校長の部屋

2021年12月の記事一覧

146 「慢」と「満」(12/23)

 大阪北区の放火で亡くなった24名の方のご冥福をお祈りいたします。出口の塞がれた生き地獄だったのではないかと心が痛みます。「容疑者は61歳」と呟いたあと、ほぼ同年齢であることに気づいたのでした。未だに60歳という響きを自分事としてとらえられていません。

 今日の「冬休みを迎える会」の話は、『極楽と地獄』。簡単に言うと、極楽も地獄も同じ食事が供えられますが、1mを超える長い箸で食べなければなりません。地獄では、食べ物を挟めても箸が長すぎて自分の口にうまく運べずイライラ。結局、食べられないのでみんなやせ細っています。一方極楽では、自分の箸で摘まんだものをテーブルの向かい側にいる人の口に運んであげます。同じように自分も食べさせてもらうのでみんな満足。何を言わんとするかは容易に想像がつきますが、子供たちにはどんなふうに伝わったか聞いてみてください。

 さて、漢字の中にも『極楽と地獄』的な意味があるような気がします。

 例えば、自慢、慢心、驕慢、怠慢、緩慢、高慢、傲慢、我慢、暴慢…。「慢」のつく熟語は様々ですが、我慢以外、自己中心的な思い上がり、あるいは他者を侮り、軽んじる心と結びつきます。私の中に、自己都合しか考えない「慢」の心の表れはなかっただろうかと振り返ってしまいます。「人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、人は自分の鏡と思ってみると反省しきり。

 一方、同じ音読みでも「満」という文字に変えると、満悦、満喫、満足、満身、豊満、円満、満点、満塁、満場…となんかよい響きの熟語ばかり並びます。

 いただいた学校評価を参考に、改善を試みながら子供たちの満面の笑顔が見られるように、1月からまた頑張ります。そのためには、保護者や地域の方々の声は貴重です。来年は、固定観念にトラわれず、新しいことにトライして、笑ガオーが絶えない一年にしたいと思います。

 おあとがよろしいようで。事故やケガ、病気なく過ごして、よい年をお迎えください。