校長の部屋

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099 ウィズコロナ(10/12)

 大学の講義は、まだオンラインが継続していると聞きますが、アメリカのズーム授業のこんな話を読みました。ある学生が、オンライン講義だったら飲酒してもバレないと思っていたところ、講義終了後に教授からメールが届いたそうです。「今日の講義で、あなたがビールを飲んでいることに気がつきました」とあって焦ったそうです。でも、「私もそのビールが好きです。ただ、月曜日の朝8時に飲んでいたことを心配しています。何か気がかりなことがあるなら、気兼ねせずメッセージを送ってくださいね。私はどんな時も生徒たちの味方ですから。」と文章は続いたそうです。叱るでも見て見ぬふりをするでもなく、朝からアルコールに頼るのには、何か事情があるのではないかと心配する心遣いが粋ではありませんか。

 さて、先日のニュースで、NTTがコロナ後の社会を見据えてリモートワークを基本とし、転勤や単身赴任を原則廃止する方向で検討すると発表しました。東京にあるオフィス等を売却する企業もありますし、働き方がどんどん変わっています。これに伴って、会社の近くに居所を構えなくてもよくなるわけですから、温泉地とか釣りなどの趣味が楽しめる場所への引越し、あるいは地元へのUターンが増えるかもしれません。

 どんな場所に住みたいですか?と問われたら、う~ん森の中に建てたログハウスやツリーハウスなんかよいかも…。子供たちは「○○がいい」と答えながらも、「市川小からは転校したくない!」と言ってもらえるような学校でありたいと思います。

098 自信と課題を胸に(10/11)

 ウクレレを習い始めてちょうど1年。長渕剛さんの『乾杯』をスタートに、今は『空も飛べるはず』(スピッツ)を弾いています。コード展開が速い部分もありますが、不思議と指が動くようになっています。「我ながら、やるじゃん!」と自分を褒めています。小さいながらもこうした嬉しさが、次への意欲につながるのだと身をもって感じています。

 前期終了に伴い、通知表が手渡されます。課題は大事にしながらも、良いこと・頑張ったことを中心に所見が書かれています。半年にわたる様々な記録をもとに評価していますので、自信につなげてほしいと考えます。

いつも言うことですが、本校の教育重点である“子供たちの「自己肯定感」「自尊感情」を高めていく”ためには、家庭や地域との連携・協働は必須です。みんなでよさをちゃんと認めてあげられるようでありたいと思います。よさや得意なところをさらに伸ばせる後期にするために、教職員全員で指導・支援をしていきます。

097 写真を見てニヤニヤ(10/8)

 今日は4年生の校外学習です。7時半出発で行ってきます。シャッターチャンスを逃さず子供たちのよい表情を残したいと思います。

 写真といえば、昔ながらの分厚いアルバムを開いて楽しむことがあります。ベッド下や部屋の一角を占有していますが、眺めては幼かった子供たちの姿や言葉などを見て、ニヤニヤと思い出し笑いをしています。一方、スマホやパソコンに保存したデジタルデータはとりたてて閲覧しようという気にはならないから不思議です。

 さて、卒業アルバムの業者選定を行っています。しばらく見直しを行っていなかったようですので、これまでお願いしていた業者も含めて、見積もりや本冊のページをめくりながらPTA本部役員にもご協力いただきました。直近で、現4年生以降の卒業アルバムからなら変更可能という考えです。宿泊学習や行事などでは、子供たちとカメラマンが行動を共にします。別の業者となった場合は、来年度は運全校に関わる行事に2つの業者のカメラマンが立ち入ることがあるかもしれません。

 久しぶりに小・中・高の卒業アルバムを紐解いて、ニヤニヤしてみませんか?では、よい週末を!

096 黄金比(10/7)

 午前中のうちにやっておきたい仕事にかかりきりで、教室巡りもしておらず、昼を過ぎてから慌てて書き込んでいます。

 さて、柿の種といえば「浪花屋」と言って憚らないのは妻。ビールのつまみは柿の種で十分とのこと。ピーナッツ入りは邪道とまで言い切ります。一方、私は、専らピーナッツ入り。その配合が絶妙だと思いながらも、ビーナッツばかりを食べているのは矛盾した行動?亀田製菓は、過去に比率見直し委員会なるものを創設し、国民投票を実施し、昨年5月に柿の種とピーナッツの比率「6:4」から「7:3」へという新時代の幕開けとなりました。

 ところで、「黄金比」という言葉をよく耳にします。ウィキペディアで調べると、円周率のように延々と続く数値が見られます。長方形の縦横比にも心地よさを感じる比率があるようです。本のサイズや名刺、カードのサイズもこれに当たるといいますし、音楽の世界やヒマワリの花、草木の葉といった自然界にも存在するらしいのです。学校の中にも最高のバランスで心地よさを醸し出すものがきっとあるかもしれません。

 ちなみに、日本の国旗も縦横の長さや日章の直径の割合が、法律で決まっています。縦の長さは、横の3分の2。日章の直径は、縦の5分の3なのです。そんなことを考えずに、白い紙に赤ペンで丸をグルグルって描いた方が心地よい…?

095 睡眠の質(10/6)

 娘がキャンプ用のテントを買ったといいます。まずは、デイキャンプから始めるようですが、うちの倉庫から様々な道具を持って帰りました。

 子供たちが小さなころは時々キャンプに出かけました。秋は概ね快適でした。夏場は暑すぎて眠れず、一晩中子供たちをうちわであおいでいました。夜中に激しい雷雨に見舞われ、怖くて車中に避難したのは筑波のキャンプ場?炭のにおいを嗅いだり、焚火の炎を見たりすると、ソロでもキャンプに行きたくなります。ユーチューブには、焚火や暖炉の炎が揺れるだけの動画がたくさんあります。延々3時間の動画を見て、気分だけ味わうことにしましょうか。

 さて、コロナ禍の在宅ワークによって生活リズムが崩れて、睡眠の質が落ちていると感じる人が増えているといいます。そして、人の睡眠には「明るさ」と「色」も関係があるようです。昼間は太陽光も含め、しっかり明るく白い光を浴び、夜は穏やかなオレンジ系の灯りに切り替えることが重要。つまり、昼と夜の光を切り替えることで自律神経のバランスが整って、質のよい睡眠につながるのです。東京都市大学の小林茂雄教授によると、睡眠前後の最適な照明環境は、

①寝る1時間前から明るさを絞り、オレンジ系の色で間接照明を中心にする。

②睡眠中は真っ暗、あるいは薄暗い明かりのどちらでもよい。

③起床30分前から徐々に明るく白っぽい明かりにする。

とよいそうです。とはいうものの、自動で色を変えたり点灯させたりはできませんが…。ただ、

④寝る前はできるだけスマホやパソコンの画面を見ない。

⑤体温が上がるお風呂や激しい運動を避ける。

の2つはよく言われます。まずは④に特化して実践し、睡眠の質を高めようと思います。ちょうど枕も最近かえたばかりですし…。

 10月の保健だよりで、本校の高学年児童の就寝時刻が遅いことを知りました。学習塾での勉強が一因かもしれませんが、それをなんとかするのは難しいこと。だったら、睡眠の質を高めることを目指す必要があると思います。ただ、寝る前に炎の揺らぎを楽しむのはおねしょの元?!

094 案山子(10/5)

 キンモクセイの二度咲きを昨日調べてみました。涼しい・暖かいが繰り返されるなど、その年の気象によって時々あることだそうです。前回の開花は3週間前でしたが、またしばらく甘い香りを楽しめます。

 さて、自宅近所の田んぼは、ほとんど稲刈りを終えていますが、まだ重たそうに首(こうべ)を垂れる稲穂はまさに黄金色。夏には黒いビニル袋をカラスに見立てて吊るしてある所やトンビに見立てたカイトを柱に括り付けて飛ばしている広大な田園風景がありました。案山子も何体か見ましたが、人間と見間違えるほどの出来栄えの、まさに「作品」と呼べるものまであります。鳥との戦いは今も昔も白熱の知恵比べのようです。そういえば、十数年前は定期的に鉄砲のような音を発しているのを聞いたことがありますが、最近は耳にしません。

 岩手県のある農産物直売所では、「かかしまつり」が今月末まで行われているそうですが、ふと疑問になった「案山子」という文字について調べてみました。元々中国の僧侶が用いた言葉だそうで、「案山」は山の中でも平らなところを意味して、「子」は人や人形のことのようです。獣を追い払うために、髪の毛や魚の頭を焼いて串刺しにしたものを田んぼなどに立てていた昔、それを「嗅がし」と呼んでいたので、当て字としたようです。

 さだまさしさんの『案山子』という曲に、「置き去られて雪をかぶった案山子がひとり~」「案山子のように、寂しい思いしてはいないか~」と歌う部分があります。よい人間関係を育む温かい学校、寂しい思いをさせない優しい家庭でありたいですね。

093 アナログ的顔認証?(10/4)

 両方の校門近くの金木犀がまた花をつけて、よい香りが漂っています。ワンシーズンに2回も?

 さて、新型ランクル300(自動車です)は、日本車初のセキュリティシステム「指紋認証スタートスイッチ」を導入しました。私のスマホは指紋認証ですが、顔認証のスマホを使用する方もいらっしゃるでしょう。その一人である木村拓哉さんは朝起きてスマホを開くとき、自分の顔を認証してくれないことがよくあるといいます。暗唱番号入力をせず、意地でも顔を識別させようとするのですが反応しないとか。すると、「俺だよ、オレ!」「わかんないのかよ」と画面に向かって叫んでしまうというので、想像するとおかしくなります。

 9月の終わりに、2年生が2回に分けて学校の北側・東側の2コースを町探検しました。今後、もっと深く知るためにグループごとに探検する予定です。コロナ禍では地域の方々をゲストにお招きしたり、実際に足を運んだり、授業を見ていただいたりする機会がほとんど設けられません。「あの時に来てくれたおじちゃん、おばちゃん」的な顔見知りの方が地域に多くいらっしゃれば、挨拶や会話が弾み、防犯・防災にだって役立ちます。そんなきっかけにもなるかもしれません。こうした「地域顔認証システム」構築は、子供に限らず大人の世界だってプラスに機能すると思うのです。

 これに関連して、来年度4月から3年間の任期で務めてくださる「青少年相談員」を求めています。委嘱時の年齢が20~55歳(学生可)で、スポーツ・野外活動等を通した体験学習の促進や地域青少年の健全育成などを行っていただきます。市内13地区ごとの主催行事の企画・運営もお願いしています。中心になる方はいらっしゃるので、参加できるときだけでも大丈夫と聞いています。興味のある方、ご推薦いただける方がいらっしゃったら、学校(325-4758)にご連絡ください。もう少し詳しく説明いたします。ちなみに市川・真間は第2地区、市川南・新田2~4は第3地区になります。

092 Lemon(10/1)

 今日は、登校の時間帯以上に下校時の雨風の方が気がかりです。雨雲レーダーとにらめっこの午前中になりそうです。我が家にあるレモン&ライム計4鉢が、去年よりたくさんの実をつけ、青々して艶やかで、今から収穫が楽しみですが、台風被害を受けないか心配です。レモンといえば、少年サッカーの指導をしていた頃、ハーフタイムになると選手に出されていた砂糖漬けにされたレモンの輪切りをふと思い出しました。

 さて、少し前に読売新聞「編集手帳」を読んで、日本と欧米のレモンに対するイメージに差があることを初めて知りました。日本では一般的に、レモンは酸っぱいけれど清涼でスッキリしたプラスイメージが持たれています。一方、アメリカには次のような名言があるそうです。

  When life gives you lemons, make lemonade.

 直訳すると、「運命があなたにレモンを与えたなら、それでレモネードを作りなさい」となります。何のことか意味がわかりません。実はレモンのイメージの差がここにあるのです。アメリカでは、レモンに「つまらない」「品がない」「不良品」「ポンコツ」などのネガティブな意味があります。そう思って、この文を読み返してみると、「運命があなたにレモン〈みたいな良くないもの〉を与えても、〈それに手を加えうまく料理して〉レモネード〈みたいな素晴らしいもの〉に変えてしまいましょう」となるでしょうか。良くないことに対して不満を言っていても始まりません。まずはそれを受け入れ、どう乗り越えていくか考え、よりよいものを切り拓く行動に結びつけていくことこそ大事なのだと教えてくれます。この名言は、コロナ禍における新たな創造・転換と考えることができそうです。調理の主体は、教職員であり、保護者であり、子供たちです。一味違った市川小独自のレモネードを味わいたいものです。

091 安全かつ効果的な活用を(9/30)

 新聞をとりに外に出ると、50数年前の夏休みにラジオ体操に出かけた朝の匂いを感じて懐かしくなりました。明日午前中の台風の影響が心配されます。対応について、メールでお知らせすることもあります。

 さて、9月半ばに6年生の教室でこんな声を聞きました。「ぼく、耳が悪いから聞こえるかどうか不安です。家族もみんな耳が悪いし…。」と、オンラインで大型テレビから流れる音声を聞き取れるか心配しているのです。この気持ちがとてもよくわかります。過日行われた校長会議は、初めてのオンライン開催でした。各課の連絡事項がどの程度聞き取れるか不安でしたし、実際聞き取れない言葉も多く、前後の文脈で想像するしかありませんでした。コロナ禍にあってはオンライン等の便利さを享受する人も多いでしょうが、逆に不安や不自由さを感じる人もいることに気づきたいところです。

 オンライン学習以外でも、タブレット活用によって学校や家庭での学びを深めることができます。文章や記録のタイピング、プレゼン資料やポスター・パンフレットづくり、写真や動画撮影ほか、自主学習支援コンテンツを利用したり気になったことについて深く調べたりするなど、学習の足跡を残して振り返ることだって…。

 ただし、学習用タブレット端末によるチャット等でのいじめも心配されます。最近の自殺報道にもみられるように、活用の仕方を誤ると様々なトラブルにつながる可能性を孕んでいます。そこで、安全で適切な使用を促すために、「タブレット端末活用のルール」を作成しました。タブレットを開くことで学習を楽しめるようにしていくための第一歩を踏み出したばかりです。学級でもこれをもとに指導しましたが、家庭に持ち帰って使用することもあるので、各家庭の協力も不可欠です。

090 親を何て呼ぶ?(9/29)

 先日学校に届いた訃報をみると、故人の年齢が102歳とあります。心の中で合掌。私の父母も93歳と89歳。2週に一度は手紙を持って施設に足を運びますが、面会は叶いません。窓越しに顔を見て、小さな笑顔にホッとして帰ってくることもあります。縁起でもないことですが、この父母がこの先亡くなったとき、私はなんて呼んで涙を流すのだろうと考えてしまいます。若いころから「お父さん、お母さん」「おやじ、おふくろ」などと呼ばず、「おっさん、おばさん」なんて呼んでいたこと、「ねぇねぇ」で済ませてきたことを今更ながらに恥じるとともに悔やんでいます。持参する手紙にも「○○様」なんて他人行儀な書き方しかできないのですから。

 さて、『Koki “公の場”で「お父さん」言葉遣いに、木村拓哉と工藤静香の“躾”が問われる』という見出し。友人同士の会話なら、「お父さん、お母さん」と呼ぶのも致し方がないでしょうが、ビジネスや社会的な立場では「父、母」を使うのが一般的という意見があります。一方、まだまだ社会経験に乏しい10~20代前半の若者を責めるのは酷という声も聞きます。いずれにしろ、使い分けができるように、両親や周りの人が正してあげることが大事かもしれません。

 今日5年生のある学級で、国語「敬語」の授業にゲストとして呼んでもらいました。

089 本の世界を楽しむ(9/28)

 「こんなことがあるもんか。お話の世界だけのことだ。」と思っていたのに、決して現実離れしていないことに気づいたのはいつの頃だったか。

 例えば『オズの魔法使い』。昔読んだとき、家や身の回りのものが竜巻で空に巻き上げられるなんてあり得ないと思わなかったでしょうか。少なくとも日本に生活する者にとって非日常的な現象です。でも、大人になって海外の被害映像や映画の一場面を目にすると、夢物語ではないことがわかってくるのです。

 もう一つ、『仔鹿のバンビ』のお話。山火事で動物たちが逃げ惑う場面がありますが、これも自然発火による森林火災が実際に起こり、消火活動をするニュースを見てしまうと、現実味が増していくのです。

 こう考えると、地震を経験したことのない国では、物語に地震による倒壊や津波という設定はあり得ないのかもしれません。本を読むということは、自分の知らない世界を疑似体験することにもなります。視野を広げたり違った立場の人の思いに触れたりすることもできます。物語の根底にある教訓を感じる人だっているでしょう。

 校長室に時々読書しにやってくる2年生がいます。10月7日から22日まで本校の秋の読書週間ですので、子供達には時間を今まで以上に割いたり、違うジャンルの本を紐解いてみたりしてほしいと思います。その環境を演出するのは大人!決してお仕着せにならないよう、さりげなく…。私も、通勤読書だけでなくスマホ情報を閲覧している時間を読書の時間にします。

088 3年生へのプレゼント(9/27)

 朝方は、掛け布団から肩が出ていると寒く感じるようになってきました。

 さて、昆虫すら怖くて触れなくなったのはいつからでしょう?セミもバッタもカブトムシも手で捕まえていたのに…。少年時代に触れなかったのは蛇と蛙くらい。

 家の柑橘類の葉に紛れて大きくなったアゲハチョウの幼虫を発見しました。次の日には移動していてどこへ行ったか見つけるのに一苦労です。ここまで大きくなられては、お亡くなりになっていただくのは忍びなく、かといってこのままにしてはおけないが触れない。そこで割りばし登場!葉にしがみつくのを無理やり引っぺがし、学校への搬送用ペットボトルにin!また3年生にプレゼントするのが、6cm大に育った幼虫君の幸せのためと判断しました。2匹のうち1匹はすぐにさなぎになったそうです。

 昆虫の保護色・擬態には驚きます。まるで枝になり切った尺取虫。白い壁にはりついた蛾。鳥や小型の動物の餌になるため、「食べられないようにするための擬態」「カムフラージュ」が多いようです。逆に、肉食昆虫では、ハナカマキリのように「食べるための擬態」も見られます。

 植物の世話をしていると、擬態した昆虫に心臓が飛び出るくらいびっくりすることがあります。そんなときの心拍数ってどんだけ~?虫の声に耳を澄ませてみるよい季節になりました。

087 選択肢を増やす(9/24)

 私の県内公立高校受験は、学校格差の均質化を狙った「学校群制度」最後の年。そして大学受験は、共通一次始まって2年目だったでしょうか。こんなことを思い出したのも、だいぶ古い話題ですが、最終回の視聴率20%超だった『ドラゴン桜』を見て、現在の大学入試制度に驚いたからかもしれません。

 今の腹黒さとは無縁の純粋だった高校時代。専ら球拾いと先輩のパシリ専門だった1年生の部活。昼食後に部室に行って、先輩の注文を聞いて、近所の商店へ飲み物やパンを買いに行きます。昼休みは、部室にある牛乳瓶ケースの前に手をついて逆立ち。もう一人が1曲歌い終わるまで耐え抜くというもの。友達を救うために大事なのは選曲。部活が始まる前の時間は、小石がごろごろするグランドの端で、1年生10人位が寝そべる上を越える跳び込み前転をやらされます。こんな慣習は断ち切ることを誓った先輩が引退した夏。1時間に1~2本しか電車がない練習試合の相手校。帰りの電車が不通となって、みんなで線路の上を歩いて帰った映画のワンシーンのような思い出も。

 「もしもあの時、違う道を選んでいたら…」という思いは人それぞれ。過去に戻って人生の選択をやり直すことができる不思議なタクシー。竹野内豊さん主演の『素敵な選TAXI』というドラマです。一方、未来が無限に広がる子供たち、「あの時点に戻ってやり直したい」と後悔することなく、自分の信じた道を歩んでよかったと胸が張れるようであってほしいと願っています。長い人生の分岐点における選択肢を増やすためにも、何をどのように学び、どのように解決していくかを授業の中では大事にしています。

 昨日、映画『マスカレードホテル』を観ました。もしかしたら、私にも「刑事」とか「ホテルマン」という選択をする分岐点があったのかも?「いやいや、あり得ない」という否定の声が聞こえてきます。

086 教室をまわると…(9/22)

 昨日、5年生を対象にした『夢の教室』を実施しました。様々な競技の現役選手・OB・OGなどが「夢先生」として学校へ派遣され、「夢を持つことや、その夢に向かって努力することの大切さ」「仲間と協力することの大切さ」などを伝えてくれるもの。一昨年までは、一緒に活動する「ゲームの時間」で楽しんだ後、「トークの時間」でこれまでの辛かった経験や挫折、歓喜の場面など、人生の先輩として語ってもらいました。将来について考えるきっかけにできればと考えて小学校5年生を対象にします。また、より具体的に将来をイメージする機会にしてほしいという考え方から中学2年生でも実施している企画です。コロナ禍においてはオンライン実施なので、直接「夢先生」とふれあう機会は残念ながらもてません。今回の夢先生は、元女子バスケットボール日本代表の岡里明美さんと元フットサル選手の梅田翼さんでした。

 6年生の教室へ足を運ぶと交換授業をしていました。2クラスずつのペアで、社会科と理科の授業を交換してもう一方の担任が毎回授業をします。社会科は4月に政治単元からスタートするように変わったので、今の時期は貴族のくらしから武士の世の中へ変わっていく時代を学習中です。それぞれの生活の様子や屋敷の違いなどから学習問題づくりにつなげます。

 さらに、2年生の教室では新出漢字の勉強中でした。黒板には「茶」を使った言葉の例に、麦茶・抹茶・緑茶・紅茶・ウーロン茶・ほうじ茶・生茶・十六茶・ジャスミン茶・お茶漬け・茶柱などいっぱい!子供たちの活発な発言が手に取るようにわかります。そういえば、昔ある家で出してくださった椎茸昆布茶、息を止めて飲み干したのを思い出しました。今でも給食室から漂う干し椎茸の戻し汁の匂いは鼻をつまみたくなります。

085 学びを派生させたい!(9/21)

 今日は中秋の名月。一年の中で最も美しいとされる月で、毎年9~10月頃に鑑賞できます。今も昔も、なぜかしら月に魅了され、お月見を楽しんできました。月が昇り始めたあの大きさにワクワクします。今晩はどうでしょう?

  

 さて、「十五夜」というのは、新月の日を1日目としたときの15日目の夜のことですが、この日が満月になるとは限らず、1~2日ずれることの方が多いようです。ただ、今年から3年間は一致するみたいです。満月以外に、三日月、上弦の月、下弦の月を理科で学んだり観察したりしたということを思い出す方もいらっしゃるでしょう。

 サザエさん一家は、お月見団子を作ったりススキを飾ったりするのでしょうか。ちなみに、「秋の七草」はススキのほか、オミナエシ(女郎花)・ナデシコ・クズ・フジバカマ・キキョウ(桔梗)・ハギ(萩)。こうした植物を見たときに、カツオ君は名前まで言えるでしょうか。畑に育つ作物の葉を見て、ワカメちゃんは野菜の名前が言えるでしょうか。タラちゃんなら、「きれいでちゅ~」で終わらせず、「なんという名前でちゅか」「自分で育ててみたいでちゅ」などと興味関心を膨らませていくかもしれません。

 先日、月の満ち欠けを学習した子が、「校長先生の頭は、太陽ですか?月ですか?」と尋ねてきました。関心が向くべき方向がちょっと違うような…?でも、自分で光を発することがないので、「月です」ときっぱり答えたのは言うまでもありません。

084 明々後日は敬老の日(9/17)

 敬老の日が、9月15日から9月の第3月曜日に移ったのは平成15(2003)年からですので、18年も経つようです。元々「敬老の日」は昭和22年に兵庫県のある村長さんが作ったものだといいます。「老人を大切にし、年寄りの知恵を村づくりに生かそう」という考えで、農閑期の気候の良い9月中旬15日を「年寄りの日」と決めたことが始まりです。昭和25年には兵庫県全域に、やがて全国に広がって昭和29年に国民の祝日「老人の日」が制定されたのです。昭和41年に「敬老の日」と名称変更されたわけです。要は、長い人生で年寄りが培ってきたノウハウを上手に取り入れ豊かな社会を作るために役立てようという趣旨があったのです。

 しかし、超高齢化社会となっていく現在、医療費も負担増となっています。お年寄りが幸せに暮らせない国で、若者が幸せに暮らせるはずはありません。ですから、「敬老の日」がお年寄りを敬うだけでなく、大事に愛してくれる人たちから、お年寄りが元気に生きる活力を得る日であってほしいと願います。(参考:漫画『江戸前の旬』)

 さて、5月のゴールデンウィークに対して秋の大型連休を「シルバーウィーク」と呼ぶようになったのは2009年から。敬老の日と秋分の日を含めて5連休になったことがきっかけです。GWと異なり、曜日の並びによって数年に一度しかやってきません。最近の5連休は6年も前に遡り、次はいつになるかはわかりませんが、心軽やかに遊べる状況になるのを心待ちにしています。

 よい連休・時間を子供たち、そしてお年寄りと一緒にお過ごしください。

083 これからも事故ゼロ(9/16)

 日本最高齢のフィットネス・インストラクターのタキミカさん(90歳)が取り上げられている新聞広告をよく目にします。90歳という年齢にもかかわらず、健康で調整の取れた体形を維持し、笑顔で生活できるということは素晴らしいと思う一方で、フィットネススーツ姿での笑顔がどうしても好きになれず、すぐにページをめくってしまいます。

 さて、来週21日から30日まで、秋の全国交通安全運動です。事故に遭わない、事故を起こさない、事故を誘発しない、そういう行動を心がけるようにしたいものです。

 先日、1年生と江戸川の土手に虫捕りに行きました。その際、何かに夢中になると往来する自転車や人、注意の声に目と耳を閉ざしてしまう姿があることを痛感しました。友達と一緒に話しながら歩いていて、前や後ろから来る自転車や車に気づかない、道路の反対側にいる親や友達に気を取られて車道に飛び出したり無理な横断をしたりする、といったことも日常的に散見されます。八街市の小学生を巻き込んだ事故は記憶に新しいと思いますが、ルールを守っていたって事故に遭うケースが多くありますので、注意し過ぎということはありません。「自分(他人)の命を守るのは自分」という意識を、学校でも家庭でも耳タコになるくらい訴えていく必要があると考えています。

 また、暗くなるのが早くなってきます。自転車の無灯火は子供だけの問題ではありません。加害者になる可能性だってあることを改めて認識しなければなりません。服の色や反射板の携行も含めて、ぜひこの機会をとらえて…。90歳でも笑顔でいられるように!

082 ギリシア文字を唱えられる?(9/15)

 ニュースの見出しに、「変異ウイルス『イータ株』『カッパ株』も…」とありました。

 ♪ 線路は続くよ どこまでも ♪ではなく、コロナは続くよ どこまでも~といった感じで先が見通せない不安ともどかしさが募ります。

 変異種が登場するたびに名前がつきます。英国の変異種は「アルファ」、インドの変異種が「デルタ」と。「アルファ」「ベータ」「ガンマ」「デルタ」「エプシロン」「ジータ」「イータ」「シータ」「イオタ」「カッパ」「ラムダ」「ミュー」…とギリシア文字はありますが、なんでコロナ変異種にギリシア文字が使われているのでしょう?

 報道の際、わかりやすくするため、最初に変異株が見つかった国や地域を冠した呼び方をしていたはずです。ただ、最初に見つかったからといって、その国や地域で生まれた変異種であるとは限らないにもかかわらず、あたかも発祥の地であるかのようにとらえられてしまう恐れがあります。つまり、誤解や偏見を生む可能性があります。人種差別にまで発展することだって懸念されるわけです。名付け親のWHOは、そうした悪影響をなくすために、呼びやすいギリシア文字を使ったようです。

 偏見といえば、多くの人に親しまれた昔の大衆車に、カローラやコロナ、サニーなどがあります。「コロナ」という車名が今はありませんが、なくてよかったとトヨタ自動車関係者は胸をなでおろしているかもしれません。モデルチェンジでもしようものなら「新型コロナ」登場!ですから。

081 自信の結実(9/14)

 キンモクセイが開花し始めました。今シーズン初めての甘い香りに周りを見渡しました。見頃といえる開花時期は1週間ほどと短命ですから、見逃さず楽しみたいものです。このキンモクセイは花をたくさんつけますが、実がなっているところを見たことがありません。それは、日本にあるキンモクセイは雄株ばかりで、雌株がないからなんだそうです。

 このように植物には雌雄異株の樹木が存在します。それを意識させる代表的な木が、ヤマモモとイチョウです。ヤマモモの場合、6月中旬頃に木の下に目をやると雌雄がわかります。複数植えられたヤマモモの根元がえんじ色になっていたら雌木です。熟した実が落ちた跡です。採って食べると甘酸っぱくて美味しいのですが、これを知っている子はほとんどいません。教えると、嬉しそうに摘んで食べる子もいます。一方、イチョウはその独特な匂いでわかります。落ちた実の臭いこと臭いこと!でも、これを拾って、腐らせて種の部分だけを取り出して…。炙って食べたら最高です。大きな実を選んで拾っている人を時々見かけますが、ご一緒したくなります。

 ご一緒したくないのは桜の木の下。昨日14号門入ってすぐの所に、黒い粒々がたくさん発見しました。実ではなく、毛虫の糞です!すぐに用務員さんに退治してもらいましたが、難を逃れた輩がいるかもしれませんので、校地内の桜の木には十分ご注意ください。消毒薬散布は後日行う予定です。

 雌雄異株の代表格のイチョウといえば、国府台スポーツセンター陸上競技場の観客席後ろにあった大木が懐かしい。10月の陸上大会では、その近くに応援席が割り当てられた学校はたまったものではありませんでした。そういえば、先日通りかかったスポーツセンター、野球場が跡形もなくなっていました。何ができるのでしょう?

 話は戻りますが、校章になっている月桂樹(ローレル)も雌雄異株のようです。カレーやシチューの香りづけとして葉を使用しますが、キンモクセイ同様、日本にあるものはほとんどが雄株らしく、青紫の実がつくという雌株は見かけません。ですから、市川小に植えられている月桂樹も雄株となります。一方、シンボルツリーのプラタナスがたわわに実をつけていますが、子供たちも男女関係なく「行動」という形の花を咲かせ、「自信」という実を結んでほしいのです。そして、その実を落とさずに少しずつ膨らませていくのです!

 

080 やわらかアタマ(9/13)

 湯船から立ち上がる湯気で風呂場の窓が白く曇るようになったのを見るたびに、季節が変わったことを感じます。休日の夕方、給湯器から「お風呂が沸きました」という音声がします。「以前より音が小さくなった気がする。疲れているんじゃない?」と言うと、「前より耳が聞こえなくなったんじゃないの?」と返されて、なぜか納得してしまうのです。子供と話をする中で、きちんと聞き取れていないが故に変な答えをしたと思う場面があります。その子の表情を見ると一目瞭然!ごめんなさい、適当に返事しました。こうしたことが多いので、家人も心配してこんなことを言います。「聞かれた質問に頓珍漢な返事をするから、人前に出すのが恥ずかしい」と。苦笑いです。

 昨年度、校長室前や2階掲示板に「校長からの挑戦状」と題したクイズを掲示していました。途中でやめてしまったのですが、全22問。校長室前に掲示してあったときは、1週間後にヒントを添え、さらに1週間後に解答を書き加えていましたが、2階に一括掲示してからは放りっぱなしでした。先週、上学年の女児4人が校長室に訪ねてきました。話を聞くと、「クイズの答えを知りたい」と言います。早速、解答集を作るとともに、新しいクイズも貼っておきました。すると、翌日すぐに「ありがとうございました」とお礼を言いに来てくれたのです。トレーニングでやわらか頭を育てようというものですので、ご来校の際はぜひご覧ください。

 最近、モノの名前がすぐに出てこなくなりました。「ほら、あれだよ、あれ!」の連発です。脳を活性化するためにもなぞなぞやクイズなどは効果的かも。掲示用の問題作成は、子供たちのためというより自分のためなのかもしれません。子供も大人も柔軟で明晰な頭脳を目指したと思います。

079 ありがとうをつなぐ(9/10)

 ネット上に見つけた女性の投書。

 スヤスヤ眠る息子を乗せたベビーカーを押し、もう片方の手に買い物袋を持って小さな娘の手を引いていた。駅のホームへ下りる階段の前で迷っていると20代の女性がベビーカーを一緒に持ってくれた。しばらくして、娘がジュースを飲みたいというので自販機で買ったが、疲れのせいかうまく飲めずストローをねだって泣いた。我慢するようになだめながら歩いていると、別の20代の女性がコンビニに入ったかかと思うとすぐに出てきてストローを差し出した。ともに、きちんとお礼を言う間もなく去って行った。

 ありがたいと恩義を感じる場面は多々ありますが、「もらったら返さなければならない」といったプレッシャーを感じる必要はないかもしれません。というのも、ある人の話の中に相手に直接返そうとするよりも、自分がよりよく生きようとすること。そうすれば、きっと誰かが自分から何かを受け取ってくれるという言葉がありました。「恩を受け継ぐ」「感謝の輪廻」にはいろいろな形があってよいのだと思うのです。

 1学期、4年生のあるクラスの靴箱はいつ見ても整っていてきれいでした。「すばらしい!」と担任に伝え、話を伺うと、特定の児童がきれいにしてくれていたようです。でも、クラス全体が褒められたとあれば、他の子たちにまで「友達の靴であっても整っていなければそろえる」という行為が広がっていくかもしれません。さらに、同じ昇降口の靴箱に乱れた靴を見かけたら、クラスや学年に関係なくきれいにする子が現れるかもしれません。そんな連鎖を期待して止みません。

078 後ろ姿を見せて…(9/9)

 今日9月9日は、「重陽の節句」「救急の日」「手巻き寿司の日」「ロールケーキの日」「栗きんとんの日」「カーネルサンダースの誕生日」と賑やかです。昨日、36年前の卒アルの話をしましたが、今日6年生が卒業アルバム用の個人写真を撮影します。どんな表情で写るのか楽しみです。

 さて、5月も下旬になろうかという頃、某社の試乗車を自宅駐車場で車庫入れしている隣人を見た私。15年は乗ったと思われる車をそろそろ新車に替えるのだろうと考え、「今注文しても納車は7月だろう」と勝手に予測。7月中旬に駐車場脇の植栽を伐っている様子を目撃した私は、間もなくだなとなぜかワクワク。でも、いつまで経っても動きがないため、気をもむ変な隣人と化す私。そして7月末、めでたく納車!胸をなでおろした私はやっぱり変?

 夏休み中に屋外で作業をしていると、公園へ虫捕りに出かける親子に出会いました。夕方の散歩をしていれば、家の前で水遊びやシャボン玉を飛ばしている親子を見かけます。顔見知りでなくても、どちらからともなく「こんにちは」と笑顔を添えてあいさつする場面が時々あります。すると、子供も一緒に声を揃えます。ここにこの親子の「子育て」を垣間見られる気がします。親ができないこと、やらないことを子供はやろうとはしません。先生が後ろ姿を見せながら語らなければ、口先だけでは子供たちは行動しません。同じだと思うのです。私自身、お座なりにしてしまったりいい加減で済ませてしまったりしていることはないか、改めて見直さないといけません。

 ちなみに、隣人の息子さんは、顔を合わせると私より先にいい顔であいさつをしてくれます。

077 36年前の卒アル(9/8)

 7月中旬頃から各学校のPTA広報誌が届きます。今年度の第1号なので職員紹介があります。写真を見ると、毎年知らない顔と名前が増えていきます。大量退職で世代交代が凄まじいスピードで進んでいる昨今、さみしい気がする一方で、以前講師として頑張っていた方も正規採用されて頑張る様子が写真から伝わってきます。

 さて、夏休み前半に行った保護者面談の際に、ご自身の卒業アルバムを持ってきてくださった方がおり、担任を通して受け取りました。わざわざ実家から持ってきてくれたといいます。この卒アルは、私が初任だったときに最初に受け持った5年生の子供たち。力不足で6年に持ち上がることは叶わなかったので、手元にはない貴重なものです。写真や名前を見て懐かしさがこみ上げます。他のクラスの子も「いた、いた!」「元気にしているかな?」という感じ。「写真のこの子は、今○○さんのお母さん」ということまで教えてもらいました。

 ページをめくった先の「社会のニュース」欄では、マラドーナ擁するアルゼンチンがW杯優勝とかスーパールーキー清原和博などという文字が並びます。そして一番驚いたのが名簿!なんと教職員と児童の住所・電話番号がすべて載っているではありませんか。この卒アルが売買の対象になっていたようですが、「個人情報」云々と気にしすぎる時代ではなかったのも確かです。

 最後に、教職員の寄せ書きに「頭でっかちよりも、心でっかちな人になってください」という自分の文字を見つけました。36年経って、私自身、心が豊かに膨らんだかどうか、未だ不安です。現在48歳?の116人はどうでしょうか?

076 お気に入り(9/7)

 秋の清々しさを感じる朝です。大きく深呼吸をしたくなります。

 さて、夏休みに入ってすぐ、BICボールペンが廃版になるというニュースを見ました。1961年発売というから同い年です。世界160か国で愛用され、筆記距離は2~3kmあるそうです。コアなファンも多く、惜しむ声が聞かれます。

 一方、腕時計用アルミ製カレンダーを懐かしく思う方もいらっしゃると思います。先のボールペン同様、コアなユーザーに愛され続けますが、職人の腕と機械確保ができ、なんとか生産の見通しが立ったといいます。私自身、お世話になった時もあり、懐かしい限りです。

 この夏、私のお気に入りに加わったものが、BUFF(バフ)。ネックゲイターやフェイスマスクにもなりますし、ヘッドバンドや帽子としても使える代物です。ジリジリと刺すような日差しを頭皮がダイレクトにキャッチするため、じっとしていると焼けるように熱くなります。そこで、私は専ら頭に被ることにして、林間学校での日焼け&汗対策、庭の手入れ・水撒きの際のやぶ蚊対策で、頭皮を守ってくれました。ランニングでは滴る汗を吸い取り襟首を陽射しから守ってくれて、洗濯すればすぐに乾くので帽子よりお手軽。しかも、様々な色模様があるのであっという間に3枚目。その日の気分や恰好で替えています。夏休み中の朝食前の40分程度のランニングにも大活躍。

  

 2歳になった孫は、ミッフィーちゃん→おさるのジョージ→ドキンちゃんと目まぐるしくお気に入りが変わりますが、手放せないのは古びてきたタオルケット。というわけで、皆さんにとって今一番気になっている物、お気に入りってなんでしょう。子供たちは?

075 置いていかれないにように…(9/6)

 ドラえもんの誕生日は2112年9月3日。そこで先週4日(土)に誕生日スペシャルが放映されました。ただよく考えると、91年後の未来に生まれるのに、生まれる前に毎年誕生日を祝うってどうなの?と首をひねってしまうひねくれ者です。

 このひねくれ者の部屋に保管されていた、タブレットの入った何十箱もの段ボールが、ドラえもんの誕生日に各教室へ運ばれて行きました。自席から見える景色が少し変わったような…?教室に旅立ったタブレットは、充電保管庫と呼ばれるホテルに滞在中です。これに並行して、児童一人一人にタブレットを配付して学習で活用したり、欠席した場合の支援等に使ったりするために、教員の研修や児童がセットアップ・練習する準備を進めています。まずは4年生以上に配付、来年度からは3年生以下にも配られる見通しです。

 さて、GIGAスクールに向けたスピード感は半端ではありません。その速度についていくのがやっと!人に聞かないと、スタート地点にすら辿り着きません。スマホのように画面を指でタップしてもよいことだって知らず、パッド部分を指の腹で擦っているうちに遅れが広がる始末。教員も老若男女関係なく得手不得手がありますので、様々なことを校内・市内で共有して誰もが積極的活用ができるように進めていけるようにしなければなりません。教室に居ながら他の学校と、他の市や県と、世界とつながることだってできるようになるのですから…。ただし、期待しすぎてはいけません。機械ですから機嫌を損ねることが度々あることを想定する必要がありますし、間違った解答が提示されることも少なからずあると聞きます。教室での対話式学習の方が効果的な場面もたくさんあるので、上手に併用していくことが求められます。

  

 というわけで、写真正面に見えるのがタブレット用充電保管庫です。そして、左の棚上にあるのがサーキュレーター。先週のような10月下旬の気温でも、感染防止のためにどの教室もフル回転で空気の循環・換気に大忙しでした。

 ドラえもんが生まれた2112年ってどんな世界になっているのでしょう。

074 児童を守る黒子に(9/3)

 オリンピックに出場するブルガリア新体操チームのホストタウンとなった市川市では、代表チーム応援のために1学期後半に各学校で花を植えたプランターやのぼり旗を準備しました。(活動の写真を撮り忘れました!)代表チームは、国府台SCを練習場所として使用し、8月6日に始まった新体操競技。団体総合でブルガリアが見事優勝という結果を見て、なんかうれしくなってしまったのは私だけではないはずです。

 さて、夏休み中に教育委員会を含む市の職員と一緒に通学路合同点検を行いました。危険箇所をチェックするとともに、対策の必要性などを実地調査するものです。国道のガードレールや14号門前歩道の注意喚起ペイントなどを相談しました。また、給食室そばのマンションは秋に入居予定ですので、居住者の車が国道へ向かう動線上に正門があるため、通学路を明示するカラー塗装をお願いしました。市内公立学校それぞれに事情と要望がありますから、優先順位を付けたうえで実現できるものが決まります。今回実現できなくてもアプローチは続けていきます。

 しかしながら、児童昇降口が分散され、管理棟から離れていることによる不審者等の侵入の心配、下校時の14号門からの飛び出しによる事故の心配など課題は残ります。教職員や児童の意識をより高めながらも施設・環境改善は簡単ではありません。そこで協力を訴えたいと思います。ボランティア等で担ってくださると助かります。校内を見て回ってお子さんやお孫さんの姿を見たり多くの子と顔見知りになったり…。児童との交流も取り入れたいところですが、コロナ禍では控えるべきでしょう。いかがですか?これなら早期実現できそうですが。

 最後に、夏休み中に1年生のある保護者の方から声をかけていただきました。「私たちの安全を守ってくれている身の回りのものを探す」という宿題があったそうです。信号機などいくつか書いてある中に“校長先生”という文字があったのですと教えてくださいました。うれしい話を伺い、さらに頑張りたくなっちゃいました!

 

<追記> 夏休みの自由工作作品を、作った子(写真右)が被らせてくれました。素晴らしい出来映えです。これを身に着けて校内を巡回したら、目立ちすぎて黒子ではなくなってしまいます。

073 オリ・パラ観戦を通して(9/2)

 昨日から市川警察の方が、14号門前で朝の見守り活動をしてくださっています。月末まで緊急の事案がない限り交代で立ってくださるようでありがたいです。今日は長文となってしまいます。

 「東京都で五千人超え」「市川市も二百人超え」といった、コロナ感染者数の爆発的な増加に不安を募らせる一方で、オリンピック競技での様々なドラマにもドキドキした夏休みでした。

 メダル候補のメキシコを破り3連勝したサッカー予選と決勝トーナメント。献身的な守備を見せるFWの林大地選手を、イケメンだなぁと画面に映るたびに羨ましく思う私。57年という時を超えて、親子で金メダルを目指したウエイトリフティング三宅宏実選手の最後の挑戦。大坂なおみ選手や桃田賢斗選手への金メダル期待の重圧。パラも見ていると胸が熱くなります。

 レスリングでは、姉妹で金メダルを獲った川井選手。柔道では、兄妹で金メダルの阿部選手ほか、日本柔道の活躍に目覚ましいものがありましたが、完成まで数か月かけて作成したという「モチベーションビデオ」には感動。やる気を掻き立てるメッセージや心躍るようなBGM、そして過去の勝利の喜びを思い起こす試合の映像など、能力を引き出すために選手一人一人に合わせて作成したといいます。こうしたアイディアと裏方の地道な努力があってこその好成績だったのかもしれません。

 新競技スケートボード・女子ストリートで優勝した13歳の西矢椛選手はじめ、表彰台3人の年齢を足すと42歳とは驚異的!パークでも銀メダリストは12歳。一方で、競泳女子では遅咲きともいわれる25歳の大橋悠衣選手の400mと200m個人メドレーでの2冠の背景にある平井監督との信頼関係。選手を信じて、ゆっくりでも一歩ずつ時間をかけて指導と支援を続けてきた成果です。

 アスリートの気持ちを高め、力が最大限に発揮できるようにする何気ないアドバイスは、日々子供たちと接する私たち教職員にも通じるところが多いはずです。開花の早い子、なかなか芽が出ない子、教室はいろいろです。親も教師も、他と比べて心配したり焦ったり…なんてこともあります。でも大事なのは、その子の未来を見つめながら「今、どんな資質や能力を育てることが大事なのか」をはっきりさせて、適切な支援を続けることだと思います。早咲きでも遅咲きでも、子供たちがどんな色の、どんな形の花を咲かせるかを楽しみにしたいと思います。

 もしかすると次回、あるいはその次のオリンピックで活躍する子が700名の中から誕生するかもしれません。ただ、くれぐれも路上や人が集まる公園などでスケートボードの練習をして、事故や迷惑行為に繋がることだけは避けてほしいと願います。スポーツに限らず、努力により笑顔の花が咲く姿がみられるように、2学期も子供たちを応援していきます。

072 私の夏休み(9/1)

 夏休みに入る前の放送朝会を、例によってパワーポイントを使って行いました。我々大人もそうですが、声だけよりも映像や画像があるほうが聞こうとする気持ちが高まる気がします。その最後のシートを隠しシートにして、私の夏休みの目標を入れ込んでおきました。見つけたクラスもあるようですが、「本を4冊以上読みます!」という達成レベルの低いものでした。

 ただ、お盆前後の悪天&涼しさで読書がはかどったのは言うまでもありません。児童書『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』3冊を含む計7冊は読み終わりました。『銭天堂』は校長室にありますので、読みたい人は来客等のないときに「校長室読書」をしていってくれたらいいなぁと思います。

 そして、性懲りもなく今回もP.Pを使った放送朝会です。オリンピッククイズの出題、大谷翔平選手の話をした後、感染症対策における一人一人の意識・行動の大切さを訴えました。

 さて、夏休みに入る前後のタイミングで、NHK朝ドラ『おかえりモネ』を録画して毎回観ています。ちょうど上京してきた場面からですが、朝ドラをきちんと観るのはこの歳にして初!朝夕にテレビで見る天気の解説や屋外でのレポートの裏舞台を見るような気がして面白かったからという理由が一番でしょうか。朝のNHKの天気予報で気象予報士の山神明理さんが、「でかけるン」「かえるン」というパペットと一緒に視聴者に語りかけていたのを思い出しましたし、日テレの木原実さんと「そらジロー」ペアでの天気予報はもう何年になるのでしょう。

 40℃に迫るような猛烈な暑さや線状降水帯による大雨、台風等、不安がいっぱいの日本列島。これからも熱中症予防や豪雨、花粉などの情報などと切り離して生活を送ることはできません。コロナ感染症対策も1学期以上に強化に取り組みます。2学期もどうぞよろしくお願いします。

071 知識のワクチン(7/21)

 今日から夏休み。子どもだけで過ごす時間や留守番する機会も増えます。お出かけやワクワクするイベントも多くなる時期。一方、親も子も開放的な気分になることで警戒心が乏しくなる時期ともいえます。つまり、事件に巻き込まれる可能性も高くなるので、「知識のワクチン」接種による「犯罪免疫」を植え付けてほしいと後述の小宮先生は訴えています。

 子供を狙う犯罪者が向かう場所は、標的となる子供のいそうな場所、つまり「人が集まる場所」です。海水浴場やキャンプ場、夏祭りや花火大会会場、遊園地、ショッピングモールなどの場所は犯罪者をひきつけますので、子供だけでの行動を避けるに越したことはありません。ちなみに、公共の場所で子供を一人にすることは、欧米では児童虐待と見なされるといいますし、TVの人気番組『はじめてのおつかい』は言語道断とか。

 誰もが入りやすい場所は、逆に見えにくい場所であるともいえます。たくさんの人がいるから、「誰かがうちの子を見てくれているだろう」というのは親の錯覚。実際には、人の注意や関心が分散して、結果「誰もうちの子を見ていない」ことになり、犯罪者の行動が見過ごされやすくなります。不特定多数が居合わせても、「犯罪なら誰かが行動するだろう」「誰も行動を起こさないから、深刻な問題ではない」といった集団意識・傍観者効果が働いてしまうようです。つまり、わが子にスポットを当てているのは親だけであることを認識する必要がありそうです。

 また、性犯罪を予防ために、水着を着る機会を利用して「水着ゾーン」を教えることも大切です。

 犯罪学の視点から、立正大学の小宮信夫教授は次のように述べています。“「知識のワクチン」の主要成分は、「景色解読力」である。景色解読力とは、景色に潜む危険性に気づく能力だ。学校用語で言えば、「危険予測能力」ということになる。要するに、犯罪が起きやすい「入りやすい場所」と「見えにくい場所」を見抜く能力のことである。それを伸ばすのが「地域安全マップづくり」。地域安全マップは、夏休みの自由研究にもってこいのテーマだ。”

 この小宮先生の防犯教室『あぶないとこって、どんなとこ?(アニメ)』がYouTubeで見られるので、親子で視聴するのもよいと思います。健康かつ事件・事故に巻き込まれることなく、9月には元気な子供たちの顔を見られるのを楽しみにしています。   <ヤフーニュース7/20 参考>

070 プラタナスはWebで…(7/20)

 休みの日の午後、急に睡魔が襲ってくることがあります。畳の上でゴロ寝するときは必ずと言ってよいほど座布団を枕にします。それも二つ折りにして!「やめてよ、昭和の人そのものだから」と言われますが、この高さがたまらなくよいのです。この昭和の人は、最近えのき茸がよく歯に挟まってとれないことが多くなっていました。白髪ネギも似たようなもので困ったものです。冒頭から汚い話になってしまいました。

 さて、1学期も今日で終了です。長く続くコロナ禍にあって、保護者や地域の皆様にたくさん助けていただきました。この場を借りて感謝申し上げます。今月初めにご回答いただいた学校評価(保護者アンケート)の集計結果及びご意見を目にしました。生の声もたくさんいただきました。

 その中に、「毎週配るプラタナスは不要」「紙の無駄」という声があります。学校だよりは、保護者や市川小に関わる方をすべて対象にしますが、児童にも呼びかけています。HPにも掲載していますが、手元に配られれば読むという子もいます。コロナ禍で学校の様子が見えないという声を多く聞きます。だから、一方通行と言われても伝えたいこと、伝える必要のあることは発信していきます。主に学校の方針や活動の様子、教育関連情報を掲載していますが、たまにでも面白いと思ってもらえたら御の字です。「保護者 様」と書かれたおたよりで発行するより目を通してもらえる確率が高いとも思います。したがって、タイムリーである必要があるわけで、必然的に発行回数が多くなってしまいます。受け止めた上で、「考え方が違う」といったことも有りです。一般論であったり、問題提起であったりする部分もあるわけですから…。そして、必要に応じて親子で話をしていただけたらありがたいです。敢えて紙媒体で配付する意図はそこです。

 ただ、1号発行するたびに700枚弱の用紙を使用しますから、頻度が増せば相当な量になります。ホームページ掲載で目的が達せられるならすぐにでも変更しようと思います。業務改善も狙えます。差し当たって9月からは、紙媒体でほしい家庭向けに何十部か用意しておいて、持っていってもらうようにして様子をみようと思います。

 子供たちにとって安全で有意義な42日間となることを願います。我々は基本、出勤や研修となりますが、休みを上手に活用してリフレッシュしたいと思います。

069 ○○がないと困る(7/19)

 コロナと天気が心配された林間学校ですが、無事帰りました。無事かどうかは今月末まで待たなければなりませんが…。明日の学校だよりで簡単に報告します。

 さて、先々週の土曜日早朝というか未明頃に停電!どうも我が家だけのようです。習慣とは恐ろしいもので、頭ではわかっているのにスイッチを押して電気をつけようとします。意識がはっきりしだすと、様々な生活音がしてこないことに気づきます。午前6時ころには東京電力の方に原因を探っていただき、復旧すると一斉に機械音がし始めました。古くなったトイレ便座の電源部が漏電の原因だったようで、その日のうちに新規購入したのは言うまでもありません。電気がないとほとんど何も動かないことに今更ながらに気づかされます。同時に無力さも感じます。オール電化の家はなおさらかもしれません。

 同様にスマホも、ないといろいろと支障をきたします。駅に着いた頃にスマホを忘れたことに気づいたときは、一日不安な気持ちでいっぱいですし、充電が20%を切ると心配になります。ということで、便座を買った日にモバイルバッテリーもネット注文しました。有事の安心料です。車のガソリンだって半分近くなると満タンにするのも災害時の苦い経験があるからです。

 ただし、どこまでやったとしても「備えあれば憂いなし」とは言えそうもありません…。

068 いざ林間学校へ(7/15)

 今日から一泊で河口湖方面への5年生林間学校に引率してきます。7時学校集合ということは、6時半前に家を出る子がいます。それを送り出す保護者の方にはもっと早くから準備をお願いしていることになります。ありがたい限りです。

 私が小学生の時は臨海学校でした。泳ぐ以外に何をしたのかは定かではありませんが、海の家のような民宿の大広間に全員が寝泊りした記憶がよみがえります。教員になってからの林間学校に関して強烈な思い出が一つあります。今回と同じように富士五湖方面に出かける計画でした。事前に下見を学年で行います。子供たちが宿泊するバンガローは、10棟くらいに分かれます。足の長い蜘蛛がいたり、五右衛門風呂のような類の風呂だったり…。電灯も少なく、夜は真っ暗な中での星空が期待できそうなロケーション。ここに2泊する予定でした。

 さて当日。午前中の予定を済ませて夕方宿泊場所近くの駐車場に到着。歩いて現地へ向かうと、何とバンガローが跡形もなく消えているではありませんか。夏休みを迎える前に撤去されたとか。業者の担当も知らなかったようです。他に宿泊できる場所もないので、敷地内の集会所のような施設に、男女の間をカーテンで仕切って雑魚寝状態で2泊を過ごしたのでした。ありえない経験でした。

 最近は、民泊以外ホテル生活が一般的になりましたが、全員が安全かつ有意義な時間を過ごすことができるように引率者全員、力を注ぎます。行ってきま~す。

 というわけで、今日は休日、明日も休日となります。

067 アイスクリームは奥が深い(7/14)

 スーパーマーケットのアイス・冷凍食品売り場の陳列ケースは見事です。だってケースが開放状態なのですから。私が子供のころのアイスのケースは、上部にスライド式の扉があって、お目当てのものを決めてから開けるという暗黙のルールがあったように記憶しています。ですから、今だって冷蔵庫を開けるときどこにあるか考えずに闇雲に開けると怒られます。

 6月の終わりに文藝春秋社から『文春マンガ 読みとくシリーズ8 ~アイスクリーム ここが知りたい~』という本が寄贈されたので早速読みました。ハーゲンダッツ社の協力のもとで編集されており、主人公の男の子が転校していく女の子に手作りアイスをプレゼントするために、いろいろと学んでいきます。大人でも興味深い内容です。アイスクリームは凍っているのに滑らかな理由は「空気」がポイントであることやハーゲンダッツのグリーンティーのカップは光を通さないパッケージであることのほか、材料へのこだわりなど、読んでいて新しい発見があるのです。歴史についても書かれています。冷凍室付きの家庭用冷蔵庫や店舗用アイス陳列ケースが広まって、多くの人が買えるようになったことも改めてわかりました。

 夏休みも間近です。読書や工作を頑張る子もいると思いますが、モノづくりの試行錯誤の過程を研究論文にまとめてみるのも有り。知的好奇心をフルに発揮して試してみる時間がたくさんあります。塾で忙しい子でも、普段できないことに挑戦する気持ちを膨らませて、やってみることは無駄だとは思いません。

  

 5年生家庭科で、名前の縫い取りが終わった子二人が作ってプレゼントしてくれました。嬉しいですね。

066 我慢ですタイ(7/13)

 今年も職員室前の防球ネットに蔓を絡ませた木通(山女・朱火・アケビ)が1つだけ実をつけています。去年は紫色に色づいたあとダメになってしまいました。今年の実はどうでしょう?2階のベランダに床面くらいで実っています。

 さて、先週コロナのワクチン接種1回目を済ませました。肩が上がらなくなるくらい痛くなる人、翌日発熱する人など様々な副反応を聞いていたので不安がありました。翌日は筋肉痛のような痛みが続きましたが、どうも2回目のほうがつらいようです。

 お隣の東京都は、昨日から6週間の緊急事態宣言となりました。なんと4回目となるわけですが、今年も半年以上が経ち、まん延防止措置を含めて何ら発令されていなかったのは、1月最初の7日間と3月下旬から4月前半の21日間だけです。やりどころのない感情はどうしたらよいのでしょう。

  

 さて、「見タイ・聞きタイ・やってみタイ・知りタイ・確かめタイ」など、「いろいろな『タイ』が泳ぐ市川小学校に!」という願いをポスターにして校長室と放送室脇に掲示してありますが、社会ではいろいろな「タイ」を我慢しなければならない日がまだまだ続きます。「みんなで飲みタイ」「大声で歌いタイ」「楽しく会食しタイ」など、皆さんが我慢している「タイ」は?子供たちはどんな「タイ」を心待ちにしているのでしょう。「林間学校に行きタイ」は何とか叶えられそうです。

065 It’s 祥(ショー)time(7/12)

 今日からまた、委員会児童による朝の挨拶運動2回目が行われています。ボトムアップで挨拶が広がっていくことを願います。 

 さて、新型コロナ感染拡大のニュースの対極に、大リーグの大谷翔平選手の活躍が毎日のように報じられます。期待の表れです。昭和の野球漫画の代表作といえば『巨人の星』『ドカベン』『キャプテン』『侍ジャイアンツ』など、スポ根ものを多く思い出します。

 あるライターが大谷選手の魅力を分析して、「努力のにおいが全然しないところだ」と言っています。「好き」を一番大事にして、純粋にワクワクするほうへ行こうとしている感じがするところが、見る者を魅了するようです。確かに、イチロー選手のようなストイックさも感じさせません。

 成功したら…とか失敗したら…という判断基準ではなく、好きなものを見つけてそれをも守り通すためなら自然と頑張れてしまうということを体現しているようです。見えないだけかもしれませんが、スポ根漫画の血の滲むような努力はそこにありません。

 次のイニングの投球に響かないように、バッターボックスに立ったまま球をやり過ごすことに代表される安全志向がある中で、疲労を厭わず出場したり果敢に盗塁を試みたりします。フルスイングしたかと思えばセーフティーバントもします。ルックスだけでない大谷選手の魅力に、普段野球は見ないけどエンジェルス戦だけは見るというにわかファンもいることでしょう。明日午前、オールスターのホームラン競争があるようです。観ることは叶いませんが、活躍が楽しみです。

 子供たちにも自然な挨拶とともに、好きだからこそ自然と頑張れることを、一つと言わず複数見つけてほしいと思います。突然の出会いやひらめきを大切にして…。

064 四コマ漫画(7/9)

 毎日、朝日と読売新聞に目を通します。教職員への情報は切り抜いて配付しますが、植田まさしさんの4コマ漫画『コボちゃん』は楽しみの一つです。この漫画は、1982年4月に連載がスタートして以降、一般全国紙の連載漫画として最多記録を更新中のようです。40年が経つわけですが、連載当初5歳だったコボちゃんに11年前に妹が生まれ、今は小学校3年生の設定。家族のほのぼのとした日常が好きな理由です。植田さんの作品は、ほかにも『かりあげクン』『おとぼけ課長』『フリテン君』『のんき君』など、サラリーマンを主人公としたウィットに富んだ内容が笑いを誘います。床屋に並ぶ単行本を読んでクスクス笑ってしまったことも…。

 4コマ漫画には起承転結があり、これを使って国語や道徳の授業もできますし、自分で漫画にまとめるという活動も実践したことがあります。その他、4コマの「並び替え」をしたり、「見出し(タイトル)付け」をしたりもできますし、「吹き出しの穴埋め」や「ストーリーの文章化」という学習方法もあります。特に「ストーリーの文章化」は、夏休み42日間毎日取り組んだら文章力が向上するんじゃないかなぁ。暗い話題が多い中で、オアシス的な存在の『コボちゃん』はこのあとのお楽しみ!

 さて、今日は校内授業研究会(国語科)で、「大きなかぶ①」・「この間に何があった?②」・「めだか③」・「一つの花④」・「雪わたり⑤」・「きつねの窓⑥」・「どうぐのはたらき(ひ)」です。今週6年生の授業を見ていますが、深い読み取りと活発な意見交換には感心しました。私も指導した物語文ですが、遠く及ばないダメ授業だったことは苦い思い出です。

063 粋と野暮(7/8)

 門の前に立って子供たちを迎えますが、通勤される人たちも含めて「おはようございます」を言う回数をカウンターを持って数えてみたい気もします。主に低学年児童へのあいさつには配慮が必要です。できるだけ顔や目を見て声をかけますが、さすがに集団で門に向かって来ると1対1でのあいさつは不可能です。ある意味集団に対してあいさつをしてしまう場面がありますが、そんな時必ずと言ってよいほど、行き過ぎてから戻ってきたり集団が行き過ぎるまで待っていたりする子がいます。自分に対するあいさつを求めているのです。ですから、教室で30数人もの児童に話をしたとしても、自分に言われていると思っていない子もいるのは確かです。

 さて、先日のニュースで、昭和4年から90年以上続く銭湯が店じまいをすることを報じていました。家風呂があっても銭湯通いを日課としてきた人も多いようで、惜しむ声がたくさん聞かれました。常連さんにとっては、番台に座る店主との何気ない会話も楽しみの一つだったと思います。また、常連同士の裸のつきあいも1対1の深い関係といえます。一方、教卓は番台ではありませんから1対1というわけにはいきません。でも、そういう気持ちを感じられるような温かな問いかけや工夫は大切にしたいものです。

  

 ニュースの最後に映された銭湯入口の木札が気になりました。板の表に「わ」、ひっくり返すと「ぬ」というひらがなが大きく書かれています。これは、「わ板(=沸いた)」と「ぬ板(=抜いた)」を表したものなのです。洒落と粋を感じます。ただ、こうした洒落や粋が身の回りから減っていくような気がするのは時代の流れなのか、少し寂しい気がします。こんなことを考えるのは「野暮」?

062 星の還暦って?(7/7)

 理科で月や星の動き、星座について学習するのは4年生。冬には代表的な星座であるオリオン座を観察します。そのオリオン座の1等星ベテルギウスの爆発が間近ではないかと言われていたようです。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンとで「冬の大三角」を構成するベテルギウスは800万歳だというから驚きです。ただ、「生まれてまだ800万歳」という表現。太陽の46億歳に比べたら、宇宙規模では子供なのでしょう。でも、その太陽よりもはるかに大きいため寿命が短く、すでに晩年を迎えているようなのですが、「爆発するまで少なくとも10万年はかかる」と研究者は結論付けていますから気が遠くなります。

 さて、今日は七夕ですが、夏の星座をいくつ思いつくでしょうか。「冬の大三角」同様に「夏の大三角」もあります。ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)、と名前は聞いたことがあると思います。

 アルタイルは、七夕の彦星ですし、ベガは織姫星として知られています。夜空を見上げながら、ギリシャ神話をそらんじることができたら鼻高々ですが…。私は、小さな声で口ずさむ程度にします。「きらきら星」ではなく、♪いいえ~私はさそり座の女~♪。星座板がなくても、今は便利な星座無料アプリがあります。しかも、星や星座について解説付きのものまで…。星の年齢以上にこちらのほうがびっくり!

 今晩の天気より、1週間後の15日(木)林間学校初日の天気のほうが気になって仕方ない。

061 私の日曜日(7/6)

 空飛ぶ車を開発している企業が、海外の2国間を35分ほど試作機で試験飛行したといいます。BMWのエンジンと後部に固定プロペラを搭載します。3分足らずで飛行機から道路を走る車に変身できるといい、もうSFの世界のことではなくなっているようです。

 さて、ある日曜日。午前中は施設へ。帰ってからたまたま点けたテレビで大リーグの野球中継を観ました。大谷翔平選手が在籍するエンジェルスの試合です。3塁にランナーがいる状況で打席が回ってきたので、身を乗り出すようにワクワクしていると、おもむろにレガースや手袋を外し始めるではありませんか。何?なに?なんで。おーい大谷君、一塁へ行っちゃうの~?「申告敬遠」なんて初めて見ましたし知りました。ガッカリです。この試合で2度もあったとか。

 ピッチャーが4球でも投げれば、何が起こるかわかりません。ボール球をホームランにしたり投手が暴投したり…。あらゆる可能性を最初から排除ですかぁ。試合時間の短縮が目的とするなら、大差がついたゲーム終盤に「うちの攻撃は省略するので、どうぞ相手の攻撃を連続でもう一度」なんて…?

 不満ぶつぶつ、未練たらたらで夕飯の買い物へGo。そのあと餃子作り。皮に具をのせたあと、ひだを作って閉じるのが苦手です。「自己流でもいいじゃない」と言うと、「焼く時に揃わないし、焼き目がバラバラになるから嫌なの!」というお返事。隣が2個3個と包んでいる間に、私は指先が攣る感覚で1個を完成。一人で調理しなければならない日が来ることがありませんように!でも、おいしければその苦労も報われるわけで…。調理実習で慣れない包丁を使って野菜を切る子供の心境に似た私です。

 そして夕食後は、去年観たかった映画『糸』の視聴。WOWOWでやったのを録画してくれていたのです。字幕必須の画面では知った女の子が好演しています。心の中で「元気そうですね」とつぶやきました。一日雨降りでしたが、最後は気持ちよく床についた日曜日でした。貴重なお時間を、他愛ない話にお付き合いさせてしまい、すいませんでした。

060 人種差別(7/5)

 いきなり問題!下のお話の題名は何でしょう?

 “父の名はジャンボ、母はマンボ。その息子が、ジャングルで4匹の虎に出会います。食べられそうになったので、両親にもらったばかりのカラフルな上着・ズボン・靴・傘を虎に与えて食べられずに済みます。この虎たちは、もらった服や靴で着飾って「自分が一番立派だ」と争います。互いに譲らず、いがみ合って木の周りをぐるぐると追いかけ回ると…ドロドロに溶けてバターになってしまいます。服などを取り戻し、その虎のバターで作ったパンケーキを家族で食べました。”

 そう、『ちびくろ・さんぼ』という物語。1950年代に日本で刊行された絵本で、私もむか~し読みました。教科書にも載っていたような?大好きなお話でしたが、「サンボ」が黒人の蔑称で、人種差別であるという抗議から絶版に追い込まれました。

 では、写真の人形の名前は何でしょう?

  

 昭和35年にタカラが、南洋の現地人が木登りする姿をソフトビニールの人形にして売り出したところ、若い女性までが腕に絡めて歩くようになり、『ダッコちゃん』の愛称で爆発的なヒットをみた商品です。これもその後、黒人蔑視の批判を受けて製造停止となりました。タカラの社標にまでなっていたダッコちゃんでしたが…。

 これとは別に、一世を風靡した商品が『写ルンです』。これも含めて、オートフォーカス機能付きコンパクトカメラを「バカチョンカメラ」と言っていた時代があります。でも、この「チョン」は、朝鮮人の蔑称として使われていたため、「馬鹿でも朝鮮人でも撮れる」と解釈されて「バカチョン」は現在放送禁止用語になっています。

 それまでは問題視されることなく親しまれていたものや言葉が、「差別」というレッテルを貼られた途端、いつの間にか消えていきます。ただ何事もなかったかのように、忘れられてしまうということに問題が潜んでいるように思うのですが…。

059 ぱんつくった?(7/2)

 ズンドコ降りの雨は、下校時にはもっと強くなりそうで心配です。歩道を傘をさして並んで歩く児童生徒が、時として歩行者にとって迷惑になることもあります。友達との会話を楽しみながらも、周りをちょっと気にする気持ちは教室での指導だけでは育ちません。雨の週末を親子で歩く際に気づかせることも大事だと思っています。

 さて、ある会社の今期経常利益が5期ぶりに更新?回復?について、ニュースで伝えていました。この「5期ぶり」を「ゴキブリ」と聞き違えて尋常でない反応をした人物がうちにいます。

 私は耳が悪いので、こんな聞き違いは日常茶飯事。字面を見れば一目瞭然でも、音だけの場合聞き違いは世間でもよくあることなのかもしれません。例えば、「多機能トイレ」が「滝のおトイレ」と聞こえたり、「汚職事件」を子供が「お食事券」と勘違いしたり…。

 そういえば、文の区切る場所を変えると、まったく別の意味になってしまうフレーズを相手に言わせる引っ掛け遊びなど、子供のころによくやりました。

 ▼ぱんつくった?⇒パン、作った?/パンツ、食った?

 ▼ねえちゃんとふろはいった?⇒姉ちゃんと風呂入った?/ねえ、ちゃんと風呂入った?

 ▼きょうふのみそしる⇒今日、麩の味噌汁/恐怖の味噌汁

 ▼はなこさんじゅうごさい⇒花子35歳/花子さん、15歳

 ▼ここではきものをぬいでください⇒ここで履物を~/ここでは着物を~

 今ふと思い出した、昭和の小学生がよくやっていたことを3つ。

(1)子供のころちょっとでも悪いことをしたとき、「い~けないんだ~、先生に言ってやろ~」って。今どきの小学生から聞いたことはありません(きっぱり)。

(2)友達と言った言わないの口論になった時など、「何月何日何曜日の何時何分何秒、地球が何回まわった時!」という屁理屈も。

(3)「手袋を反対から読むと?」『う~んと…、ろ・く・ぶ・て』「じゃあ、6回叩くね」

 このほかにも、口げんかの常套句「お前の母ちゃん、で~べ~そ~」とか、あらぬ方を指さしてそっちを見た奴に「バカが見る~」なんて言うのも懐かしい。

 あれっ?そういえば目の前の子供たちのくだらない会話など全然知らないことにハタと気づきます。「い~けないんだ、先~生に言ってやろ~」と担任へ言いつけられてしまいそうです。

058 布団をひく?(7/1)

 毎朝、スーツのスボンにベルトを通してから履き始めます。ん?笑われている?「普通、ズボンを履いてからベルトを通すものでしょ」と言われます。いえいえ、半世紀以上この履き方ですよ~。「普通」じゃないのでしょうか?

 さて、次の言葉をどちらで使うでしょう?「ひゃっくり」or「しゃっくり」?辞書への掲載をもって正しいとするなら、「しゃっくり」が正解!「しゃっくり」は「しゃくりあげる」が語源で、これは大阪弁に近い言葉といいます。祖母はどちらだったかは記憶にありませんが、「し」が「ひ」になっている言葉がいくつかありました。「敷く」を「ひく」と言うのを聞いて育ったので、「布団はひく」ものだと思っていましたから。

 私の場合、しゃっくりが出ても不思議と3回で止まります。昔は、息を止めて3回唾を飲み込むとか、急にびっくりさせるとか試したことを思い出します。百回続くと死ぬなんて迷信もあったような気がします。アメリカでは、1922年から1990年まで、およそ68年間しゃっくりをし続けた人としてギネスに認定されている人がいたらしいのです。ちなみに、英語でしゃっくりを「hiccup(ヒカップ)」といい、しゃっくりをした時に出る「ヒック」が語源だそうです。ただ、大事な時にしゃっくりが急に出だしたら困ります。

 1歳に満たない孫が、時々しゃっくりを繰り返します。結構体力を使いそうでジィジは心配。

057 安心を与える(6/30)

 早いもので、6月も最終日です。一昨日八街市で下校中の児童の列にトラックが突っ込み、2名が亡くなるなど痛ましい事故が発生しました。普通に歩いているところを事故に巻き込まれたのですが、決して他人ごととは思えません。

 さて、私は毎日電車通勤ですが、運転が上手な運転士とそうでない運転士がいることに気づきます。混雑した時間帯だと、掴まれるつり革がないという時があります。体幹を鍛える意味でふらつかないように集中しながらも、前後左右に大きな揺れがないことを祈ります。

 車の運転も好きです。ただ、どうも運転が荒いようです。第三者にも「ハンドルを持たせると怖い」と言われたことが一度や二度ではありません。運転免許を持たない助手席のオーナーさんも足を踏ん張ったり手がダッシュボードに伸びたり「ヒッ」と声を出したり…。ただ、娘や息子の運転でも同じらしいので安心していたら、オーナー曰く、「あなたの運転を見ていた二人だからね!」と。事故には十分注意をします。

 現在はアイサイトがついたスバル車に乗っていますが、前の車が動いたのに自車が止まっていたり、車線を逸脱したり、前方の障害物などがあったりすると、ピピピと電子音で教えてくれます。スバル車に限らず各メーカーで導入されていますが、私には聞こえません。そこで助手席から「プピッ」とか「ピピピッ」とか代わりに伝えてくれます。さすがです!ただ、オーナーが危険だと判断した場面(私ではそうは思っていないのですが…)では、「怖い怖い…」とビビッたあとしばらくして「ピピピッ」。もう回避してますよ~。人間アイサイトは、どうも感情が先に出て音声は遅れてしまうようです。

 運転免許を取得して40年強。あと何年運転できるのだろう。衰えは必ずやってきます。だからこそ、電車でも車でも、乗る人に安心を与えられる運転を心掛けないといけないと思うのですが…。学校・学級経営においても同じことが言えそうです。

056 コロッケだよ~(6/29)

 「今晩はコロッケだよ~」

 ある日の夕方メールが届きます。知人が畑で収穫した新じゃがをいただいたので、早速調理したようです。そういえばその前の日はポテトサラダだったなぁと思い出した次第です。コロッケにはソース、これは私に染み付いた習慣ですが、妻は醤油派で添えた千切りキャベツにも醤油をかけます。互いに半世紀以上馴染んだことは、そう簡単には変えられません。

  

 このコロッケは、とんかつ・カレーライスと並んで、大正時代の三大洋食と言われていたそうですが、形にも家庭の色があるように思います。我が家は「俵型」で、母が作るものもそうでしたからこれまた半世紀以上の歴史があるわけです。ただ、休日の昼食を簡単に済まそうとして、お総菜コーナーで買うポテトコロッケは「小判型」で、どうもこちらのほうが主流とのこと。俵型は、生地が柔らかく破裂しやすいクリーム系のコロッケに多いようです。

 形はどうあれ、家庭の味は受け継がれていきます。昭和の「今日はコロッケだよ~」「やった~」といった親子のやりとりが末永く続きますように!

 さて今週、fried mashed potato の予定はおありですか?

055 パフェの日(6/28)

 もしかすると台風の影響で風雨が強いことも予想された今朝でしたが、青空が広がる晴天。もしもに備えてお手紙も出しましたが、こんなふうに無駄に終わるのはよいことです。

 さて、パフェを注文して食べた経験なんてあったでしょうか。スイーツの王道なのかもしれませんが…。今日は、その「パフェの日」です。パフェとは、なんとパーフェクトの略らしいのです。由来は、野球の完全試合といいます。日本プロ野球で史上初の完全試合(パーフェクトゲーム)が達成されたのが1950年6月28日。巨人の藤本英雄選手です。これにちなんでパフェの日なのだそうで、騙された感じです。

 スイーツのパフェはフランス語。意味は「申し分のない」「完璧な」という意味ですので、「パフェの日」はスイーツと全く無関係というわけでもないようです。でも、キムチパフェや納豆パフェ、とんかつパフェまであると聞くと…。

  

 一方、最近よく見かけるのがフルーツサンド屋!あちらこちらで限定販売をしている様子を見かけます。フルーツをふんだんに使用したサンドイッチは、ビジュアル的にも購買意欲をそそります。ただしお値段も相応のもの。一度試しましたが、フルーツなのかサンドイッチなのか位置づけがつかめず、結局「サンドイッチにこの金額は出せないな」というのが我が家の一致した意見です。でもよく売れているのでびっくり。お中元にもフルーツサンドがあるなんて、これまたびっくりです!

054 さりげない心遣い(6/25)

 今日は午前中に5,6年生の授業参観、午後は林間学校保護者説明会です。5年生の保護者の方は、二度も学校に足を運ぶことになり、遠い方には申し訳なく思います。

 さて、こんな話を聞いたことがあります。仕事帰りに乗った路線バスで、停留所に止まるたび、運転手が車内アナウンスを繰り返すのだそうです。「週末の金曜日です。1週間お疲れさまでした」「寒いですから気を付けて」「自転車にご注意ください」など。学生たちが「ありがとうございました」と笑顔で降りていったといいます。心がポカポカしてきます。

 またこんな話も…。こだわりのスープが売り物のラーメン店。ある客がラーメンを注文したあとに携帯電話が鳴りました。込み入った内容らしく話しながら店外へ。出来上がったラーメンが席に置かれましたが、客はなかなか戻りません。しばらく経って席に着いた客がラーメンに手を伸ばそうとした時、店主はさっとラーメンの器を引いて、湯気の立つ作りたてに取り換えたといいます。店主曰く、「お客さんに、冷めたラーメンは食べさせられませんから」と。この店のラーメンがうまい理由が分かったと、見た人は語っています。

 最後にファミレスでの出来事。ある休日の夕方、店は混んでいる時間帯です。客に料理を運んできた若い店員が「ピザは12時、サラダは3時、チョリソーは10時の方向に置きますね」と説明したといいます。これは、「クロックポジション」という方法ですが、客が白杖を脇に携えているのに気づいて、とっさ出た心配りだと思います。驚きです。

 バス運転手もラーメン店主もレストラン店員も、まさにプロフェッショナル!そして、私たちは教育のプロです。教員ならではの目配り・心配りが自然にできる人、言動に滲み出る人でありたいと、いまさらながらに思います。

 家でできないことが、外でできるわけがない!という声が聞こえてくるようです。

053 ある平凡な一日(6/24)

 先週、2年生が『新聞紙と遊ぼう』という学習をしていました。「新聞紙で」ではなく…。教室内で新聞紙を布団にして寝転がったり、身に着けたり丸めたりする姿がありました。最後は、みんなでちぎって紙吹雪でフィナーレ…。同日、4年生の算数では『1億をこえる数』を位取りに気をつけながら読んだり書いたりしていました。

 校長室に戻って新聞を開くと、1ページ(15段)全部を使った「道玄坂43」のデビュー・ラストシングルの広告に目を凝らして見入ってしまいました。ある事務所所属の全メンバー43人が参加したユニットらしいのですが、紙面の10センチ四方にも満たない部分(写真の囲み部分の合計)しか使っておらず、あとは真っ白!どんな写真や文句を載せるよりインパクトがあります。

  

 費用対効果を考えると、広告掲載料が断然気になる私。全国版カラーだと、1億を超えはしませんが4千万円をはるかに超える金額とあって驚きです。この広告紙面を枕にしたり掛けたりして寝れば、よい夢がみられるかも?

 目的や課題などが明確な広告やポスター、キャッチコピーを使った戦略は心に突き刺さりますが、そのセンスにも感心します。市川小でも150周年をスタートとして未来につながるキャッチコピーを広く募集しようかなぁ。ラグビーW杯2019日本大会のキャッチコピー『4年に一度じゃない。一生に一度だ。』やサッカーW杯『Road to Russia』などになぞらえて…う~ん、思い浮かばない!

052 未来を信頼する(6/23)

 昨日の午前8時57分、妻から西瓜の絵文字だけがLINEで送られてきました。正解!と送り返したのは言うまでもありません。なぞなぞの答えです。

 さて、学校や学級で掲げる目標に「信頼される学校をつくる」「信頼関係を築く」という文言が使われます。本校においても例外ではありません。ここで使用する「信頼」と混同しがちなのが「信用」です。どのような違いがあるのでしょう。

 「信用」は、「ある人や団体が過去に行った行為やこれまでの業績、出来栄えなどに基づいて、人や団体を信じてもよいと判断すること」を指します。ですから、行動や実績などを確かめたうえで「信用」を感じるわけです。相手に対する一方的な評価と言ってもよいと思います。

 一方「信頼」は、必ずしも過去の実績を判断材料としません。一定の時間を経て「信用」を感じた上で、その後「この人なら大丈夫」というその人や団体の未来の行動を期待する行為や感情を指していると考えられます。未来を信頼するわけです。また、相互の気持ちのつながり〈双方向〉の上に成り立つものであるという点に「信用」との違いが見られます。

 こう考えると、「信頼」してもらうためにはまず「信用」が前提にあります。「信用」なしには「信頼」を勝ち取るのは難しいといえます。

 令和3年度が始まってもうすぐ3カ月になろうとしています。児童や保護者の方にとって昨年度担任していた過去の学級の実績は必ずしも判断材料にはなりませんから、信用の土台をいま積み上げている最中と言えます。その振る舞いを見たうえで、人間性や習慣、感覚といった目に見えないものに対して期待し、その期待に応えてくれるだろうという気持ちの表れが「信頼」となります。

 まずは夏休み前までを大事に指導していきます。双方向の感情づくりですから、不明なことや要望などは直接話し合えると理解が進みます。先週末に個人面談のお知らせを配付しましたが、有意義な時間となるようにしたいと考えます。面談日を待たずとも、不安なことなどがあればぜひお声かけください。

051 フル回転!(6/22)

 今日はボウリングの日です。教員になってからも、職員レクをボウリング場で行った時代もあります。もっと昔は、テレビで放映されるボウリング番組をよく見ていましたから、中山律子さんや須田開代子さん、矢島純一さんなど、プロボウラーの名前を思い出します。家にはボウリングゲームだってあり、♪中山~律子さん~♪なんて歌だって流行った時代を過ごしたので、今でもスコアを自分でつけられます。海馬やシナプスが正常に機能している証拠でしょうか?

  

 3連続ストライクを「ターキー」と呼びますが、その昔、3回連続でストライクだった時のお祝いに七面鳥が振る舞われていたからだといいます。4連続は「ハムボーン」で、12連続までちゃんと名前があるみたいですが覚えきれません。

 このボウリングは、紀元前数千年の古代エジプトからあったもの。ピンとボールになる物さえあればどこでもできます。クラスのお楽しみ会などで、ペットボトルボウリングを見かけますから、遊びとしては自然なのかもしれません。

 さて、まん延防止等重点措置が7月11日まで延長されたことに伴い、授業参観や5年生の林間学校への対応など悩みは尽きません。プロボウラーがボールにすごい回転をかけるように、変化する状況の中で私も頭をフル回転させて脳の活性化を図ります。

 まず朝一番、なぞなぞで頭の体操!『イカの頭に酢をかけるとできる食べ物、なーんだ!?』

050 植物の生命力(6/21)

 クチナシの花の季節がやってきました。実家の庭にあったこの花の香りは、幼少の頃の甘美な思い出と結びついているのかもしれません。現在の我が家では、ひと月前まであったカモミール、今が楽しみなラベンダー、一年中香るローズマリーなどがちょっと触れるだけでよい香りを振りまいてくれます。

 匂いとは別に、視覚的な効果を期待して、植物を菓子や料理に添えることがあります。例えば、和菓子の器に添えたモミジ。青いモミジも紅葉したモミジも趣きがあります。南天の葉も使われます。料理の添え物としては山椒の葉。その心遣いに、おいしさも増すように感じるから不思議です。

 さて、比較的簡単に根付くので、私は気に入った紫陽花の茎を挿し木して増やします。ピンク・アナベルや切り花だった紫陽花など。我が家の挿し木2年生のアナベルも今年はたくさんの花をつけています。ホームセンター等で結構なお値段で売っているのを見ると、「うちのものも売ったらこんなに値が付くんだぁ」「食べるのに困ったらいろいろな植物を売ればいいかな」と考えてしまいそうです。

 挿し木した紫陽花以外にも、種から育てたモミジも何種類かあります。大小を問わず数が増えてきて、そろそろ邪魔になってきました。でも自分で育てた植物にはどれも愛着があります。そして、その生命力に驚きます。生命力といえば、もう5年以上前に根元で伐採した中型の木がありますが、先日その切株付近から芽が出ているのを発見!「お前、まだ生きていたんだ?」と思いながらもチョキチョキ。ごめんね!

 1~3年生が世話している植物も、ベランダで元気に育っています。単なる観察に始終せず、小さな生命を慈しむことを大切にしてほしいですし、茎が折れても育っていく逞しさに感じ入ってほしいと思います。

049 梅雨入り記念に…?(6/18)

 梅雨入り記念?に「雨」にまつわる日本語を検索!どうやら何百種類もの呼び名があるようです。それほど細かな違いを感じているともいえます。日本で虹は7色ですがロシアでは4色ですし、フランスでは蝶も蛾もパピヨンで一括り。逆に、エスキモーは雪を表す言葉を100種類も使いこなしていたといいます。

 話は戻りますが、検索中最初に出てきた「叢雨(むらさめ)」ってどんな雨?よくわからないので辞書で調べると、「激しく降ったかと思うと、すぐにやんだり弱くなったりする雨。にわか雨。驟雨(しゅうう)」とあります。「麦雨(ばくう)」は?「麦の熟するころに降る雨。梅雨の別名」です。「こうう」は辞書に「①降雨」「②紅雨」「③香雨」「④膏雨」とあります。①は省略。②は「春、花にそそぐ雨、明るい花の散る様」であり、③は「よいにおいのする雨、雨の美称」、④は「農作物を潤して育てる雨、甘雨、慈雨」と書かれています。

 さて、4年生が社会科で印旛沼の開拓について学びますが、次のような伝説があります。

 731年は春からの日照り続きで水不足。作物は実らず人々は困窮していました。聖武天皇は、諸国の神社仏閣に雨乞いの祈願をさせましたが、一向にその効果がありません。そこで、龍神に由縁のある龍閣寺(栄町)に雨乞いの祈願を命じました。昼夜を問わずに祈り続けた結果、聴衆の中から印旛沼の主と名乗る小龍の化身が現れました。大龍に命を奪われることを承知の上で、雨乞いの願いを聞き入れたといいます。「私が雨を降らせれば、私の命は奪われるでしょう。私の身は三つに裂かれ、印旛沼のほとりに落ちるでしょう。そうしたら、頭は龍閣寺に、腹は印西の地蔵堂に、尾は匝瑳の大寺に納めてください」と言うと姿が消え、黒雲が空を覆いつくし、どっと雨が降り始めました。人々は歓喜の声を上げました。雨は7日もの間降り続いたあと、沼のほとりには小龍の体が3つに裂かれて落ちていました。約束通り、その体を3カ所に葬って祈りを捧げました。頭を納めた龍閣寺は「龍角寺」(栄町)に、腹を納めた地蔵堂は「龍腹寺」(印西市)、尾を納めた大寺は「龍尾寺」(匝瑳市)に名を改めたという言い伝えです(参考:龍角寺縁起)

 朝から雨が降る日は鬱陶しく、外遊びもできず気持ちも湿りがち。逆に、雨が何日も降らないとお湿りを待ち望みます。今の時代、人柱を立てることはありませんが、人の気持ちは誠に勝手です。

048 ケチな了見(6/17)

 よく足を運ぶ道の駅でもらったカレンダー、水曜日欄の赤い字が「闇市」と見えて仕方ありません。よく見れば「閉市」なのですが…。その道の駅で、ある日、他校の校長夫婦とばったり遭遇。

 同じ日、運動のためにウォーキングというか散歩をしていた時のこと。近くのコミュニティーセンターの脇を通りかかると中から音楽が流れてきます。通路に面したガラス越しにダンスフィットネスをしている人たちが見えます。ジムではありませんが、インストラクターと一緒に汗を流しているのです。一緒に歩いていた妻曰く、「聞こえるリズムに合わせてインストラクターのマネしながらこっち側でも踊れるね。やったらどんな反応をするかなぁ?」と。見える、聞こえる、完全屋外、踊りだしても文句は言えないでしょうが…。

 なんか、鰻屋の煙を嗅ぎながらご飯を食べるケチな夫婦の落語(昔話?)を思い出しました。大変ケチな夫婦は、隣が鰻屋であることをいいことに、いつもそのにおいをおかずとしてご飯を食べているのです。鰻など一度も買ったことはないので、鰻屋は大変怒って鰻代を払えと詰め寄ります。すると、ケチな夫婦は払ってやろうと言い出します。そして、竹筒にお金を入れて、鰻屋の耳元で振って音を聞かせます。鰻の焼いた匂いを嗅いだだけだから、お金も音だけでいいだろうという了見。オチは忘れましたが、似ているでしょ?いやだいやだ!

047 忘れっぽいのはステキなこと?(6/16)

 月曜日に梅雨入りをしましたが、梅雨が明ければ本格的な夏到来!

 伝統的な夏の風物詩といえば、風鈴、団扇、花火、蚊取り線香、簾、ラジオ体操…など思いつきます。房州うちわ、江戸風鈴、江戸簾ほか、伝統工芸品といわれるものもありますが、少し前に読売こども新聞にあった『木の昆虫 立体木象嵌の世界』という記事に目が留まりました。というより「木象嵌(もくぞうがん)」に反応したのです。(※「象嵌」とは何かは調べてください)

 Y小で5年生を担任していた頃、社会科で「伝統工芸」を扱いました。伝統工芸の魅力を知って伝え合うために、伝統工芸に指定される「木象嵌」「江戸つまみかんざし」「飾り煙管」「木目込み人形」の職人さんに子供たちが取材・体験をさせていただいたことを思い出します。今も江戸つまみかんざしや行徳神輿、木象嵌、屏風など、市川市で続いていることをうれしく思います。

  

 こんな20年前のことは思い出すのに、ほんの少し前のことを忘れっぽくなったことに危機感を覚える最近です。数日前にテレビドラマを観たことすら忘れて、「俺は観ていない」と言い張ることも…。ドラマの内容ではなく、観たこと自体を思い出せなかったことにショック!「それってさ、2年前にジムを辞めた理由が今思い出せないことより怖いと思うよ」と突き刺さるお言葉!

 ボケそうなので、給食前に「今日の朝食のメニュー」を思い出すようトレーニング?をしています。それでも、校長室から職員室への数歩の間に、「あれっ?何しようと思ってこっちに来たんだっけ」状態に陥ることも…。再度やり直しのために校長室に戻る自分に嫌気がさします。

 あっ、中島みゆきさんの『傾斜』という昔の曲を急に思い出しました。♪歳をとるのはステキなことです~ そうじゃないですか~ 忘れっぽいのはステキなことです~ そうじゃないですか~♪ 飽和量オーバーかもしれない自分を慰めます。

046 略語にKP!(6/14)

 強い日差しが頭皮を刺すように降り注ぐ季節になりました。今朝のようにポツポツ降り出した雨に反応する天然アメダスが、汗でびしょびしょになりますし、日差しを遮る帽子が必要になります。ただ、自主的禿げ頭のよいところは、寝癖がつかないこと。濡れてもすぐに乾くこと。白髪が全然目立たないことなど。「私のつむじはどこでしょう」クイズもできます!

 さて、なんでも略して話す言葉は、日常会話だけでなくメディアからも聞こえてきます。決して新しいわけではありませんが、「レンチン」「味変」とラジオで聞いて違和感をおぼえるのはおじさんだからでしょうか。週刊誌の見出しに「女子アナ・ステマ疑惑」とあったのは少し前のこと。ステーションモール(略すと「ステモ」)とかまつ毛に関する略語などかと思いきや、「ステルスマーケティング」のことだったのですね。意味も調べないとわかりませんでした。

 ただし、言葉を略すのは今に始まったことではありません。「スーパー」は「スーパーマーケット」ですし、「テレビ」は本来「テレビジョン」。「ロケ」「コネ」「パンフ」「マイク」「リハビリ」「リモコン」「ワープロ」「通販」「学割」「原発」など数えだしたらキリがありません。そういえば、娘が中学生だったころ、「百均」と言っているのを、「百円均一と言いなさい」と妻がたしなめていたのは遠い昔。「セブン」と聞いても、「ウルトラセブン」を思い浮かべる人はまずいない…。そういえば、ネット上で「知らないとおやじ認定される若者言葉」という記事を読みましたが、一つもわかりませんでした!表題にある「KP」って「乾杯」だそうです…。

 逆に、死語になるスピードも増しているということになります。ただ、言葉と違って「坊主」という髪型に流行り廃りはありません!

 明日15日は、37回目の県民の日でお休みです。

045 じっと我慢?(6/11)

 数日前、我が家に扇風機が登場しました。就寝中に活躍しています。

 これから心配される熱中症、どうも江戸時代からあったようです。三浦豊彦氏の『徳川時代の熱中症予防と20世紀初頭の高温職場の食塩補給の歴史』という論文らしきものをちらりと目にした程度の知識です。また、江戸時代においては,熱中症を表す言葉として,霍乱(かくらん)や中暑(ちゅうしょ)、暍(えつ)が用いられていたといいます。漢方医学の分野では現在も用いられているそうです。

 熱中症は、暑さによって引き起こされる脱水症ともいえ、重篤な場合は40度近い発熱やけいれん、意識障害などが加わります。現在、救急搬送でも受け入れ先病院がない状況がある中、熱中症搬送が加わった場合の混乱ぶりは、予想に難くありません。ですから、個々で予防をしっかりして自分の命と医療現場の負担減を図ることが大事です。

 さて、江戸庶民の避暑方法ベスト5を見つけました。第5位「金魚の鑑賞」、第4位「温かい甘酒」(飲む点滴・甘酒は夏の季語)、第3位「打ち水」、第2位「団扇を使う」、堂々の第1位「我慢」だそうです。日中は用事や仕事がない限り、直射日光を避けて日陰でじっと耐えていたようです。「耐える」以外は結構大事かも…。

  

 学校で我慢はちょっと。エアコンも修理を進めていますが、首の後ろを冷やす器具や多めの飲料水持参など、今年も対応をしっかり行っていくことが望まれます。

044 アイスの季節がやってきたぁ(6/10)

 梅雨入りは来週?暑い日が続くので、心配の種はコロナに加えて熱中症。一方、さらに暑くなっていく季節の楽しみといえばアイス。「冷たいアイスは冷蔵庫に欠かせない!」なんてつぶやくと怒られそうです。

 子供のころに食べたいろいろなアイスを未だに思い出します。「あたり」があったらもう1本貰えた、名糖『ホームランバー』。メロンの形の容器にシャーベットが入った『メロン・ボール』や『おっぱいアイス』も懐かしい。どれもパッケージを変えながらもまだ健在のようです。

  

 氷菓『サクレレモン』も大好きです。この商品も今年で36周年(1985年誕生)という歴史があるとのこと。また少し前のニュースで、井村屋のアイス『あずきバー』の売り上げが、昨年度過去最高だったとありました。1973年発売で今年48周年を迎えるそうです。「ぜんざいを凍らせたようなアイスができないか?」という発想から誕生し、1本に約百粒のあずきを使って風味とさっぱりした甘さを出している商品。でも、とにかく硬い!冷凍庫から出したばかりだと歯が立たない。その硬さの理由は3つあるそうです。①空気の含有量が極めて低い、②乳固形分が全く入っていない、③乳化剤や安定剤といった添加物を使っていない、ということ。原材料は小豆・砂糖・コーンスターチ・塩・水あめの5種類のみというから驚きです。シンプルかつ安全です。

 さて、我が家で「あんこ」と言えば、原則「粒あん」です。大福などを選ぶときに「こしあん」は除外というのが暗黙の了解。1月15日に小豆粥を食べる風習もありますが、このあずきバーを米と一緒に入れて、ちょっと甘めの小豆粥あるいは赤飯として食べるなんてこともできそうです。

043 易きに流されず…(6/9)

 蒸し暑い毎日です。しかも昨日は真夏日。一週間ほど前までは、朝着替える前に「丁か半か?」と問われました。賭博ではなく「Yシャツは、長(袖)か半(袖)か」というバカげた質問です。もう迷うことなく「半」!

 暑かろうと寒かろうと、毎日とまではいきませんがウクレレの練習を続けています。21時頃からでも15分程度は触れるようにしています。レッスンが2週間空いてしまう時もそれなりに自信をもって先生の前に座ります。にもかかわらず、ぽろぽろとミスを繰り返す始末。「あれっ?」「家ではちゃんとできていたのに…」と思うと手が湿ってくるわ、背中を冷や汗が流れるわ…。ショックに打ちひしがれた抜け殻状態のまま、帰りの電車に揺られました。

 さて、だいぶ前の朝日新聞beに、ログハウス「BESS」社長のインタビュー記事が掲載されていました。住宅業界の常識を次々とひっくり返してきたと言います。その言葉の中に、『易きに流れず、勇んで奪わず』という文字がありました。「信用第一」を掲げ、「自分がされて嫌なことはしたくない」という思いを貫いているといいます。バブル期にあっては、「相互利益の追求(自分だけ利益を上げるようなことはしない)」を理念とし、住宅展示場出展を勧められても、「顧客の奪い合い(弱肉強食の世界)は自分の理想ではない」と断り続けたそうです。

 子供たちも、楽な方にばかり流れてしまうことなく、困難であるとわかっていても果敢に取り組もうとする姿を貫いてほしいものですし、競い合うことは大事ですが、人を蹴落とすようなマネする悪意ある人間に育ってほしくありません。ですから、小・中・高と進んでも「誰もが自分らしく活躍できる学校」「みんなが幸せな学校」が大事なのだと思います。ウクレレも他人と比べず、出来の悪さに落胆ばかりせず、純粋に楽しむことを心がけます。

042 歯周病は怖い(6/8)

 月曜日の新聞は、様々なスポーツの記録が満載です。

①陸上男子100mで山県亮太選手が9.95秒の日本新を出して優勝。私なら50mを少し越えたくらい? 

②水泳女子100mバタフライ、池江璃花子選手が58.03秒でV。私が泳ぐと、学校のプールで25mを折り返しでどのくらい行っているかな? 

③体操男子種目別の鉄棒では、内村航平選手が五輪4大会連続出場決定。う~ん、逆上がりしかできない私。 

④ゴルフ全米女子オープンで19歳の笹生優花選手が優勝。私が打つと隣のコースへまっしぐら~。

 校庭では体力テストで20mシャトルランが行われています。一緒にやって醜態をさらしてみようかなぁ。

 さて、3月初旬に歯の治療をした後、土曜日が予約でいっぱいなので、3か月後の先日再診扱いで診てもらいました。待っている間に歯科衛生ビデオが流れています。「歯周病が全身に及ぼす影響~心疾患・脳梗塞・糖尿病・誤嚥性肺炎~」という内容です。歯周病の原因となるのが、歯垢と呼ばれる細菌。口腔内の炎症によって出てくる毒性物質が、歯肉の血管から全身に入ったり誤嚥によって気管支から肺にたどり着いたりして、様々な病気等を引き起こしたり悪化させたりすると訴えます。そして、歯周病の予防・治療を行うことで、病気のリスクを下げることが可能ですと続きます。日本臨床歯周病学会のHPも見てみましたが、食生活と口腔衛生の大切さを改めて考えさせられました。そんなわけで、夜は通常の歯ブラシと電動歯ブラシに加えて、歯間ブラシで丁寧な口腔ケアに努めています。

 今日は4年生が「歯磨き指導」を実施します。通常の歯科衛生士の指導はなく、ビデオ視聴が中心ですが、関心を高めてほしいと思います。優れたスポーツ選手は、歯もいいらしいですね。

 

041 簡潔で分かりやすい表現を(6/7)

 先週、ある学級の理科の授業を見せてもらい、終わりにノートを回収して赤ペンを入れさせてもらいました。検食しながらでしたが楽しいひとときでした。今後どんな記述の変化がみられるかちょっとワクワクします。

 さて、手紙やメール、会話などで、簡潔かつ分かりやすく相手に伝えるということはなかなか難しいものです。例えば、「最寄りの駅からスタジアムまで結構時間がかかります」と言われたとき、どのくらいの時間を想像するでしょう。徒歩20分程度をイメージする人もいれば、バスに乗って30分くらいだろうかと考える人もいるでしょう。だから、「徒歩15分」というような明確な表現が求められます。数値化できるならばそれに越したことはありません。

 もう一例。若者が、「頼むよ!①ちょっと高いけど、投資だと思ってさぁ。②そのうち俺が③ビッグになったら、④何倍にもなって⑤返ってくるかもしれないよ」と語るイラストに書かれた突っ込みが笑えます。

①→どのくらい? ②→いつ? ③→どういう状態? ④→一体いくら? ⑤→返ってくるの?こないの?

 きちんと伝えるためには、あいまいな表現を避けるとともに、大事な情報は省かず、相手に疑問を抱かせないことが大切です。スポーツ参観に関するアンケートを読みながら、メール本文の記し方や書く順番、内容等についても反省させられました。また、一言添えることで受け取り方が変わることや外国の方に配慮した表現、理由や根拠を詳細に伝えないとわかりづらい場合もあることなど…。いただいたご意見や感想は今後に生かします。ありがとうございました。

040 やっぱり人が肝心(6/4)

 プラタナスが大きく葉を広げています。見上げると、実がたくさん見えます。昨年は全く実をつけませんでしたから隔年性かと思いきや、どうもそうではないようです。

 さて、映画『るろうに剣心 最終章』が上映中です。どうも二部構成らしく、「6月4日グランドフィナーレへ」とあります。この作品は、『るろうに剣心』『同 京都大火編』『同 伝説の最期編』と続いてきた人気作品ですが、約10年の月日を経て完結を迎えます。

  

 帰りの電車内はスマホで無料漫画を読んでいますが、ちょうど今『るろうに剣心』が期間限定で一気読みできるのです。新選組や明治維新の人物も登場しますが、主人公 緋村剣心の人への優しい思いがその強さ以上に魅力です。今読んでいるのは映画の3作目あたりなのかもしれませんから、まだまだお楽しみは続くというわけです。古本屋で全巻大人買いを秘かに目論む私です。

 さて、映画館は座席がピンポイントで指定できるシステムですし、騒ぐこともないので換気とマスク等で比較的安全な娯楽の一つだと思っていますが、都内はやっとという感じで「規制緩和により再開」となりました。国会見学は受付を制限しているため、通常よりゆったりしていて時間と空間の密がないようです。

 授業参観や校外学習、宿泊学習など、判断に悩みますが、どんなに環境を整え、万全を期したとしても、最後は当事者である「人」の意識と行動です。緋村剣心の言葉を借りれば、“時代を創るのは「刀」ではなく、それを扱う「人」でござる”なのだと考えます。

039 多様性を認め合う(6/3)

 LGBTQあるいは性同一性障害などについて話題とされ、随分と周知されてきたように感じます。高校の女子生徒の制服がパンツも選べるように変わってきましたし、男子生徒がスカートとズボンを併用しながら登校している様子もテレビで映されました。そうした中で、経産省職員の「トイレ使用制限」に関する高裁の判決は考えさせられます。

 大人はどう答えるでしょう。「戸籍上は男性(女性)とされる性同一性障害の人と同じ女性(男性)トイレに入れますか?」

 子供はどう考えるでしょう。「体は女性(男性)だけれど、心は男性(女性)という人がいます。使うトイレは、男性用か女性用か?」

 正解はありませんが、議論を通して理解を深めていくことはとても大切です。教職員や保護者、子供の中にいないとは限りません。カミングアウトできずに悩んでいるかもしれないのです。

  

 朝、校門で見守りをしていた時に、低学年男児が門を入らず、じっと信号待ちをしている男性を見ています。私のような頭で、相撲やラグビー選手のような体格。大きめのTシャツにダボダボのステテコパンツといういで立ち。どうしたのか尋ねると、「なんで男の人なのにスカートを履いているの?」と言います。ズボンの股の部分が膝あたりにありますからスカートに見えるのも仕方ないと思いました。けれども、社会的・文化的につくられる性別(ジェンダー)は、小さな子供の中にも自然と刷り込まれていることを感じました。

038 信じる?信じない?(6/2)

 昨日、5年3組の児童が校長室までお茶を運んできてくれました。家庭科室を使った初めての実習で、湯を沸かしお茶を入れたのです。茶葉や湯の量をきちんと図って入れた、素朴な味が感じられました。

 さて、今日も関東地方は梅雨入りしそうでしない、気象予報士泣かせの天気です。天気に関しては数々の言い伝えがありますが、一般的に「言い伝え」は昔から言い伝えられてきた風習やまじないなどを指します。あまり合理的な根拠はなくても何となく気になるから不思議です。そういう私は、霊柩車を見ると車を運転中でも親指を掌に隠します。ハンドルにはドラえもんの手が乗っている感じです。「死者の魂が入ってくるのを防ぐ」というものです。これを助手席のオーナー様も一緒に実行しているから可笑しくなります。

 「机に足で乗ると勉強ができなくなる」「夜、口笛を吹くと蛇が出る」「物差しで頭を叩くと背が伸びない」「夜、爪を切ると親の死に目に会えない」など、母や祖母から止められてきました。箸に関する不作法も厳しく言われました。箸で取った食べ物を元へ戻す「そら箸」や食器の上で二人一緒に料理を挟む「二人箸」、料理に箸を突き刺して食べる「刺し箸」、どの料理を食べようかと料理の上であちこち動かす「迷い箸」、食事中に箸で人を指す「指し箸」など。指摘されたことはありませんか?

 「夜、靴を下ろしてはいけない」とも言われます。街灯がない時代は、夜道を歩くことは大変危険だったので、よほどのことがない限り外出することはありませんでした。ましてや暗闇を新しい靴で歩くのは、誰かが亡くなったお通夜くらい。だから、夜に靴をおろすことは死を連想させ縁起の悪いものとされてきました。ちなみに我が家では、新しい靴を下ろす前に、トイレの床にトントンとやって「事故に遭いませんように」と願をかけます。どうも妻の家に伝わる習わしのようですが、今では娘もやっていると言います。

 そうそう、「つむじを3回押すと下痢をする」というものもあって、友達の頭をツンツンしていた小学生時代。懐かしい!

037 音楽と記憶(6/1)

 今日は市川小学校の開校記念日。一昔前なら臨時休業でした。学校だよりにも書きましたが148歳です。築き上げられた歴史の重みを感じます。でも、子供たちは今日ここからの市川小の歴史(未来)を築き上げていく人材です。「温故知新」「不易と流行」…言葉が続きませんが、期待は大きい。

 さて、以前「においと記憶」について書いたことがあります。「音楽と記憶」もまた密接な関係があるように思ったのは、6年教室前の掲示された作文を読んだからです。仮に豆大福を食べているときにテレビからある音楽が流れていたとしますと、豆大福を見るとその曲を思い出し、その曲を聴くと豆大福をイメージすると書いています。また、夏休みの宿題を涼しい部屋で音楽を聴きながらやっていたので、その曲が流れると半袖姿でエアコンの涼しい風を浴びている様子を思い出すのだそうです。なるほどと廊下で感心してしまった次第です。国語科『随筆文を書こう』で取り組んでいた作品なのでしょうか。

 私の場合の音楽と結びつく記憶は…。ちあきなおみさんが歌う『四つのお願い』という曲がありました。この曲と楳図かずおさんの漫画『漂流教室』とがリンクするのです。それも床屋の景色が脳裏に浮かぶから不思議です。散髪待ちの間、ドキドキしながらページをめくっていた時に当時流行っていたこの曲がラジオから流れていたのだと思います。

  

 こんな「音楽と記憶」に関するエピソードがあったら教えてください。支障のない範囲で紹介させていただきたいと思います。

036 技術の進歩にわくわく(5/31)

 先週の朝日新聞に、「自動運転の電気自動車をスマホで呼び出す…。そんな次世代のサービスを見据え、自動車産業が百年に一度とも言われる変革期に入った」という記事がありました。これを目にした途端、頭の中で、ジェッターが腕時計型無線機に向かって、「流星号、流星号、応答せよ」と叫び、すぐに宙を飛んでやってくる流星号の映像がリアルに蘇ったのです。1965年にテレビ放映された『スーパージェッター』、55年の時を経て、空は飛ばないまでも流星号が色褪せないまま現実になろうとしていることに心沸き立つ思いです。もしかすると、マッハ号だって夢じゃない!

  

 一方、読売こども新聞には「ゲノム編集」についてわかりやすく紹介されていました。これまで作物の品種改良が長い時間をかけて行われてきました。例えば稲。望んだ特長を持つ品種を生み出すには十年くらい位の年月が必要です。果物に至っては何十年もかかるといいます。一方、これがゲノム編集だと、狙った遺伝子に思い通りに変化させられるので、品種改良のスピードが格段に上がるというわけです。少し逸れますが、TVドラマ『ネメシス』で探偵の助手を演じる広瀬すずさんも、ゲノム編集で生まれてきたという設定。低視聴率が言われていますが、佳境に入って面白くなってきました。

 品種改良を施した稲の10年先より大きな変化が、今後の10年に望めそうでわくわくします。ただ、「便利」以上に「安全」が第一であることは、今も昔も変わりはありません。

035 道の駅(5/28)

 今週、偶数学年及び奇数学年の抽出児童対象に眼科検診を行いました。眼科医によると、例年と違ってアレルギーが多くみられるとのこと。これは医院に診察に来た人にも言えることだといいます。私もスギ花粉が終わったにもかかわらず、目が痒い日が続いて点眼薬が手放せません。

  

 さて、先日道の駅に野菜を買いに行った際、「わらび」が売られているのを目にしました。片手に軽く握った量で約300円。高っ~という感じです。というのも、小学生の頃は近所の林に入れば自由にわらびを採ることができたからです。「俺って、わらび採りの名人?」と自分で勝手に思っていたくらいたくさん採りました。祖母や母が灰汁とりをしたあと、おかかをかけておひたしになったものが食卓に出てきました。今でも、林があると足を踏み入れたくなります。700人の児童の中で、わらびを食べたことのある子っているのかなぁ?

 サルビアの花の蜜を吸ったり、ガマズミやヤマモモの実を食べたり、葉っぱで笛を作ったりするような自然丸ごと体験の機会をつくりたいものです。「かがやきフェスティバル」(11月)の午後をそんなスローな時間にすることはできないでしょうか。ただの思い付きですが…。

  

 ところで、道の駅の案内板ってどんなデザインだったでしょうか。見ているようで見ていないものがまた一つ!左側に駐車場と2本の樹木を配置し、緑あふれる安らぎの空間をイメージ。右側には建物と人を表し、単なる駐車スペースではなく案内と情報発信機能を持っていることを意味しているといいます。人の形は、インフォメーションの「i」を、木と駐車場と道路が「道」の「しんにょう」をかたどっているそうです。29年前からあるのに、初めて知りました。「道の駅いちかわ」もオープンして3年が過ぎましたね。

034 昭和のテレビっ子(5/27)

 今日は、6年生が「全国学力・学習状況調査」の検査日で、2~5年生は午前中に「学力テスト」を実施します。そして、1年生は給食に提供される「空豆の鞘むき」をします。空豆といえば、絵本『そらまめくんのベッド』(なかやみわ作)。そらまめくんは、もともと企業デザイナーとして仕事をしていた頃に生まれたキャラクターだったといいますが、コンペでは採用なかったようです。でも、強い思い入れがあったので、眠らせていたキャラクターを絵本で蘇らせたのがこの作品というわけです。

   

 さて、相変わらずテレビ番組を撮りためて、夕食時に一つずつ消化(視聴)しています。警察ものや医療ものが多い中、痛快なのが『ドラゴン桜』。敵を仕立てるのは脚本や演出の王道なのかもしれません。一方、吉田羊さんと國村隼さん主演で親子を演じる『生きるとか死ぬとか父親とか』は、淡々とした展開で『ドラゴン桜』とは正反対ですが、感じるものがあるのです。4月にお亡くなりになった田村正和さん主演の『古畑任三郎』も大好きでよく見ました。友達と物まねを披露しあったこともあるほど。「一番印象に残る犯人役は誰か」というアンケートの結果、イチローさんとSMAPが同率1位だったそうです。ただ、NHK放送文化研究所の調査によると、10代、20代の半数がほぼテレビを観ないとのこと。5年前に比べて20ポイント前後減少しているとのことです。テレビ離れが加速している実態が見て取れます。

 話は変わりますが、最近変化を感じているのが「爪の伸び方」と「トイレの回数」です。暑くなって、爪が伸びるのが早くないかなって思うことはありませんか。特に足。普段、靴下を履いていることが多いので、切るタイミングを逃して長くなっていることがよくあります。

 そしてトイレです。冬場は頻繁に小用を足していたような気がしますが、暑くなると知らない間に汗をかいているのでしょう。家でトイレに入って以降、昼近くなって初めて学校でトイレに入るなんてことがしょっちゅうあります。「あっ、今日初めてだ」と気づく有り様。だからこそ、熱中症予防として、のどが渇かなくても水分補給なのでしょう。そういえばテレビの番組中にずっとおしっこを我慢して、CMになるとトイレに駆け込むなんて子供時代もあったっけ。

033 当事者として判断・行動する力(5/26)

 今晩は、以前お知らせした「スーパームーン」。今日の満月は、今年最も地球に近づくとともに3年ぶりの皆既月食で、大きな赤い月になります。あとは天気次第!20時頃からが楽しみです。

  

 さて、昨年度から小学校で新しい学習指導要領による指導が始まっています。指導内容などが改編される中で、6年生の社会科では単元の順番が変わっています。これまでは歴史→公民の流れでした。春先に縄文・弥生時代の暮らしを学習して、12月頃に政治を学び始めていました。現在は、公民→歴史の順です。その政治の仕組みなどを学ぶための視聴覚教材も充実しています。運動会前に教室を訪問した時です。65型テレビを子供たちが食い入るように見つめています。黒板には「裁判所のはたらき」、画面には「昔話法廷」とあります。どうやら視聴する子供たちは裁判員の立場のようです。乙姫が被告で、浦島太郎が原告という設定。「あなたはどうして竜宮城へ行くことになったのですか?」と弁護士が尋ねています。たった数分しか見ませんでしたがずっと教室にいたい気がしました。「3匹のこぶた裁判」で正当防衛を問う番組も以前見た気がします。「セーラームーン」が被告だったら、「月に代わってお仕置きしたのよ!」と開き直るでしょうか?

 政治についても、いかに身の回りに関連する事象を見つけ、自分事として感じ、当事者として考え判断するかが知識以上に大事です。得た正しい情報をもとに考え進め、行動に移す力を、小学校のうちにどれだけ獲得できるかが飛躍の土台になると思いますがいかがでしょう。

032 お疲れ~乾杯!(5/25)

 スポーツ参観日は、保護者の皆様のご理解とご協力のもとご覧いただきましたことに感謝いたします。曇り空でしたが、子供たちの精一杯の演技や走る姿に感動しました。今回の頑張りを振り返り、「次はこんなことをやりたい」という意欲やアイディアを生み出せたら、さらに成長できると思います。「いわれたことをやる」から「自分でよいと考えたことを行動に移す」子供を目指したいと思う毎日です。休み明けの今日は「大安」。何かよいことがありそうな予感が…?

 さて、行政経験のある教員はみんなその仕事に同じように感じることがあります。それは、仕事に季節感がないこと。忙しさに多少の波は感じても、学校現場のような季節ごとの主要行事に全員で邁進して、やり切った感をもつ機会はあまりありません。入学式、卒業式、運動会、文化祭的行事、水泳部・相撲部・陸上部といったシーズン限定部活動などが終わると、みんなで飲んで騒いで「次に向かって頑張ろう」と気持ちの切り替えをします。ただ、コロナの影響でそれができないのが残念でなりません。単に飲みたいだけじゃないのと言われたら、「はい、そのとおり」と即答してしまいそう怖い。

 ずっと昔の話ですが、運動会前日に前夜祭を行い、学校に泊まるなんてこともありました。そして、運動会が終わると職員室で体育主任を慰労する一次会をしました。職員室で学年ごとに演技を披露したり、運動会の歌を大声で歌ったり…。その後、今度は体育主任が職員への感謝する会として二次会の場に繰り出したものです。先日の土曜日の昼食時は楽しいおしゃべりすら十分できず残念です。グラスを合わせて、声高らかに乾杯できるようになるのはいつだろう。

031 みんなが主役、みんなが脇役(5/22)

 運動会の練習中にうれしくなる場面をたくさん見つけました。演技で使用する用具を放り投げていく子が多い中で、誰の物であってもきちんと置き直した後、全力で集合場所に向かう子。音楽や歌詞の意味を感じながら、手による表現や表情を豊かに演じる子。戸惑っている子に優しく関わっている子など。日々目立たないところで活躍する子供が報われるようでありたいものです。

 さて、「バイプレイヤー」という和製英語が、定着したように思われます。「脇役」という意味で使用されます。演劇や音楽など、主役一人で演じるものではなく、主役を引き立てる周りの脇役があってこそ成立するものです。だから、主役と脇役が互いに尊重し合う関係はとても大事です。

 以前ニュースを観ていると、成田空港で働く凄腕の裏方さん数人にスポットを当てていました。こんな世界、こんな仕事もあるんだぁと新鮮でした。パイロットやCAという花形職業に憧れる子供もいるでしょうが、こうした職種の働きぶりを見て自分のキャリア形成が刺激される子もいると思います。まさにプロフェッショナルでした。病院でもドクターや看護師ばかりに目が行きそうですが、医療事務その他いなければ成り立たない場所です。たとえスポットが当たらなくても、自分の役割に誇りをもって精一杯頑張る人はきらきら光って見えます。

 クラスでは…?各職場では…?目立つ人ばかりに目が行きがちなことはないか確認が必要です。学校では、担任をはじめとした様々な教職員が輝けるように、互いにリスペクトしながら取り組んでいきます。

 今日は、主役・脇役関係なくキラキラさんを校庭でたくさん見つけます。「保護者1名限定の参観」というのは本当に申し訳なく思いますが、ご家族全員の気持ちを集約して代表でのご参観をお願いします。30分開始を遅らせたので、雨が完全に上がって晴れ間晴れのち曇りが少しでものぞくといいなぁ。

030 あこがれの職業に(5/21)

 毎月送られてくる冊子に3Dアートのページがあります。絵の上にある2つの黒点を見続けて、3つに見え始めたら目を下方にやると立体の絵が浮かび上がるというもの。好きなんです。眼鏡をはずしてじっと見続けている様は、他人からはどう見えるのでしょうか?

 教室巡回中に4年2組の新聞係Aが発行する新聞を目にしました。アンケートをとってなりたい職業のランキングが書かれていました。第1位「デザイナー」、第2位「サッカー選手」、第3位「警察官」と続きます。

 さて、今年小学校に入学した4000人に調査をした、「将来就きたい職業」男女別トップ20ランキングというものがあります。男子は「警察官」「スポーツ選手」「消防・レスキュー」「運転手・運転士」という順位で、20年前から不動であった「スポーツ選手」が「警察官」と逆転しました。女子は「ケーキ屋・パン屋」「芸能人・歌手・モデル」「看護師」「花屋」となります。

 ちなみに「教員」は何位?女子の8位に見つけました。20年間トップ10には名を連ねているようです。一方男子は、ランキング外です。これまでも20位手前を低空飛行。ただ、これは小学1年生の場合。6年生の卒業文集によくあるプロフィール等で「学校の先生になりたい」という文字を見つけると嬉しくなります。ちなみに、先の4年生の新聞では、声優や学者と並んで第4位(2人)という結果。

 今週17日から4週間、教育実習生を時田学級(5-2)で受け入れています。夏の教員採用選考志願書に志願理由を書く欄があります。小・中・高の恩師との出会いが影響していると書く志願者は少なくありません。4年2組で「先生」と書いた2人の思いも大きく膨らませてあげたいなぁ!

029 柔軟性ゼロ(5/20)

 校長室前の青いポストに、早速「オラが学校づくり」のご意見を頂戴しました。嬉しい限りです。様々な視点からアイディアなどをいただけるのがさらに楽しみです。よろしくお願いします。

 先日の新聞に、小学生の子供の姿勢が悪いのが悩みの種という投書への回答がありました。姿勢の悪さは、ゲームやスマホの普及、外遊びの減少に伴う運動不足などが要因だといいます。猫背などは、疲れやすくなり、肩こりや腰痛、頭痛、視力低下を引き起こす恐れもあると警鐘を鳴らします。改善には、日ごろから良い姿勢を意識することだとか。また、適度な運動で胴体部分の筋肉(体幹)を鍛えるのが望ましいと書かれています。気軽に取り組める運動が「手押し車」や昔よくやった「ぎったんばっこん」(わかりますか?シーソーではありません)。公園ならジャングルジムの中に入って、体をねじりながら上り下りをすると体幹が鍛えられ、柔軟性も養えるそうです。毎日10分程度でも、遊びながら体幹筋を動かし続ければ、悪い姿勢の習慣化を防げると締めくくられていました。

 さて、子供の姿勢、自分の姿勢、気になりませんか?先日、妻と向かい合って足裏を合わせ、両手をつないで体を引っ張り合う「ぎったんばっこん」をしようとしたら、膝を伸ばしたままでは相手の手まで指先すら届かない。なんだ、この柔軟性ゼロの体は!

  

 お恥ずかしいことに、絵のように左右の手を背中に回して握手しようとすると全く届きません。離れた指間を測ってもらったら片側19cm。反対に組んだら、なんと31cmも離れている!情けなくて苦笑い。やはり新聞に掲載されていた「肩ほぐしストレッチ」を実践してみたところ…それぞれ12cmと21cmにはなりましたが…。トホホ。

028 サインを見落とさない(5/19)

 鉢植えで育てていた大株のアジサイが、ある時を境に葉が増えません。ほかのアジサイは、蕾はつけないものの大きく葉を広げています。今は無き義母の家から摘んで、芽挿しから育てたものですから愛着があります。もしやと思って、鉢土をひっくり返してみました。すると、出てくる出てくる。コガネムシの幼虫と思われるものが、なんと28匹。割りばしで道路に放り投げます。大事なアジサイはというと、根がない。皆無!これでは育たないのも当然と納得です。専用の液に冠水して、きちんと植えなおしてあげました。

  

 幼虫を学校に持ってくれば喜ぶ子供もいるかもしれませんが、幼虫同伴で電車に乗る勇気がありません。よって、丁寧に葬って差し上げました。南無~。

 このアジサイが元気なくなった時期がいつだったか正確にはわかりません。世話していても気にかけていなかったようです。学級・学校の子供も同じです。中にはうまく伝えられない子もいます。SOSを出している場合だってあります。話せないアジサイの無残な姿を見て、何気ない変化やサインに気づいて対応できるようでありたいと改めて思った次第です。子供たちも適切なケアをすれば、そこから見違える成長をします。植えなおしたアジサイもきっと見えない土中で根を広げ、葉の広がりに表れますので、今度こそ観察を怠らないようにしないと…。

 レモンの木にはアゲハが卵を産み始めています。すでに孵った幼虫。こちらは子供たちにプレゼントします。

027 ありがとうを口癖に(5/18)

 日曜日には東海地方まで梅雨入りしたらしく、昨日今日の天気を見る限り関東も間近のはず。スポーツ参観日に向けて週間予報から目が離せません。

 昨日、とっても嬉しいことがありました。放課後の職員の打ち合わせでのサプライズです。誕生日から2週間が過ぎていましたが、職員全員からお祝いしていただきました。歌と花かご、そして赤いメッシュの帽子。帽子には「KANREKI 60」と金字で書かれています。先日もらったTシャツを着て帽子を被って見てもらいました。スポーツ参観日はこの帽子を被って校庭で見守りたいと思います。ありがとう笑う

   

 さて、3月下旬まで上野樹里さん主演『監察医 朝顔』というドラマを観ていました。夫婦間や職場で頻繁に聞かれた言葉が「ありがとう」です。何気ない心遣いや行為に対して、必ずと言ってよいほど「ありがとう」を口にするのです。

 外面人間の私は、家でなかなか「ありがとう」が言えないようです。まるで他人事のように聞こえますが…。相手がメッチャ忙しく一日を過ごした後に、労いの言葉があるのとないのとでは報われ感、逆に言えば徒労感(イライラの度合い)が全然違うことはよくわかっているつもりですが、家族だと出てこないようです。家族だからこそ、「ありがとう」が当たり前に言える人になろうと思います。(キッパリ!)

  

 子供たちにも「ありがとうを口癖に!」を訴えたいと考えます。校長室の入り口に掲示してひと月過ぎましたが、目にしてくれているでしょうか?

026 思いつくまま脈絡もなく…(5/17)

 生食パンの人気が出てどのくらいになるでしょうか。元祖は、高級生食パンの登録商標を持つ大阪の「乃が美」で、私が最初に口にしたのもそのお店のもの。近年の高級食パンブームの火付け役といってもよいかもしれません。その人気が確固たるものとなり、現在では生食パン専門店も増えているようです。市川駅北口にある「歴史は~」もそうでしょうか?生地がモチモチしていて、トーストしなくても柔らかな食感と自然な甘さ。焼いて食べてもおいしいのですが、やはりお高い!しょっちゅう食べるものではなさそうです。

 さて、GWに元同僚の先生からLINEで3件のメールが届きました。どれも「誕生日(還暦)おめでとうございます」というもの。当日は、久々に家族全員が揃ってお祝いをしてくれました。GWが明けて出勤した時には、ある先生から真っ赤なチーバ君Tシャツとマスクをいただきました。「赤いちゃんちゃんこ」の代わりだといいます。ありがたいものです。他人にちゃんちゃんこを着せたことはありますが、自分がそんな年齢になるとは思ってもいませんでした。

 GW中や土日は、用意された食事を朝昼夕と食べて、あとは好きなことをしているような生活なので、「旅館に長期滞在している客のようだ」と言われます。その滞在客は家の中で鼻歌を口ずさみます。「♪メ~リ~さんのひつじはおいしいなぁ~」、「♪モグラ(ミミズ)はとっても~歌が好き~母さん呼ぶのも歌で呼ぶ~」などなど。

 ちゃんと突っ込みを入れてくれるまで歌い続ける面倒くさい年寄り客なのでした

025 読み聞かせを大人が愉しむ(5/14)

 自分の姿や声を客観的に見聞きするのは恥ずかしいものです。教室訪問時に、動画撮影した読み聞かせを子供たちが見ている場面、あるいは見終わった場面に数回立ち会いました。お礼の言葉を言われたり、感想を聞かせてくれたり…。

 さて、私自身、本の読み聞かせは大好きです。聞いている子の表情やリアクションが楽しみだからです。わが子が小さい頃には毎日寝る前の日課。歌を入れたり声色を変えたりと工夫しながら、自分が楽しんでいたというのが正直なところです。小学校に上がってからも、教科書の音読を聞く際に範読してみたことも…。『鶴が渡る』(新谷彰久作)という詩が5年生の教科書にありました。「つるがわたる わたる こうこうと わたる」といった始まりだったように記憶しています。この「こう こう」の部分を鶴が鳴いているかのような読ませ方を何度もさせました。いまだに笑い話です。

 孫が、膝の上で落ち着いて絵本を聞いていられるようになったら読みたいのが、ネズミの「14ひきシリーズ」です。我が家には『ぴくにっく』『せんたく』『ひっこし』『かぼちゃ』『やまいも』『おつきみ』『あきまつり』『さむいふゆ』など揃っていますから、絵を見ながら話を想像(創造)することもできます。

 もっと好きなのが「日本昔ばなしシリーズ」。語り手だった故常田富士夫さんのマネをして読み聞かせしたものです。その頃のボロボロになった本が、まだ捨てられずに校長室に置いてあります。よろしければ手に取ってみてください。消毒もしてあります。

  

024 ごめんなさい…(5/13)

 今年もライラックが咲きませんでした。アジサイも蕾が極めて少ない現状に、「時期じゃないのに、自分勝手に伐っちゃうからよ」と怒られています。

 自分勝手(なんでも思いどおりになると考える性格)が堂々と道を歩いているような人間だと家族には指摘されます。当たっているからイタイ!担任としてもよい先生ではなかったのだろうと、ずっと経った今も反省ばかりしています。自分の思いを優先するばかりで、正面から子供たちに向き合っていたのか、向き合うふりをしていなかったか、と自問するしてしまいます。だからなのか、嫌~な夢をよく見ます。授業準備を全然しないまま行き当たりばったりで教えていたり、クラスが崩壊寸前だったりする場面など。「あ~夢でよかった」と胸をなでおろすことが多いのです。今は、責任や課題に正面からきちんと向き合っているつもり。子供たちに求めると同じように、自分に課すことを忘れてはいけないと考えています。

 1年生が休み時間に、「校長先生、だ~いすき」って言ってくれました。この子たちに何をしてあげられたろう、何をしてあげられるだろう。正解のない毎日ですが、自分勝手を封印して、人とのつながりを深め、子供たちとよい時間を過ごしていきます。

023 脱臼ペア(5/12)

 GWが終わって1週間経ちますが、10年以上前の3回目の脱臼の時を、GWになると今も思い出します。友達とキャッチボールをしていて、左へ逸れたボールにグローブを差し出したとき、グキッ!

 肩の脱臼は痛い!1mmたりとも動けない!大相撲の横綱だった故千代の富士関は、脱臼癖があり、土俵上で何度となく肩をはずしています。でも、支度部屋まで自分で戻っていたイメージがありますから、考えられないことです。私の4回の脱臼、残り3回を振り返ってみると、

① 初任校でサッカーの練習をしていてボールの上に乗って転んだとき。

② 初めてスキーへ行って、リフトに乗る前にストックを使って起き上がる練習をしていたとき。

③ 朝、うつ伏せから起き上がるとき。

 ③の日は、佐原市で県内教員の前で研究発表する午前のトップバッター。救急車を呼んだあと、すぐに電話を入れてもらうと、当時の責任者曰く「脱臼だから入れれば大丈夫だね」と…。順番を午後のラストにしてもらって、左肩を吊ったまま車で会場に向かったのでした。哀れみもあってか、提案に対する厳しい指摘や意見はゼロ。

 当時の職場に、肩に脱臼癖をもつ女性がいました。その人は、両手に余るくらい外しているらしく、手術でボルトを埋め込みました。秋の運動会前、二人で「ビューティーペア」(マキ上田&ジャッキー佐藤)ではなく、「脱臼ペア」を組んで、朝礼台の上で「♪だっきゅ~だっきゅう~♪」とステップを踏みながら歌ったのでした。

 児童が指や腕、脚などをけがして痛めたとき、症状の確認をすることがあります。我慢強い子もいれば痛みに弱い子もいますから、けがの程度を見極めるのは難しい?!「大丈夫?」なんて問いかけは禁忌!

022 何を想う②(5/11)

 昨日の続きです。

 アメリカのある地方に野球観戦が大好きな、でも、目の見えない少年がいました。少年は大リーグで有名なホームランバッターに憧れていたそうです。その選手へファンレターを書きました。

 「ぼくは、目がみえません。でも、毎日あなたのホームランを楽しみにしています。手術をすれば見えるようになるのですが、怖くてたまりません。あなたのような強い心がほしいです。ぼくのヒーローへ。」

 この少年のことをテレビや雑誌の記者が知って、二人の対面が実現しました。カメラのフラッシュの中、少年はヒーローに約束します。「もし、あなたが今度の試合でホームランを打ったら、ぼくは勇気をもって手術します」と。

 さて、試合当日。この日まだホームランのないヒーローの最後の打席。3ボール2ストライクのフルカウント。テレビや新聞を見た多くのファンが息を殺すように見守り、少年自身もテレビの中継を祈る思いで聞いていました。ピッチャーが投げた最後のボールは、大きな空振りとともに、キャッチャーミットに突き刺さりました。アメリカ全土から大きなためいきが漏れようとしたその時、「ホームラン! 月にまで届きそうな、大きな大きなホームランです!」とアナウンサーが叫んだのです。

 三振をホームランと言ったのですから、嘘をついたのです。この嘘をどう感じるかは、人それぞれだと思います。

 相手を想い、自分の気持ちをどういう言葉で、あるいはどんな行動にして相手の心に届けるのかということをもっと大切にしたいなぁと思わせる2つの話です。形がなくてすぐに消えてしまう言葉であっても、手紙やメールなどの文字であっても、相手の気持ちを意識して、責任をもって届けようとすると、言葉や文字から温かさが滲んでくるのではないかと思うのですが…。たくさんの人が一緒に生活をする学校や学級で大事にしたいことの一つです。

021 何を想う①(5/10)

 オリンピック開幕まであと74日、パラリンピックまで106日となりました。白血病で闘病生活を送り、4月の全日本水泳大会で4種目に優勝した池江璃花子選手の活躍が楽しみですし、個人的にはサッカーも楽しみです。でも、コロナの影響でオリンピック開催は…?

 さて、6日の放送朝会で2つの実話を紹介しました。子供たちは何を想ったでしょう?今日と明日の2回に分けて掲載します。

 1つ目はマラソンについて。日本で初めてオリンピックに参加したマラソン選手は、金栗四三氏です。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人でもあります。

 今から100年以上前の第5回ストックホルム五輪大会(1912年)に出場した金栗氏。レース途中で日射病になって意識を失って倒れ、近くの農家で介抱されました。目を覚ましたのは翌朝。仕方なくそのまま帰国したものの、行方不明扱いにされてしまいました。日本の期待を一心に背負っていたにもかかわらず完走できなかった無念さを糧に、50年もの間、日本のマラソンの発展のために尽力したので、「日本マラソンの父」と呼ばれています。

 月日は流れ、金栗氏が76歳となる1967年に、オリンピック開催55周年を記念する式典がストックホルムで開催されることになりました。ぜひ来てもらえないかという連絡が届いた金栗氏は、喜んで参加をしたそうです。

 そして、当時のコースを懐かしく走り、55年前に辿り着けなかったスタジアムに足を踏み入れました。すると、何故かそこには大観衆と役員、そしてゴールにはテープまであったのです。念願のゴールをしたとき、こんなアナウンスがスタジアムに響いたのです。

 「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイムは、54年と8か月6日5時間32分20秒3。これをもって第5回ストックホルムオリンピック大会の全日程を終了します」

 55年前のオリンピックが、この時の金栗さんのゴールで終了したと宣言したのです。粋で、心温まる話です。続きは明日。

020 青空のステージ(5/7)

 NHK「みんなのうた」は1961年4月に放送がスタートして60年。これまでに流された楽曲はおよそ1500曲といいます。最近では「パプリカ」が大ヒットしました。

 さて、歌といえば、運動会の練習が始まって校庭や体育館から流れてくる演技の音楽。動き方の指導にも熱が入ります。歌詞に合わせた身体表現の指導場面では、先生のアカペラでの歌も響く時があります。こういう時に上手な先生がうらやましい。

 某小学校で組体操の指導をしていた頃は、演技について夜遅くまで同僚と話し合いました。どの曲を使うか、CDを何度も入れ替えながらイメージにマッチする選曲と曲をつなぐ編集作業に費やした時間はとても楽しい充実した時間でした。いよいよ練習が始まると…、マイクも持たずに大声で歌ったものです。屋外無料カラオケステージって感じでした。私の歌は聞くに堪えないと妻が耳を塞ぎますから、その歌声で演技の練習をしていた子供たちはどんな気持ちだったのでしょう。いずれにせよ、運動会で使われる音楽を聴くと、近年どんな曲がヒットしたか手にとるようにわかります。

 コロナ禍の運動会になりますが、高学年児童には「自分たちの考えを活かす」「自分たちで創り上げる」という意識をもって運動会本番までの過程で学んでほしいものです。その達成感は、自己肯定感にきっとつながるはず!緊急事態宣言やまん延防止措置の延長が決まりそうです。実施方法の変更が余儀なくされることもあるでしょうし、保護者の方にも確実に守っていただかねばならいことが増えます。それらを想定して2案3案を用意しておきますが、児童が取り組んだことは決して無駄にはならないと考えます!

019 わかってくれる安心感(5/6)

 GWは如何お過ごしになられましたか?今日以降発表される感染者数がどういう変化を見せるか心配でもあります。

 昨年度の学校だよりNo.39に書きましたが、「化学物質過敏症(MCS)」について再度触れます。柔軟剤や芳香剤などに含まれる人工的な香りによって、頭痛や吐き気といった体調不良に悩む人が増えているというものです。一般的によい香りとされる商品の中に含まれる化学物質が引き起こすもので、「香害」とも呼ばれています。心の病気と間違われたり、周りに理解されなかったりして、仕事を辞めざるを得ないとか引きこもるとかいうケースがあるといいます。異常を感じたのはある日突然らしく、同僚の柔軟剤やハンドクリームの香りがだめで退職せざるを得なかった人もいます。また、重いアレルギー反応のアナフィラキシーショックを起こした人もいるそうです。手洗い用に香料を使わない無添加の石鹸を必ず持ち歩くともいい、「香りから逃げられない」という悩みは切実です。「化学物質過敏症」の専門医が少ないこと、アレルギー検査等でも原因も分かりにくいことが、困り感を深めている要因かもしれません。

 誰かが知ってくれている、わかってくれるということは、MSCに限らず、きっと生活する上での安心感になるはずです。その人を丸ごと受け止めようとする気持ちに溢れる、支え合い(愛)の学校・地域でありたいと願います。

 さて、学級の役員・委員を快くお引き受けいただいた皆様、ありがとうございます。そしてよろしくお願いします。また、事情あって委員にお名前のない方も、誰がどんな活動をしているのか理解して、できるところで支えていただきたいと思います。

018 クールビズを前に(4/30)

 校長室のアマリリスが開花しました。1年前に湯沸かし室の奥からやってきて2度目です。今週は、6年生がものを燃やした後の気体の変化を実験しています。20年前はCOを石灰水の白濁で確認しましたが、ここ十数年は気体検知管を使って数%レベルで検知ができます。ロウソクに恐々とマッチで火を点けていた姿も、少しずつ板についてきたように見えます。ただ、マッチを擦るのを、いまだに友達に譲っている姿も…。

 さて、3年生の国語の教科書(上)に『わすれられないおくりもの』という教材があります。賢いアナグマは、みんなから頼りにされていますが、「長いトンネルの向こうに行くよ」と手紙を残して深い眠りにつきます。アナグマの死後、残された動物たちは、アナグマが残してくれた思い出を振り返ります。ハサミの使い方やスケート、ネクタイの結び方、パンの焼き方など…。みんなの心に生き続けていることを確認するのです。大好きな本の一つです。

  

 GW明けから半年間のクールビズ。ノーネクタイです。朝、髪をセットする必要もない私でも、ネクタイを整えるたった1分がなくなることはうれしく、襟元の窮屈さからの解放と併せて二重の喜び。

 ネクタイの結び方には、プレーンノットやセミ・ウィンザーノット、ウィンザーノット、ダブルノットなど様々です。私はもっぱら「ダブルノット」です。なぜかというと、最初にネクタイを締めたときに、父から教わったのがこれだったからです。アナグマの物語ではありませんが、ネクタイの結び方には父の思い出が生きているということです。その思い出としばしお別れ!

017 ニュースキャスター(4/28)

 朝晩のテレビはニュース番組というのが我が家です。「この時間帯のニュースは欠かせない」という方もいらっしゃることと思います。同時に好きなキャスターもいるかもしれません。平日の朝6時、NHKニュースを担当する高瀬耕造さんが「おはようございます」というと一緒に頭を下げて挨拶する妻は、高瀬さんがお気に入りのようです。

  

 時々、日テレの藤井キャスターのコメントが素晴らしいという声もネット上でよく見かけます。私は安住伸一郎さんが好きです。好きな番組の一つに「ぴったんこカンカン」があります。安住さんが様々なゲストとやりとりして、相手の面白さや魅力を引き出す術にいつも感服します。

 「良さを引き出す」という点では教員もそうありたいと思います。相手をいい気持ちにさせる、その気にさせる、雰囲気を作るなど、言葉と表情を豊かに、誠意と敬意をもって接することが大事だと考えます。ただ、なかなか難しいと実感する毎日!

016 鯉のぼりの思い出(4/27)

 スギ花粉もだいぶおさまったようで、ランニングも気楽にできるようになります。田んぼの中の道を走ることがありますが、鯉のぼりが青い空を悠々と泳ぐ姿を見ると気分が浮き立つ自分を感じます。吹き流しに真鯉や緋鯉、青や赤、緑の子供たちと華やかです。ただ、最近では鯉のぼり自体を見かけることが少なくなりました。マンションのベランダにおもちゃの鯉のぼりがくくられていることはありますが…。日曜日に、成田公津の杜公園の鯉のぼり二千匹を見てきました。

  

 私は弟との二人兄弟です。幼少のころは庭に大きな鯉のぼり6~7匹が泳いでいました。時季になると、どこからか職人さんがやってきて穴を掘り、長い竿を立て、ロープで竿を支えます。風が強い日は、てっぺんの矢車がガラガラ音を立て、竿が折れないか心配したものです。

 さて、鯉のぼりの1番上に飾られる、筒状のカラフルな飾りの吹き流しや竿の1番上に付いている矢車。どんな意味があるのか調べてみました。「吹き流し」の歴史は長く、戦国時代には「これ以上災いが起こりませんように」という願いを込めて戦の後に飾っていたといいます。吹き流しのカラフルな色は、「木・火・土・金・水」を表しているそうで、鯉のぼりと一緒に飾ることで、子どもによからぬことが起こっても、邪気を払い守ってくれると信じられていました。

 一方「矢車」は、矢の羽根の部分を車輪状にしたもので、風を受けてカラカラと回転しながら音が鳴ります。神様への目印で、音は魔除けの意味を含んでいます。

 昔勤務した学校には鯉のぼりがあったので3階の窓から国旗掲揚ポールを紐で結んで真鯉や緋鯉を取り付けました。風のないある日、顔くらいまで尻尾が垂れた鯉のぼりに触りながら、♪屋根よ~り~ひ~く~い~鯉の~ぼ~り~♪と歌いながら帰る子がいたことを思い出しました。

 国分川にかかる鯉のぼりを見に行ったことがあります。20年以上も前のことなのに、息子はその時の様子を覚えているようです。今でも毎年数を増やしながら続いているのでしょうか?今度足を運んでみることにします。

015 グッドルーザー(4/26)

 東京五輪男女サッカーのグループリーグ組み合わせが決まりました。男子は、南ア・メキシコ・フランスと同組。なでしこは、カナダ・イギリス・チリとの予選リーグです。代表や五輪、Jリーグ関係なく、サッカー観戦は楽しみですから、オリンピックが行える状況になることを願います。

 さて、スポーツの世界に、「グッドルーザー(Good loser)」という言葉があります。「スポーツの世界の勝者は、金メダルを取った人ではなく、グッドルーザーである」「負けた時に何を考え、何を学び、どんな行動をとるかが問われる」という俳優のセリフがありました。

 勝利を目指して奮闘するアスリートの姿は美しく見えます。でも、魅力は勝者の姿だけではありません。敗れてなお相手を称え、毅然として戦いの場から立ち去る姿も心に響くものがあります。Jリーグ初代チェアマンだった川淵三郎氏は、すべてのアスリートに対して「グッドルーザーたれ!!」と説いています。

 過去のオリンピックで印象的だったシーンは、男子マラソンの谷口浩美選手が途中で靴が脱げて転倒した場面とレース後に「途中でこけちゃいました」と笑顔で話したインタビューです。悔しかったでしょうに、勝敗なんてどうでもよいと思わせる人間的な大きさを感じました。そして、世紀の大誤審といわれる柔道・篠原信一選手の決勝後の言い訳をしなかった姿にも感動したことを思い出します。

 子供たちにもグッドルーザーの精神を知って、友達関係をさらに広げていってほしいものです。

014 いらっしゃいませ~(4/23)

 今日は「子ども読書の日」で、始まって20年になるそうです。そういうこともあり、学校司書から依頼されて読み聞かせ動画の撮影をしました。下学年には『なまえのないねこ』(竹下文子 文,町田尚子 絵,小峰書店)、上学年には『かべのむこうになにがある』(ブリッタ・テッケントラップ作,BL出版)それぞれ1冊ずつ。これを来週のどこかの時間帯で学級ごとに見てもらいます。選書の意図を感じてほしいなぁ。でも、「本って楽しい」って思ってもらえたら、まずはねらい達成です。

 さて、話は変わりますが、飲食店や百貨店などの接客業では、「いらっしゃいませ」と客へ声かけをするのが一般的です。私たちも特に何も考えることなく聞き流しています。でも、なぜ「いらっしゃいませ」という挨拶になったのでしょう。「いらっしゃいませ」は、「どうぞこちらへ来てください」という意味で、江戸時代の見せ物小屋で行われた慣習の名残と言われます。

 店員の挨拶には、客への来店歓迎の挨拶という意味と、入店に店員が気づいていることを知らせる意味の2つがあるようです。スターバックスでは、例外的に「こんにちは」など日常の言葉で客を迎えます。型にはまった「いらっしゃいませ」より日常生活で使われる言葉の方を好ましく感じ、効果的なのかもしれません。いずれにせよ、買いたい、話したいという気持ちを起こさせるような声のトーンや表情など温かな雰囲気は大事です。

 保育クラブに放課後通う児童も多くいますが、日誌を読ませてもらうと、「ただいま~」と部屋に入っていくとありました。こういう感じ、いいなぁと思います。

 週末です。読み聞かせをしたり一緒に読んだり、国語の教科書の音読を聞いたり、本を通じてほのぼのとした時間を味わってほしいと思う「子ども読書の日」です。

013 多角性・多様性を受け入れる(4/22)

 これは、オーストラリアのお土産として売られている北と南が上下逆さまになった世界地図です。逆さ地図は、オーストラリア以外でもいくつかの南半球の国で売られていて、主に観光土産用とされているようです。

  

 先週、5年生が地球儀や世界地図を使って学んでいました。特に世界地図の場合、日本が中央に配置されたものを世界標準のように我々は思いがちですが、決してそんなことはありません。同じように、自分の視点でしか物事を見ていないことって結構多いのではないかと思います。

 例えば、コップを真正面から見た人はその形を「長方形」と主張するでしょうし、真上から見た見た人はその形を「円」だと主張します。ある人は、長方形でも円でもなく、「取っ手」があると主張するかもしれません。これらはどれも正しく、どれも間違いではありません。単に、見ている角度や位置の問題だけです。ただし、見方によっては、同じ事象でも違ったとらえ方をしてしまってトラブルに発展する場合もあることを認識しておく必要があります。だからこそ、互いに顔を見てコミュニケーションを図ることが、大人にも子供にも欠かせないと思います。

 4月下旬に入りましたが、昨日はもう夏日を記録。校舎裏では、つつじがきれいに咲いていますし、バラ園も開花が始まりました。来週に控えたGWに心浮かれる子供たちでしょうが、事故とコロナへの対応は万全でありたいと願います。

012 石鹸の香り(4/21)

 ♪真綿色した~シクラメンほど~♪と布施明さんが歌う『シクラメンのかほり』という歌があったのを、この表題を書いていて思い出しました。

 陽がのびて、明るい時間帯からお風呂に入れる季節になってきました。ボディーソープや泡洗顔料、液体ハンドソープが主流になって久しいのですが、洗顔はもっぱら石鹸という私です。私一人しか使わないので、使い終わるまで半年はかかるでしょうか。「薬用石鹸ミューズ」が1年近く続きましたが、先日「牛乳石鹸」が新しく登場!懐かしい香りです。「ザ・昭和」という匂いなのです。風呂の湯気に交じって漂ってくる匂いは、全部牛乳石鹸の香りだったのではないかと錯覚してしまうくらいです。頭の中には、「♪花の香り ゆたかな泡だち 牛乳石鹸 よい石鹸♪」と繰り返し流れます。

 100年以上の歴史を持つ石鹸。銭湯とともに歩んできたと言っても過言ではありませんが、今では家に石鹸が一つもないという家庭は珍しくなくなりました。石鹸を泡立てて、手の中でシャボン玉を作って飛ばしたのも今は昔…。そういえば、シャボン玉ホリデーという音楽バラエティー番組もあったなぁ。若かりし頃の布施明さんも出演していました。

 半世紀前の話でした。

011 昭和は遠くなりにけり~(4/20)

 今日から「まん延防止等重点措置」が適用されます。暑くなっていく中でのマスクの正しい着用やこまめな手洗いのほか、三密を徹底して防ぐことが、学校教育を止めない手立てであると考えます。爆発的な感染拡大があれば、休校もあり得ますので、そうさせないにためにも教職員、児童、保護者が意識を高くして、できることを徹底したり我慢したりしなければなりません。

 さて、こうした中、次世代の小型電動モビリティー(移動手段)に速度制限を設けて、公道や歩道での使用が検討されるというニュースがありました。無人の自動配送ロボットをテストしている映像を見て、「昭和は遠くなりにけり」という思いを強く抱きました。

  

 先日入ったラーメンチェーン店では、ロボットが柱にぶつかって何度か切り返しながら注文されたものをテーブルに届けている様子を目にしました。一つ先のテーブルにはロボットが給仕をしていましたが、私のところには店員さんが運んでくれました。いや、あれは人型のロボットだった?

 新年度が始まってから何度となく教室に足を運ぶと、5年生と6年生が落ち着いて学習や様々な活動に取り組んでいる様子を目にすることが多くあります。高学年が意欲に満ちた表情や笑顔であることは、市川小学校を市内のナンバーワンの学校にする第一歩です。秘めた力、可能性はロボットに負けるはずはありません。これからがとても楽しみです。

010 今日も平和でありますように(4/19)

 先週金曜日は曇りがち。校長室に半日暖房を入れて、フリースを羽織っていました。

 昼休みに4年生の男女数名が校長室にやってきました。お願い事があるようです。聞くと、プール脇の百葉箱がある場所にいるオタマジャクシを捕まえてもよいか?という確認。去年の5年生が野菜作りをしていた場所なので、「何でそんなところに?」という思いで、その子たちと一緒に現地へ…。すると、発泡スチロールの容器に溜まった雨水の中に小さな黒い物体が蠢いています。よくこんなところにいるオタマジャクシを見つけたものだと感心してしまいました。そして、校長室にいるより屋外の方が暖かいことに気づかせてくれた子供たちです。校庭で遊んでいた6年生の女の子たちは、「今日も一段とテカっていますねぇ」と頭を見ながら話しかけます。この子たちなりのコミュニケーションであり、挨拶なのです。

 その日の業間休みには5年生が数名やってきて、出題するクイズのために写真を撮っていきました。担任の先生方が、校長が寂しがっているかもしれないと、意図的に子供たちを送り込んでくれるような気がしてしまいます。

 さて、今日は誰がどんな用事でやって来るかなーと待つことにします。エサでも蒔いておきましょうか?いやいや、自分から校長室を飛び出して行かないと発見はない!万歩計の歩数を稼ぎます。

009 1%の「ひらめき」も大事に(4/16)

 明後日4月18日は「発明の日」だそうです。発明といえば、生涯におよそ1300もの発明をしたトーマス・エジソンが真っ先に思い浮かびます。電話機や蓄音機、トースターや白熱電球など、現在の生活で使われているものがたくさんあります。エジソンの有名な言葉に、「天才とは1%のひらめきと99%の努力(汗)である」というものがあります。努力の大切さを言った言葉と解するのが普通でしょうが、ひらめきなくしてスタートしないと考えるのはひねくれ者の解釈?

   

 この「ひらめき」って本当に一瞬のことで、すぐに忘れてしまいます。忘れても困らないから残らないのかもしれません。でも、その中に大事なものやヒントが隠されている場合もあります。メモや備忘録に残すことを子供のころからの習慣にすると、いつか宝箱に変身するかもしれません。ちなみに私は、スマホのメモ機能をフル活用です。

 さて、絵本作家のヨシタケシンスケさんの本、『あるかしら書店』はまさにひらめきの宝庫という感じです。『それしかないわけないでしょう』も同様です。ほかに、『このあとどうしよう』『ころべばいいのに』など校長室にはあります。ぜひ手に取ってほしいと思います。ただ、『あるかしら書店』は、半年以上?貸し出し中のようです。捜索願いが必要かも?

008 好きな食べ物は何ですか?(4/15)

 ショッピングモールなどに足を踏み入れると、「母の日」に向けた予約セールの看板を目にするようになりました。

 私にとっての母の思い出は、台所に立って食事を作っている姿であったり、ミシンをかけたり編み物をしたりしている姿です。料理は上手でした。ですから、外食や店屋物は滅多にありませんでした。

 そのせいか、初めてケンタッキーフライドチキンで肉を食べた時の感動は忘れられません。家では絶対に出てこない食べ物です。飛び出た肉汁で舌先をやけどしたことも思い出されます。高校生だったか大学生だったか?でも、その肉以上に「こんな美味しいものがあったんだぁ」と思わせたのがコールスロー。独特の甘さが何とも言えず…。

   

 柴漬けも同様です。ぬか漬けやたくあんなど自家製でしたから、京都へ修学旅行に行って土産物屋の店先で試食した漬け物に電気がビビビッと走ったのです。今でも極たま~に食卓に上る大事なご飯のお供です。ご飯のお供といえば筋子でしょう!ひとかけらあれば、一膳食べられます。でも、コレステロールの塊なので、買い物かごに入れる前にお伺いを立てる必要があります。

 無性にカップ麺が食べたくなったりコーラが飲みたくなったりするのも、幼少から現在に至る恵まれた食生活があるからだと思います。母にも妻にも感謝以外ありません。

 先日、教室で自己紹介カードを書いていた3年生?の「好きな食べ物」の欄。ハンバーグや寿司、唐揚げ、果物等を多く目にする中、「ピーマンの肉詰め」と書いていた子。きっと愛情たっぷりの家庭料理を食べているのでしょう。子供たちの味覚は、家庭で培われ発達します。ただ、昔は嫌いだったセロリやナスを普通に食べられるようになるなど、嗜好は変わっていくようです。最近やっと蕗(ふき)を食べられるようになった私は、まだお子ちゃま。

007 自分から先に!(4/14)

 通勤・通学の時間帯を狙ったような土砂降り!スーツのズボンは未だ乾いていません。

 さて、備忘録の片隅に書かれた短い文を見つけました。書いたことすら忘れていた文字です。

   人間関係は鏡である

   鏡は先に笑わない

 昨年度の市川小生徒指導の年間重点目標に「あいさつ」を設定しましたが、保護者アンケートの結果を見ても、引き続き課題としなければならないことの一つと言えます。実際に、校門前であいさつをしていても、返事が返ってこなかったり目を合っても会釈すらなかったりすることがあった昨年度…。

 学校外の方と立ち話をした際に、「あいさつは、どこの学校も同じようなものだろうと考えていたけど、この間A校へ行ったら結構多くの子が自分からあいさつするんだよね」という感想を漏らしていらっしゃいました。地域性など諸々あるのは承知していますが、正直ちょっとショックでした。でも、7日始業式以降、登校に笑顔で挨拶や会釈をしてくれる子供たちが多くなったように感じるので、「今から」と気持ちを切り替えられました。

  

 笑ってほしい時には自分から微笑みかける、あいさつを交わしたいと思えば自分から声をかける。そんな何でもないことが、人間関係を円滑にする方法の一つではないかと思います。自分の心を映したのが相手の表情であり言動なのかもしれません。怖い気もしますが、とても大事なことなのだと思う春。子供たちの新年度が始まって1週間が過ぎました。

 そうそう、朝一番に5年生のある担任から相談を受けました。「中央階段掃除なのだが3階から屋上へ上がる階段が汚れている。チェーンを張って上れないようにしてあるけれど、掃除をしたい。やってもよいか」というもの。うれしい提案です。自分たちで気づいたこと、やりたいと言ってくれたことに感激です。OKを出したのは言うまでもありません。天気は悪くても、良い一日の始まりです!

006 ナンバー1の学校に!(4/13)

 競泳の池江璃花子選手が白血病を発症したのは2年前の2月のこと。闘病生活を経て、昨年8月にプールに復帰したと思ったら、1年も経たない間に日本選手権100m&50mバタフライと100m&50m自由形での4冠。1年延期された今年の東京五輪リレー2種目の代表に内定しました。肉体的にも精神的にもつらく苦しい時期があり、計り知れない努力があったのだと思いますが、多くの人々に勇気を与えてくれたのも事実。特に、くじけそうになったときの希望の灯といえるかもしれません。

 さて、6年生が交代で毎朝、1年生を昇降口や教室でサポートしてくれています。両方がいい顔をしているのを見てうれしくなります。朝から温かな雰囲気を作ってくれているように感じます。

 9日(金)に学年集会を行った6年生に一つだけお願いをしました。「市川小学校は、市内小学校39校の学校番号1番の学校です。番号としてでなく、一番良いと言われる学校にしましょう。6年生の姿が学校そのものなので、一番になる方法を6年生が考え、行動で示してください。」と。6年生が、全校児童に勇気や希望を与えてくれるほどの成長に期待しています。

005 コデマリにも気づいて!(4/12)

 金柑が食べ頃になりました。以前も書いたように思いますが、義母が食べた金柑の種から育ったもので、初めて実をつけたのです。丹精を込めて世話をしてきたので、「甘くて皮も柔らかい!」と食べた感想をもらった時はうれしくなりました。

 初めてといえば、リクルートスーツ姿の初々しい新入社員を駅や電車内でたくさん見かけます。なぜかしら体全体から「新入社員」といったオーラが漂ってくるのです。しかし、夏ころには、不思議とその姿を見かけなくなります。決していなくなったわけではなく、馴染んできただけなのかもしれません。

  

 14号門を入った左手奥に、コデマリがきれいに咲いています。でも、桜などと違ってほとんど気づかれていないような気がしてなりません。派手さはありませんが、1年生の笑顔のように一つ一つがかわいいのです。

004 たんぽぽ(4/9)

 昨日の入学式では、たんぽぽの長い根っこのお話を1年生に話しました。『たんぽぽ』(荒井真紀 文・絵)という絵本の一部を拡大して、地下深くまで届く根の長さを巻物にして紹介しました。意外と反応がよかったのですが、それは巻物の方であって、話の内容(土台をしっかり築いて、様々な困難に負けず、栄養を自分で求めて取り入れてほしい)がどれだけ伝わったかは不明です。

 さて、このたんぽぽ。校舎の裏側で陽を浴びながら、今を盛りと咲き誇っています。地面に根を下ろしたものは花茎が短く、プランターに生えたものは丈が長いのは、根の張り方や栄養の問題でしょうか。

 絵本では、このたんぽぽの成長や繁殖の様子が緻密な絵で紹介されており、「よくそだったたんぽぽからは、200こものたねがとびたっていきます」とあります。1年生から6年生までがこの1年間で、どんな種をどれだけ作ってどこまで運び、仲間を増やそうと努力する姿をしっかり見つめていきたいと思います。

  

 1年生は居住地域別に下校指導を行い、2年生以上は給食が始まります。

003 出会いの場面を大切に(4/8)

 今日は入学式です。112名の新入生を迎えます。昨年度は6月に二度に分けて実施しましたが今年も同様に…。ただし、違うのは写真撮影終了後の動き。昨年度は教室に入らず親子でお帰りいただきましたが、今年度は担任から各教室で保護者に向けてお話や説明をします。児童が一緒だと密になりますので、別室で読み聞かせなどして待機。小学校入って家庭訪問もないまま1学期を終えるのは、保護者の方にとっては不安でしょう。せめて最初くらい担任の顔を見て話を聞いて、どんな人なのか感じたいでしょうし、学校から電話があっても担任の顔を思い浮かべて話ができると考えました。

 現時点では、4月28日(水)には全学年の保護者会を計画しています。担任との連携の場でもありますし、まだ行うことが叶わない授業場面をビデオに収めて観ていただこうと考えています。面と向かって話をすることで、相手の思いを知ることもできます。そういう最初の出会いを大事したいものです。密を心配するくらい多くのご出席を、今から楽しみにしています。

002 はじめの一歩(4/7)

 昨年度の「校長の部屋」を記録として一冊にまとめる作業を年度末に行いました。A4用紙に80ページと大量。でも、懐かしさを覚えましたし、何より時間の流れの速さに驚きを隠せません。初任校が歯科衛生に力を入れていて、学校歯科医のところで私の歯型を使って授業を行ったこと云々を書いたことも思い出しました。その歯科医のお孫さんが市川小にいると知ったのは、年賀状をいただいた後のことでした。

 さて、子供たちの新年度がスタートです。出会いをいかに演出するかは担任それぞれですが、第一印象が後々まで引きずられる怖さがあります。だからこそ、その先生との一年間にワクワクできるようなインパクトを与えたいものです。

 今年度も学校教育目標は、「夢の実現に向けて行動する子供の育成」で据え置きますが、サブタイトルを変更して、「意欲・行動・自信・創造のサイクル」としました。「~したい」という意欲を掻き立てながら行動化を促します。成功体験の積み重ねが自信となり、「もっとこうしてみたい」という新たな創造につながると考えます。「サイクル」というより「スパイラル」でありたいと願います。

 どういう手立てをとるかは、学年学級によって異なっても、目標や夢、願いといった着地点は同じであることが大事です。これは、家庭とベクトルを同じにして連携することなくして達成できるものではありません。どうぞ、ご理解とご協力を、今年度もお願いいたします。

001 あ~る~晴れた~昼下がり~♪(4/1)

 いよいよ新年度がスタートします。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、ずっと以前の離任式は4月1日に行われていました。それがいつからか3月末になり、現在では休業中の児童生徒の登校をなくす安全確保にスイッチされています。

 初任から5年務めた最初の異動では、4月1日に皆に見送られながら、校長先生か教頭先生だったかの車で異動先まで送ってもらいました。そこで相手校の先生の前で「よろしく」と引き継がれました。思い出すと、荷馬車に乗った牛のような感じです。♪ドナドナドナ~ドナ~♪と聞こえてきます。

 何年経っても異動は心細いものです。本日着任した教職員も同じ気持ちです。子供との出会いに不安と期待が入り混じった不思議な気持ちで過ごす4月。うれしいのは保護者や地域の方々の温かな声かけです。何気ない一言に勇気と希望が膨らみます。新しい職員を含めて、今年度のメンバーをご支援ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日はご挨拶まで。次は7日を予定しています。

206 はげまし(3/25最終)

 今日で令和2年度が終了します。修了式と離任式はZOOMで行います。市川小学校を離れる職員に関しては、氏名のみをこの後お知らせします。そして、この独り言も今年度最終回です。読んでくださる方がいらっしゃるというだけで励みになりました。子供も同じです。一緒に喜んでくれる家族や先生がいるからこそ前に進んでいこうとするのです。

 「はげみ」と言えば、年齢とともに髪の毛の密度が薄くなっていくのを感じます。先日は、エスカレーターを降りながら、上の段から繁々と私の頭を見つめ、「ずいぶん薄くなったね」と呟く妻。ついでに、「目立たない髪型でよかったよね」と。励みにもならない「ハゲ増し」の指摘です。

 さて、先週、初めて校長室に本を探しに来た中学年の児童がいました。聞くところによると、学校だよりを見ておうちの方が『マスカレードホテル』の原作を読みたいとおっしゃったようです。貸し出し中だったのですが、うれしい出来事です(先日、お貸ししました)。涙を浮かべて校長室にやってくる子もいれば、学校のことを知りたくて取材にくる子もいます。怒りを鎮めるために来室する子も…。ルールとマナーは守りながらも気軽に話ができる関係でありたいと思います。

 そんな何気ないことがうれしいのは、子供たちが学校にいるからこそ!4月の始業式まではしばらく、保育クラブに通う子供たちの声に癒されることにします。1年間、ありがとうございました。次回は4月1日の予定です。