校長の部屋

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75 今こそ見直したい麦わら帽子(9/7)

 校長室の窓がきれいになったことで、夕方の西日が眩しくてカーテンをするようになりました。沖縄や九州地方の台風被害は甚大ですが、関東でも天気図とにらめっこの時が近いうちにやってきます。

 さて、今日も朝から蒸し暑く感じますが、出勤時に電車の冷房が効いていると、一日中ずっと乗っていたくなります。そして、クルマにもエアコンは欠かせません。涼しい風は吹き出し口から出てきますが、窓ガラスから差し込む太陽熱で大事なお肌がじりじり焼かれていることも…。助手席が指定席の妻は、「腕が熱い!」「大腿部が焼ける~」「だから夏は嫌だ!」と座るたびに言います。ある時、麦わら帽子をたまたま膝の上に置いておいたのが効果あったようで、「熱くない」とご機嫌。

 さて、私が小学生の頃は、夏の朝は比較的涼しくて、「夏日」が一般的。「真夏日」なんて限られていましたし、「猛暑日」なんて皆無と言ってよかったくらいです。それでも、外出の際は麦わら帽子を被らされたものです。ジャイアンツマークがついた野球帽がお気に入りだった私は渋々といった感じでした。 

 それでも、帽子の素材として一番良いのは麦わらのようです。わらは空気層が多く、熱を遮断し、頭部の熱や汗による水分をうまく外に逃がす換気効果が優れているらしいのです。また、帽子のつばが広いのが素晴らしいところで、熱中症のリスクが軽減されます。日本人の黒髪は、特に熱を吸収してしまうので、直射日光を防ぐだけで5~10℃前後、頭の温度の上昇を防げるようです。

 登校時の黄色い帽子を、夏場は麦わら帽子にしましょうか。いいアイディアだと思うのですが?

 

74 受け継がれる技と思い(9/4)

 今日も熱中症アラートが発令されました。私は成人男性より歩くのが少し速いと思います。帰るときは、あとは風呂に入ればよいので気にしないのですが、出勤時は少しエネルギーをセーブして歩かないと、Yシャツやインナーがベショベショになります。それでも今日は、すぐにジャージに着替えです。

 さて、10月で米寿を迎える母は、和裁や洋裁、料理などが得意でした。数年前に、初めて入院をするまではずっと台所に立っていたほどです。好きなものを自分で作って食べる、それを待つ人がいることが喜びでした。ただ、今はそれも叶いません。

 元気だった頃、彼岸には必ずと言ってよいほど食卓に「おはぎ(ぼたもち)」が並びました。餡子やきなこ、胡麻の3種類が皿に盛られます。たくさん作っては近所の方にも配っていました。私が結婚してからも同じです。妻は、結婚するまで餡子が苦手でしたが、私の実家で餡子のおはぎを食べて「おいしい」と思ったようです。教えてもらったのか自分で調べたのかして、小豆を煮て自分で作るようになりました。

  

 そのおはぎを、息子夫婦が来た時に食卓に出しました。1歳になったばかりの孫が、餡子をおいしそうにモグモグしているのを見て、息子の奥さんも家で作ったそうです。それを昨晩届けに来てくれました。おいしくできていました。

 母から妻へ、妻から義娘へ、そして孫へと、おはぎの味が伝わっていくことを感じます。味よりもさることながら、それをおいしいと喜んで食べる人の顔を思い浮かべて作る「思い」が受け継がれていくのだと思っています。いつか母も私たちもいなくなってしまいますが、思いと技は受け継がれていくのだと考えると感慨深いものがあります。

 各家庭で子供たちに受け継がれていくことってなんでしょう?意識してみると、胸の奥が熱くなるかもしれません。

73 校長室が明るくなりました!(9/3)

 昨日は午後2時頃から1時間近く、断続的に強い雨が降りました。4年生以下は、雨が収まる時刻を見定めて下校させましたが、お迎えに来てくださった保護者の皆様、ありがとうございました。

 この雨が降り出す20分ほど前から、窓ふきワイパーを片手にホースでガラス窓に水をかけていました。校長室や職員室のガラス窓が、土埃で汚れているのがずっと気になっていたからです。窓からは気持ちのよいくらい汚れがどんどん流れ落ち、反対に背中や頭からは気持ち悪いくらい汗がだらだらと流れ落ちます。さらに、両手が塞がっているにもかかわらずやぶ蚊が腕や頭に止まる始末。

   

 でもきれいで明るくなった窓ガラス越しに、降り出した大粒の雨筋が見えるようになりました。

 あっ、今パソコン画面の前をやぶ蚊が横切りました。パシッ!あれ、左手親指を蚊に刺されている!

72 一気に回答します(9/2)

 PTA広報の質問にお答えしますコーナー。今回でラストですが、そのほかにいただいた質問の回答は、今後発行が予定されている広報誌に掲載されますのでよろしくお願いします。

 さて、今回は3つ一気に回答いたします。

 ① たくさんいる児童の顔と名前をどのように覚えているか

 印象的な出来事があればすぐに覚えます。また、体操服を着てる時が一番良いのですが、話すときに名札や上履き、プリントに書かれた氏名などを手掛かりにしてインプット。でも最近は、忘れてしまうこと、思い出せないことが多くなってしまいました。ヤバい。

 ② 先生以外になりたかった職業はあるか

 小学生の頃、車好きの私がなりたかったのは、一日中ハンドルを握れるタクシーやダンプの運転手。中学生では、「モノづくり」に携わる職人って格好いいと思っていた覚えもあります。これといった特技もありませんでしたから、「これっ!」というものを見つけられずにいたような気がします。

 ③ 子どもが小学生のころ、どのような父親だったか

 初任からずっと少年サッカーに携わっていたので、幼い娘は「お父さんはどこへ行ったの?」と尋ねられると、「学校!」「学校で何しているの?」「サッカー」と答えるほど家を空けることが多くありました。でも、休みの日はよくあちこちの公園に出かけました。低学年までは夜の歯磨きの仕上げをしていましたし、お風呂は交流できる良き遊び場。下の息子とは、交換ノートで、勉強&いたずら描き交流(小4~小6までの3年間で取り組んだ12冊のノートをつい最近発見!!)を続けました。家にいる時間は大事にしたつもりです。ただ、怒ってミカンが飛んだ場面は、娘のトラウマらしいです。

 自分の子供は、いつまでたっても宝物です。学校においては680名の児童が宝物だと思っています。今しか見られない姿に喜びを見出してこそ親なんだと思います。「子供は3歳までに親に恩返しをしている」と言われるそうです。見返りを期待せず、そのままの姿を受け止めていければいいなぁと思っています。

 

71 しゃ~ぼんだ~ま~飛んだ~♪(9/1)

 随分前に「しゃぼんだま」という題の詩が新聞に掲載されていました。

 「あれ? / 飛ばないね / 電波が悪いのかな」

 幼児のつぶやきですが、現代的です。講評にも「しゃぼん玉もWi-Fiで飛ばす時代なのでしょうか」とあります。

 駅への道すがら、たくさんのしゃぼん玉が左から右へ漂うように流れていく光景を目にしました。遊んでいる子を探しましたがどこにもいません。道行く人は同じように目で追っています。ただ、私 も含めて頬がみな緩んでいることがわかります。しゃぼん玉には、怒りや不安を鎮め、人を幸せな気持ちにさせる効果があるような気がします。しゃぼん玉セラピーなどというものを考えている人もいるようです。

   

 むか~し、石鹸を泡立てた手でしゃぼん玉を作って飛ばしたことを思い出します。先日、娘から送られてきた動画には、キッチンで洗い物中に、薬缶の注ぎ口から息を吹き、蓋をかぶせる部分に付いた洗剤を大きく膨らまそうとする様子が映っていました。そして「あっ、割れちゃった!」という消えそうな声も添えられて…。

 私は今でもしゃぼん玉が好きです。夏休み中に、保育クラブの児童が遊んでいるのを羨ましく眺めていたのは、何を隠そう、この私です。

 

70 クルマの進化(8/31)

 8月最後の今日は「長文読解問題」といった感じですが、お付き合いください。

 学校に配備されている公用車で不便を感じるのが、集中ドアロックがないこと。人を乗せるときは4か所全部のロック解除をしなければなりません。また、時々キーの抜き忘れも。プッシュ式エンジンスターターが当たり前になってきている現代、キーを抜くという習慣までが欠落しがちです。こんな風に車はめまぐるしい進化を続けています。

 30数年前、妻と初めて会った日。待っている彼女に、運転席から身を乗り出して助手席側の窓を開けて声をかけました。パワーウィンドウなんて高嶺の花でしたから、ドアについているレギュレーターハンドルをクルクル回したわけです。スルスルっと下がる窓ガラスに、「パワーウィンドウだと思った」と彼女は感動したのです。

   

 今の車には標準装備のない、煙草に火をつけるためのシガーライターや灰皿もありました。チョークボタンなんてものも。寒い時などエンジンがかかりにくくなるので、このレバーを引いて混合気を濃くするための装備です。エンストも日常茶飯事でした。警報機が鳴り始めた踏切でエンジンが止まった時は、心臓まで止まってしまうかと思うほどでした。

 また、ナビの進化にも目を見張ります。昔はロードマップ(小池知事の言うものとは違います)で調べるのが当たり前。助手席に座る妻がナビゲーター。でも、妻は地図が苦手で、上下逆さにしたり傾けたりして道路地図をハンドルのように回して進行方向を探ります。曲がる場所を過ぎてから「今の交差点を右だったわ!」なんて感じで申告が遅れると車内は険悪なムードに。そんなことも日常茶飯事。だから、ナビの登場に妻は喜んだものです。昔のナビにも言葉に反応するタイプがありました。「ピッと鳴ったらお話しください」と言うので「○○」と言うと「???」と考え込んでしまうのです。もう一度「○○」と言い直すと、「××」というとんでもない場所を検索してくれるというありさま。ただ、ナビ画面に登場するお姉さんの服装がドライブのたびに替わるのが楽しかった思い出があります。

 オーディオも同様で、免許取りたての頃はカセットテープです。デッキがついていない車には、ラジカセを乗せて行きました。音楽はラジオの深夜放送からテープに録音したもの。専らShakatak(シャカタク)かTHE SQUARE。テープが伸びてくると音も歪んでひどいものでした。それが今ではBluetoothで、スマホからも飛ばせます。

 三角窓や時速100kmを超えると鳴るアラーム音など懐かしいものは言うに尽くせません。こんな思い出話にウンウンと頷いてくださった方、同世代ですね。「ボディはクラシックでも、最新の装備をまとって進化し続けなければ!」と思いつつ…。(長っ)  クイズ第2弾はここ→校長からの挑戦状2.pdf

 

69 週末は、滴る汗とやぶ蚊への献血(8/28)

 夏休みが終わっても、まだまだやぶ蚊が飛び交う小さな庭の手入れは欠かせません。腕や脚、首といった肌が出ている部分に虫よけスプレーを吹きかけ、庭には空間バリアを張るスプレーで蚊を寄せ付けないようにします。なかなか効果を発揮してくれるのですが、時々頭に蚊が止まります。まさに、お経を書き忘れた芳一の耳(耳なし芳一)状態です。刺されたことに敏感な頭皮ですので、手でピシャリと頭を叩きます。してやったり!手のひらには無残な蚊のご遺体と血が付いています。この様子、はたから見ると、坊主頭のじぃさんが自分の頭をぺしっと叩いている滑稽な光景にしか見えません。血を吸ったお礼に残していった痒みに耐えかねて、ポリポリと頭を掻く姿は、まさに夏の風物詩です。  

 こうして汗びっしょりになった顔と頭を同時に洗面所で洗います。タオルで拭いて部屋に戻ると「臭い!」と言われて、冷感シートで体を拭いている脇で、「消臭!」と言いながらデオドラントウォーターを吹きかける妻がいます。チラッと横を見ると、してやったりの顔!

 明日も汗とやぶ蚊、そして難敵「妻君」との戦いが展開されます。

 

68 餌を自分で探し、獲得できる子に!(8/27)

 芸人の小島よしおさんの「算数」が、ユーチューブで好評だというので見てみました。おっぱっぴー小学校の小島よしお先生の授業は、毎回「ピーヤ!」で始まります。塾の協賛もあり、短時間の中でうまくまとまっています。芸人の話術と道具を効果的に駆使しているので子供には興味がもてると思います。私たち教員も子供の心を惹きつける、ある意味で演技・演出は不可欠ですが、様々な目がありますから過剰には注意が必要です。

 ただ、ユーチューブの映像は一方通行であるため、「考える」より「教える」に力点が置かれているのは否めません。ですから、復習や確認、苦手克服の手立ての一つとして活用するのであれば楽しく学習できると思います。教科書会社の動画とともに、一度ご覧ください。

 今後数年は、新型コロナ感染症とうまく付き合いながら学校生活を送ることが求められるといいます。オンラインによる双方向型学習への環境整備も着々と進みつつあります。オンライン授業が終着点ではありませんが、まずは教員誰もが効果的な活用ができるように慣れることから始めなければなりません。子供たちに至っては画面から与えられる餌(知識等)をついばむだけでなく、自ら新しい餌(知識・思考判断力・表現力など)を求めて自ら行動・獲得できるようにしていかなければなりません。これは、本校の学校経営全体計画に謳っていることに通じていると考えています。

67 プレゼントできるように(8/26)

 最近、毎日Yシャツの胸ポケットに写真のボールペンをさして教室を回っています。目立つこともあって、子供たちにはなかなか好評のようです。

      

 実はこのペン、現在、県行政で勤務する同期の校長先生からのプレゼントです。私がティガーを好きなことを知っていて、手紙を添えて贈ってくれました。そこには、次のように記されています。

 「(ある校長先生が)「笑う門には福来る」と題し、笑いの大切さを述べ、“子供たちや子供たちの家族、そして地域の皆様が、いつもにこやかな笑顔と笑いに包まれることによって、幸福がたくさんやって来ることを心より願っています”と結んでいます。今のような、なんとなく重たい空気の現場には笑いが大切でありましょう。そんなことを考えていたら、文具ですばらしいものに出会いました。校長先生が胸ポケットにこれを入れて教室を周ると、子供たちはにっこりしますし、先生方も気持ちがやわらかくなること間違いありません。きっとやってくれるだろうと信じてお贈りします。名前も書いておきました。」

 こんなふうに、学校を離れていても子供たちを一番に思う仲間がいることを誇りに思います。そして、プレゼントしてくれた気持ちに応えられるように、笑いを振りまき、笑いの渦を作れるようでありたいと思います。ちなみに、贈ってくださった校長先生は「男性」です!

 

66 伸びゆく子供と教職員に(8/25)

 朝は少しだけ過ごしやすくなりました。昨日に続いて、半沢直樹ネタから。

 第5回の放送で、帝国航空を視察した半沢直樹が部下に次のように言う場面があります。

 「倒産寸前の会社は、社外の人に挨拶しなくなる。会社に対する自信と誇りがなくなるからだ。(でも、ここの)従業員は皆、自分たちの仕事にプライドを持っている」と。

 私たち教職員はどう見えているのでしょう?「市川小」というブランドにプライドをもって、伝統を大切にしながらも新しいことに挑戦しようとする気概が感じられるでしょうか。保護者や地域の方、その他の来校者に、気持ちよい挨拶をしているでしょうか。子供たちはどうでしょう?

 こうしたことを振り返るために、7月には保護者アンケートを実施しました。この結果は、次の学校だより以降でお伝えしたいと考えます。アンケートに限らず、随時ご意見をいただけるように相談箱も設置していますのでご活用ください。保護者・地域の期待と応援を自信として伸びてゆく学校を目指します。

 暑い中でも楽しめるクイズを主題します。親子で考えてみてください。校長からの挑戦状1.pdf