校長の部屋

139 思い込み(12/14)

 この時期になると、新聞に「エルメス」や「シャネル」などの一面広告が登場します。クリスマス商戦たけなわといったところでしょうか。折り込み広告にも「年末・冬」を感じますが、私が冬を感じるのは、トイレに行く回数の増加。今は好きな時間にトイレタイムをとれますが、担任のときはなかなかトイレにも行けないことがよくありました。担任のそんなことを心配してしまいます。

 さて、ある小学校6年生を対象に行われた出前授業で、「あなたがイメージする『社長の絵』を描こう」という課題があったそうです。どんな絵が描かれたと思いますか?ほとんどが中年より上の世代、しかも男性だったそうです。でも、日本企業の社長さんは、年齢・性別・国籍がみんな違います。にもかかわらず、「年配」「男性」の「日本人」という思い込みがあることがわかります。多様性を尊重するような発言をしながら、大人も子供も「思い込み」や「偏見」を捨てられないでいることに気づきます。

 今年は、武田信玄生誕500周年と知りました。「信玄は天下統一を目指したか」というシンポジウム参加者からの質問に対して、「信玄も含めて、全国統一という発想は当時の戦国武将にはない」と専門家が回答しています。結果としての「天下統一」を、まるで誰もが最初から目指した目標ととらえてしまうことも、少しだけ歴史をかじった私たちの思い込みかもしれません。

 でも、強い思い込みが自分を勇気づけてくれたり背中を押してくれたりすることだってありますから、悪いことばかりじゃないはず!