校長の部屋

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019 わかってくれる安心感(5/6)

 GWは如何お過ごしになられましたか?今日以降発表される感染者数がどういう変化を見せるか心配でもあります。

 昨年度の学校だよりNo.39に書きましたが、「化学物質過敏症(MCS)」について再度触れます。柔軟剤や芳香剤などに含まれる人工的な香りによって、頭痛や吐き気といった体調不良に悩む人が増えているというものです。一般的によい香りとされる商品の中に含まれる化学物質が引き起こすもので、「香害」とも呼ばれています。心の病気と間違われたり、周りに理解されなかったりして、仕事を辞めざるを得ないとか引きこもるとかいうケースがあるといいます。異常を感じたのはある日突然らしく、同僚の柔軟剤やハンドクリームの香りがだめで退職せざるを得なかった人もいます。また、重いアレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こした人もいるそうです。手洗い用に香料を使わない無添加の石鹸を必ず持ち歩くともいい、「香りから逃げられない」という悩みは切実です。「化学物質過敏症」の専門医が少ないこと、アレルギー検査等でも原因も分かりにくいことが、困り感を深めている要因かもしれません。

 誰かが知ってくれている、わかってくれるということは、MSCに限らず、きっと生活する上での安心感になるはずです。その人を丸ごと受け止めようとする気持ちに溢れる、支え合い(愛)の学校・地域でありたいと願います。

 さて、学級の役員・委員を快くお引き受けいただいた皆様、ありがとうございます。そしてよろしくお願いします。また、事情あって委員にお名前のない方も、誰がどんな活動をしているのか理解して、できるところで支えていただきたいと思います。

018 クールビズを前に(4/30)

 校長室のアマリリスが開花しました。1年前に湯沸かし室の奥からやってきて2度目です。今週は、6年生がものを燃やした後の気体の変化を実験しています。20年前はCOを石灰水の白濁で確認しましたが、ここ十数年は気体検知管を使って数%レベルで検知ができます。ロウソクに恐々とマッチで火を点けていた姿も、少しずつ板についてきたように見えます。ただ、マッチを擦るのを、いまだに友達に譲っている姿も…。

 さて、3年生の国語の教科書(上)に『わすれられないおくりもの』という教材があります。賢いアナグマは、みんなから頼りにされていますが、「長いトンネルの向こうに行くよ」と手紙を残して深い眠りにつきます。アナグマの死後、残された動物たちは、アナグマが残してくれた思い出を振り返ります。ハサミの使い方やスケート、ネクタイの結び方、パンの焼き方など…。みんなの心に生き続けていることを確認するのです。大好きな本の一つです。

  

 GW明けから半年間のクールビズ。ノーネクタイです。朝、髪をセットする必要もない私でも、ネクタイを整えるたった1分がなくなることはうれしく、襟元の窮屈さからの解放と併せて二重の喜び。

 ネクタイの結び方には、プレーンノットやセミ・ウィンザーノット、ウィンザーノット、ダブルノットなど様々です。私はもっぱら「ダブルノット」です。なぜかというと、最初にネクタイを締めたときに、父から教わったのがこれだったからです。アナグマの物語ではありませんが、ネクタイの結び方には父の思い出が生きているということです。その思い出としばしお別れ!

017 ニュースキャスター(4/28)

 朝晩のテレビはニュース番組というのが我が家です。「この時間帯のニュースは欠かせない」という方もいらっしゃることと思います。同時に好きなキャスターもいるかもしれません。平日の朝6時、NHKニュースを担当する高瀬耕造さんが「おはようございます」というと一緒に頭を下げて挨拶する妻は、高瀬さんがお気に入りのようです。

  

 時々、日テレの藤井キャスターのコメントが素晴らしいという声もネット上でよく見かけます。私は安住伸一郎さんが好きです。好きな番組の一つに「ぴったんこカンカン」があります。安住さんが様々なゲストとやりとりして、相手の面白さや魅力を引き出す術にいつも感服します。

 「良さを引き出す」という点では教員もそうありたいと思います。相手をいい気持ちにさせる、その気にさせる、雰囲気を作るなど、言葉と表情を豊かに、誠意と敬意をもって接することが大事だと考えます。ただ、なかなか難しいと実感する毎日!

016 鯉のぼりの思い出(4/27)

 スギ花粉もだいぶおさまったようで、ランニングも気楽にできるようになります。田んぼの中の道を走ることがありますが、鯉のぼりが青い空を悠々と泳ぐ姿を見ると気分が浮き立つ自分を感じます。吹き流しに真鯉や緋鯉、青や赤、緑の子供たちと華やかです。ただ、最近では鯉のぼり自体を見かけることが少なくなりました。マンションのベランダにおもちゃの鯉のぼりがくくられていることはありますが…。日曜日に、成田公津の杜公園の鯉のぼり二千匹を見てきました。

  

 私は弟との二人兄弟です。幼少のころは庭に大きな鯉のぼり6~7匹が泳いでいました。時季になると、どこからか職人さんがやってきて穴を掘り、長い竿を立て、ロープで竿を支えます。風が強い日は、てっぺんの矢車がガラガラ音を立て、竿が折れないか心配したものです。

 さて、鯉のぼりの1番上に飾られる、筒状のカラフルな飾りの吹き流しや竿の1番上に付いている矢車。どんな意味があるのか調べてみました。「吹き流し」の歴史は長く、戦国時代には「これ以上災いが起こりませんように」という願いを込めて戦の後に飾っていたといいます。吹き流しのカラフルな色は、「木・火・土・金・水」を表しているそうで、鯉のぼりと一緒に飾ることで、子どもによからぬことが起こっても、邪気を払い守ってくれると信じられていました。

 一方「矢車」は、矢の羽根の部分を車輪状にしたもので、風を受けてカラカラと回転しながら音が鳴ります。神様への目印で、音は魔除けの意味を含んでいます。

 昔勤務した学校には鯉のぼりがあったので3階の窓から国旗掲揚ポールを紐で結んで真鯉や緋鯉を取り付けました。風のないある日、顔くらいまで尻尾が垂れた鯉のぼりに触りながら、♪屋根よ~り~ひ~く~い~鯉の~ぼ~り~♪と歌いながら帰る子がいたことを思い出しました。

 国分川にかかる鯉のぼりを見に行ったことがあります。20年以上も前のことなのに、息子はその時の様子を覚えているようです。今でも毎年数を増やしながら続いているのでしょうか?今度足を運んでみることにします。

015 グッドルーザー(4/26)

 東京五輪男女サッカーのグループリーグ組み合わせが決まりました。男子は、南ア・メキシコ・フランスと同組。なでしこは、カナダ・イギリス・チリとの予選リーグです。代表や五輪、Jリーグ関係なく、サッカー観戦は楽しみですから、オリンピックが行える状況になることを願います。

 さて、スポーツの世界に、「グッドルーザー(Good loser)」という言葉があります。「スポーツの世界の勝者は、金メダルを取った人ではなく、グッドルーザーである」「負けた時に何を考え、何を学び、どんな行動をとるかが問われる」という俳優のセリフがありました。

 勝利を目指して奮闘するアスリートの姿は美しく見えます。でも、魅力は勝者の姿だけではありません。敗れてなお相手を称え、毅然として戦いの場から立ち去る姿も心に響くものがあります。Jリーグ初代チェアマンだった川淵三郎氏は、すべてのアスリートに対して「グッドルーザーたれ!!」と説いています。

 過去のオリンピックで印象的だったシーンは、男子マラソンの谷口浩美選手が途中で靴が脱げて転倒した場面とレース後に「途中でこけちゃいました」と笑顔で話したインタビューです。悔しかったでしょうに、勝敗なんてどうでもよいと思わせる人間的な大きさを感じました。そして、世紀の大誤審といわれる柔道・篠原信一選手の決勝後の言い訳をしなかった姿にも感動したことを思い出します。

 子供たちにもグッドルーザーの精神を知って、友達関係をさらに広げていってほしいものです。