校長の部屋

2021年1月の記事一覧

159 件は「人面牛」(1/15)

 何を読んでいた時に目にしたかは定かではありませんが、『件』という文字を『くだん』と読むことがあることを知ったのは最近のことです。普段は、「例の件は解決しました」などのように「事柄」「事件」といった意味で使います。しかし、『くだん』という場合は、「頭が人、体が牛の形をした妖怪」を指すそうです。にんべんに、牛と書いて『件』ですからうなずけます。

  

 この『件』は、江戸時代から記録が残る予言獣といいます。生まれてすぐに予言を行い、数日のうちに死ぬといい、予言内容は豊凶や疫病の流行。そして、厄よけは自らの絵を貼っておくことだそうです。

 明治時代には日露戦争を、太平洋戦争の時には終戦を予言したらしいのです。つまり、世情が不安定になると顔を出す妖怪というわけです。ですから、世の中からすっかり不安が無くなってしまえば、『件』のような妖怪は活躍の場を失って現れなくなるのでしょう。もしかすると、今こうしているときに、どこかで牛のおなかから『件』が産まれ、新型コロナの終息について予言をしてくれるかも。そして、活躍の場を失って現れなくなることを願います。

 アメリカでは犬や猫、ゴリラなども人から感染しているといいます。神頼みではなく、私たちの行動こそが終息への近道なのだと考えた次第です。 《引用・参考》中國新聞デジタル版8/24

158 野鳥の楽園(1/14)

 今日は娘の誕生日です。ウクレレで簡単なメロディなら弾けるようになりましたので、「ハッピーバースデー」と「見上げてごらん夜の星を」の2曲を演奏してメールで届けます。

 さて、わが家の小さな庭に野鳥が頻繁にやってくる時季になりました。そこで、少し傷んだミカンを枝に付けたりヒマワリの種を餌台に置いたりしてガラス越しの観察。主にやってくるのは、メジロとシジュウカラ、ジョウビタキです。そして、メジロとシジュウカラは必ずつがいで餌をつつきます。シジュウカラは可愛い声で鳴いていると言いますが、残念ながら私の耳には届きません。中型のヒヨドリもやってきますが、あまりかわいくないので追い払うことも…。ヒヨドリからは不満の声が聞かれそうです。

  

 もう何年も前になりますが、庭の巣箱から9羽のシジュウカラが巣立ったことがあります。もしかしたらその子たちかもしれないと思うといとおしくなります。

 6年生の巣立ちも2か月後になります。卒業までのカウントダウンカレンダーをめくるたび、何を思うのでしょう。そして、どんな志しをもって卒業していくのでしょう。12月頃から2月下旬にかけて、6年生と給食の時間に会食をした時、いろいろ質問させてもらうことがあります。残念ながら、今年度は計画すら立てられませんでした。話をすることで、新たな一面に気づかされることがあるので心残りです。

 でも、これからも精一杯のエールを送り続けます。気づいてくれるといいなぁ♪♪

157 来たるべき時を待つ(松) 1/13

 新学期が始まると、校長室前の青い相談箱の手前に、盆栽のような松が置かれていました。誰かがお年玉としてくれたのかと思っていると、ある職員が「健気に、屋上の排水溝で育っていましたので、鉢に植え替えて置かせてもらいました」と言います。きっと道路側の松の子孫でしょう。生命力の強さに感心します。アスファルトやコンクリート壁面の切れ目から芽を出す植物もあります。「こんなところに?」と驚かされることも…。

   

 松竹梅の松です。なんか縁起が良い感じもします。非常事態宣言が出された中ですが、来たるべき時のために命を育み、「マツ」ことも大事だと教えてくれるようです。

 今週発行の学校だよりに、緊急事態宣言下での本校の取り組みの概要をお知らせする予定です。最低限の活動・学習を保証しながら、徹底した感染防止対策をとりたいと思います。実施ができなくなって残念なことがたくさん現れるかもしれませんが、ご理解ください。 

156 最近では珍しいもの(1/12)

 最近では珍しい、「今はほとんど目にしないもの」を2つ3つ!

 1つめは、自転車を運転して手信号を出すおじさん。右に曲がりたいときには右腕を水平にあげます。左折したいときは右腕の指先を上に向けて直角に曲げます。う~ん、これを知っている世代はよいのですが、わからない世代のほうが多くなっている現代、「何の合図?」くらいに思ってしまわれると危険です。ただし、この手信号は道交法で定められているのです。これとは別に、ロードバイクなどに乗るサイクリストが利用するロードサインも見かけます。子供たちには、手信号は知らなくてもルール遵守を願います。

  

 2つ目に、先のおじさんが乗っている今は懐かしい旧型自転車。昔、新聞配達や牛乳配達に伝われていたタイプ。と言ってもわからないかも?

 3つ目に、「しもやけ」「あかぎれ」。最近の子供たちにはないのでしょうか?私は、手にあかぎれ、足指と耳にしもやけという小学生時代でした。そして、あかぎれにはメンソレータム定番!しもやけの足先が痒くて、片方の足でもう一方を踏んで痒さを鎮めることも…。皆さんは、童謡『たきび』2番の歌詞にある♪しもやけ おててが もうかゆい~♪ということが実感できる世代ですか?

 何を隠そう、私の右耳…しもやけができちゃいました!

155 なぜ「七輪」なの?(1/8)

 我が家でホットプレートを出して焼き肉をしたのは何年前のことでしょう?終わった後の匂いと油による部屋の汚れが嫌で禁止になりました。「ベランダで焼いてくれるならいいよ」「一人で焼いて食べるのかはどう?」と言いますが、寒さに耐えながら食べるだけの勇気はありません。夕飯の買い物中に「何が食べたい?」と尋ねるので、「焼き肉」「もんじゃ焼き」「お好み焼き」と立て続けに答えるもすべて却下!

 七輪ならどうだろう?炭火で焼き肉はできる。暖もとれる。薪をくべれば焚き火にもなる。うん、いい考え!購入前に「七輪」を下調べしてみると、能登半島や愛知県三河、香川県が三大生産地です。一般的なものは、珪藻土を固めなおして成型する手法ですが、切り出た珪藻土の塊を一つ一つ彫るように作られたものもあり、金額も桁違いです。

  

 では、どこが「七つの輪」なのでしょう。諸説ある中で共通しているのは「七輪」ではなく「七厘」であったこと。「厘」は野球の打率で見かけますが、1の1000分の1です。よって、7厘は0.007ということになります。つまり、7厘というわずかな金額で調理ができること、あるいは少量の炭で調理ができることから「七厘」と呼ばれ、次第に「七輪」に転化していったようです。今では使うのを目にすることがほとんどなくなりましたが、七輪で焼いた魚や肉はどこか特別な味わいがあるように思うのです。

 そんなわけで年末に買って、晦日の夜に寒風に吹かれながら焼き肉をしました。焼肉の願いは成就しましたが、暖はとれません!