校長の部屋

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029 柔軟性ゼロ(5/20)

 校長室前の青いポストに、早速「オラが学校づくり」のご意見を頂戴しました。嬉しい限りです。様々な視点からアイディアなどをいただけるのがさらに楽しみです。よろしくお願いします。

 先日の新聞に、小学生の子供の姿勢が悪いのが悩みの種という投書への回答がありました。姿勢の悪さは、ゲームやスマホの普及、外遊びの減少に伴う運動不足などが要因だといいます。猫背などは、疲れやすくなり、肩こりや腰痛、頭痛、視力低下を引き起こす恐れもあると警鐘を鳴らします。改善には、日ごろから良い姿勢を意識することだとか。また、適度な運動で胴体部分の筋肉(体幹)を鍛えるのが望ましいと書かれています。気軽に取り組める運動が「手押し車」や昔よくやった「ぎったんばっこん」(わかりますか?シーソーではありません)。公園ならジャングルジムの中に入って、体をねじりながら上り下りをすると体幹が鍛えられ、柔軟性も養えるそうです。毎日10分程度でも、遊びながら体幹筋を動かし続ければ、悪い姿勢の習慣化を防げると締めくくられていました。

 さて、子供の姿勢、自分の姿勢、気になりませんか?先日、妻と向かい合って足裏を合わせ、両手をつないで体を引っ張り合う「ぎったんばっこん」をしようとしたら、膝を伸ばしたままでは相手の手まで指先すら届かない。なんだ、この柔軟性ゼロの体は!

  

 お恥ずかしいことに、絵のように左右の手を背中に回して握手しようとすると全く届きません。離れた指間を測ってもらったら片側19cm。反対に組んだら、なんと31cmも離れている!情けなくて苦笑い。やはり新聞に掲載されていた「肩ほぐしストレッチ」を実践してみたところ…それぞれ12cmと21cmにはなりましたが…。トホホ。

028 サインを見落とさない(5/19)

 鉢植えで育てていた大株のアジサイが、ある時を境に葉が増えません。ほかのアジサイは、蕾はつけないものの大きく葉を広げています。今は無き義母の家から摘んで、芽挿しから育てたものですから愛着があります。もしやと思って、鉢土をひっくり返してみました。すると、出てくる出てくる。コガネムシの幼虫と思われるものが、なんと28匹。割りばしで道路に放り投げます。大事なアジサイはというと、根がない。皆無!これでは育たないのも当然と納得です。専用の液に冠水して、きちんと植えなおしてあげました。

  

 幼虫を学校に持ってくれば喜ぶ子供もいるかもしれませんが、幼虫同伴で電車に乗る勇気がありません。よって、丁寧に葬って差し上げました。南無~。

 このアジサイが元気なくなった時期がいつだったか正確にはわかりません。世話していても気にかけていなかったようです。学級・学校の子供も同じです。中にはうまく伝えられない子もいます。SOSを出している場合だってあります。話せないアジサイの無残な姿を見て、何気ない変化やサインに気づいて対応できるようでありたいと改めて思った次第です。子供たちも適切なケアをすれば、そこから見違える成長をします。植えなおしたアジサイもきっと見えない土中で根を広げ、葉の広がりに表れますので、今度こそ観察を怠らないようにしないと…。

 レモンの木にはアゲハが卵を産み始めています。すでに孵った幼虫。こちらは子供たちにプレゼントします。

027 ありがとうを口癖に(5/18)

 日曜日には東海地方まで梅雨入りしたらしく、昨日今日の天気を見る限り関東も間近のはず。スポーツ参観日に向けて週間予報から目が離せません。

 昨日、とっても嬉しいことがありました。放課後の職員の打ち合わせでのサプライズです。誕生日から2週間が過ぎていましたが、職員全員からお祝いしていただきました。歌と花かご、そして赤いメッシュの帽子。帽子には「KANREKI 60」と金字で書かれています。先日もらったTシャツを着て帽子を被って見てもらいました。スポーツ参観日はこの帽子を被って校庭で見守りたいと思います。ありがとう笑う

   

 さて、3月下旬まで上野樹里さん主演『監察医 朝顔』というドラマを観ていました。夫婦間や職場で頻繁に聞かれた言葉が「ありがとう」です。何気ない心遣いや行為に対して、必ずと言ってよいほど「ありがとう」を口にするのです。

 外面人間の私は、家でなかなか「ありがとう」が言えないようです。まるで他人事のように聞こえますが…。相手がメッチャ忙しく一日を過ごした後に、労いの言葉があるのとないのとでは報われ感、逆に言えば徒労感(イライラの度合い)が全然違うことはよくわかっているつもりですが、家族だと出てこないようです。家族だからこそ、「ありがとう」が当たり前に言える人になろうと思います。(キッパリ!)

  

 子供たちにも「ありがとうを口癖に!」を訴えたいと考えます。校長室の入り口に掲示してひと月過ぎましたが、目にしてくれているでしょうか?

026 思いつくまま脈絡もなく…(5/17)

 生食パンの人気が出てどのくらいになるでしょうか。元祖は、高級生食パンの登録商標を持つ大阪の「乃が美」で、私が最初に口にしたのもそのお店のもの。近年の高級食パンブームの火付け役といってもよいかもしれません。その人気が確固たるものとなり、現在では生食パン専門店も増えているようです。市川駅北口にある「歴史は~」もそうでしょうか?生地がモチモチしていて、トーストしなくても柔らかな食感と自然な甘さ。焼いて食べてもおいしいのですが、やはりお高い!しょっちゅう食べるものではなさそうです。

 さて、GWに元同僚の先生からLINEで3件のメールが届きました。どれも「誕生日(還暦)おめでとうございます」というもの。当日は、久々に家族全員が揃ってお祝いをしてくれました。GWが明けて出勤した時には、ある先生から真っ赤なチーバ君Tシャツとマスクをいただきました。「赤いちゃんちゃんこ」の代わりだといいます。ありがたいものです。他人にちゃんちゃんこを着せたことはありますが、自分がそんな年齢になるとは思ってもいませんでした。

 GW中や土日は、用意された食事を朝昼夕と食べて、あとは好きなことをしているような生活なので、「旅館に長期滞在している客のようだ」と言われます。その滞在客は家の中で鼻歌を口ずさみます。「♪メ~リ~さんのひつじはおいしいなぁ~」、「♪モグラ(ミミズ)はとっても~歌が好き~母さん呼ぶのも歌で呼ぶ~」などなど。

 ちゃんと突っ込みを入れてくれるまで歌い続ける面倒くさい年寄り客なのでした

025 読み聞かせを大人が愉しむ(5/14)

 自分の姿や声を客観的に見聞きするのは恥ずかしいものです。教室訪問時に、動画撮影した読み聞かせを子供たちが見ている場面、あるいは見終わった場面に数回立ち会いました。お礼の言葉を言われたり、感想を聞かせてくれたり…。

 さて、私自身、本の読み聞かせは大好きです。聞いている子の表情やリアクションが楽しみだからです。わが子が小さい頃には毎日寝る前の日課。歌を入れたり声色を変えたりと工夫しながら、自分が楽しんでいたというのが正直なところです。小学校に上がってからも、教科書の音読を聞く際に範読してみたことも…。『鶴が渡る』(新谷彰久作)という詩が5年生の教科書にありました。「つるがわたる わたる こうこうと わたる」といった始まりだったように記憶しています。この「こう こう」の部分を鶴が鳴いているかのような読ませ方を何度もさせました。いまだに笑い話です。

 孫が、膝の上で落ち着いて絵本を聞いていられるようになったら読みたいのが、ネズミの「14ひきシリーズ」です。我が家には『ぴくにっく』『せんたく』『ひっこし』『かぼちゃ』『やまいも』『おつきみ』『あきまつり』『さむいふゆ』など揃っていますから、絵を見ながら話を想像(創造)することもできます。

 もっと好きなのが「日本昔ばなしシリーズ」。語り手だった故常田富士夫さんのマネをして読み聞かせしたものです。その頃のボロボロになった本が、まだ捨てられずに校長室に置いてあります。よろしければ手に取ってみてください。消毒もしてあります。

  

024 ごめんなさい…(5/13)

 今年もライラックが咲きませんでした。アジサイも蕾が極めて少ない現状に、「時期じゃないのに、自分勝手に伐っちゃうからよ」と怒られています。

 自分勝手(なんでも思いどおりになると考える性格)が堂々と道を歩いているような人間だと家族には指摘されます。当たっているからイタイ!担任としてもよい先生ではなかったのだろうと、ずっと経った今も反省ばかりしています。自分の思いを優先するばかりで、正面から子供たちに向き合っていたのか、向き合うふりをしていなかったか、と自問するしてしまいます。だからなのか、嫌~な夢をよく見ます。授業準備を全然しないまま行き当たりばったりで教えていたり、クラスが崩壊寸前だったりする場面など。「あ~夢でよかった」と胸をなでおろすことが多いのです。今は、責任や課題に正面からきちんと向き合っているつもり。子供たちに求めると同じように、自分に課すことを忘れてはいけないと考えています。

 1年生が休み時間に、「校長先生、だ~いすき」って言ってくれました。この子たちに何をしてあげられたろう、何をしてあげられるだろう。正解のない毎日ですが、自分勝手を封印して、人とのつながりを深め、子供たちとよい時間を過ごしていきます。

023 脱臼ペア(5/12)

 GWが終わって1週間経ちますが、10年以上前の3回目の脱臼の時を、GWになると今も思い出します。友達とキャッチボールをしていて、左へ逸れたボールにグローブを差し出したとき、グキッ!

 肩の脱臼は痛い!1mmたりとも動けない!大相撲の横綱だった故千代の富士関は、脱臼癖があり、土俵上で何度となく肩をはずしています。でも、支度部屋まで自分で戻っていたイメージがありますから、考えられないことです。私の4回の脱臼、残り3回を振り返ってみると、

① 初任校でサッカーの練習をしていてボールの上に乗って転んだとき。

② 初めてスキーへ行って、リフトに乗る前にストックを使って起き上がる練習をしていたとき。

③ 朝、うつ伏せから起き上がるとき。

 ③の日は、佐原市で県内教員の前で研究発表する午前のトップバッター。救急車を呼んだあと、すぐに電話を入れてもらうと、当時の責任者曰く「脱臼だから入れれば大丈夫だね」と…。順番を午後のラストにしてもらって、左肩を吊ったまま車で会場に向かったのでした。哀れみもあってか、提案に対する厳しい指摘や意見はゼロ。

 当時の職場に、肩に脱臼癖をもつ女性がいました。その人は、両手に余るくらい外しているらしく、手術でボルトを埋め込みました。秋の運動会前、二人で「ビューティーペア」(マキ上田&ジャッキー佐藤)ではなく、「脱臼ペア」を組んで、朝礼台の上で「♪だっきゅ~だっきゅう~♪」とステップを踏みながら歌ったのでした。

 児童が指や腕、脚などをけがして痛めたとき、症状の確認をすることがあります。我慢強い子もいれば痛みに弱い子もいますから、けがの程度を見極めるのは難しい?!「大丈夫?」なんて問いかけは禁忌!

022 何を想う②(5/11)

 昨日の続きです。

 アメリカのある地方に野球観戦が大好きな、でも、目の見えない少年がいました。少年は大リーグで有名なホームランバッターに憧れていたそうです。その選手へファンレターを書きました。

 「ぼくは、目がみえません。でも、毎日あなたのホームランを楽しみにしています。手術をすれば見えるようになるのですが、怖くてたまりません。あなたのような強い心がほしいです。ぼくのヒーローへ。」

 この少年のことをテレビや雑誌の記者が知って、二人の対面が実現しました。カメラのフラッシュの中、少年はヒーローに約束します。「もし、あなたが今度の試合でホームランを打ったら、ぼくは勇気をもって手術します」と。

 さて、試合当日。この日まだホームランのないヒーローの最後の打席。3ボール2ストライクのフルカウント。テレビや新聞を見た多くのファンが息を殺すように見守り、少年自身もテレビの中継を祈る思いで聞いていました。ピッチャーが投げた最後のボールは、大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。アメリカ全土から大きなためいきが漏れようとしたその時、「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」とアナウンサーが叫んだのです。

 三振をホームランと言ったのですから、嘘をついたのです。この嘘をどう感じるかは、人それぞれだと思います。

 相手を想い、自分の気持ちをどういう言葉で、あるいはどんな行動にして相手の心に届けるのかということをもっと大切にしたいなぁと思わせる2つの話です。形がなくてすぐに消えてしまう言葉であっても、手紙やメールなどの文字であっても、相手の気持ちを意識して、責任をもって届けようとすると、言葉や文字から温かさが滲んでくるのではないかと思うのですが…。たくさんの人が一緒に生活をする学校や学級で大事にしたいことの一つです。

021 何を想う①(5/10)

 オリンピック開幕まであと74日、パラリンピックまで106日となりました。白血病で闘病生活を送り、4月の全日本水泳大会で4種目に優勝した池江璃花子選手の活躍が楽しみですし、個人的にはサッカーも楽しみです。でも、コロナの影響でオリンピック開催は…?

 さて、6日の放送朝会で2つの実話を紹介しました。子供たちは何を想ったでしょう?今日と明日の2回に分けて掲載します。

 1つ目はマラソンについて。日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手は、金栗四三氏です。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人でもあります。

 今から100年以上前の第5回ストックホルム五輪大会(1912年)に出場した金栗氏。レース途中で日射病になって意識を失って倒れ、近くの農家で介抱されました。目を覚ましたのは翌朝。仕方なくそのまま帰国したものの、行方不明扱いにされてしまいました。日本の期待を一心に背負っていたにもかかわらず完走できなかった無念さを糧に、50年もの間、日本のマラソンの発展のために尽力したので、「日本マラソンの父」と呼ばれています。

 月日は流れ、金栗氏が76歳となる1967年に、オリンピック開催55周年を記念する式典がストックホルムで開催されることになりました。ぜひ来てもらえないかという連絡が届いた金栗氏は、喜んで参加をしたそうです。

 そして、当時のコースを懐かしく走り、55年前に辿り着けなかったスタジアムに足を踏み入れました。すると、何故かそこには大観衆と役員、そしてゴールにはテープまであったのです。念願のゴールをしたとき、こんなアナウンスがスタジアムに響いたのです。

 「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは、54年と8か月6日5時間32分20秒3。これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」

 55年前のオリンピックが、この時の金栗さんのゴールで終了したと宣言したのです。粋で、心温まる話です。続きは明日。

020 青空のステージ(5/7)

 NHK「みんなのうた」は1961年4月に放送がスタートして60年。これまでに流された楽曲はおよそ1500曲といいます。最近では「パプリカ」が大ヒットしました。

 さて、歌といえば、運動会の練習が始まって校庭や体育館から流れてくる演技の音楽。動き方の指導にも熱が入ります。歌詞に合わせた身体表現の指導場面では、先生のアカペラでの歌も響く時があります。こういう時に上手な先生がうらやましい。

 某小学校で組体操の指導をしていた頃は、演技について夜遅くまで同僚と話し合いました。どの曲を使うか、CDを何度も入れ替えながらイメージにマッチする選曲と曲をつなぐ編集作業に費やした時間はとても楽しい充実した時間でした。いよいよ練習が始まると…、マイクも持たずに大声で歌ったものです。屋外無料カラオケステージって感じでした。私の歌は聞くに堪えないと妻が耳を塞ぎますから、その歌声で演技の練習をしていた子供たちはどんな気持ちだったのでしょう。いずれにせよ、運動会で使われる音楽を聴くと、近年どんな曲がヒットしたか手にとるようにわかります。

 コロナ禍の運動会になりますが、高学年児童には「自分たちの考えを活かす」「自分たちで創り上げる」という意識をもって運動会本番までの過程で学んでほしいものです。その達成感は、自己肯定感にきっとつながるはず!緊急事態宣言やまん延防止措置の延長が決まりそうです。実施方法の変更が余儀なくされることもあるでしょうし、保護者の方にも確実に守っていただかねばならいことが増えます。それらを想定して2案3案を用意しておきますが、児童が取り組んだことは決して無駄にはならないと考えます!