校長の部屋

189 百人百様(3/10)

 いわさきちひろ。高校生の頃に初めて知った名前でした。岩佐吉比呂みたいな感じで男性とばかり思って美術館へ足を運んだら、経歴を見て女性だったことを知りました。有名な絵がたくさんありましたが、淡いぼんやりした色づかいが自分好みではなかったのを思い出します。

 

 ニュースの情報コーナーで、家で習字の練習をする母子の様子が流れます。そして母曰く「家では素足で過ごすので、足の上に文鎮を落としたらけがをするから心配です」と。そして、漁業用の網で作られた綱状の商品が紹介されました。「へっ?足に文鎮が落ちることを心配する人なんているんだぁ」と思いながらも、そう考える人もいることを受け入れたのです。

 スポーツコーナーでは、プロ野球のオープン戦の様子が映し出されます。日ハムの新庄監督もよく取り上げられています。すると突然、「オープン戦って何?」と尋ねられました。「知らないの?」と思いながら簡単に説明すると、「助走みたいなもの?」とまだわからない様子。さらに補足すると、「練習試合なら、そう言ってよ」と宣います。

 趣味や嗜好、心配の種、知識、みんなそれぞれ違うことがよくわかります。それを尊重し、認め合うことの大切さも。4月に入学する子供たちも百人いれば百通りです。また、4月生まれと3月生まれの一年の差は、入学時は顕著かもしれません。当然、保護者の方だって百通り!だからこそ、丁寧にみて、丁寧に聴くことから始めます。楽しみ!