校長の部屋

2021年12月の記事一覧

146 「慢」と「満」(12/23)

 大阪北区の放火で亡くなった24名の方のご冥福をお祈りいたします。出口の塞がれた生き地獄だったのではないかと心が痛みます。「容疑者は61歳」と呟いたあと、ほぼ同年齢であることに気づいたのでした。未だに60歳という響きを自分事としてとらえられていません。

 今日の「冬休みを迎える会」の話は、『極楽と地獄』。簡単に言うと、極楽も地獄も同じ食事が供えられますが、1mを超える長い箸で食べなければなりません。地獄では、食べ物を挟めても箸が長すぎて自分の口にうまく運べずイライラ。結局、食べられないのでみんなやせ細っています。一方極楽では、自分の箸で摘まんだものをテーブルの向かい側にいる人の口に運んであげます。同じように自分も食べさせてもらうのでみんな満足。何を言わんとするかは容易に想像がつきますが、子供たちにはどんなふうに伝わったか聞いてみてください。

 さて、漢字の中にも『極楽と地獄』的な意味があるような気がします。

 例えば、自慢、慢心、驕慢、怠慢、緩慢、高慢、傲慢、我慢、暴慢…。「慢」のつく熟語は様々ですが、我慢以外、自己中心的な思い上がり、あるいは他者を侮り、軽んじる心と結びつきます。私の中に、自己都合しか考えない「慢」の心の表れはなかっただろうかと振り返ってしまいます。「人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、人は自分の鏡と思ってみると反省しきり。

 一方、同じ音読みでも「満」という文字に変えると、満悦、満喫、満足、満身、豊満、円満、満点、満塁、満場…となんかよい響きの熟語ばかり並びます。

 いただいた学校評価を参考に、改善を試みながら子供たちの満面の笑顔が見られるように、1月からまた頑張ります。そのためには、保護者や地域の方々の声は貴重です。来年は、固定観念にトラわれず、新しいことにトライして、笑ガオーが絶えない一年にしたいと思います。

 おあとがよろしいようで。事故やケガ、病気なく過ごして、よい年をお迎えください。

145 頭皮は寒冷地仕様!(12/22)

 澄んだ冬場のキンキンと張りつめた空気。先の日曜日は青空が広がり、富士山がくっきり見えました。夕方のオレンジ空の向こうに見える場合もありますが、午前中の方が得した気分になるのは、その日が良い一日になりそうな予感がするからでしょう。逆にこうした日の日本海側では荒れた天気です。今シーズンの千葉県での雪はどうなのでしょう?

 さて、冬の外出は防寒が重要です。肌が寒風にさらされるのは、主に頭(顔)・首元・手です。そして、装着は順を追うように、手袋に始まってマフラー、最後に帽子というのが私。他人が一番心配してくださるのが吹き晒しの頭。でも、不思議と耐えられるのです。

 首元にはネックウォーマーが便利ですが、おしゃれをしたいならマフラーです。その巻き方にもいろいろありますが、この時期になると記事によく紹介されています。先日「ピッティ巻き」が図入りで新聞に載っていたのでチョキチョキ。家で試してみましたが…高齢者には似合わない?

 さて、コロナの影響かどうかはわかりませんが、地方へ移住する人も少なくないようです。私にとって、北海道は魅力的です。でも、冬の北海道を想像するとやっぱり無理そうです。聞くところによると、北海道在住の方はあまり厚着をしていないらしいのです。寒さ慣れのせいではなく、あまりに寒すぎるので外出しないから。道内の屋内はどこも暖房を効かせてポカポカ、屋外は冷蔵庫といった寒暖の差が激しく、インナーで防寒対策をすると屋内で汗だくになります。そこで、着脱のしやすいアウターの重ね着が基本だとか。それぞれの地の気候を踏まえた服装や知恵があるわけです。

 私の頭皮も自然と、都心の寒さ程度なら十分耐性のある仕様になってきているのかもしれません。厚いのは面の皮だけではないようです。

144 夢をありがとう(12/21)

 6年生児童の作品ですが、なんて読めますか。「ありがとう」の5文字を使って「夢」。漢字アートですが、筆づかいも素敵です。(作品を掲載することは本人の了解を得ています)このほかにも、この5文字で、「宝」「愛」「美」「誇」「桜」「歌」「徳」「結」「産」「翼」などを書いてみようとする発想が好きです。

 

 もう1枚の写真も、同じ「夢」を描いていますが、ひらがな5文字がわかりますか?気づくと、なるほどと感心してします。ぜひ自力解決を!

 

 この6年生の卒業文集もとりまとめが済んだようです。今年度は、自分の考えを「書く」ことに力を入れていましたので、一人一人がどんな内容をどんなふうに書いたかが楽しみです。それとクラスのページも学級のカラーが出るので興味深いのです。子供たちの手元に渡るのは卒業式の数日前です。校長室にある「秘密の部屋」には、過去の卒業アルバムが保存されています。そういえば、南極の氷をくださった保護者の方の写真を、他校の卒業アルバムで確認しました。知的な可愛さがあります。私も含めて、みんな若かったのです。

 今年一年間、ありがとうございました。そして子供たちよ、夢をかなえよう!

143 親知らず(12/20)

 「親知らず」の痛みを経験したことがない私。8番目の奥歯の根っこすらないのでしょう。その理由を「まだ大人になりきれていないからじゃない?」と分析されますが、反論できないことが悲しい。

 先週、日本漢字能力検定協会が発表した、2021年の漢字は「金」でした。27年続く中で4回目の「金」だそうです。コロナ禍で実施したオリンピックやパラリンピックの金メダルは大きな喜びでしたし、二刀流・大谷翔平選手や藤井聡太四冠の活躍は圧巻です。つらい時だからこそヒーローを待ち望むのだと思いますが、私が今年を漢字一文字で表すと何だろうと悩みます。

 一方、週刊誌や著作物の見出しを覗くと、「A級戦犯は誰だ」的な記載をよく見かけます。何かある度に必ず悪者を仕立て上げようとします。そうすることで安定するのかもしれません。視聴率のよいテレビドラマにも悪役というか憎まれ者が存在します。時代劇にも悪代官が登場していましたから、視聴者を引き付け、何とかやっつけてやりたいという団結力にも似た感情を湧きあがらせる気がします。

 保護者や学校は、悪者(弱点)探しをするより、対象をよい方向に高めていくことに力を注ぎたいものです。挑戦する気持ちと行動の過程に価値を見出し、メダルをあげるつもりで…。すると、知らず知らずと、メダルの色が金色に近づいていくかもしれません。それはうれしい親知らず!

142 実践を通して(12/17)

 1週間ほど前になりますが、正門の看板を新調しました。古いものがボロボロの状態だったので交換です。書く言葉も考えます。ネット上にはあげ足を取るようなコメントが散見されるからです。以前の「学校に用の無い者の立入~」だって、「児童の写真を撮りたいという用があったから」などと言い訳されかねません。「許可なく校内への立ち入りを禁じます」ですら、「“許可なく”は連用形なので、これは体言の“立ち入り”にはかからず、用言の“禁じます”にかかる」と写真付きで解説。だから、その方が「これなら許せる」という表現にしました。ただ、白地のままでは寂しいので、水色で縁取りをしてみましたが、お気づきいただけたでしょうか?

 

 さて今日は、「学力向上推進指定校公開研究発表会」を実施します。国語科で特別支援学級を含めた7学級が展開します。研究主題は、『進んで学びに向かう子供の育成』で、5年前から取り組んできました。そして、『深い学びにつながる“対話的な学び”の充実を通して』追究した一年間です。さらに、低・中・高・特支別に手立てを絞って、物語文や説明文などで実践を重ねてきました。

 今日は、第1学年「スイミー」、第2学年「かさこじぞう」、第3学年「川をさかのぼる知恵」、第4学年「ウミガメの命をつなぐ」、第5学年「まんがの方法」、第6学年「自分の考えを発信しよう」、ひまわり「さけが大きくなるまで」を展開します。指導いただいたことを、子供たちに還元できるようにすることが目的ですので、普段どおりに…。

141 炬燵が恋しい(12/16)

 寒い日が続くと、「炬燵(こたつ)が恋しい」「ストーブにあたりたい」と思ってしまう私。家でも学校でもエアコンですが、手がかじかんだ時こそストーブの前にしゃがみこんで揉み手しながら温まりたくなるのです。この「ストーブにあたる」「焚火にあたる」といった「あたる」という言葉、経験がない子供たちも辞書にはないでしょうが、そのぬくぬくとした感覚は知ってほしいと思います。

 また、床暖房が当たり前になった我が家からは、炬燵が姿を消して久しい。炬燵に掛った布団に頬ずりしながら家族みんなでテレビを見たりみかんを食べたり…。夜はこたつに入って寝てしまって、翌日は喉が痛いとか…。もっと懐かしいのが掘りごたつ。熱源は練炭、まさに冬の風物詩でした。

 冬の風物といえば「行火」。夜、寝る前に入れておけば、布団の足元を温めてくれたもの。そう、「あんか」です。子供のころは、湯たんぽや電気あんかではなく、「豆炭あんか」が我が家の主流。火鉢で赤々となった豆炭をあんかに入れれば(写真)最強の暖房器具でした。

 

 さらには、今でこそ使い捨てカイロが当たり前ですが、カイロといえば「白金カイロ」。ベンジンを入れて着火すれば、今の使い捨てカイロより断然長持ちだったようです。断言できないのは、祖母が使う様子を羨ましく見ていただけでしたから。でも、ベンジンの匂いが独特だったのを思い出します。

 年末年始には家族が揃う機会が多くあります。炬燵は無理でも、暖かさに包まれながらたくさん話をして、心もポカポカに。ぜひ楽しい会話やファミリーゲームなどで盛り上がってください。焚火を囲んでもいいなぁ。

 ♪ たきびだたきびだ 落ち葉焚き~ あ~たろうか あたろうよ~♪

140 見えないところにこそ(12/15)

 新聞をめくっていると、見開きに面にわたって黒を基調とした企業広告が現れました。巨大な地下下水道トンネルです。そして、「幻の川 UNDER RIVER」と書かれています。そのすぐ脇にQRコードがあるので覗いてみると、新しい発見があります。原文のまま紹介します。

“ 年々増える集中豪雨。コンクリートに覆われた都市の、行き場のない雨水。

その雨水は、東京の地下30メートルにある巨大な地下トンネルに流れ込む。

その時、幻の川「アンダー・リバー」は現れる。

地下街、地下鉄、地下道路・・・ 街と同じように、複雑な発展を遂げた東京の地下。

(中略)東京の下に広がる幻の川「アンダー・リバー」。それは、都市を守る秘密。”

 近年のゲリラ豪雨などで、都市部の下水処理能力が限界を超えていることがニュースの映像からも伝わります。タワーマンションの地下電気設備が浸水して機能不全に陥った案件が2年前にありましたし、地下街や地下鉄なども。暮らしを支え、安心できるようにするために被害を最小限に抑えることが急務ですから、そういう意味でのこ「アンダー・リバー」の写真は衝撃でした。

 見えないところにも、いや見えない場所だからこそ人間の知恵と努力が詰まっているように感じます。学校における「アンダー・リバー」は何なのか、ゆっくり考えてみることにします。

 そういえば、学校でもこのQRコードを活用し始めています。学校評価にもご協力ください。

139 思い込み(12/14)

 この時期になると、新聞に「エルメス」や「シャネル」などの一面広告が登場します。クリスマス商戦たけなわといったところでしょうか。折り込み広告にも「年末・冬」を感じますが、私が冬を感じるのは、トイレに行く回数の増加。今は好きな時間にトイレタイムをとれますが、担任のときはなかなかトイレにも行けないことがよくありました。担任のそんなことを心配してしまいます。

 さて、ある小学校6年生を対象に行われた出前授業で、「あなたがイメージする『社長の絵』を描こう」という課題があったそうです。どんな絵が描かれたと思いますか?ほとんどが中年より上の世代、しかも男性だったそうです。でも、日本企業の社長さんは、年齢・性別・国籍がみんな違います。にもかかわらず、「年配」「男性」の「日本人」という思い込みがあることがわかります。多様性を尊重するような発言をしながら、大人も子供も「思い込み」や「偏見」を捨てられないでいることに気づきます。

 今年は、武田信玄生誕500周年と知りました。「信玄は天下統一を目指したか」というシンポジウム参加者からの質問に対して、「信玄も含めて、全国統一という発想は当時の戦国武将にはない」と専門家が回答しています。結果としての「天下統一」を、まるで誰もが最初から目指した目標ととらえてしまうことも、少しだけ歴史をかじった私たちの思い込みかもしれません。

 でも、強い思い込みが自分を勇気づけてくれたり背中を押してくれたりすることだってありますから、悪いことばかりじゃないはず!

138 2022年は寅年(12/13)

 先週、計画委員会担当の教員から相談がありました。児童のあいさつ運動を、これまで何回か行ってきたが、子供たち自身が手応えを感じているとのこと。そこで、今後、負担にならない程度で、定期的(毎週水曜日)に実施したいけどよろしいかという内容。児童からの提案です。もろ手を挙げて大賛成!こういう何でもないことが喜びです。

 さて、今年の干支は何ですか?と問われて「丑」と即答できる人はどの位いるでしょう。来年の干支が「寅」だから…と考えてしまいます。妻は寅年。なぜかうれしそうです。「だって、年男・年女って12年に一度でしょ。だから、一年間ずっと自分の年だと思うとラッキーという感じがしない?」と話します。めっちゃポジティブで、羨ましい!

 この「虎」にまつわることわざで、すぐに思い浮かぶのが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」とか「虎の威を借る狐」でしょうか。「前門の虎、後門の狼」というのもありますし、「虎の巻」「張り子の虎」「虎視眈々」なんて慣用句も。調べればほかにもたくさん見つかることでしょう。

 中学校だったか高校だったか、国語の教科書にあった『山月記』(中島敦)。詩人になるという夢がかなわず、自分の運命と羞恥心のあまりに人喰い虎になってしまった主人公の変身譚で、印象的だったのを思い出します。

 さて、贈答用の品を探しに「とらや」へ行きました。この屋号の由来は、店主が信仰する毘沙門天にゆかりの深い動物が虎であることだとか。看板や暖簾を見て、「やらと」だと思っていたのはいつのことでしょうか。とらやの羊羹を食べて、来年が(来年も)良い年になるように祈願しようかなぁ。米屋の栗蒸し羊羹もいいなぁ。

137 思いのキャッチボール(12/10)

 1968年の今日、日本犯罪史に名を残す「三億円強奪事件」が発生した日です。(写真の意味は、わかる人にはわかるのですが…)

  

 強奪するわけではなく、思いがけず人からプレゼントをいただく機会、逆にプレゼントする機会があるものです。そうした時の対応・反応は、下手するとその人の人間性の評価にもつながりかねないように思ってしまいます。プレゼントに限らずとも、何かをしてもらったときに、「ありがとう」という言葉が自然と口から出たり表情でお礼をしたりしているでしょう。子供たちの中にも、できる子が意外と少ないことに気づきます。また、大層なことや見返りを期待しているわけでなく、ただ喜んでほしいという思いで出た行為に、そっけない態度で返されると残念ですし、張り合いがなくなりませんか?

 立場上、実習で作ったものを食べさせてもらうこともよくあります。感想を手紙に書いて教室にもっていきますが、喜んでくれているでしょうか。うれしかったから返事をするだけなのですが、何でもない対応やリアクションが次への意欲・動機付けになることもありますし、何より子供自身の自尊感情を高める絶好のチャンスだと思うのです。だからこそ、相手の思いを酌みとって丁寧に返してあげるキャッチボールがとても大切だと考えます。張り合いが出て、張り切って挑戦する子が増えていくことを願います。大人だって同じ!

136 ご縁が無くてよい話(12/9)

 机にスーパーなどの広告を広げてグループ学習をしています。よく見ると、算数「割合」の学習で、「~%(割)引き」という箇所を見つめています。身近なものを利用することで理解が深まるでしょうし、応用力もつくでしょう。理科「水溶液」の学習では、普段使われている様々な液体を、酸とアルカリに分ける実験をしていました。学習は教室だけで完結するものではないことを知り、興味関心を広げていってほしいものです。

 さて、最近むせることが多くなったような気がするのです。麺をすすって隣で咳き込む妻。テレビを観ていて唾を飲み込んだ拍子にむせ返る私。咳が止まらず、息も吸えず、死ぬ思い。そしてどちらともなく「やばいね」と言葉を交わすありさま。

 この「むせ」の原因を、国立長寿医療研究センターでは「飲み込んだ食べ物が通る時に誤って、呼吸をするための管(気管)に入ってしまうことが起こりやすくなります。食べ物が呼吸をするための管やその先の肺に入ってしまうと、息ができなくなったり、肺炎になったりするため、勢いよく空気を吐き出して食べ物を外に出そうとします。この勢いよく空気を吐き出すのが『むせ』です。」と説明しています。そして、①食べ物が間違って入ってしまったことを検知する感覚、②危険な感覚を処理して、むせるように指令する中枢、③空気の強い流れを作り出す筋肉、この3つが揃って「上手にむせる」ことができるそうです。ん?つまり、むせられるということはよいということ?

 逆に、むせることがないまま気管に食べ物が入ってしまう「誤嚥」がもっとも危険です。嚥下障害も、一般的に60歳前後から多くなるといいます。加齢以外でも、口内炎や歯槽膿漏、虫歯、扁桃炎などからむせが起こる場合もあるそうなので、若いから安心ということはないようです。と、仲間に引き入れようなんて魂胆だから、何もないところで躓いて「ヤバッ」と思う瞬間があるのかも…。

135 命名!(12/8)

 私の名前は、蜂須賀久幸。漢字を説明する際には、「ミツバチの蜂に、横須賀の須賀」「永久・久しいの久に、幸せ」と伝えます。でも隣で「久しぶりに幸せ~」と言って笑っている輩がいます。

 子供の名付けには、きっと思い入れや拘りがあるかもしれません。私の息子は「冬馬」と書きますが、これは娘が生まれる前からの男の子ヴァージョン候補でした。当時、6年生の国語教科書に『道産子』という単元があり、どさんこ馬の生命力に感動して、「冬」と「馬」を使ったのです。

 さて、11月末に明治生命が、今年人気だった名前を発表しました。男子は、「蓮」「陽翔」「蒼」「湊」、女子は「紬」「陽葵」「凛」の順です。使用漢字人気ナンバーワンが、男子「翔」、女子「花」。読み方ランキングでは、男子「ハルト」、女子「メイ」なのだとか。そういう目で全校児童名簿を眺めると、ちゃんといるじゃありませんか。ただ、文字や読み方が一緒でもそこに込められた思いは千差万別。今後も、スポーツ界で活躍する選手にあやかった名前や藤井四冠の名前をもらった「聡太」くんのランキングもアップするのでは?

134 インスタから(12/7)

 インスタの表示の仕方が変わってからよく目にするのが、面白いテスト間違い解答。思わずクスッと笑ってしまします。

■一兆(丁)目の角を曲がる  

■空(家)に帰る  

■住めば港(都) 

■休日に家で死(詩)を味わう  

■球を切った切り口の形 ➡ まっぷたつ(円)  

■文をうまくつなげる問題 ➡「〔A君はお母さんにいつも怒られてばかりです。昨日も〕お母さんに怒られて〔ます。だから、今月の目標は〕ひっこし!」

 子供たちが真剣に考えて絞り出した解答であることがわかるから面白いのです。間違えた解答に朱で添えられたコメントも粋だと嬉しくなります。「“文集”という言葉を使って長い熟語を作りなさい」という設問に対し、「週間文集」と書いた子供。これに対して「週刊文春かな?」と書いて○をつけてくれています。「水という文字を使った言葉を書きなさい」という問題に「水どう」「水みんぐ」。切り返すためには、心の余裕が必要です。

 このほか、渡辺博史氏の「心戒十訓」ということばの一部。「人間関係は、相手の長所と付き合うもの」「人に何をしてもらえるかより、自分に何ができるか」は私自身が心したいこと。「挨拶はされるものでなく、するもの」「分かるだけが勉強ではない できることこそ勉強」「どこを出たかでなく、何ができるか」は、子供たちに向けてよく話すこと。

 10個目が「いい人生は、いい準備から始まる」とありますが、2022年をよい年にするための準備を、今から始めても早すぎ(遅すぎ)るということはないはず!

133 星座名になる前に…(12/6)

 新型コロナの感染者数激減は東京都のデータ比較がわかりやすいと思います。夏には5千人超だった感染者がその5百分の1~千分の1に減っているわけですから…。今年の年末年始への期待が膨らむ現在です。その一方で、11月下旬、感染拡大したオーストリアでのロックダウンが報じられました。新たなオミクロン株が欧州で急拡大しているようです。

 お隣の韓国でも、規制緩和による人の動きが活発化したことで感染者が過去最高に達したといいます。「規制緩和」といえば響きはよいのですが、「気の緩み」と言い換えられないようにしたいものです。今後の状況如何を問わず、これまで通りの丁寧な対応と慎重な行動、そして意識継続を学校では続けていきます。現在のギリシャ文字で足りなくなったら、変異種の名前が星座名になると言われていますが、そうならないためにも…。

 さて、日曜劇場『日本沈没』を毎週楽しみに観ています。CGのリアルさに今更ながらに驚いたり、「おいおい、そんな簡単にビルが倒壊しているのに、あなたのいるビルは無敵?」と茶々を入れたり…。それでも、警戒するのはコロナの変異種だけではないことを思い起させます。温暖化による自然災害や直下型地震などいつやってくるかわからないことへの恐怖!そのための備え。今自分にできることを思いながらも、行動とならない自分の弱さを感じてしまうのです。

132 難しいことをやさしく(12/3)

 先日30日に葛南教育事務所及び市教委の合同訪問がありました。全教員が全教科にわたって授業展開をしました。こうした機会を授業力アップのチャンスととらえて準備をしました。

 校長や教頭も例外ではなくご指導いただきます。その中で「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」という言葉がありました。授業研究を熱心にしていた頃を思い出します。この言葉にはさらに続きがあります。「面白いことをまじめに、まじめなことを愉快に、そして愉快なことはあくまで愉快に」と。井上ひさし氏が生前に繰り返し言っていたことだといいます。

 最初に難しいことに出会ったときは、やさしく紐解く支援者が大切ですし、学び進んで面白さを感じるようになれば、創造(想像)力が試されます。「愉快」の域に達するには周りの仲間との協働とユーモア溢れる環境は不可欠と思われます。まさに学びの世界!その演出は、担任の醍醐味です。

 また、こんな話もありました。例えば自転車に乗る練習をしている場面で、大人が子供の腰に軽く手を添えて押してあげたとします。これまで乗れなかった子が自分で漕いで進んでいきます。その子は、大人の手の補助があったことなんか忘れて、自分の力で乗れるようになったと喜びます。程度の差こそあれ、私たちはこうした「勘違い」によって自信をつけてきたように思うのです。学校や家庭、地域の「魔法の手」「魔法の言葉」に包まれた子供たちなら、自信や自己肯定感が高まること請け合い!“魔法のコトバ~♪ 口にすれば短く だけど効果は 凄いものがあるってことで”(by スピッツ)

131 あなたなら?(12/2)

 野球の日本シリーズはヤクルトの優勝で幕を閉じましたが、シリーズ第4戦(11/24)に、道徳の教材になりそうな出来事がありました。

 1点リードの7回2死の場面で、ヤクルト青木選手の打席です。内角球が右手付近に当たり、バッターボックスで倒れこみました。審判は、手に当たったと判定(死球)しました。トレーナーが駆け寄り、監督も心配そうに見つめます。ですが、青木選手は立ち上がるとともに、バットのグリップに当たったことを自ら申告したのです。黙っていれば2アウトながらランナーが出て、追加点が狙えるチャンス。にもかかわらず、ファウルとして試合続行を選択したわけです。結局、遊ゴロに倒れました。

 スポーツマンシップを称える声がたくさんある一方、昔は一つでも塁を埋めるために、当たってもいないのにまるで当たったかのような演技で審判の目を欺こうとしたT選手は有名です。ただ勝負ですからきれいごとばかりでは通用しないのも事実。駆け引きだって大事な戦略ですから…。正直、私ならどうしただろうかと自問しました。

130 師走です(12/1)

 鼻歌を歌いながら歯磨きをしている私。♪白ヤギさんからお手紙着いた~♪2番まで歌って、「この結末はどうなったんだっけ?」と、ふと思います。調べてみると、作詞はまどみちおさん。2番までしかなくてエンドレス。曲名が『やぎさんゆうびん』というのも改めて知りました。「『やぎさんゆうびん』の謎」といった論文調のサイトまであるので、同じような疑問を感じる人は少なくないようです。

 ところで、「ヤギ=紙を食べる動物」というイメージは本当なのでしょうか。ヤギは木の葉を好んで食べる動物です。木の葉にはたくさんの繊維があって割と固いのですが、胃の中でバクテリアが木の葉を溶かして消化する働きがあるようです。昔の紙の材質だった植物の繊維の匂いを木の葉と勘違いして口にしてしまうのではないかと言われています。でも、現代の紙は化学繊維や薬品などが使われているために、消化不良による腸閉塞などを起こす場合もあるそうですので、くれぐれも与えないようにしないといけません。

 早いもので12月となりました。日暮れの速さにびっくりするように、12月一日一日のスピードには目を丸くします。それでも今年を振り返った時に、「終わり良ければ総て良し」と言えるといいなぁと今から思う師走の初日です。