剤や安定剤といった添加物を使っていない、ということ。原材料は小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめの5種類のみというから驚きです。シンプルかつ安全です。

 さて、我が家で「あんこ」と言えば、原則「粒あん」です。大福などを選ぶときに「こしあん」は除外というのが暗黙の了解。1月15日に小豆粥を食べる風習もありますが、このあずきバーを米と一緒に入れて、ちょっと甘めの小豆粥あるいは赤飯として食べるなんてこともできそうです。

043 易きに流されず…(6/9)

 蒸し暑い毎日です。しかも昨日は真夏日。一週間ほど前までは、朝着替える前に「丁か半か?」と問われました。賭博ではなく「Yシャツは、長(袖)か半(袖)か」というバカげた質問です。もう迷うことなく「半」!

 暑かろうと寒かろうと、毎日とまではいきませんがウクレレの練習を続けています。21時頃からでも15分程度は触れるようにしています。レッスンが2週間空いてしまう時もそれなりに自信をもって先生の前に座ります。にもかかわらず、ぽろぽろとミスを繰り返す始末。「あれっ?」「家ではちゃんとできていたのに…」と思うと手が湿ってくるわ、背中を冷や汗が流れるわ…。ショックに打ちひしがれた抜け殻状態のまま、帰りの電車に揺られました。

 さて、だいぶ前の朝日新聞beに、ログハウス「BESS」社長のインタビュー記事が掲載されていました。住宅業界の常識を次々とひっくり返してきたと言います。その言葉の中に、『易きに流れず、勇んで奪わず』という文字がありました。「信用第一」を掲げ、「自分がされて嫌なことはしたくない」という思いを貫いているといいます。バブル期にあっては、「相互利益の追求(自分だけ利益を上げるようなことはしない)」を理念とし、住宅展示場出展を勧められても、「顧客の奪い合い(弱肉強食の世界)は自分の理想ではない」と断り続けたそうです。

 子供たちも、楽な方にばかり流れてしまうことなく、困難であるとわかっていても果敢に取り組もうとする姿を貫いてほしいものですし、競い合うことは大事ですが、人を蹴落とすようなマネする悪意ある人間に育ってほしくありません。ですから、小・中・高と進んでも「誰もが自分らしく活躍できる学校」「みんなが幸せな学校」が大事なのだと思います。ウクレレも他人と比べず、出来の悪さに落胆ばかりせず、純粋に楽しむことを心がけます。

042 歯周病は怖い(6/8)

 月曜日の新聞は、様々なスポーツの記録が満載です。

①陸上男子100mで山県亮太選手が9.95秒の日本新を出して優勝。私なら50mを少し越えたくらい? 

②水泳女子100mバタフライ、池江璃花子選手が58.03秒でV。私が泳ぐと、学校のプールで25mを折り返しでどのくらい行っているかな? 

③体操男子種目別の鉄棒では、内村航平選手が五輪4大会連続出場決定。う~ん、逆上がりしかできない私。 

④ゴルフ全米女子オープンで19歳の笹生優花選手が優勝。私が打つと隣のコースへまっしぐら~。

 校庭では体力テストで20mシャトルランが行われています。一緒にやって醜態をさらしてみようかなぁ。

 さて、3月初旬に歯の治療をした後、土曜日が予約でいっぱいなので、3か月後の先日再診扱いで診てもらいました。待っている間に歯科衛生ビデオが流れています。「歯周病が全身に及ぼす影響~心疾患・脳梗塞・糖尿病・誤嚥性肺炎~」という内容です。歯周病の原因となるのが、歯垢と呼ばれる細菌。口腔内の炎症によって出てくる毒性物質が、歯肉の血管から全身に入ったり誤嚥によって気管支から肺にたどり着いたりして、様々な病気等を引き起こしたり悪化させたりすると訴えます。そして、歯周病の予防・治療を行うことで、病気のリスクを下げることが可能ですと続きます。日本臨床歯周病学会のHPも見てみましたが、食生活と口腔衛生の大切さを改めて考えさせられました。そんなわけで、夜は通常の歯ブラシと電動歯ブラシに加えて、歯間ブラシで丁寧な口腔ケアに努めています。

 今日は4年生が「歯磨き指導」を実施します。通常の歯科衛生士の指導はなく、ビデオ視聴が中心ですが、関心を高めてほしいと思います。優れたスポーツ選手は、歯もいいらしいですね。

 

041 簡潔で分かりやすい表現を(6/7)

 先週、ある学級の理科の授業を見せてもらい、終わりにノートを回収して赤ペンを入れさせてもらいました。検食しながらでしたが楽しいひとときでした。今後どんな記述の変化がみられるかちょっとワクワクします。

 さて、手紙やメール、会話などで、簡潔かつ分かりやすく相手に伝えるということはなかなか難しいものです。例えば、「最寄りの駅からスタジアムまで結構時間がかかります」と言われたとき、どのくらいの時間を想像するでしょう。徒歩20分程度をイメージする人もいれば、バスに乗って30分くらいだろうかと考える人もいるでしょう。だから、「徒歩15分」というような明確な表現が求められます。数値化できるならばそれに越したことはありません。

 もう一例。若者が、「頼むよ!①ちょっと高いけど、投資だと思ってさぁ。②そのうち俺が③ビッグになったら、④何倍にもなって⑤返ってくるかもしれないよ」と語るイラストに書かれた突っ込みが笑えます。

①→どのくらい? ②→いつ? ③→どういう状態? ④→一体いくら? ⑤→返ってくるの?こないの?

 きちんと伝えるためには、あいまいな表現を避けるとともに、大事な情報は省かず、相手に疑問を抱かせないことが大切です。スポーツ参観に関するアンケートを読みながら、メール本文の記し方や書く順番、内容等についても反省させられました。また、一言添えることで受け取り方が変わることや外国の方に配慮した表現、理由や根拠を詳細に伝えないとわかりづらい場合もあることなど…。いただいたご意見や感想は今後に生かします。ありがとうございました。

040 やっぱり人が肝心(6/4)

 プラタナスが大きく葉を広げています。見上げると、実がたくさん見えます。昨年は全く実をつけませんでしたから隔年性かと思いきや、どうもそうではないようです。

 さて、映画『るろうに剣心 最終章』が上映中です。どうも二部構成らしく、「6月4日グランドフィナーレへ」とあります。この作品は、『るろうに剣心』『同 京都大火編』『同 伝説の最期編』と続いてきた人気作品ですが、約10年の月日を経て完結を迎えます。

  

 帰りの電車内はスマホで無料漫画を読んでいますが、ちょうど今『るろうに剣心』が期間限定で一気読みできるのです。新選組や明治維新の人物も登場しますが、主人公 緋村剣心の人への優しい思いがその強さ以上に魅力です。今読んでいるのは映画の3作目あたりなのかもしれませんから、まだまだお楽しみは続くというわけです。古本屋で全巻大人買いを秘かに目論む私です。

 さて、映画館は座席がピンポイントで指定できるシステムですし、騒ぐこともないので換気とマスク等で比較的安全な娯楽の一つだと思っていますが、都内はやっとという感じで「規制緩和により再開」となりました。国会見学は受付を制限しているため、通常よりゆったりしていて時間と空間の密がないようです。

 授業参観や校外学習、宿泊学習など、判断に悩みますが、どんなに環境を整え、万全を期したとしても、最後は当事者である「人」の意識と行動です。緋村剣心の言葉を借りれば、“時代を創るのは「刀」ではなく、それを扱う「人」でござる”なのだと考えます。

039 多様性を認め合う(6/3)

 LGBTQあるいは性同一性障害などについて話題とされ、随分と周知されてきたように感じます。高校の女子生徒の制服がパンツも選べるように変わってきましたし、男子生徒がスカートとズボンを併用しながら登校している様子もテレビで映されました。そうした中で、経産省職員の「トイレ使用制限」に関する高裁の判決は考えさせられます。

 大人はどう答えるでしょう。「戸籍上は男性(女性)とされる性同一性障害の人と同じ女性(男性)トイレに入れますか?」

 子供はどう考えるでしょう。「体は女性(男性)だけれど、心は男性(女性)という人がいます。使うトイレは、男性用か女性用か?」

 正解はありませんが、議論を通して理解を深めていくことはとても大切です。教職員や保護者、子供の中にいないとは限りません。カミングアウトできずに悩んでいるかもしれないのです。

  

 朝、校門で見守りをしていた時に、低学年男児が門を入らず、じっと信号待ちをしている男性を見ています。私のような頭で、相撲やラグビー選手のような体格。大きめのTシャツにダボダボのステテコパンツといういで立ち。どうしたのか尋ねると、「なんで男の人なのにスカートを履いているの?」と言います。ズボンの股の部分が膝あたりにありますからスカートに見えるのも仕方ないと思いました。けれども、社会的・文化的につくられる性別(ジェンダー)は、小さな子供の中にも自然と刷り込まれていることを感じました。

038 信じる?信じない?(6/2)

 昨日、5年3組の児童が校長室までお茶を運んできてくれました。家庭科室を使った初めての実習で、湯を沸かしお茶を入れたのです。茶葉や湯の量をきちんと図って入れた、素朴な味が感じられました。

 さて、今日も関東地方は梅雨入りしそうでしない、気象予報士泣かせの天気です。天気に関しては数々の言い伝えがありますが、一般的に「言い伝え」は昔から言い伝えられてきた風習やまじないなどを指します。あまり合理的な根拠はなくても何となく気になるから不思議です。そういう私は、霊柩車を見ると車を運転中でも親指を掌に隠します。ハンドルにはドラえもんの手が乗っている感じです。「死者の魂が入ってくるのを防ぐ」というものです。これを助手席のオーナー様も一緒に実行しているから可笑しくなります。

 「机に足で乗ると勉強ができなくなる」「夜、口笛を吹くと蛇が出る」「物差しで頭を叩くと背が伸びない」「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」など、母や祖母から止められてきました。箸に関する不作法も厳しく言われました。箸で取った食べ物を元へ戻す「そら箸」や食器の上で二人一緒に料理を挟む「二人箸」、料理に箸を突き刺して食べる「刺し箸」、どの料理を食べようかと料理の上であちこち動かす「迷い箸」、食事中に箸で人を指す「指し箸」など。指摘されたことはありませんか?

 「夜、靴を下ろしてはいけない」とも言われます。街灯がない時代は、夜道を歩くことは大変危険だったので、よほどのことがない限り外出することはありませんでした。ましてや暗闇を新しい靴で歩くのは、誰かが亡くなったお通夜くらい。だから、夜に靴をおろすことは死を連想させ縁起の悪いものとされてきました。ちなみに我が家では、新しい靴を下ろす前に、トイレの床にトントンとやって「事故に遭いませんように」と願をかけます。どうも妻の家に伝わる習わしのようですが、今では娘もやっていると言います。

 そうそう、「つむじを3回押すと下痢をする」というものもあって、友達の頭をツンツンしていた小学生時代。懐かしい!

037 音楽と記憶(6/1)

 今日は市川小学校の開校記念日。一昔前なら臨時休業でした。学校だよりにも書きましたが148歳です。築き上げられた歴史の重みを感じます。でも、子供たちは今日ここからの市川小の歴史(未来)を築き上げていく人材です。「温故知新」「不易と流行」…言葉が続きませんが、期待は大きい。

 さて、以前「においと記憶」について書いたことがあります。「音楽と記憶」もまた密接な関係があるように思ったのは、6年教室前の掲示された作文を読んだからです。仮に豆大福を食べているときにテレビからある音楽が流れていたとしますと、豆大福を見るとその曲を思い出し、その曲を聴くと豆大福をイメージすると書いています。また、夏休みの宿題を涼しい部屋で音楽を聴きながらやっていたので、その曲が流れると半袖姿でエアコンの涼しい風を浴びている様子を思い出すのだそうです。なるほどと廊下で感心してしまった次第です。国語科『随筆文を書こう』で取り組んでいた作品なのでしょうか。

 私の場合の音楽と結びつく記憶は…。ちあきなおみさんが歌う『四つのお願い』という曲がありました。この曲と楳図かずおさんの漫画『漂流教室』とがリンクするのです。それも床屋の景色が脳裏に浮かぶから不思議です。散髪待ちの間、ドキドキしながらページをめくっていた時に当時流行っていたこの曲がラジオから流れていたのだと思います。

  

 こんな「音楽と記憶」に関するエピソードがあったら教えてください。支障のない範囲で紹介させていただきたいと思います。