校長の部屋

015 グッドルーザー(4/26)

 東京五輪男女サッカーのグループリーグ組み合わせが決まりました。男子は、南ア・メキシコ・フランスと同組。なでしこは、カナダ・イギリス・チリとの予選リーグです。代表や五輪、Jリーグ関係なく、サッカー観戦は楽しみですから、オリンピックが行える状況になることを願います。

 さて、スポーツの世界に、「グッドルーザー(Good loser)」という言葉があります。「スポーツの世界の勝者は、金メダルを取った人ではなく、グッドルーザーである」「負けた時に何を考え、何を学び、どんな行動をとるかが問われる」という俳優のセリフがありました。

 勝利を目指して奮闘するアスリートの姿は美しく見えます。でも、魅力は勝者の姿だけではありません。敗れてなお相手を称え、毅然として戦いの場から立ち去る姿も心に響くものがあります。Jリーグ初代チェアマンだった川淵三郎氏は、すべてのアスリートに対して「グッドルーザーたれ!!」と説いています。

 過去のオリンピックで印象的だったシーンは、男子マラソンの谷口浩美選手が途中で靴が脱げて転倒した場面とレース後に「途中でこけちゃいました」と笑顔で話したインタビューです。悔しかったでしょうに、勝敗なんてどうでもよいと思わせる人間的な大きさを感じました。そして、世紀の大誤審といわれる柔道・篠原信一選手の決勝後の言い訳をしなかった姿にも感動したことを思い出します。

 子供たちにもグッドルーザーの精神を知って、友達関係をさらに広げていってほしいものです。