校長の部屋

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049 梅雨入り記念に…?(6/18)

 梅雨入り記念?に「雨」にまつわる日本語を検索!どうやら何百種類もの呼び名があるようです。それほど細かな違いを感じているともいえます。日本で虹は7色ですがロシアでは4色ですし、フランスでは蝶も蛾もパピヨンで一括り。逆に、エスキモーは雪を表す言葉を100種類も使いこなしていたといいます。

 話は戻りますが、検索中最初に出てきた「叢雨(むらさめ)」ってどんな雨?よくわからないので辞書で調べると、「激しく降ったかと思うと、すぐにやんだり弱くなったりする雨。にわか雨。驟雨(しゅうう)」とあります。「麦雨(ばくう)」は?「麦の熟するころに降る雨。梅雨の別名」です。「こうう」は辞書に「①降雨」「②紅雨」「③香雨」「④膏雨」とあります。①は省略。②は「春、花にそそぐ雨、明るい花の散る様」であり、③は「よいにおいのする雨、雨の美称」、④は「農作物を潤して育てる雨、甘雨、慈雨」と書かれています。

 さて、4年生が社会科で印旛沼の開拓について学びますが、次のような伝説があります。

 731年は春からの日照り続きで水不足。作物は実らず人々は困窮していました。聖武天皇は、諸国の神社仏閣に雨乞いの祈願をさせましたが、一向にその効果がありません。そこで、龍神に由縁のある龍閣寺(栄町)に雨乞いの祈願を命じました。昼夜を問わずに祈り続けた結果、聴衆の中から印旛沼の主と名乗る小龍の化身が現れました。大龍に命を奪われることを承知の上で、雨乞いの願いを聞き入れたといいます。「私が雨を降らせれば、私の命は奪われるでしょう。私の身は三つに裂かれ、印旛沼のほとりに落ちるでしょう。そうしたら、頭は龍閣寺に、腹は印西の地蔵堂に、尾は匝瑳の大寺に納めてください」と言うと姿が消え、黒雲が空を覆いつくし、どっと雨が降り始めました。人々は歓喜の声を上げました。雨は7日もの間降り続いたあと、沼のほとりには小龍の体が3つに裂かれて落ちていました。約束通り、その体を3カ所に葬って祈りを捧げました。頭を納めた龍閣寺は「龍角寺」(栄町)に、腹を納めた地蔵堂は「龍腹寺」(印西市)、尾を納めた大寺は「龍尾寺」(匝瑳市)に名を改めたという言い伝えです(参考:龍角寺縁起)

 朝から雨が降る日は鬱陶しく、外遊びもできず気持ちも湿りがち。逆に、雨が何日も降らないとお湿りを待ち望みます。今の時代、人柱を立てることはありませんが、人の気持ちは誠に勝手です。

048 ケチな了見(6/17)

 よく足を運ぶ道の駅でもらったカレンダー、水曜日欄の赤い字が「闇市」と見えて仕方ありません。よく見れば「閉市」なのですが…。その道の駅で、ある日、他校の校長夫婦とばったり遭遇。

 同じ日、運動のためにウォーキングというか散歩をしていた時のこと。近くのコミュニティーセンターの脇を通りかかると中から音楽が流れてきます。通路に面したガラス越しにダンスフィットネスをしている人たちが見えます。ジムではありませんが、インストラクターと一緒に汗を流しているのです。一緒に歩いていた妻曰く、「聞こえるリズムに合わせてインストラクターのマネしながらこっち側でも踊れるね。やったらどんな反応をするかなぁ?」と。見える、聞こえる、完全屋外、踊りだしても文句は言えないでしょうが…。

 なんか、鰻屋の煙を嗅ぎながらご飯を食べるケチな夫婦の落語(昔話?)を思い出しました。大変ケチな夫婦は、隣が鰻屋であることをいいことに、いつもそのにおいをおかずとしてご飯を食べているのです。鰻など一度も買ったことはないので、鰻屋は大変怒って鰻代を払えと詰め寄ります。すると、ケチな夫婦は払ってやろうと言い出します。そして、竹筒にお金を入れて、鰻屋の耳元で振って音を聞かせます。鰻の焼いた匂いを嗅いだだけだから、お金も音だけでいいだろうという了見。オチは忘れましたが、似ているでしょ?いやだいやだ!

047 忘れっぽいのはステキなこと?(6/16)

 月曜日に梅雨入りをしましたが、梅雨が明ければ本格的な夏到来!

 伝統的な夏の風物詩といえば、風鈴、団扇、花火、蚊取り線香、簾、ラジオ体操…など思いつきます。房州うちわ、江戸風鈴、江戸簾ほか、伝統工芸品といわれるものもありますが、少し前に読売こども新聞にあった『木の昆虫 立体木象嵌の世界』という記事に目が留まりました。というより「木象嵌(もくぞうがん)」に反応したのです。(※「象嵌」とは何かは調べてください)

 Y小で5年生を担任していた頃、社会科で「伝統工芸」を扱いました。伝統工芸の魅力を知って伝え合うために、伝統工芸に指定される「木象嵌」「江戸つまみかんざし」「飾り煙管」「木目込み人形」の職人さんに子供たちが取材・体験をさせていただいたことを思い出します。今も江戸つまみかんざしや行徳神輿、木象嵌、屏風など、市川市で続いていることをうれしく思います。

  

 こんな20年前のことは思い出すのに、ほんの少し前のことを忘れっぽくなったことに危機感を覚える最近です。数日前にテレビドラマを観たことすら忘れて、「俺は観ていない」と言い張ることも…。ドラマの内容ではなく、観たこと自体を思い出せなかったことにショック!「それってさ、2年前にジムを辞めた理由が今思い出せないことより怖いと思うよ」と突き刺さるお言葉!

 ボケそうなので、給食前に「今日の朝食のメニュー」を思い出すようトレーニング?をしています。それでも、校長室から職員室への数歩の間に、「あれっ?何しようと思ってこっちに来たんだっけ」状態に陥ることも…。再度やり直しのために校長室に戻る自分に嫌気がさします。

 あっ、中島みゆきさんの『傾斜』という昔の曲を急に思い出しました。♪歳をとるのはステキなことです~ そうじゃないですか~ 忘れっぽいのはステキなことです~ そうじゃないですか~♪ 飽和量オーバーかもしれない自分を慰めます。

046 略語にKP!(6/14)

 強い日差しが頭皮を刺すように降り注ぐ季節になりました。今朝のようにポツポツ降り出した雨に反応する天然アメダスが、汗でびしょびしょになりますし、日差しを遮る帽子が必要になります。ただ、自主的禿げ頭のよいところは、寝癖がつかないこと。濡れてもすぐに乾くこと。白髪が全然目立たないことなど。「私のつむじはどこでしょう」クイズもできます!

 さて、なんでも略して話す言葉は、日常会話だけでなくメディアからも聞こえてきます。決して新しいわけではありませんが、「レンチン」「味変」とラジオで聞いて違和感をおぼえるのはおじさんだからでしょうか。週刊誌の見出しに「女子アナ・ステマ疑惑」とあったのは少し前のこと。ステーションモール(略すと「ステモ」)とかまつ毛に関する略語などかと思いきや、「ステルスマーケティング」のことだったのですね。意味も調べないとわかりませんでした。

 ただし、言葉を略すのは今に始まったことではありません。「スーパー」は「スーパーマーケット」ですし、「テレビ」は本来「テレビジョン」。「ロケ」「コネ」「パンフ」「マイク」「リハビリ」「リモコン」「ワープロ」「通販」「学割」「原発」など数えだしたらキリがありません。そういえば、娘が中学生だったころ、「百均」と言っているのを、「百円均一と言いなさい」と妻がたしなめていたのは遠い昔。「セブン」と聞いても、「ウルトラセブン」を思い浮かべる人はまずいない…。そういえば、ネット上で「知らないとおやじ認定される若者言葉」という記事を読みましたが、一つもわかりませんでした!表題にある「KP」って「乾杯」だそうです…。

 逆に、死語になるスピードも増しているということになります。ただ、言葉と違って「坊主」という髪型に流行り廃りはありません!

 明日15日は、37回目の県民の日でお休みです。

045 じっと我慢?(6/11)

 数日前、我が家に扇風機が登場しました。就寝中に活躍しています。

 これから心配される熱中症、どうも江戸時代からあったようです。三浦豊彦氏の『徳川時代の熱中症予防と20世紀初頭の高温職場の食塩補給の歴史』という論文らしきものをちらりと目にした程度の知識です。また、江戸時代においては,熱中症を表す言葉として,霍乱(かくらん)や中暑(ちゅうしょ)、暍(えつ)が用いられていたといいます。漢方医学の分野では現在も用いられているそうです。

 熱中症は、暑さによって引き起こされる脱水症ともいえ、重篤な場合は40度近い発熱やけいれん、意識障害などが加わります。現在、救急搬送でも受け入れ先病院がない状況がある中、熱中症搬送が加わった場合の混乱ぶりは、予想に難くありません。ですから、個々で予防をしっかりして自分の命と医療現場の負担減を図ることが大事です。

 さて、江戸庶民の避暑方法ベスト5を見つけました。第5位「金魚の鑑賞」、第4位「温かい甘酒」(飲む点滴・甘酒は夏の季語)、第3位「打ち水」、第2位「団扇を使う」、堂々の第1位「我慢」だそうです。日中は用事や仕事がない限り、直射日光を避けて日陰でじっと耐えていたようです。「耐える」以外は結構大事かも…。

  

 学校で我慢はちょっと。エアコンも修理を進めていますが、首の後ろを冷やす器具や多めの飲料水持参など、今年も対応をしっかり行っていくことが望まれます。

044 アイスの季節がやってきたぁ(6/10)

 梅雨入りは来週?暑い日が続くので、心配の種はコロナに加えて熱中症。一方、さらに暑くなっていく季節の楽しみといえばアイス。「冷たいアイスは冷蔵庫に欠かせない!」なんてつぶやくと怒られそうです。

 子供のころに食べたいろいろなアイスを未だに思い出します。「あたり」があったらもう1本貰えた、名糖『ホームランバー』。メロンの形の容器にシャーベットが入った『メロン・ボール』や『おっぱいアイス』も懐かしい。どれもパッケージを変えながらもまだ健在のようです。

  

 氷菓『サクレレモン』も大好きです。この商品も今年で36周年(1985年誕生)という歴史があるとのこと。また少し前のニュースで、井村屋のアイス『あずきバー』の売り上げが、昨年度過去最高だったとありました。1973年発売で今年48周年を迎えるそうです。「ぜんざいを凍らせたようなアイスができないか?」という発想から誕生し、1本に約百粒のあずきを使って風味とさっぱりした甘さを出している商品。でも、とにかく硬い!冷凍庫から出したばかりだと歯が立たない。その硬さの理由は3つあるそうです。①空気の含有量が極めて低い、②乳固形分が全く入っていない、③乳化剤や安定剤といった添加物を使っていない、ということ。原材料は小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめの5種類のみというから驚きです。シンプルかつ安全です。

 さて、我が家で「あんこ」と言えば、原則「粒あん」です。大福などを選ぶときに「こしあん」は除外というのが暗黙の了解。1月15日に小豆粥を食べる風習もありますが、このあずきバーを米と一緒に入れて、ちょっと甘めの小豆粥あるいは赤飯として食べるなんてこともできそうです。

043 易きに流されず…(6/9)

 蒸し暑い毎日です。しかも昨日は真夏日。一週間ほど前までは、朝着替える前に「丁か半か?」と問われました。賭博ではなく「Yシャツは、長(袖)か半(袖)か」というバカげた質問です。もう迷うことなく「半」!

 暑かろうと寒かろうと、毎日とまではいきませんがウクレレの練習を続けています。21時頃からでも15分程度は触れるようにしています。レッスンが2週間空いてしまう時もそれなりに自信をもって先生の前に座ります。にもかかわらず、ぽろぽろとミスを繰り返す始末。「あれっ?」「家ではちゃんとできていたのに…」と思うと手が湿ってくるわ、背中を冷や汗が流れるわ…。ショックに打ちひしがれた抜け殻状態のまま、帰りの電車に揺られました。

 さて、だいぶ前の朝日新聞beに、ログハウス「BESS」社長のインタビュー記事が掲載されていました。住宅業界の常識を次々とひっくり返してきたと言います。その言葉の中に、『易きに流れず、勇んで奪わず』という文字がありました。「信用第一」を掲げ、「自分がされて嫌なことはしたくない」という思いを貫いているといいます。バブル期にあっては、「相互利益の追求(自分だけ利益を上げるようなことはしない)」を理念とし、住宅展示場出展を勧められても、「顧客の奪い合い(弱肉強食の世界)は自分の理想ではない」と断り続けたそうです。

 子供たちも、楽な方にばかり流れてしまうことなく、困難であるとわかっていても果敢に取り組もうとする姿を貫いてほしいものですし、競い合うことは大事ですが、人を蹴落とすようなマネする悪意ある人間に育ってほしくありません。ですから、小・中・高と進んでも「誰もが自分らしく活躍できる学校」「みんなが幸せな学校」が大事なのだと思います。ウクレレも他人と比べず、出来の悪さに落胆ばかりせず、純粋に楽しむことを心がけます。

042 歯周病は怖い(6/8)

 月曜日の新聞は、様々なスポーツの記録が満載です。

①陸上男子100mで山県亮太選手が9.95秒の日本新を出して優勝。私なら50mを少し越えたくらい? 

②水泳女子100mバタフライ、池江璃花子選手が58.03秒でV。私が泳ぐと、学校のプールで25mを折り返しでどのくらい行っているかな? 

③体操男子種目別の鉄棒では、内村航平選手が五輪4大会連続出場決定。う~ん、逆上がりしかできない私。 

④ゴルフ全米女子オープンで19歳の笹生優花選手が優勝。私が打つと隣のコースへまっしぐら~。

 校庭では体力テストで20mシャトルランが行われています。一緒にやって醜態をさらしてみようかなぁ。

 さて、3月初旬に歯の治療をした後、土曜日が予約でいっぱいなので、3か月後の先日再診扱いで診てもらいました。待っている間に歯科衛生ビデオが流れています。「歯周病が全身に及ぼす影響~心疾患・脳梗塞・糖尿病・誤嚥性肺炎~」という内容です。歯周病の原因となるのが、歯垢と呼ばれる細菌。口腔内の炎症によって出てくる毒性物質が、歯肉の血管から全身に入ったり誤嚥によって気管支から肺にたどり着いたりして、様々な病気等を引き起こしたり悪化させたりすると訴えます。そして、歯周病の予防・治療を行うことで、病気のリスクを下げることが可能ですと続きます。日本臨床歯周病学会のHPも見てみましたが、食生活と口腔衛生の大切さを改めて考えさせられました。そんなわけで、夜は通常の歯ブラシと電動歯ブラシに加えて、歯間ブラシで丁寧な口腔ケアに努めています。

 今日は4年生が「歯磨き指導」を実施します。通常の歯科衛生士の指導はなく、ビデオ視聴が中心ですが、関心を高めてほしいと思います。優れたスポーツ選手は、歯もいいらしいですね。

 

041 簡潔で分かりやすい表現を(6/7)

 先週、ある学級の理科の授業を見せてもらい、終わりにノートを回収して赤ペンを入れさせてもらいました。検食しながらでしたが楽しいひとときでした。今後どんな記述の変化がみられるかちょっとワクワクします。

 さて、手紙やメール、会話などで、簡潔かつ分かりやすく相手に伝えるということはなかなか難しいものです。例えば、「最寄りの駅からスタジアムまで結構時間がかかります」と言われたとき、どのくらいの時間を想像するでしょう。徒歩20分程度をイメージする人もいれば、バスに乗って30分くらいだろうかと考える人もいるでしょう。だから、「徒歩15分」というような明確な表現が求められます。数値化できるならばそれに越したことはありません。

 もう一例。若者が、「頼むよ!①ちょっと高いけど、投資だと思ってさぁ。②そのうち俺が③ビッグになったら、④何倍にもなって⑤返ってくるかもしれないよ」と語るイラストに書かれた突っ込みが笑えます。

①→どのくらい? ②→いつ? ③→どういう状態? ④→一体いくら? ⑤→返ってくるの?こないの?

 きちんと伝えるためには、あいまいな表現を避けるとともに、大事な情報は省かず、相手に疑問を抱かせないことが大切です。スポーツ参観に関するアンケートを読みながら、メール本文の記し方や書く順番、内容等についても反省させられました。また、一言添えることで受け取り方が変わることや外国の方に配慮した表現、理由や根拠を詳細に伝えないとわかりづらい場合もあることなど…。いただいたご意見や感想は今後に生かします。ありがとうございました。

040 やっぱり人が肝心(6/4)

 プラタナスが大きく葉を広げています。見上げると、実がたくさん見えます。昨年は全く実をつけませんでしたから隔年性かと思いきや、どうもそうではないようです。

 さて、映画『るろうに剣心 最終章』が上映中です。どうも二部構成らしく、「6月4日グランドフィナーレへ」とあります。この作品は、『るろうに剣心』『同 京都大火編』『同 伝説の最期編』と続いてきた人気作品ですが、約10年の月日を経て完結を迎えます。

  

 帰りの電車内はスマホで無料漫画を読んでいますが、ちょうど今『るろうに剣心』が期間限定で一気読みできるのです。新選組や明治維新の人物も登場しますが、主人公 緋村剣心の人への優しい思いがその強さ以上に魅力です。今読んでいるのは映画の3作目あたりなのかもしれませんから、まだまだお楽しみは続くというわけです。古本屋で全巻大人買いを秘かに目論む私です。

 さて、映画館は座席がピンポイントで指定できるシステムですし、騒ぐこともないので換気とマスク等で比較的安全な娯楽の一つだと思っていますが、都内はやっとという感じで「規制緩和により再開」となりました。国会見学は受付を制限しているため、通常よりゆったりしていて時間と空間の密がないようです。

 授業参観や校外学習、宿泊学習など、判断に悩みますが、どんなに環境を整え、万全を期したとしても、最後は当事者である「人」の意識と行動です。緋村剣心の言葉を借りれば、“時代を創るのは「刀」ではなく、それを扱う「人」でござる”なのだと考えます。

039 多様性を認め合う(6/3)

 LGBTQあるいは性同一性障害などについて話題とされ、随分と周知されてきたように感じます。高校の女子生徒の制服がパンツも選べるように変わってきましたし、男子生徒がスカートとズボンを併用しながら登校している様子もテレビで映されました。そうした中で、経産省職員の「トイレ使用制限」に関する高裁の判決は考えさせられます。

 大人はどう答えるでしょう。「戸籍上は男性(女性)とされる性同一性障害の人と同じ女性(男性)トイレに入れますか?」

 子供はどう考えるでしょう。「体は女性(男性)だけれど、心は男性(女性)という人がいます。使うトイレは、男性用か女性用か?」

 正解はありませんが、議論を通して理解を深めていくことはとても大切です。教職員や保護者、子供の中にいないとは限りません。カミングアウトできずに悩んでいるかもしれないのです。

  

 朝、校門で見守りをしていた時に、低学年男児が門を入らず、じっと信号待ちをしている男性を見ています。私のような頭で、相撲やラグビー選手のような体格。大きめのTシャツにダボダボのステテコパンツといういで立ち。どうしたのか尋ねると、「なんで男の人なのにスカートを履いているの?」と言います。ズボンの股の部分が膝あたりにありますからスカートに見えるのも仕方ないと思いました。けれども、社会的・文化的につくられる性別(ジェンダー)は、小さな子供の中にも自然と刷り込まれていることを感じました。

038 信じる?信じない?(6/2)

 昨日、5年3組の児童が校長室までお茶を運んできてくれました。家庭科室を使った初めての実習で、湯を沸かしお茶を入れたのです。茶葉や湯の量をきちんと図って入れた、素朴な味が感じられました。

 さて、今日も関東地方は梅雨入りしそうでしない、気象予報士泣かせの天気です。天気に関しては数々の言い伝えがありますが、一般的に「言い伝え」は昔から言い伝えられてきた風習やまじないなどを指します。あまり合理的な根拠はなくても何となく気になるから不思議です。そういう私は、霊柩車を見ると車を運転中でも親指を掌に隠します。ハンドルにはドラえもんの手が乗っている感じです。「死者の魂が入ってくるのを防ぐ」というものです。これを助手席のオーナー様も一緒に実行しているから可笑しくなります。

 「机に足で乗ると勉強ができなくなる」「夜、口笛を吹くと蛇が出る」「物差しで頭を叩くと背が伸びない」「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」など、母や祖母から止められてきました。箸に関する不作法も厳しく言われました。箸で取った食べ物を元へ戻す「そら箸」や食器の上で二人一緒に料理を挟む「二人箸」、料理に箸を突き刺して食べる「刺し箸」、どの料理を食べようかと料理の上であちこち動かす「迷い箸」、食事中に箸で人を指す「指し箸」など。指摘されたことはありませんか?

 「夜、靴を下ろしてはいけない」とも言われます。街灯がない時代は、夜道を歩くことは大変危険だったので、よほどのことがない限り外出することはありませんでした。ましてや暗闇を新しい靴で歩くのは、誰かが亡くなったお通夜くらい。だから、夜に靴をおろすことは死を連想させ縁起の悪いものとされてきました。ちなみに我が家では、新しい靴を下ろす前に、トイレの床にトントンとやって「事故に遭いませんように」と願をかけます。どうも妻の家に伝わる習わしのようですが、今では娘もやっていると言います。

 そうそう、「つむじを3回押すと下痢をする」というものもあって、友達の頭をツンツンしていた小学生時代。懐かしい!

037 音楽と記憶(6/1)

 今日は市川小学校の開校記念日。一昔前なら臨時休業でした。学校だよりにも書きましたが148歳です。築き上げられた歴史の重みを感じます。でも、子供たちは今日ここからの市川小の歴史(未来)を築き上げていく人材です。「温故知新」「不易と流行」…言葉が続きませんが、期待は大きい。

 さて、以前「においと記憶」について書いたことがあります。「音楽と記憶」もまた密接な関係があるように思ったのは、6年教室前の掲示された作文を読んだからです。仮に豆大福を食べているときにテレビからある音楽が流れていたとしますと、豆大福を見るとその曲を思い出し、その曲を聴くと豆大福をイメージすると書いています。また、夏休みの宿題を涼しい部屋で音楽を聴きながらやっていたので、その曲が流れると半袖姿でエアコンの涼しい風を浴びている様子を思い出すのだそうです。なるほどと廊下で感心してしまった次第です。国語科『随筆文を書こう』で取り組んでいた作品なのでしょうか。

 私の場合の音楽と結びつく記憶は…。ちあきなおみさんが歌う『四つのお願い』という曲がありました。この曲と楳図かずおさんの漫画『漂流教室』とがリンクするのです。それも床屋の景色が脳裏に浮かぶから不思議です。散髪待ちの間、ドキドキしながらページをめくっていた時に当時流行っていたこの曲がラジオから流れていたのだと思います。

  

 こんな「音楽と記憶」に関するエピソードがあったら教えてください。支障のない範囲で紹介させていただきたいと思います。

036 技術の進歩にわくわく(5/31)

 先週の朝日新聞に、「自動運転の電気自動車をスマホで呼び出す…。そんな次世代のサービスを見据え、自動車産業が百年に一度とも言われる変革期に入った」という記事がありました。これを目にした途端、頭の中で、ジェッターが腕時計型無線機に向かって、「流星号、流星号、応答せよ」と叫び、すぐに宙を飛んでやってくる流星号の映像がリアルに蘇ったのです。1965年にテレビ放映された『スーパージェッター』、55年の時を経て、空は飛ばないまでも流星号が色褪せないまま現実になろうとしていることに心沸き立つ思いです。もしかすると、マッハ号だって夢じゃない!

  

 一方、読売こども新聞には「ゲノム編集」についてわかりやすく紹介されていました。これまで作物の品種改良が長い時間をかけて行われてきました。例えば稲。望んだ特長を持つ品種を生み出すには十年くらい位の年月が必要です。果物に至っては何十年もかかるといいます。一方、これがゲノム編集だと、狙った遺伝子に思い通りに変化させられるので、品種改良のスピードが格段に上がるというわけです。少し逸れますが、TVドラマ『ネメシス』で探偵の助手を演じる広瀬すずさんも、ゲノム編集で生まれてきたという設定。低視聴率が言われていますが、佳境に入って面白くなってきました。

 品種改良を施した稲の10年先より大きな変化が、今後の10年に望めそうでわくわくします。ただ、「便利」以上に「安全」が第一であることは、今も昔も変わりはありません。

035 道の駅(5/28)

 今週、偶数学年及び奇数学年の抽出児童対象に眼科検診を行いました。眼科医によると、例年と違ってアレルギーが多くみられるとのこと。これは医院に診察に来た人にも言えることだといいます。私もスギ花粉が終わったにもかかわらず、目が痒い日が続いて点眼薬が手放せません。

  

 さて、先日道の駅に野菜を買いに行った際、「わらび」が売られているのを目にしました。片手に軽く握った量で約300円。高っ~という感じです。というのも、小学生の頃は近所の林に入れば自由にわらびを採ることができたからです。「俺って、わらび採りの名人?」と自分で勝手に思っていたくらいたくさん採りました。祖母や母が灰汁とりをしたあと、おかかをかけておひたしになったものが食卓に出てきました。今でも、林があると足を踏み入れたくなります。700人の児童の中で、わらびを食べたことのある子っているのかなぁ?

 サルビアの花の蜜を吸ったり、ガマズミやヤマモモの実を食べたり、葉っぱで笛を作ったりするような自然丸ごと体験の機会をつくりたいものです。「かがやきフェスティバル」(11月)の午後をそんなスローな時間にすることはできないでしょうか。ただの思い付きですが…。

  

 ところで、道の駅の案内板ってどんなデザインだったでしょうか。見ているようで見ていないものがまた一つ!左側に駐車場と2本の樹木を配置し、緑あふれる安らぎの空間をイメージ。右側には建物と人を表し、単なる駐車スペースではなく案内と情報発信機能を持っていることを意味しているといいます。人の形は、インフォメーションの「i」を、木と駐車場と道路が「道」の「しんにょう」をかたどっているそうです。29年前からあるのに、初めて知りました。「道の駅いちかわ」もオープンして3年が過ぎましたね。

034 昭和のテレビっ子(5/27)

 今日は、6年生が「全国学力・学習状況調査」の検査日で、2~5年生は午前中に「学力テスト」を実施します。そして、1年生は給食に提供される「空豆の鞘むき」をします。空豆といえば、絵本『そらまめくんのベッド』(なかやみわ作)。そらまめくんは、もともと企業デザイナーとして仕事をしていた頃に生まれたキャラクターだったといいますが、コンペでは採用なかったようです。でも、強い思い入れがあったので、眠らせていたキャラクターを絵本で蘇らせたのがこの作品というわけです。

   

 さて、相変わらずテレビ番組を撮りためて、夕食時に一つずつ消化(視聴)しています。警察ものや医療ものが多い中、痛快なのが『ドラゴン桜』。敵を仕立てるのは脚本や演出の王道なのかもしれません。一方、吉田羊さんと國村隼さん主演で親子を演じる『生きるとか死ぬとか父親とか』は、淡々とした展開で『ドラゴン桜』とは正反対ですが、感じるものがあるのです。4月にお亡くなりになった田村正和さん主演の『古畑任三郎』も大好きでよく見ました。友達と物まねを披露しあったこともあるほど。「一番印象に残る犯人役は誰か」というアンケートの結果、イチローさんとSMAPが同率1位だったそうです。ただ、NHK放送文化研究所の調査によると、10代、20代の半数がほぼテレビを観ないとのこと。5年前に比べて20ポイント前後減少しているとのことです。テレビ離れが加速している実態が見て取れます。

 話は変わりますが、最近変化を感じているのが「爪の伸び方」と「トイレの回数」です。暑くなって、爪が伸びるのが早くないかなって思うことはありませんか。特に足。普段、靴下を履いていることが多いので、切るタイミングを逃して長くなっていることがよくあります。

 そしてトイレです。冬場は頻繁に小用を足していたような気がしますが、暑くなると知らない間に汗をかいているのでしょう。家でトイレに入って以降、昼近くなって初めて学校でトイレに入るなんてことがしょっちゅうあります。「あっ、今日初めてだ」と気づく有り様。だからこそ、熱中症予防として、のどが渇かなくても水分補給なのでしょう。そういえばテレビの番組中にずっとおしっこを我慢して、CMになるとトイレに駆け込むなんて子供時代もあったっけ。

033 当事者として判断・行動する力(5/26)

 今晩は、以前お知らせした「スーパームーン」。今日の満月は、今年最も地球に近づくとともに3年ぶりの皆既月食で、大きな赤い月になります。あとは天気次第!20時頃からが楽しみです。

  

 さて、昨年度から小学校で新しい学習指導要領による指導が始まっています。指導内容などが改編される中で、6年生の社会科では単元の順番が変わっています。これまでは歴史→公民の流れでした。春先に縄文・弥生時代の暮らしを学習して、12月頃に政治を学び始めていました。現在は、公民→歴史の順です。その政治の仕組みなどを学ぶための視聴覚教材も充実しています。運動会前に教室を訪問した時です。65型テレビを子供たちが食い入るように見つめています。黒板には「裁判所のはたらき」、画面には「昔話法廷」とあります。どうやら視聴する子供たちは裁判員の立場のようです。乙姫が被告で、浦島太郎が原告という設定。「あなたはどうして竜宮城へ行くことになったのですか?」と弁護士が尋ねています。たった数分しか見ませんでしたがずっと教室にいたい気がしました。「3匹のこぶた裁判」で正当防衛を問う番組も以前見た気がします。「セーラームーン」が被告だったら、「月に代わってお仕置きしたのよ!」と開き直るでしょうか?

 政治についても、いかに身の回りに関連する事象を見つけ、自分事として感じ、当事者として考え判断するかが知識以上に大事です。得た正しい情報をもとに考え進め、行動に移す力を、小学校のうちにどれだけ獲得できるかが飛躍の土台になると思いますがいかがでしょう。

032 お疲れ~乾杯!(5/25)

 スポーツ参観日は、保護者の皆様のご理解とご協力のもとご覧いただきましたことに感謝いたします。曇り空でしたが、子供たちの精一杯の演技や走る姿に感動しました。今回の頑張りを振り返り、「次はこんなことをやりたい」という意欲やアイディアを生み出せたら、さらに成長できると思います。「いわれたことをやる」から「自分でよいと考えたことを行動に移す」子供を目指したいと思う毎日です。休み明けの今日は「大安」。何かよいことがありそうな予感が…?

 さて、行政経験のある教員はみんなその仕事に同じように感じることがあります。それは、仕事に季節感がないこと。忙しさに多少の波は感じても、学校現場のような季節ごとの主要行事に全員で邁進して、やり切った感をもつ機会はあまりありません。入学式、卒業式、運動会、文化祭的行事、水泳部・相撲部・陸上部といったシーズン限定部活動などが終わると、みんなで飲んで騒いで「次に向かって頑張ろう」と気持ちの切り替えをします。ただ、コロナの影響でそれができないのが残念でなりません。単に飲みたいだけじゃないのと言われたら、「はい、そのとおり」と即答してしまいそう怖い。

 ずっと昔の話ですが、運動会前日に前夜祭を行い、学校に泊まるなんてこともありました。そして、運動会が終わると職員室で体育主任を慰労する一次会をしました。職員室で学年ごとに演技を披露したり、運動会の歌を大声で歌ったり…。その後、今度は体育主任が職員への感謝する会として二次会の場に繰り出したものです。先日の土曜日の昼食時は楽しいおしゃべりすら十分できず残念です。グラスを合わせて、声高らかに乾杯できるようになるのはいつだろう。

031 みんなが主役、みんなが脇役(5/22)

 運動会の練習中にうれしくなる場面をたくさん見つけました。演技で使用する用具を放り投げていく子が多い中で、誰の物であってもきちんと置き直した後、全力で集合場所に向かう子。音楽や歌詞の意味を感じながら、手による表現や表情を豊かに演じる子。戸惑っている子に優しく関わっている子など。日々目立たないところで活躍する子供が報われるようでありたいものです。

 さて、「バイプレイヤー」という和製英語が、定着したように思われます。「脇役」という意味で使用されます。演劇や音楽など、主役一人で演じるものではなく、主役を引き立てる周りの脇役があってこそ成立するものです。だから、主役と脇役が互いに尊重し合う関係はとても大事です。

 以前ニュースを観ていると、成田空港で働く凄腕の裏方さん数人にスポットを当てていました。こんな世界、こんな仕事もあるんだぁと新鮮でした。パイロットやCAという花形職業に憧れる子供もいるでしょうが、こうした職種の働きぶりを見て自分のキャリア形成が刺激される子もいると思います。まさにプロフェッショナルでした。病院でもドクターや看護師ばかりに目が行きそうですが、医療事務その他いなければ成り立たない場所です。たとえスポットが当たらなくても、自分の役割に誇りをもって精一杯頑張る人はきらきら光って見えます。

 クラスでは…?各職場では…?目立つ人ばかりに目が行きがちなことはないか確認が必要です。学校では、担任をはじめとした様々な教職員が輝けるように、互いにリスペクトしながら取り組んでいきます。

 今日は、主役・脇役関係なくキラキラさんを校庭でたくさん見つけます。「保護者1名限定の参観」というのは本当に申し訳なく思いますが、ご家族全員の気持ちを集約して代表でのご参観をお願いします。30分開始を遅らせたので、雨が完全に上がって晴れ間晴れのち曇りが少しでものぞくといいなぁ。

030 あこがれの職業に(5/21)

 毎月送られてくる冊子に3Dアートのページがあります。絵の上にある2つの黒点を見続けて、3つに見え始めたら目を下方にやると立体の絵が浮かび上がるというもの。好きなんです。眼鏡をはずしてじっと見続けている様は、他人からはどう見えるのでしょうか?

 教室巡回中に4年2組の新聞係Aが発行する新聞を目にしました。アンケートをとってなりたい職業のランキングが書かれていました。第1位「デザイナー」、第2位「サッカー選手」、第3位「警察官」と続きます。

 さて、今年小学校に入学した4000人に調査をした、「将来就きたい職業」男女別トップ20ランキングというものがあります。男子は「警察官」「スポーツ選手」「消防・レスキュー」「運転手・運転士」という順位で、20年前から不動であった「スポーツ選手」が「警察官」と逆転しました。女子は「ケーキ屋・パン屋」「芸能人・歌手・モデル」「看護師」「花屋」となります。

 ちなみに「教員」は何位?女子の8位に見つけました。20年間トップ10には名を連ねているようです。一方男子は、ランキング外です。これまでも20位手前を低空飛行。ただ、これは小学1年生の場合。6年生の卒業文集によくあるプロフィール等で「学校の先生になりたい」という文字を見つけると嬉しくなります。ちなみに、先の4年生の新聞では、声優や学者と並んで第4位(2人)という結果。

 今週17日から4週間、教育実習生を時田学級(5-2)で受け入れています。夏の教員採用選考志願書に志願理由を書く欄があります。小・中・高の恩師との出会いが影響していると書く志願者は少なくありません。4年2組で「先生」と書いた2人の思いも大きく膨らませてあげたいなぁ!

029 柔軟性ゼロ(5/20)

 校長室前の青いポストに、早速「オラが学校づくり」のご意見を頂戴しました。嬉しい限りです。様々な視点からアイディアなどをいただけるのがさらに楽しみです。よろしくお願いします。

 先日の新聞に、小学生の子供の姿勢が悪いのが悩みの種という投書への回答がありました。姿勢の悪さは、ゲームやスマホの普及、外遊びの減少に伴う運動不足などが要因だといいます。猫背などは、疲れやすくなり、肩こりや腰痛、頭痛、視力低下を引き起こす恐れもあると警鐘を鳴らします。改善には、日ごろから良い姿勢を意識することだとか。また、適度な運動で胴体部分の筋肉(体幹)を鍛えるのが望ましいと書かれています。気軽に取り組める運動が「手押し車」や昔よくやった「ぎったんばっこん」(わかりますか?シーソーではありません)。公園ならジャングルジムの中に入って、体をねじりながら上り下りをすると体幹が鍛えられ、柔軟性も養えるそうです。毎日10分程度でも、遊びながら体幹筋を動かし続ければ、悪い姿勢の習慣化を防げると締めくくられていました。

 さて、子供の姿勢、自分の姿勢、気になりませんか?先日、妻と向かい合って足裏を合わせ、両手をつないで体を引っ張り合う「ぎったんばっこん」をしようとしたら、膝を伸ばしたままでは相手の手まで指先すら届かない。なんだ、この柔軟性ゼロの体は!

  

 お恥ずかしいことに、絵のように左右の手を背中に回して握手しようとすると全く届きません。離れた指間を測ってもらったら片側19cm。反対に組んだら、なんと31cmも離れている!情けなくて苦笑い。やはり新聞に掲載されていた「肩ほぐしストレッチ」を実践してみたところ…それぞれ12cmと21cmにはなりましたが…。トホホ。

028 サインを見落とさない(5/19)

 鉢植えで育てていた大株のアジサイが、ある時を境に葉が増えません。ほかのアジサイは、蕾はつけないものの大きく葉を広げています。今は無き義母の家から摘んで、芽挿しから育てたものですから愛着があります。もしやと思って、鉢土をひっくり返してみました。すると、出てくる出てくる。コガネムシの幼虫と思われるものが、なんと28匹。割りばしで道路に放り投げます。大事なアジサイはというと、根がない。皆無!これでは育たないのも当然と納得です。専用の液に冠水して、きちんと植えなおしてあげました。

  

 幼虫を学校に持ってくれば喜ぶ子供もいるかもしれませんが、幼虫同伴で電車に乗る勇気がありません。よって、丁寧に葬って差し上げました。南無~。

 このアジサイが元気なくなった時期がいつだったか正確にはわかりません。世話していても気にかけていなかったようです。学級・学校の子供も同じです。中にはうまく伝えられない子もいます。SOSを出している場合だってあります。話せないアジサイの無残な姿を見て、何気ない変化やサインに気づいて対応できるようでありたいと改めて思った次第です。子供たちも適切なケアをすれば、そこから見違える成長をします。植えなおしたアジサイもきっと見えない土中で根を広げ、葉の広がりに表れますので、今度こそ観察を怠らないようにしないと…。

 レモンの木にはアゲハが卵を産み始めています。すでに孵った幼虫。こちらは子供たちにプレゼントします。

027 ありがとうを口癖に(5/18)

 日曜日には東海地方まで梅雨入りしたらしく、昨日今日の天気を見る限り関東も間近のはず。スポーツ参観日に向けて週間予報から目が離せません。

 昨日、とっても嬉しいことがありました。放課後の職員の打ち合わせでのサプライズです。誕生日から2週間が過ぎていましたが、職員全員からお祝いしていただきました。歌と花かご、そして赤いメッシュの帽子。帽子には「KANREKI 60」と金字で書かれています。先日もらったTシャツを着て帽子を被って見てもらいました。スポーツ参観日はこの帽子を被って校庭で見守りたいと思います。ありがとう笑う

   

 さて、3月下旬まで上野樹里さん主演『監察医 朝顔』というドラマを観ていました。夫婦間や職場で頻繁に聞かれた言葉が「ありがとう」です。何気ない心遣いや行為に対して、必ずと言ってよいほど「ありがとう」を口にするのです。

 外面人間の私は、家でなかなか「ありがとう」が言えないようです。まるで他人事のように聞こえますが…。相手がメッチャ忙しく一日を過ごした後に、労いの言葉があるのとないのとでは報われ感、逆に言えば徒労感(イライラの度合い)が全然違うことはよくわかっているつもりですが、家族だと出てこないようです。家族だからこそ、「ありがとう」が当たり前に言える人になろうと思います。(キッパリ!)

  

 子供たちにも「ありがとうを口癖に!」を訴えたいと考えます。校長室の入り口に掲示してひと月過ぎましたが、目にしてくれているでしょうか?

026 思いつくまま脈絡もなく…(5/17)

 生食パンの人気が出てどのくらいになるでしょうか。元祖は、高級生食パンの登録商標を持つ大阪の「乃が美」で、私が最初に口にしたのもそのお店のもの。近年の高級食パンブームの火付け役といってもよいかもしれません。その人気が確固たるものとなり、現在では生食パン専門店も増えているようです。市川駅北口にある「歴史は~」もそうでしょうか?生地がモチモチしていて、トーストしなくても柔らかな食感と自然な甘さ。焼いて食べてもおいしいのですが、やはりお高い!しょっちゅう食べるものではなさそうです。

 さて、GWに元同僚の先生からLINEで3件のメールが届きました。どれも「誕生日(還暦)おめでとうございます」というもの。当日は、久々に家族全員が揃ってお祝いをしてくれました。GWが明けて出勤した時には、ある先生から真っ赤なチーバ君Tシャツとマスクをいただきました。「赤いちゃんちゃんこ」の代わりだといいます。ありがたいものです。他人にちゃんちゃんこを着せたことはありますが、自分がそんな年齢になるとは思ってもいませんでした。

 GW中や土日は、用意された食事を朝昼夕と食べて、あとは好きなことをしているような生活なので、「旅館に長期滞在している客のようだ」と言われます。その滞在客は家の中で鼻歌を口ずさみます。「♪メ~リ~さんのひつじはおいしいなぁ~」、「♪モグラ(ミミズ)はとっても~歌が好き~母さん呼ぶのも歌で呼ぶ~」などなど。

 ちゃんと突っ込みを入れてくれるまで歌い続ける面倒くさい年寄り客なのでした

025 読み聞かせを大人が愉しむ(5/14)

 自分の姿や声を客観的に見聞きするのは恥ずかしいものです。教室訪問時に、動画撮影した読み聞かせを子供たちが見ている場面、あるいは見終わった場面に数回立ち会いました。お礼の言葉を言われたり、感想を聞かせてくれたり…。

 さて、私自身、本の読み聞かせは大好きです。聞いている子の表情やリアクションが楽しみだからです。わが子が小さい頃には毎日寝る前の日課。歌を入れたり声色を変えたりと工夫しながら、自分が楽しんでいたというのが正直なところです。小学校に上がってからも、教科書の音読を聞く際に範読してみたことも…。『鶴が渡る』(新谷彰久作)という詩が5年生の教科書にありました。「つるがわたる わたる こうこうと わたる」といった始まりだったように記憶しています。この「こう こう」の部分を鶴が鳴いているかのような読ませ方を何度もさせました。いまだに笑い話です。

 孫が、膝の上で落ち着いて絵本を聞いていられるようになったら読みたいのが、ネズミの「14ひきシリーズ」です。我が家には『ぴくにっく』『せんたく』『ひっこし』『かぼちゃ』『やまいも』『おつきみ』『あきまつり』『さむいふゆ』など揃っていますから、絵を見ながら話を想像(創造)することもできます。

 もっと好きなのが「日本昔ばなしシリーズ」。語り手だった故常田富士夫さんのマネをして読み聞かせしたものです。その頃のボロボロになった本が、まだ捨てられずに校長室に置いてあります。よろしければ手に取ってみてください。消毒もしてあります。

  

024 ごめんなさい…(5/13)

 今年もライラックが咲きませんでした。アジサイも蕾が極めて少ない現状に、「時期じゃないのに、自分勝手に伐っちゃうからよ」と怒られています。

 自分勝手(なんでも思いどおりになると考える性格)が堂々と道を歩いているような人間だと家族には指摘されます。当たっているからイタイ!担任としてもよい先生ではなかったのだろうと、ずっと経った今も反省ばかりしています。自分の思いを優先するばかりで、正面から子供たちに向き合っていたのか、向き合うふりをしていなかったか、と自問するしてしまいます。だからなのか、嫌~な夢をよく見ます。授業準備を全然しないまま行き当たりばったりで教えていたり、クラスが崩壊寸前だったりする場面など。「あ~夢でよかった」と胸をなでおろすことが多いのです。今は、責任や課題に正面からきちんと向き合っているつもり。子供たちに求めると同じように、自分に課すことを忘れてはいけないと考えています。

 1年生が休み時間に、「校長先生、だ~いすき」って言ってくれました。この子たちに何をしてあげられたろう、何をしてあげられるだろう。正解のない毎日ですが、自分勝手を封印して、人とのつながりを深め、子供たちとよい時間を過ごしていきます。

023 脱臼ペア(5/12)

 GWが終わって1週間経ちますが、10年以上前の3回目の脱臼の時を、GWになると今も思い出します。友達とキャッチボールをしていて、左へ逸れたボールにグローブを差し出したとき、グキッ!

 肩の脱臼は痛い!1mmたりとも動けない!大相撲の横綱だった故千代の富士関は、脱臼癖があり、土俵上で何度となく肩をはずしています。でも、支度部屋まで自分で戻っていたイメージがありますから、考えられないことです。私の4回の脱臼、残り3回を振り返ってみると、

① 初任校でサッカーの練習をしていてボールの上に乗って転んだとき。

② 初めてスキーへ行って、リフトに乗る前にストックを使って起き上がる練習をしていたとき。

③ 朝、うつ伏せから起き上がるとき。

 ③の日は、佐原市で県内教員の前で研究発表する午前のトップバッター。救急車を呼んだあと、すぐに電話を入れてもらうと、当時の責任者曰く「脱臼だから入れれば大丈夫だね」と…。順番を午後のラストにしてもらって、左肩を吊ったまま車で会場に向かったのでした。哀れみもあってか、提案に対する厳しい指摘や意見はゼロ。

 当時の職場に、肩に脱臼癖をもつ女性がいました。その人は、両手に余るくらい外しているらしく、手術でボルトを埋め込みました。秋の運動会前、二人で「ビューティーペア」(マキ上田&ジャッキー佐藤)ではなく、「脱臼ペア」を組んで、朝礼台の上で「♪だっきゅ~だっきゅう~♪」とステップを踏みながら歌ったのでした。

 児童が指や腕、脚などをけがして痛めたとき、症状の確認をすることがあります。我慢強い子もいれば痛みに弱い子もいますから、けがの程度を見極めるのは難しい?!「大丈夫?」なんて問いかけは禁忌!

022 何を想う②(5/11)

 昨日の続きです。

 アメリカのある地方に野球観戦が大好きな、でも、目の見えない少年がいました。少年は大リーグで有名なホームランバッターに憧れていたそうです。その選手へファンレターを書きました。

 「ぼくは、目がみえません。でも、毎日あなたのホームランを楽しみにしています。手術をすれば見えるようになるのですが、怖くてたまりません。あなたのような強い心がほしいです。ぼくのヒーローへ。」

 この少年のことをテレビや雑誌の記者が知って、二人の対面が実現しました。カメラのフラッシュの中、少年はヒーローに約束します。「もし、あなたが今度の試合でホームランを打ったら、ぼくは勇気をもって手術します」と。

 さて、試合当日。この日まだホームランのないヒーローの最後の打席。3ボール2ストライクのフルカウント。テレビや新聞を見た多くのファンが息を殺すように見守り、少年自身もテレビの中継を祈る思いで聞いていました。ピッチャーが投げた最後のボールは、大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。アメリカ全土から大きなためいきが漏れようとしたその時、「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」とアナウンサーが叫んだのです。

 三振をホームランと言ったのですから、嘘をついたのです。この嘘をどう感じるかは、人それぞれだと思います。

 相手を想い、自分の気持ちをどういう言葉で、あるいはどんな行動にして相手の心に届けるのかということをもっと大切にしたいなぁと思わせる2つの話です。形がなくてすぐに消えてしまう言葉であっても、手紙やメールなどの文字であっても、相手の気持ちを意識して、責任をもって届けようとすると、言葉や文字から温かさが滲んでくるのではないかと思うのですが…。たくさんの人が一緒に生活をする学校や学級で大事にしたいことの一つです。

021 何を想う①(5/10)

 オリンピック開幕まであと74日、パラリンピックまで106日となりました。白血病で闘病生活を送り、4月の全日本水泳大会で4種目に優勝した池江璃花子選手の活躍が楽しみですし、個人的にはサッカーも楽しみです。でも、コロナの影響でオリンピック開催は…?

 さて、6日の放送朝会で2つの実話を紹介しました。子供たちは何を想ったでしょう?今日と明日の2回に分けて掲載します。

 1つ目はマラソンについて。日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手は、金栗四三氏です。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人でもあります。

 今から100年以上前の第5回ストックホルム五輪大会(1912年)に出場した金栗氏。レース途中で日射病になって意識を失って倒れ、近くの農家で介抱されました。目を覚ましたのは翌朝。仕方なくそのまま帰国したものの、行方不明扱いにされてしまいました。日本の期待を一心に背負っていたにもかかわらず完走できなかった無念さを糧に、50年もの間、日本のマラソンの発展のために尽力したので、「日本マラソンの父」と呼ばれています。

 月日は流れ、金栗氏が76歳となる1967年に、オリンピック開催55周年を記念する式典がストックホルムで開催されることになりました。ぜひ来てもらえないかという連絡が届いた金栗氏は、喜んで参加をしたそうです。

 そして、当時のコースを懐かしく走り、55年前に辿り着けなかったスタジアムに足を踏み入れました。すると、何故かそこには大観衆と役員、そしてゴールにはテープまであったのです。念願のゴールをしたとき、こんなアナウンスがスタジアムに響いたのです。

 「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは、54年と8か月6日5時間32分20秒3。これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」

 55年前のオリンピックが、この時の金栗さんのゴールで終了したと宣言したのです。粋で、心温まる話です。続きは明日。

020 青空のステージ(5/7)

 NHK「みんなのうた」は1961年4月に放送がスタートして60年。これまでに流された楽曲はおよそ1500曲といいます。最近では「パプリカ」が大ヒットしました。

 さて、歌といえば、運動会の練習が始まって校庭や体育館から流れてくる演技の音楽。動き方の指導にも熱が入ります。歌詞に合わせた身体表現の指導場面では、先生のアカペラでの歌も響く時があります。こういう時に上手な先生がうらやましい。

 某小学校で組体操の指導をしていた頃は、演技について夜遅くまで同僚と話し合いました。どの曲を使うか、CDを何度も入れ替えながらイメージにマッチする選曲と曲をつなぐ編集作業に費やした時間はとても楽しい充実した時間でした。いよいよ練習が始まると…、マイクも持たずに大声で歌ったものです。屋外無料カラオケステージって感じでした。私の歌は聞くに堪えないと妻が耳を塞ぎますから、その歌声で演技の練習をしていた子供たちはどんな気持ちだったのでしょう。いずれにせよ、運動会で使われる音楽を聴くと、近年どんな曲がヒットしたか手にとるようにわかります。

 コロナ禍の運動会になりますが、高学年児童には「自分たちの考えを活かす」「自分たちで創り上げる」という意識をもって運動会本番までの過程で学んでほしいものです。その達成感は、自己肯定感にきっとつながるはず!緊急事態宣言やまん延防止措置の延長が決まりそうです。実施方法の変更が余儀なくされることもあるでしょうし、保護者の方にも確実に守っていただかねばならいことが増えます。それらを想定して2案3案を用意しておきますが、児童が取り組んだことは決して無駄にはならないと考えます!

019 わかってくれる安心感(5/6)

 GWは如何お過ごしになられましたか?今日以降発表される感染者数がどういう変化を見せるか心配でもあります。

 昨年度の学校だよりNo.39に書きましたが、「化学物質過敏症(MCS)」について再度触れます。柔軟剤や芳香剤などに含まれる人工的な香りによって、頭痛や吐き気といった体調不良に悩む人が増えているというものです。一般的によい香りとされる商品の中に含まれる化学物質が引き起こすもので、「香害」とも呼ばれています。心の病気と間違われたり、周りに理解されなかったりして、仕事を辞めざるを得ないとか引きこもるとかいうケースがあるといいます。異常を感じたのはある日突然らしく、同僚の柔軟剤やハンドクリームの香りがだめで退職せざるを得なかった人もいます。また、重いアレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こした人もいるそうです。手洗い用に香料を使わない無添加の石鹸を必ず持ち歩くともいい、「香りから逃げられない」という悩みは切実です。「化学物質過敏症」の専門医が少ないこと、アレルギー検査等でも原因も分かりにくいことが、困り感を深めている要因かもしれません。

 誰かが知ってくれている、わかってくれるということは、MSCに限らず、きっと生活する上での安心感になるはずです。その人を丸ごと受け止めようとする気持ちに溢れる、支え合い(愛)の学校・地域でありたいと願います。

 さて、学級の役員・委員を快くお引き受けいただいた皆様、ありがとうございます。そしてよろしくお願いします。また、事情あって委員にお名前のない方も、誰がどんな活動をしているのか理解して、できるところで支えていただきたいと思います。

018 クールビズを前に(4/30)

 校長室のアマリリスが開花しました。1年前に湯沸かし室の奥からやってきて2度目です。今週は、6年生がものを燃やした後の気体の変化を実験しています。20年前はCOを石灰水の白濁で確認しましたが、ここ十数年は気体検知管を使って数%レベルで検知ができます。ロウソクに恐々とマッチで火を点けていた姿も、少しずつ板についてきたように見えます。ただ、マッチを擦るのを、いまだに友達に譲っている姿も…。

 さて、3年生の国語の教科書(上)に『わすれられないおくりもの』という教材があります。賢いアナグマは、みんなから頼りにされていますが、「長いトンネルの向こうに行くよ」と手紙を残して深い眠りにつきます。アナグマの死後、残された動物たちは、アナグマが残してくれた思い出を振り返ります。ハサミの使い方やスケート、ネクタイの結び方、パンの焼き方など…。みんなの心に生き続けていることを確認するのです。大好きな本の一つです。

  

 GW明けから半年間のクールビズ。ノーネクタイです。朝、髪をセットする必要もない私でも、ネクタイを整えるたった1分がなくなることはうれしく、襟元の窮屈さからの解放と併せて二重の喜び。

 ネクタイの結び方には、プレーンノットやセミ・ウィンザーノット、ウィンザーノット、ダブルノットなど様々です。私はもっぱら「ダブルノット」です。なぜかというと、最初にネクタイを締めたときに、父から教わったのがこれだったからです。アナグマの物語ではありませんが、ネクタイの結び方には父の思い出が生きているということです。その思い出としばしお別れ!

017 ニュースキャスター(4/28)

 朝晩のテレビはニュース番組というのが我が家です。「この時間帯のニュースは欠かせない」という方もいらっしゃることと思います。同時に好きなキャスターもいるかもしれません。平日の朝6時、NHKニュースを担当する高瀬耕造さんが「おはようございます」というと一緒に頭を下げて挨拶する妻は、高瀬さんがお気に入りのようです。

  

 時々、日テレの藤井キャスターのコメントが素晴らしいという声もネット上でよく見かけます。私は安住伸一郎さんが好きです。好きな番組の一つに「ぴったんこカンカン」があります。安住さんが様々なゲストとやりとりして、相手の面白さや魅力を引き出す術にいつも感服します。

 「良さを引き出す」という点では教員もそうありたいと思います。相手をいい気持ちにさせる、その気にさせる、雰囲気を作るなど、言葉と表情を豊かに、誠意と敬意をもって接することが大事だと考えます。ただ、なかなか難しいと実感する毎日!

016 鯉のぼりの思い出(4/27)

 スギ花粉もだいぶおさまったようで、ランニングも気楽にできるようになります。田んぼの中の道を走ることがありますが、鯉のぼりが青い空を悠々と泳ぐ姿を見ると気分が浮き立つ自分を感じます。吹き流しに真鯉や緋鯉、青や赤、緑の子供たちと華やかです。ただ、最近では鯉のぼり自体を見かけることが少なくなりました。マンションのベランダにおもちゃの鯉のぼりがくくられていることはありますが…。日曜日に、成田公津の杜公園の鯉のぼり二千匹を見てきました。

  

 私は弟との二人兄弟です。幼少のころは庭に大きな鯉のぼり6~7匹が泳いでいました。時季になると、どこからか職人さんがやってきて穴を掘り、長い竿を立て、ロープで竿を支えます。風が強い日は、てっぺんの矢車がガラガラ音を立て、竿が折れないか心配したものです。

 さて、鯉のぼりの1番上に飾られる、筒状のカラフルな飾りの吹き流しや竿の1番上に付いている矢車。どんな意味があるのか調べてみました。「吹き流し」の歴史は長く、戦国時代には「これ以上災いが起こりませんように」という願いを込めて戦の後に飾っていたといいます。吹き流しのカラフルな色は、「木・火・土・金・水」を表しているそうで、鯉のぼりと一緒に飾ることで、子どもによからぬことが起こっても、邪気を払い守ってくれると信じられていました。

 一方「矢車」は、矢の羽根の部分を車輪状にしたもので、風を受けてカラカラと回転しながら音が鳴ります。神様への目印で、音は魔除けの意味を含んでいます。

 昔勤務した学校には鯉のぼりがあったので3階の窓から国旗掲揚ポールを紐で結んで真鯉や緋鯉を取り付けました。風のないある日、顔くらいまで尻尾が垂れた鯉のぼりに触りながら、♪屋根よ~り~ひ~く~い~鯉の~ぼ~り~♪と歌いながら帰る子がいたことを思い出しました。

 国分川にかかる鯉のぼりを見に行ったことがあります。20年以上も前のことなのに、息子はその時の様子を覚えているようです。今でも毎年数を増やしながら続いているのでしょうか?今度足を運んでみることにします。

015 グッドルーザー(4/26)

 東京五輪男女サッカーのグループリーグ組み合わせが決まりました。男子は、南ア・メキシコ・フランスと同組。なでしこは、カナダ・イギリス・チリとの予選リーグです。代表や五輪、Jリーグ関係なく、サッカー観戦は楽しみですから、オリンピックが行える状況になることを願います。

 さて、スポーツの世界に、「グッドルーザー(Good loser)」という言葉があります。「スポーツの世界の勝者は、金メダルを取った人ではなく、グッドルーザーである」「負けた時に何を考え、何を学び、どんな行動をとるかが問われる」という俳優のセリフがありました。

 勝利を目指して奮闘するアスリートの姿は美しく見えます。でも、魅力は勝者の姿だけではありません。敗れてなお相手を称え、毅然として戦いの場から立ち去る姿も心に響くものがあります。Jリーグ初代チェアマンだった川淵三郎氏は、すべてのアスリートに対して「グッドルーザーたれ!!」と説いています。

 過去のオリンピックで印象的だったシーンは、男子マラソンの谷口浩美選手が途中で靴が脱げて転倒した場面とレース後に「途中でこけちゃいました」と笑顔で話したインタビューです。悔しかったでしょうに、勝敗なんてどうでもよいと思わせる人間的な大きさを感じました。そして、世紀の大誤審といわれる柔道・篠原信一選手の決勝後の言い訳をしなかった姿にも感動したことを思い出します。

 子供たちにもグッドルーザーの精神を知って、友達関係をさらに広げていってほしいものです。

014 いらっしゃいませ~(4/23)

 今日は「子ども読書の日」で、始まって20年になるそうです。そういうこともあり、学校司書から依頼されて読み聞かせ動画の撮影をしました。下学年には『なまえのないねこ』(竹下文子 文,町田尚子 絵,小峰書店)、上学年には『かべのむこうになにがある』(ブリッタ・テッケントラップ作,BL出版)それぞれ1冊ずつ。これを来週のどこかの時間帯で学級ごとに見てもらいます。選書の意図を感じてほしいなぁ。でも、「本って楽しい」って思ってもらえたら、まずはねらい達成です。

 さて、話は変わりますが、飲食店や百貨店などの接客業では、「いらっしゃいませ」と客へ声かけをするのが一般的です。私たちも特に何も考えることなく聞き流しています。でも、なぜ「いらっしゃいませ」という挨拶になったのでしょう。「いらっしゃいませ」は、「どうぞこちらへ来てください」という意味で、江戸時代の見せ物小屋で行われた慣習の名残と言われます。

 店員の挨拶には、客への来店歓迎の挨拶という意味と、入店に店員が気づいていることを知らせる意味の2つがあるようです。スターバックスでは、例外的に「こんにちは」など日常の言葉で客を迎えます。型にはまった「いらっしゃいませ」より日常生活で使われる言葉の方を好ましく感じ、効果的なのかもしれません。いずれにせよ、買いたい、話したいという気持ちを起こさせるような声のトーンや表情など温かな雰囲気は大事です。

 保育クラブに放課後通う児童も多くいますが、日誌を読ませてもらうと、「ただいま~」と部屋に入っていくとありました。こういう感じ、いいなぁと思います。

 週末です。読み聞かせをしたり一緒に読んだり、国語の教科書の音読を聞いたり、本を通じてほのぼのとした時間を味わってほしいと思う「子ども読書の日」です。

013 多角性・多様性を受け入れる(4/22)

 これは、オーストラリアのお土産として売られている北と南が上下逆さまになった世界地図です。逆さ地図は、オーストラリア以外でもいくつかの南半球の国で売られていて、主に観光土産用とされているようです。

  

 先週、5年生が地球儀や世界地図を使って学んでいました。特に世界地図の場合、日本が中央に配置されたものを世界標準のように我々は思いがちですが、決してそんなことはありません。同じように、自分の視点でしか物事を見ていないことって結構多いのではないかと思います。

 例えば、コップを真正面から見た人はその形を「長方形」と主張するでしょうし、真上から見た見た人はその形を「円」だと主張します。ある人は、長方形でも円でもなく、「取っ手」があると主張するかもしれません。これらはどれも正しく、どれも間違いではありません。単に、見ている角度や位置の問題だけです。ただし、見方によっては、同じ事象でも違ったとらえ方をしてしまってトラブルに発展する場合もあることを認識しておく必要があります。だからこそ、互いに顔を見てコミュニケーションを図ることが、大人にも子供にも欠かせないと思います。

 4月下旬に入りましたが、昨日はもう夏日を記録。校舎裏では、つつじがきれいに咲いていますし、バラ園も開花が始まりました。来週に控えたGWに心浮かれる子供たちでしょうが、事故とコロナへの対応は万全でありたいと願います。

012 石鹸の香り(4/21)

 ♪真綿色した~シクラメンほど~♪と布施明さんが歌う『シクラメンのかほり』という歌があったのを、この表題を書いていて思い出しました。

 陽がのびて、明るい時間帯からお風呂に入れる季節になってきました。ボディーソープや泡洗顔料、液体ハンドソープが主流になって久しいのですが、洗顔はもっぱら石鹸という私です。私一人しか使わないので、使い終わるまで半年はかかるでしょうか。「薬用石鹸ミューズ」が1年近く続きましたが、先日「牛乳石鹸」が新しく登場!懐かしい香りです。「ザ・昭和」という匂いなのです。風呂の湯気に交じって漂ってくる匂いは、全部牛乳石鹸の香りだったのではないかと錯覚してしまうくらいです。頭の中には、「♪花の香り ゆたかな泡だち 牛乳石鹸 よい石鹸♪」と繰り返し流れます。

 100年以上の歴史を持つ石鹸。銭湯とともに歩んできたと言っても過言ではありませんが、今では家に石鹸が一つもないという家庭は珍しくなくなりました。石鹸を泡立てて、手の中でシャボン玉を作って飛ばしたのも今は昔…。そういえば、シャボン玉ホリデーという音楽バラエティー番組もあったなぁ。若かりし頃の布施明さんも出演していました。

 半世紀前の話でした。

011 昭和は遠くなりにけり~(4/20)

 今日から「まん延防止等重点措置」が適用されます。暑くなっていく中でのマスクの正しい着用やこまめな手洗いのほか、三密を徹底して防ぐことが、学校教育を止めない手立てであると考えます。爆発的な感染拡大があれば、休校もあり得ますので、そうさせないにためにも教職員、児童、保護者が意識を高くして、できることを徹底したり我慢したりしなければなりません。

 さて、こうした中、次世代の小型電動モビリティー(移動手段)に速度制限を設けて、公道や歩道での使用が検討されるというニュースがありました。無人の自動配送ロボットをテストしている映像を見て、「昭和は遠くなりにけり」という思いを強く抱きました。

  

 先日入ったラーメンチェーン店では、ロボットが柱にぶつかって何度か切り返しながら注文されたものをテーブルに届けている様子を目にしました。一つ先のテーブルにはロボットが給仕をしていましたが、私のところには店員さんが運んでくれました。いや、あれは人型のロボットだった?

 新年度が始まってから何度となく教室に足を運ぶと、5年生と6年生が落ち着いて学習や様々な活動に取り組んでいる様子を目にすることが多くあります。高学年が意欲に満ちた表情や笑顔であることは、市川小学校を市内のナンバーワンの学校にする第一歩です。秘めた力、可能性はロボットに負けるはずはありません。これからがとても楽しみです。

010 今日も平和でありますように(4/19)

 先週金曜日は曇りがち。校長室に半日暖房を入れて、フリースを羽織っていました。

 昼休みに4年生の男女数名が校長室にやってきました。お願い事があるようです。聞くと、プール脇の百葉箱がある場所にいるオタマジャクシを捕まえてもよいか?という確認。去年の5年生が野菜作りをしていた場所なので、「何でそんなところに?」という思いで、その子たちと一緒に現地へ…。すると、発泡スチロールの容器に溜まった雨水の中に小さな黒い物体が蠢いています。よくこんなところにいるオタマジャクシを見つけたものだと感心してしまいました。そして、校長室にいるより屋外の方が暖かいことに気づかせてくれた子供たちです。校庭で遊んでいた6年生の女の子たちは、「今日も一段とテカっていますねぇ」と頭を見ながら話しかけます。この子たちなりのコミュニケーションであり、挨拶なのです。

 その日の業間休みには5年生が数名やってきて、出題するクイズのために写真を撮っていきました。担任の先生方が、校長が寂しがっているかもしれないと、意図的に子供たちを送り込んでくれるような気がしてしまいます。

 さて、今日は誰がどんな用事でやって来るかなーと待つことにします。エサでも蒔いておきましょうか?いやいや、自分から校長室を飛び出して行かないと発見はない!万歩計の歩数を稼ぎます。

009 1%の「ひらめき」も大事に(4/16)

 明後日4月18日は「発明の日」だそうです。発明といえば、生涯におよそ1300もの発明をしたトーマス・エジソンが真っ先に思い浮かびます。電話機や蓄音機、トースターや白熱電球など、現在の生活で使われているものがたくさんあります。エジソンの有名な言葉に、「天才とは1%のひらめきと99%の努力(汗)である」というものがあります。努力の大切さを言った言葉と解するのが普通でしょうが、ひらめきなくしてスタートしないと考えるのはひねくれ者の解釈?

   

 この「ひらめき」って本当に一瞬のことで、すぐに忘れてしまいます。忘れても困らないから残らないのかもしれません。でも、その中に大事なものやヒントが隠されている場合もあります。メモや備忘録に残すことを子供のころからの習慣にすると、いつか宝箱に変身するかもしれません。ちなみに私は、スマホのメモ機能をフル活用です。

 さて、絵本作家のヨシタケシンスケさんの本、『あるかしら書店』はまさにひらめきの宝庫という感じです。『それしかないわけないでしょう』も同様です。ほかに、『このあとどうしよう』『ころべばいいのに』など校長室にはあります。ぜひ手に取ってほしいと思います。ただ、『あるかしら書店』は、半年以上?貸し出し中のようです。捜索願いが必要かも?

008 好きな食べ物は何ですか?(4/15)

 ショッピングモールなどに足を踏み入れると、「母の日」に向けた予約セールの看板を目にするようになりました。

 私にとっての母の思い出は、台所に立って食事を作っている姿であったり、ミシンをかけたり編み物をしたりしている姿です。料理は上手でした。ですから、外食や店屋物は滅多にありませんでした。

 そのせいか、初めてケンタッキーフライドチキンで肉を食べた時の感動は忘れられません。家では絶対に出てこない食べ物です。飛び出た肉汁で舌先をやけどしたことも思い出されます。高校生だったか大学生だったか?でも、その肉以上に「こんな美味しいものがあったんだぁ」と思わせたのがコールスロー。独特の甘さが何とも言えず…。

   

 柴漬けも同様です。ぬか漬けやたくあんなど自家製でしたから、京都へ修学旅行に行って土産物屋の店先で試食した漬け物に電気がビビビッと走ったのです。今でも極たま~に食卓に上る大事なご飯のお供です。ご飯のお供といえば筋子でしょう!ひとかけらあれば、一膳食べられます。でも、コレステロールの塊なので、買い物かごに入れる前にお伺いを立てる必要があります。

 無性にカップ麺が食べたくなったりコーラが飲みたくなったりするのも、幼少から現在に至る恵まれた食生活があるからだと思います。母にも妻にも感謝以外ありません。

 先日、教室で自己紹介カードを書いていた3年生?の「好きな食べ物」の欄。ハンバーグや寿司、唐揚げ、果物等を多く目にする中、「ピーマンの肉詰め」と書いていた子。きっと愛情たっぷりの家庭料理を食べているのでしょう。子供たちの味覚は、家庭で培われ発達します。ただ、昔は嫌いだったセロリやナスを普通に食べられるようになるなど、嗜好は変わっていくようです。最近やっと蕗(ふき)を食べられるようになった私は、まだお子ちゃま。

007 自分から先に!(4/14)

 通勤・通学の時間帯を狙ったような土砂降り!スーツのズボンは未だ乾いていません。

 さて、備忘録の片隅に書かれた短い文を見つけました。書いたことすら忘れていた文字です。

   人間関係は鏡である

   鏡は先に笑わない

 昨年度の市川小生徒指導の年間重点目標に「あいさつ」を設定しましたが、保護者アンケートの結果を見ても、引き続き課題としなければならないことの一つと言えます。実際に、校門前であいさつをしていても、返事が返ってこなかったり目を合っても会釈すらなかったりすることがあった昨年度…。

 学校外の方と立ち話をした際に、「あいさつは、どこの学校も同じようなものだろうと考えていたけど、この間A校へ行ったら結構多くの子が自分からあいさつするんだよね」という感想を漏らしていらっしゃいました。地域性など諸々あるのは承知していますが、正直ちょっとショックでした。でも、7日始業式以降、登校に笑顔で挨拶や会釈をしてくれる子供たちが多くなったように感じるので、「今から」と気持ちを切り替えられました。

  

 笑ってほしい時には自分から微笑みかける、あいさつを交わしたいと思えば自分から声をかける。そんな何でもないことが、人間関係を円滑にする方法の一つではないかと思います。自分の心を映したのが相手の表情であり言動なのかもしれません。怖い気もしますが、とても大事なことなのだと思う春。子供たちの新年度が始まって1週間が過ぎました。

 そうそう、朝一番に5年生のある担任から相談を受けました。「中央階段掃除なのだが3階から屋上へ上がる階段が汚れている。チェーンを張って上れないようにしてあるけれど、掃除をしたい。やってもよいか」というもの。うれしい提案です。自分たちで気づいたこと、やりたいと言ってくれたことに感激です。OKを出したのは言うまでもありません。天気は悪くても、良い一日の始まりです!

006 ナンバー1の学校に!(4/13)

 競泳の池江璃花子選手が白血病を発症したのは2年前の2月のこと。闘病生活を経て、昨年8月にプールに復帰したと思ったら、1年も経たない間に日本選手権100m&50mバタフライと100m&50m自由形での4冠。1年延期された今年の東京五輪リレー2種目の代表に内定しました。肉体的にも精神的にもつらく苦しい時期があり、計り知れない努力があったのだと思いますが、多くの人々に勇気を与えてくれたのも事実。特に、くじけそうになったときの希望の灯といえるかもしれません。

 さて、6年生が交代で毎朝、1年生を昇降口や教室でサポートしてくれています。両方がいい顔をしているのを見てうれしくなります。朝から温かな雰囲気を作ってくれているように感じます。

 9日(金)に学年集会を行った6年生に一つだけお願いをしました。「市川小学校は、市内小学校39校の学校番号1番の学校です。番号としてでなく、一番良いと言われる学校にしましょう。6年生の姿が学校そのものなので、一番になる方法を6年生が考え、行動で示してください。」と。6年生が、全校児童に勇気や希望を与えてくれるほどの成長に期待しています。

005 コデマリにも気づいて!(4/12)

 金柑が食べ頃になりました。以前も書いたように思いますが、義母が食べた金柑の種から育ったもので、初めて実をつけたのです。丹精を込めて世話をしてきたので、「甘くて皮も柔らかい!」と食べた感想をもらった時はうれしくなりました。

 初めてといえば、リクルートスーツ姿の初々しい新入社員を駅や電車内でたくさん見かけます。なぜかしら体全体から「新入社員」といったオーラが漂ってくるのです。しかし、夏ころには、不思議とその姿を見かけなくなります。決していなくなったわけではなく、馴染んできただけなのかもしれません。

  

 14号門を入った左手奥に、コデマリがきれいに咲いています。でも、桜などと違ってほとんど気づかれていないような気がしてなりません。派手さはありませんが、1年生の笑顔のように一つ一つがかわいいのです。

004 たんぽぽ(4/9)

 昨日の入学式では、たんぽぽの長い根っこのお話を1年生に話しました。『たんぽぽ』(荒井真紀 文・絵)という絵本の一部を拡大して、地下深くまで届く根の長さを巻物にして紹介しました。意外と反応がよかったのですが、それは巻物の方であって、話の内容(土台をしっかり築いて、様々な困難に負けず、栄養を自分で求めて取り入れてほしい)がどれだけ伝わったかは不明です。

 さて、このたんぽぽ。校舎の裏側で陽を浴びながら、今を盛りと咲き誇っています。地面に根を下ろしたものは花茎が短く、プランターに生えたものは丈が長いのは、根の張り方や栄養の問題でしょうか。

 絵本では、このたんぽぽの成長や繁殖の様子が緻密な絵で紹介されており、「よくそだったたんぽぽからは、200こものたねがとびたっていきます」とあります。1年生から6年生までがこの1年間で、どんな種をどれだけ作ってどこまで運び、仲間を増やそうと努力する姿をしっかり見つめていきたいと思います。

  

 1年生は居住地域別に下校指導を行い、2年生以上は給食が始まります。

003 出会いの場面を大切に(4/8)

 今日は入学式です。112名の新入生を迎えます。昨年度は6月に二度に分けて実施しましたが今年も同様に…。ただし、違うのは写真撮影終了後の動き。昨年度は教室に入らず親子でお帰りいただきましたが、今年度は担任から各教室で保護者に向けてお話や説明をします。児童が一緒だと密になりますので、別室で読み聞かせなどして待機。小学校入って家庭訪問もないまま1学期を終えるのは、保護者の方にとっては不安でしょう。せめて最初くらい担任の顔を見て話を聞いて、どんな人なのか感じたいでしょうし、学校から電話があっても担任の顔を思い浮かべて話ができると考えました。

 現時点では、4月28日(水)には全学年の保護者会を計画しています。担任との連携の場でもありますし、まだ行うことが叶わない授業場面をビデオに収めて観ていただこうと考えています。面と向かって話をすることで、相手の思いを知ることもできます。そういう最初の出会いを大事したいものです。密を心配するくらい多くのご出席を、今から楽しみにしています。

002 はじめの一歩(4/7)

 昨年度の「校長の部屋」を記録として一冊にまとめる作業を年度末に行いました。A4用紙に80ページと大量。でも、懐かしさを覚えましたし、何より時間の流れの速さに驚きを隠せません。初任校が歯科衛生に力を入れていて、学校歯科医のところで私の歯型を使って授業を行ったこと云々を書いたことも思い出しました。その歯科医のお孫さんが市川小にいると知ったのは、年賀状をいただいた後のことでした。

 さて、子供たちの新年度がスタートです。出会いをいかに演出するかは担任それぞれですが、第一印象が後々まで引きずられる怖さがあります。だからこそ、その先生との一年間にワクワクできるようなインパクトを与えたいものです。

 今年度も学校教育目標は、「夢の実現に向けて行動する子供の育成」で据え置きますが、サブタイトルを変更して、「意欲・行動・自信・創造のサイクル」としました。「~したい」という意欲を掻き立てながら行動化を促します。成功体験の積み重ねが自信となり、「もっとこうしてみたい」という新たな創造につながると考えます。「サイクル」というより「スパイラル」でありたいと願います。

 どういう手立てをとるかは、学年学級によって異なっても、目標や夢、願いといった着地点は同じであることが大事です。これは、家庭とベクトルを同じにして連携することなくして達成できるものではありません。どうぞ、ご理解とご協力を、今年度もお願いいたします。

001 あ~る~晴れた~昼下がり~♪(4/1)

 いよいよ新年度がスタートします。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、ずっと以前の離任式は4月1日に行われていました。それがいつからか3月末になり、現在では休業中の児童生徒の登校をなくす安全確保にスイッチされています。

 初任から5年務めた最初の異動では、4月1日に皆に見送られながら、校長先生か教頭先生だったかの車で異動先まで送ってもらいました。そこで相手校の先生の前で「よろしく」と引き継がれました。思い出すと、荷馬車に乗った牛のような感じです。♪ドナドナドナ~ドナ~♪と聞こえてきます。

 何年経っても異動は心細いものです。本日着任した教職員も同じ気持ちです。子供との出会いに不安と期待が入り混じった不思議な気持ちで過ごす4月。うれしいのは保護者や地域の方々の温かな声かけです。何気ない一言に勇気と希望が膨らみます。新しい職員を含めて、今年度のメンバーをご支援ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日はご挨拶まで。次は7日を予定しています。

206 はげまし(3/25最終)

 今日で令和2年度が終了します。修了式と離任式はZOOMで行います。市川小学校を離れる職員に関しては、氏名のみをこの後お知らせします。そして、この独り言も今年度最終回です。読んでくださる方がいらっしゃるというだけで励みになりました。子供も同じです。一緒に喜んでくれる家族や先生がいるからこそ前に進んでいこうとするのです。

 「はげみ」と言えば、年齢とともに髪の毛の密度が薄くなっていくのを感じます。先日は、エスカレーターを降りながら、上の段から繁々と私の頭を見つめ、「ずいぶん薄くなったね」と呟く妻。ついでに、「目立たない髪型でよかったよね」と。励みにもならない「ハゲ増し」の指摘です。

 さて、先週、初めて校長室に本を探しに来た中学年の児童がいました。聞くところによると、学校だよりを見ておうちの方が『マスカレードホテル』の原作を読みたいとおっしゃったようです。貸し出し中だったのですが、うれしい出来事です(先日、お貸ししました)。涙を浮かべて校長室にやってくる子もいれば、学校のことを知りたくて取材にくる子もいます。怒りを鎮めるために来室する子も…。ルールとマナーは守りながらも気軽に話ができる関係でありたいと思います。

 そんな何気ないことがうれしいのは、子供たちが学校にいるからこそ!4月の始業式まではしばらく、保育クラブに通う子供たちの声に癒されることにします。1年間、ありがとうございました。次回は4月1日の予定です。