校長の部屋

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149 補聴器(1/11)

 7日(金)の朝は、職員と一緒にせっせと雪かきに精を出して、インナーが汗びっしょりに。授業が始まってからも、年甲斐もなく頑張ったツケが三連休に回ってきました。う~ん、確実に衰えている!この衰えは、耳が顕著かな?

 「お風呂あがるよ」と浴室ブザーで合図する妻。全然気づかず、「冷めちゃうじゃない!」と怒られる私。

 テレビ視聴には字幕が必須の私。映像の邪魔だと感じる妻。

 庭にやってくる小鳥のさえずりが聞こえない私。ご丁寧にその鳴きまねを振り付きでやってくれる妻。

 「そういえば…」と呟いた妻。「総入れ歯?」と聞き返す私。う~ん、噛み合わなすぎ!

 マスクをしての会話や大勢が話し合いをする場での聞き取り、教室で子供たちが発表する内容、どんどん聴き取れなくなっていきます。この先、今以上にコミュニケーションがうまくできなくなったらどうしようという不安を大きくしています。

 AI技術の備わった補聴器が試せることを知り、先週、専門店に足を運びました。補聴器の装着は初めてではありません。15年以上前には、耳穴式で両耳うん十万円の出費。でも、結局自分の耳に合うものではなく、使わなくなって箪笥の肥やしに。あ~もったいない!高価ですから、次こそ失敗はできません。しっかり吟味しようと店に入って約3時間。検査や問診、試しの装着・調整など…。しばらく貸し出してくれたので、効果のほどを確かめている最中です。

148 成人式を前に(1/7)

 久しぶりに真っ白な校庭です。今朝は足元に気をつけ、普段よりゆっくりめに歩いて学校到着!転んでけがすることを怖がる60歳です。

 

 さて、10日は成人の日です。地元八千代の市民会館に慣れないスーツに袖を通して臨んだ成人式は、今は昔。歌手の高橋真梨子さんの歌を聴いたこと、友達が乗ってきたセリカXXを羨ましく眺めていたことが思い出されます。市川市では、去年に続きコロナによる通常開催はできませんが、式典や先生からのビデレターなどをオンライン配信し、市内16か所にフォトスポット会場を設けます。

 小学校では、4年生が「2分の1成人式」として成長の足跡を発表する場面がありました。10年間の成長に感謝して、保護者に様々な姿をみていただいて一緒に喜びました。10年という年月はあっという間かもしれません。だって東日本大震災からもうすぐ11年目を迎えますから、大人だって立場や考え方、家庭環境など変わって当然です。それを「喜び」「感謝」の気持ちで振り返れるかどうか自問することが大事なのかもしれません。

 さて、中年の域に入ろうかという人に向けて、『40才は二度目のハタチ』という、あるデパートのキャッチコピーがあったそうです。これには『20才はフレッシュマンの原点です。でも、それなりの肉体力と精神美を持っていれば、リフレッシュマンになれる』と添えられます。

 10才は、色づくために燦燦と太陽を浴び、根や葉から栄養を吸収している真っ最中の年代といえるでしょう。一方60才の私は、「三度目のハタチ」といえます。「フレッシュマン」、「リフレッシュマン」に続く粋な言い回しを考えましたが全然思いつきません。これが60才の実態!それでも、四度目のハタチを目指して、新しいことに挑戦する悪あがきだけはするつもりです。

147 いい日旅立ち(2022/1/6)

 今年は、正月飾りが一切なく新年を迎えました。今日は、ひと際寒さが厳しい3学期の始まり。今年もどうぞよろしくお願いします。

 さて、皆様方は年末年始にどこかへお出かけになりましたか?なかなか踏ん切りがつかなかったことと思います。オミクロン株の拡大は心配の種です。

 我が家では、子供が小さい頃、一年を通して車で遠出をする機会が多くありました。車中で退屈しないように4人でしりとりをしたものです。“三文字限定しりとり”とか“尻二文字しりとり”、“カタカナNGしりとり”とか。終いには“下品しりとり”なんて場合も。また、○台目にすれ違う車のナンバーの下一桁当てなど。とにかく、唾が飛び散るほどしゃべって笑いも尽きませんでした。車にDVDが備わっている時代ではありませんでしたから…。

 旅行といえば、JRが国鉄とまだ言われていた頃に始まった「フルムーン夫婦グリーンパス」のCMを思い出します。女優の高峰三枝子さんと俳優の上原謙さんが温泉に入っている映像です。高齢の二人で、自分にはずっと遠い先のことと思っていましたが、どっぷり浸かっているのです。フルムーンパス購入には、「二人の年齢の合計が88歳以上に限ります」という但書きがありますが、今では余裕のよっちゃん!120歳に迫っていますから。山口百恵さんの『いい日旅立ち』を聴きながら、寝台特急の旅もいいなぁ。「家族」旅行が「夫婦だけ」の旅行に変わりはしますが、ぜひ今年は旅行がしタイガー、そのためには、まずはマスクをトラないといけませんね。

 子供たちはどんな願い事をしたのでしょう。そして今日は、どんな顔を見せてくれるでしょう。

146 「慢」と「満」(12/23)

 大阪北区の放火で亡くなった24名の方のご冥福をお祈りいたします。出口の塞がれた生き地獄だったのではないかと心が痛みます。「容疑者は61歳」と呟いたあと、ほぼ同年齢であることに気づいたのでした。未だに60歳という響きを自分事としてとらえられていません。

 今日の「冬休みを迎える会」の話は、『極楽と地獄』。簡単に言うと、極楽も地獄も同じ食事が供えられますが、1mを超える長い箸で食べなければなりません。地獄では、食べ物を挟めても箸が長すぎて自分の口にうまく運べずイライラ。結局、食べられないのでみんなやせ細っています。一方極楽では、自分の箸で摘まんだものをテーブルの向かい側にいる人の口に運んであげます。同じように自分も食べさせてもらうのでみんな満足。何を言わんとするかは容易に想像がつきますが、子供たちにはどんなふうに伝わったか聞いてみてください。

 さて、漢字の中にも『極楽と地獄』的な意味があるような気がします。

 例えば、自慢、慢心、驕慢、怠慢、緩慢、高慢、傲慢、我慢、暴慢…。「慢」のつく熟語は様々ですが、我慢以外、自己中心的な思い上がり、あるいは他者を侮り、軽んじる心と結びつきます。私の中に、自己都合しか考えない「慢」の心の表れはなかっただろうかと振り返ってしまいます。「人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、人は自分の鏡と思ってみると反省しきり。

 一方、同じ音読みでも「満」という文字に変えると、満悦、満喫、満足、満身、豊満、円満、満点、満塁、満場…となんかよい響きの熟語ばかり並びます。

 いただいた学校評価を参考に、改善を試みながら子供たちの満面の笑顔が見られるように、1月からまた頑張ります。そのためには、保護者や地域の方々の声は貴重です。来年は、固定観念にトラわれず、新しいことにトライして、笑ガオーが絶えない一年にしたいと思います。

 おあとがよろしいようで。事故やケガ、病気なく過ごして、よい年をお迎えください。

145 頭皮は寒冷地仕様!(12/22)

 澄んだ冬場のキンキンと張りつめた空気。先の日曜日は青空が広がり、富士山がくっきり見えました。夕方のオレンジ空の向こうに見える場合もありますが、午前中の方が得した気分になるのは、その日が良い一日になりそうな予感がするからでしょう。逆にこうした日の日本海側では荒れた天気です。今シーズンの千葉県での雪はどうなのでしょう?

 さて、冬の外出は防寒が重要です。肌が寒風にさらされるのは、主に頭(顔)・首元・手です。そして、装着は順を追うように、手袋に始まってマフラー、最後に帽子というのが私。他人が一番心配してくださるのが吹き晒しの頭。でも、不思議と耐えられるのです。

 首元にはネックウォーマーが便利ですが、おしゃれをしたいならマフラーです。その巻き方にもいろいろありますが、この時期になると記事によく紹介されています。先日「ピッティ巻き」が図入りで新聞に載っていたのでチョキチョキ。家で試してみましたが…高齢者には似合わない?

 さて、コロナの影響かどうかはわかりませんが、地方へ移住する人も少なくないようです。私にとって、北海道は魅力的です。でも、冬の北海道を想像するとやっぱり無理そうです。聞くところによると、北海道在住の方はあまり厚着をしていないらしいのです。寒さ慣れのせいではなく、あまりに寒すぎるので外出しないから。道内の屋内はどこも暖房を効かせてポカポカ、屋外は冷蔵庫といった寒暖の差が激しく、インナーで防寒対策をすると屋内で汗だくになります。そこで、着脱のしやすいアウターの重ね着が基本だとか。それぞれの地の気候を踏まえた服装や知恵があるわけです。

 私の頭皮も自然と、都心の寒さ程度なら十分耐性のある仕様になってきているのかもしれません。厚いのは面の皮だけではないようです。

144 夢をありがとう(12/21)

 6年生児童の作品ですが、なんて読めますか。「ありがとう」の5文字を使って「夢」。漢字アートですが、筆づかいも素敵です。(作品を掲載することは本人の了解を得ています)このほかにも、この5文字で、「宝」「愛」「美」「誇」「桜」「歌」「徳」「結」「産」「翼」などを書いてみようとする発想が好きです。

 

 もう1枚の写真も、同じ「夢」を描いていますが、ひらがな5文字がわかりますか?気づくと、なるほどと感心してします。ぜひ自力解決を!

 

 この6年生の卒業文集もとりまとめが済んだようです。今年度は、自分の考えを「書く」ことに力を入れていましたので、一人一人がどんな内容をどんなふうに書いたかが楽しみです。それとクラスのページも学級のカラーが出るので興味深いのです。子供たちの手元に渡るのは卒業式の数日前です。校長室にある「秘密の部屋」には、過去の卒業アルバムが保存されています。そういえば、南極の氷をくださった保護者の方の写真を、他校の卒業アルバムで確認しました。知的な可愛さがあります。私も含めて、みんな若かったのです。

 今年一年間、ありがとうございました。そして子供たちよ、夢をかなえよう!

143 親知らず(12/20)

 「親知らず」の痛みを経験したことがない私。8番目の奥歯の根っこすらないのでしょう。その理由を「まだ大人になりきれていないからじゃない?」と分析されますが、反論できないことが悲しい。

 先週、日本漢字能力検定協会が発表した、2021年の漢字は「金」でした。27年続く中で4回目の「金」だそうです。コロナ禍で実施したオリンピックやパラリンピックの金メダルは大きな喜びでしたし、二刀流・大谷翔平選手や藤井聡太四冠の活躍は圧巻です。つらい時だからこそヒーローを待ち望むのだと思いますが、私が今年を漢字一文字で表すと何だろうと悩みます。

 一方、週刊誌や著作物の見出しを覗くと、「A級戦犯は誰だ」的な記載をよく見かけます。何かある度に必ず悪者を仕立て上げようとします。そうすることで安定するのかもしれません。視聴率のよいテレビドラマにも悪役というか憎まれ者が存在します。時代劇にも悪代官が登場していましたから、視聴者を引き付け、何とかやっつけてやりたいという団結力にも似た感情を湧きあがらせる気がします。

 保護者や学校は、悪者(弱点)探しをするより、対象をよい方向に高めていくことに力を注ぎたいものです。挑戦する気持ちと行動の過程に価値を見出し、メダルをあげるつもりで…。すると、知らず知らずと、メダルの色が金色に近づいていくかもしれません。それはうれしい親知らず!

142 実践を通して(12/17)

 1週間ほど前になりますが、正門の看板を新調しました。古いものがボロボロの状態だったので交換です。書く言葉も考えます。ネット上にはあげ足を取るようなコメントが散見されるからです。以前の「学校に用の無い者の立入~」だって、「児童の写真を撮りたいという用があったから」などと言い訳されかねません。「許可なく校内への立ち入りを禁じます」ですら、「“許可なく”は連用形なので、これは体言の“立ち入り”にはかからず、用言の“禁じます”にかかる」と写真付きで解説。だから、その方が「これなら許せる」という表現にしました。ただ、白地のままでは寂しいので、水色で縁取りをしてみましたが、お気づきいただけたでしょうか?

 

 さて今日は、「学力向上推進指定校公開研究発表会」を実施します。国語科で特別支援学級を含めた7学級が展開します。研究主題は、『進んで学びに向かう子供の育成』で、5年前から取り組んできました。そして、『深い学びにつながる“対話的な学び”の充実を通して』追究した一年間です。さらに、低・中・高・特支別に手立てを絞って、物語文や説明文などで実践を重ねてきました。

 今日は、第1学年「スイミー」、第2学年「かさこじぞう」、第3学年「川をさかのぼる知恵」、第4学年「ウミガメの命をつなぐ」、第5学年「まんがの方法」、第6学年「自分の考えを発信しよう」、ひまわり「さけが大きくなるまで」を展開します。指導いただいたことを、子供たちに還元できるようにすることが目的ですので、普段どおりに…。

141 炬燵が恋しい(12/16)

 寒い日が続くと、「炬燵(こたつ)が恋しい」「ストーブにあたりたい」と思ってしまう私。家でも学校でもエアコンですが、手がかじかんだ時こそストーブの前にしゃがみこんで揉み手しながら温まりたくなるのです。この「ストーブにあたる」「焚火にあたる」といった「あたる」という言葉、経験がない子供たちも辞書にはないでしょうが、そのぬくぬくとした感覚は知ってほしいと思います。

 また、床暖房が当たり前になった我が家からは、炬燵が姿を消して久しい。炬燵に掛った布団に頬ずりしながら家族みんなでテレビを見たりみかんを食べたり…。夜はこたつに入って寝てしまって、翌日は喉が痛いとか…。もっと懐かしいのが掘りごたつ。熱源は練炭、まさに冬の風物詩でした。

 冬の風物といえば「行火」。夜、寝る前に入れておけば、布団の足元を温めてくれたもの。そう、「あんか」です。子供のころは、湯たんぽや電気あんかではなく、「豆炭あんか」が我が家の主流。火鉢で赤々となった豆炭をあんかに入れれば(写真)最強の暖房器具でした。

 

 さらには、今でこそ使い捨てカイロが当たり前ですが、カイロといえば「白金カイロ」。ベンジンを入れて着火すれば、今の使い捨てカイロより断然長持ちだったようです。断言できないのは、祖母が使う様子を羨ましく見ていただけでしたから。でも、ベンジンの匂いが独特だったのを思い出します。

 年末年始には家族が揃う機会が多くあります。炬燵は無理でも、暖かさに包まれながらたくさん話をして、心もポカポカに。ぜひ楽しい会話やファミリーゲームなどで盛り上がってください。焚火を囲んでもいいなぁ。

 ♪ たきびだたきびだ 落ち葉焚き~ あ~たろうか あたろうよ~♪

140 見えないところにこそ(12/15)

 新聞をめくっていると、見開きに面にわたって黒を基調とした企業広告が現れました。巨大な地下下水道トンネルです。そして、「幻の川 UNDER RIVER」と書かれています。そのすぐ脇にQRコードがあるので覗いてみると、新しい発見があります。原文のまま紹介します。

“ 年々増える集中豪雨。コンクリートに覆われた都市の、行き場のない雨水。

その雨水は、東京の地下30メートルにある巨大な地下トンネルに流れ込む。

その時、幻の川「アンダー・リバー」は現れる。

地下街、地下鉄、地下道路・・・ 街と同じように、複雑な発展を遂げた東京の地下。

(中略)東京の下に広がる幻の川「アンダー・リバー」。それは、都市を守る秘密。”

 近年のゲリラ豪雨などで、都市部の下水処理能力が限界を超えていることがニュースの映像からも伝わります。タワーマンションの地下電気設備が浸水して機能不全に陥った案件が2年前にありましたし、地下街や地下鉄なども。暮らしを支え、安心できるようにするために被害を最小限に抑えることが急務ですから、そういう意味でのこ「アンダー・リバー」の写真は衝撃でした。

 見えないところにも、いや見えない場所だからこそ人間の知恵と努力が詰まっているように感じます。学校における「アンダー・リバー」は何なのか、ゆっくり考えてみることにします。

 そういえば、学校でもこのQRコードを活用し始めています。学校評価にもご協力ください。