校長の部屋

校長の部屋

169 厳しさを乗り越えた先に(2/8)

 1年生が国語で「インタビュー」について学んでいます。そして、休み時間に校長室にやってくるかわいい子供たち。「好きな給食は?」「学校で好きな場所は?」「好きな歌は?」と色々。メモをとらずに聞き取って、教室に戻ってから文章にするらしいので、平易な言葉で簡潔に答えるようにしています。「失礼します。今、お時間よろしいですか?」と、たどたどしいながらも堂々としていて頼もしい!

 さて、休日も小久保教頭先生とメールでやりとりすること度々。コロナ感染が確認されると、出かけてても足を止めて返信。それがスキットメールに何分後かに反映されます。その姿が怪しく映ったのか、スマホ画面を覗く視線があります。しばらくすると、「♪ルールルルルー」と口ずさむ声に…?それって、由紀さおりさんの『夜明けのスキャット』ではありませんか。どうもスキットメールの「スキット」という文字に反応したようですが、恥ずかしいなぁ。

 話は変わりますが、トイレの窓辺に置いたシクラメンが花茎を高く持ち上げて次々と花を咲かせています。場所を変えず3年目か4年目。決してよい環境ではないので健気です。ただ、花はなかなか中央に集まりません。数々の葉っぱを掻き分けて真ん中に寄せ集める作業が結構大変。店先に並んでいるシクラメンの鉢植えは、栽培業者がどんな工夫をしているのか知りたくなります。

 一方ビオラは、寒い朝には土と一緒に凍っています。厳しい環境にありながら、少しずつ暖かさが感じられるようになると、株を大きくして5月が終わる頃まで元気に花を咲かせてくれます。2年以上にわたるコロナ社会ですが、これを乗り越えたときにどんな世界が開けるのか楽しみでもあります。だからこそ今を、この一歩を、そのチャレンジを大事にしたいと思うのです。

 インタビューで、「コロナが終息したら、一番やりたいことは何ですか?」と尋ねられたら…う~ん?

168 されどわれらが日々(2/7)

 朝、忙しく支度をしていると、「面白いことを教えてあげようかぁ?」と言います。「スマホの顔認証って、歯ブラシを咥えているとしてくれないんだよ」「メガネの有無は判別してくれるのに…」と。家以外にいるときはマスクをしているため、私の場合、常にパスコード入力です。この時だけは指紋認証の便利さを感じます。

 さて、自宅の本棚にひっそりと置かれている文庫本が一冊。『されどわれらが日々』(柴田翔)という作品。学生運動を題材にした小説ですが、高校生か大学生の頃に読んで何故かしら感銘を受けた記憶があります。同著者の『贈る言葉』もすぐに読んだほどでしたが、夢中になった理由が、今読み返してもわからず不思議です。でも、なぜか捨てずにとってあるのです。

 読書しても、私はしばらく経つと内容をすっかり忘れています。ということは、同じ本を何度でも楽しめると言い換えることもできます。経済的?いや、どこか欠落していると考えたほうが…。登場人物が多いとわからなくなって、何ページも前から復習することもしばしば。

 AIが予想した新型コロナ第6波のピークが2月上旬ですが、もう少し時間がかかりそうです。土曜日の新規感染者は、全国10万人、東京都2万人…。スーパーコンピュータがはじき出したオミクロン株の感染確率は、マスク着用で15分会話した場面において、50㎝以内の間隔だと約10%で1m離れればほぼ0%だとか。人との距離をできるだけ確保しながら、2月後半そして3月卒業式に向けて、昨年秋のような激減も期待してやみませんが…。

167 ランドセル(2/4)

 先週、1年生が「反対の言葉」を学習していました。

 先生「大きいの反対は?」

 児童A「小さい!」

 大勢「いいで~す」

 児童B「はいはい!」と挙手して、「中くらい!」

 児童C「中くらいの反対って何だぁ?」(笑)

 子供の発言は面白いですし、意外性があったり心がほっこりしたりします。

 

 さて、前任校の信篤小には、二宮尊徳(金次郎)が薪を背負って本を読んでいる石像がありました。建て替え前の国分小玄関前にも立っていましたが、現在この像を見かける場所は限られます。

 この像からイメージするのが、ランドセルを背負った小学生。このランドセル文化は日本固有のもので、明治時代に遡ります。ランドセルは、鎖国中でも交流のあったオランダから江戸時代にやってきたランセル(背負いカバンの意味)が元になっているといわれます。軍隊で使われていたカバンでしたが、これが通学用に使用されたのは、学習院初等科が起源。背嚢(はいのう)と呼ばれるリュックサック型らしいのです。

 学習院といったら貴人の子息が通う学校でしたから、お付きの者に荷物を持たせたり馬車で登校したりして、自分で荷物を持つ習慣はありません。これではひ弱になってしまうという意見で使われだしたのがランドセルだったといいます。本革に始まり、人工皮革の「クラリーノ」が出たのは私の小学校卒業が近かったように思います。「天使のはね」と呼んで、さらに軽さを売りにしている商品もありますし、色も多彩。男は黒で、女は赤といった2色時代ではありません。

 新入生が真新しいランドルに背負われて登校するまで2か月!今日は、保護者説明会です。昨年同様、感染防止対策で、一堂に会して話を聞く場は設けません。笑顔満開の春に期待します!

166 節分と鬼(2/3)

 節分です。担任のころ、教室で豆まきしたことを思い出します。現在の教室は、掃除用ロッカーや背面ロッカーなどが耐震対策で固定されていますが、昔はロッカーに関しては動かせました。年度末の大掃除でロッカーを動かして後ろ側を見ると、綿埃のほかに鉛筆やキャップ、定規などに紛れて、節分豆がたくさんあったものです。給食もコロナで手づかみを極力なくしていますから、豆を一粒ずつ手に取って…なんてことができそうもありません。

 鬼が登場する話といえば、『泣いた赤鬼』が大好きです。『桃太郎』や『鬼滅の刃』は鬼退治です。そういえば、鬼の絵を描くとだいたい角を生やして虎のパンツを穿かせますがなぜ?調べるとちゃんと理由があったのです。鬼が出入りするとされる不吉な方角を「鬼門」と言いますが、これは陰陽道で北東の方角に当たるそうです。さらにこの「北東」を十二支に当てはめると「丑寅」になるのです。つまり、鬼の頭に「牛」の角を、下半身に「虎」柄のパンツとなったようです。

 さて、夜布団に入るとすぐに寝ついてしまうよい子の私。しかしながら、鼾(いびき)がすごいらしく、夜中に「あっち向いて!」「うるさい!」と言われている声が聞こえたような気がしたり、小突かれたりして目が覚めます。また、足が冷たいときに布団の中で温まりそうな場所を探して足を動かしているうちに領域侵犯をしたようで、「キンチョールかけるよ!」と怒られました。こんな風に書くと「鬼嫁」みたいに思えてしまいますが、決してそんなことはありません。むしろ、安眠を妨害する私のほうが「鬼」なのかも…。明朝、目を覚ましたら布団の中に節分豆が散らばっていないことを祈ります。

165 ボリボリ!(2/2)

 昨日の放送朝会で児童に伝えたお願いは、次の3つ!

(1)立春は新しい1年の始まりと同じなので、少しだけ高い目標を定めてあと2か月取り組もう。

(2)寒い中、少しずつ動いている小さな命や季節の変化に目を向けよう。

(3)自分の行動を見直して、「感染しない・感染させない」を徹底しよう。

 さて、以前学校だよりで取り上げた「うまい棒」が、4月から値上げされるそうです。10円から2円アップするらしいのですが、1979年の発売開始からの価格維持が43年目にして…。これまでは、内容量を変えながらも価格据え置きでしたが、原材料の高騰には勝てなかったようです。

 「ソース」「サラミ」「カレー」の3種類の味からスタートして、翌年には「チーズ」ほか2種が加わりました。その後、「ロブスター」「カニチャンコ」「オムライス」なんてものもあったそうです。ポピュラーな「コーンポタージュ」は1992年の登場ですから30歳かぁ。プレミアムも出されていますが、どれも大人にも人気!ただ、ボリボリかじる姿を人に見られたくはありません。小腹が空いたとき、隠れてこっそり堪能です。

 

 先週は学校給食週間で、千葉県の郷土料理がいくつか提供されましたが、「ボリボリ(Boli boli)」という名のパラグアイ料理があることを発見。トウモロコシとチーズの団子が入ったスープ(写真)です。肉料理が中心のお国柄で、伝統的なパラグアイ料理では少量の野菜しか使わないそうです。マテ茶をよく飲むのは、血圧降下や脂肪吸収抑制、野菜不足を補うためなどの効果があるからとか。  (参考・写真引用:いちまる厨房「世界の地方料理」)

164 一番の学校に(2/1)

 電車の車窓から見えた遠くに広がる雲が、まるで山並みのように見えて少しだけ気分がよい朝です。

 2週間ほど前に5,6年の男児4人が先生と一緒に校長室を訪れました。許可をもらいに来たのですが、ドキドキの緊張MAXだったようです。ベルマーク委員会の児童でしたが、用件は「ベルマークのことをもっと知ってもらって、たくさん集めたい」「みんなに役立つものを買うために協力してほしいことを、放送朝会でパワーポイントを使ってアピールしたい」という内容。少し突っ込んだ質問をさせてもらったのはダミーで、心の中では「即承認」。だってうれしいではありませんか。先生に言われたわけでなく、自分たちでやりたいことを考えてそれを全校に訴えさせてほしいと頼みに来るという行動を起こしたことが…。というわけで、今日実施します。

 計画委員会の朝の挨拶運動も、自分たちが効果を感じて、「続けたい」と子供が言い出したそうです。毎週水曜日には、密になることを避けて、分担しながら活動をしています。こうしたやる気が醸成されたら、(学校番号だけでなく)「真の一番」の学校になると思います。

 さて、中古車バブルの時代だそうです。「なに、それ?」と思われるかもしれませんが、どこの自動車メーカーも半導体不足から新車契約をしてから納車まで3か月~半年待ち、あるいはそれ以上のようです。現在乗っている自車が問題なければ楽しみに待てますが、故障や事故等で急に買い替えが必要となった人には時間的余裕がありません。すぐにでも必要な場合もあります。ですから納車期間の短い中古車市場が活性化しているというのです。当然、中古車の需要が多いため、買い取り額はこれまでよりよい条件が提示されます。ディーラーに下取りしてもらって新車契約となれば、ディーラーと客はウィンウィンです。ですから、買い替えユーザーは比較的多いような気がします。ただこれは、私の勝手な思い込みかもしれませんので、間違っていたらごめんなさい。

163 なにをしちゃおう(1/31)

 1月が終わります。今年度も残り2か月。登校するのは36日(6年生は32日)を残すばかり。この間に、ヨシタケシンスケさんの絵本題名のように「なにをしちゃおう」とワクワク感をもって取り組んでいきたいと思います。

 さて、マイボトル持参が定着しても、ペットボトル飲料は生活に欠かせないものになっています。私も水筒持参で出勤しますのでお茶などを買いはしませんが、会議等の場に出されたペットボトルはお持ち帰り対象です。校長室の冷蔵庫にもいただきものが3~4本。夏場は、2ℓ入りのスポーツドリンク。スーパーでも500㎖を超える量の、お得感のあるものが増えています。

 逆に、195㎖というコンパクトな企業向けのお茶もあるようです。コロナ禍で売り上げを伸ばしているとか。来客にお茶を出す労力軽減、働き方改革、感染予防が主な理由でしょうか。その場で飲み切れる量ですし、仮に持ち帰る場合でもカバンに収まりやすいというわけです。さらに、他の既存商品より味を濃いめにして、飲み切り後の満足感を高めているようです。店舗では見かけない商品なので、これをきっかけとしたコミュニケーションにもなることまで見越しているといいます。

 このペットボトルの形状も様々です。水やお茶に始まり、ジュースや炭酸飲料など中身も様々。そこで、耐圧用あるいは耐熱用、無菌充填用のペットボトルなど工夫されているのです。また、蓋を閉めるための螺旋が入ったペットボトルの飲み口をよく見てみると、螺旋に対して縦に溝が数本入っていることに気づきます。これは、炭酸飲料の圧力でペットボトルが爆発したり蓋が飛んだりしないようにするためにあるのです。蓋を開けると、「プシュー」という音がしますが、この溝からが炭酸ガスが抜けている音だといいます。つまり、圧の抜け道だったのです。

 身の回りには、よく見ないと気づかないことや知らなかったことがいっぱいあります。何にも考えずにのほほんと暮らしていては、「知る楽しみ」が逃げてしまうかも?「やりたいことがいっぱいあってどうしよう」と思える2か月にしたいなぁ。

162 むか~し昔…(1/28)

 今年も左耳にしもやけができました。耳まで隠れる帽子はやはり必要です。

 さて、孫が遊びに来ると、真っ先にミニカーが置いてある場所に行きます。そして、車をつかんで「ブ~ゥ、ブンブ~ン」と声を出して動かします。壁に貼られた自動車の写真や絵にも「ブゥ~ン」と声にして反応します。これを見ていてふと思ったのが、十数年後に同じようにミニカーで遊ぶ子は「ブ~ン」なんて言わないんだろうなぁということです。だって、EVが普及して「ヒュー」「ス~」など、音とも言えないような奇妙な音を発する車ばかりになっているでしょうから。

 教員になったころに比べると社会は大きく変化しました。デートの待ち合わせに遅れても、携帯電話などありませんから電車の遅れや道に迷ったことを言い訳にできました。ノートパソコンやタブレットは影も形もない時代から、しばらくしてからワープロが登場。その後、厳ついデスクトップ型PCへと変遷していきます。ゲーム機の進化もすごいのではありませんか?少し遡った頃に流行ったのが、喫茶店のインベーダーゲーム。なぜかこの類は苦手なので、どんなにゲームや映像が進化しても興味がありません。だから電車に乗って、スマホゲームに夢中になっているそこそこの年齢の人を見ると不思議な気持ちです。階段を下りながらも熱中しているのですから…。

 

 インベーダーゲームと同じ頃だったか、出かける際の紙袋(写真)がおしゃれだった時があります。トロイのカーディガンも流行ったような…。わかる世代にはわかる!懐かしい!こうしたことを思い出して口に出したときに、「そうそう!」相槌を打ちながら相手が聞いてくれると話が弾みます、こんなことにすら幸せを感じる年齢になったとしみじみ…。

161 いつから?(1/27)

 一昨日25日は「中華まんの日」でした。1902年の同日に旭川でマイナス41℃という観測史上最低気温が記録されたことにちなみ、寒い日にホカホカの中華まんで温まってほしいという願いから制定さてたとか。肉まんやあんまん、カレーまん、ピザまんなど、高校の部活帰りに日替わりでいろいろ食べていた冬の夕方を思い出します。一般的には「肉まん」のようですが、近畿圏では「豚まん」と呼ぶことが多いようです。肉と言ったら「牛肉」という文化の地である関西だからこそ、敢えて「豚まん」とするようです。

 さて、普段から通る道なのに、建造物が取り壊されて更地になった後、「はて、ここには何があったっけ?」と思い出せないことはないでしょうか?同じように、「いつからこんな風に?」と、物の現状が当たり前になりすぎて忘れてしまったことも多くあります。

 例えば、今でこそ新聞のカラー広告や写真は見慣れていますが、モノクロからカラーへの転身はいつごろからなのでしょう?文字も大きくなって読みやすくなっています。印刷技術の進歩は目覚ましいものがあります。でも未だに原理がよく理解できない技術が3Dプリント。

 歯磨き粉の容器も随分変わりました。まぁ、「歯磨き粉」という言葉自体、「粉」だった時代を知らない人には?なのでしょうが、話はチューブの材質について。昔は金属製。絞り出すために、底のほうから丁寧に丸めて小さくして最後まで使い切る几帳面(=鬱陶しい)な性格の私。今のPE(ポリエチレン)は簡単・きれいに使えて便利ですが、いつから変わった?

 そういえば先日、この歯磨きチューブが終わりに近づいて、出が悪くなったので、2~3回ブルンブルンと振って遠心力を利用。でもキャップが半開きだったらしく、中身が洗面所の壁にベチョ!

160 潰れそうで潰れない店(1/26)

 昨日の朝日新聞の投書欄に、本校6年生の声が掲載されました。いくつかの新聞社に分けて全員の作品を応募していますが、頑張った形だと思うとうれしくなります。

 さて、コロナによって老舗や人気店までが閉店に追い込まれていく一方で、一見閑古鳥が鳴いていそうな昔ながらの店構えの店舗を見かけることがあります。例えば、時計屋、靴(草履)屋、金物屋、ふとん屋、ボタン屋…。失礼ながら、潰れそうで潰れない店ってあるのだと不思議に思うのです。

 その秘密の一つに、不動産収入などが別にある場合が考えられます。これは正しいかも。また、店舗には客はいなくても、需要と供給で別の施設等と事実上の提携関係にある場合。さらには、限られた顧客に高利益率の商品やサービスを提供している場合もありそうです。愛好家が全国に数多くいて、インターネットで繋がっているなんてことも情報番組で見た記憶があります。競合相手が極めて少なくて付加価値が高ければ生き残れそうです。

 私の親戚には、ゴム印作りの職人や石鹸工場を営む人がいました。押印省略・PCによる文書作成や液体洗剤・泡石鹸などが主流になると、次第にニーズが少なくなって廃業しました。こう考えると、現在勢いのある仕事でも10年後やそれ以降どうなっているかは不確実といえます。

 こうした中で、教員は生き残っていかなければならない職であると考えています。ただし、今と同じ線路の上を闇雲に走っていたのでは先が見えてしまいます。新たな試みと適切な決断、不断の努力が不可欠です。でもこれは、どんな仕事でも同じだと思うのです。しぶとく生き残って、進化を遂げ、成果・実績をあげることが、いつの時代も求められているのだと思います。気負うことなく、一つ一つ丁寧に!