校長の部屋

180 思い込み(2/25)

 車内電子広告の「1110City」という文字に目が留まりました。ある都市を指しますがおわかりになりますか?これ、「川口市」なのです。お見事と思って話したら、「別に」という素っ気ない返事。

 第2問ではありませんが、「貼付」の読み方は?お恥ずかしながら、ずっと「てんぷ」と思い込んでいたのですが、「ちょうふ」と知ったのは…少し前。その時、人前で声に出さなくてよかった!と胸をなでおろしました。「ば~か」と言われて返す言葉がございません!

 それなら「御虎子」はどうだ?PCでは漢字変換をしてくれませんでしたが、広辞苑などにはちゃんとあるからビックリ。赤ちゃんの使う「おまる」と読むそうです。

 さて、“奥様、(略)私は今、あなたの前に、私の犯してきました世にも不思議な罪悪の告白をしようとしているのであります”という不気味な手紙に始まり、最後のトリックに至るまで、ドキドキしながら読んだ記憶のある江戸川乱歩『人間椅子』。図書館で他の作品を何冊も借りましたが、怪人二十面相シリーズより印象に残っているのがこの作品です。江戸川乱歩ほか探偵小説と呼ばれるものには、様々なトリックが隠されています。それを考えながら読むのが楽しいわけですが、この「トリック」は人の思い込みを利用しているようにも思うのです。

 人と会話したり、子供の話を聞いたりするとき、ある場面だけを切り取ったり極端に焦点化して考えたりしてしまうと、本質や真実、全体像がかすんでしまう危険性があります。もしかすると、話している内容に脚色がないとも限りませんし…。思い込みや先入観を一度放棄して考えてみると、違った側面が見ててくるかもしれません。トリックを見破るつもりで…?