校長の部屋

087 選択肢を増やす(9/24)

 私の県内公立高校受験は、学校格差の均質化を狙った「学校群制度」最後の年。そして大学受験は、共通一次始まって2年目だったでしょうか。こんなことを思い出したのも、だいぶ古い話題ですが、最終回の視聴率20%超だった『ドラゴン桜』を見て、現在の大学入試制度に驚いたからかもしれません。

 今の腹黒さとは無縁の純粋だった高校時代。専ら球拾いと先輩のパシリ専門だった1年生の部活。昼食後に部室に行って、先輩の注文を聞いて、近所の商店へ飲み物やパンを買いに行きます。昼休みは、部室にある牛乳瓶ケースの前に手をついて逆立ち。もう一人が1曲歌い終わるまで耐え抜くというもの。友達を救うために大事なのは選曲。部活が始まる前の時間は、小石がごろごろするグランドの端で、1年生10人位が寝そべる上を越える跳び込み前転をやらされます。こんな慣習は断ち切ることを誓った先輩が引退した夏。1時間に1~2本しか電車がない練習試合の相手校。帰りの電車が不通となって、みんなで線路の上を歩いて帰った映画のワンシーンのような思い出も。

 「もしもあの時、違う道を選んでいたら…」という思いは人それぞれ。過去に戻って人生の選択をやり直すことができる不思議なタクシー。竹野内豊さん主演の『素敵な選TAXI』というドラマです。一方、未来が無限に広がる子供たち、「あの時点に戻ってやり直したい」と後悔することなく、自分の信じた道を歩んでよかったと胸が張れるようであってほしいと願っています。長い人生の分岐点における選択肢を増やすためにも、何をどのように学び、どのように解決していくかを授業の中では大事にしています。

 昨日、映画『マスカレードホテル』を観ました。もしかしたら、私にも「刑事」とか「ホテルマン」という選択をする分岐点があったのかも?「いやいや、あり得ない」という否定の声が聞こえてきます。