校長の部屋

2020年9月の記事一覧

74 受け継がれる技と思い(9/4)

 今日も熱中症アラートが発令されました。私は成人男性より歩くのが少し速いと思います。帰るときは、あとは風呂に入ればよいので気にしないのですが、出勤時は少しエネルギーをセーブして歩かないと、Yシャツやインナーがベショベショになります。それでも今日は、すぐにジャージに着替えです。

 さて、10月で米寿を迎える母は、和裁や洋裁、料理などが得意でした。数年前に、初めて入院をするまではずっと台所に立っていたほどです。好きなものを自分で作って食べる、それを待つ人がいることが喜びでした。ただ、今はそれも叶いません。

 元気だった頃、彼岸には必ずと言ってよいほど食卓に「おはぎ(ぼたもち)」が並びました。餡子やきなこ、胡麻の3種類が皿に盛られます。たくさん作っては近所の方にも配っていました。私が結婚してからも同じです。妻は、結婚するまで餡子が苦手でしたが、私の実家で餡子のおはぎを食べて「おいしい」と思ったようです。教えてもらったのか自分で調べたのかして、小豆を煮て自分で作るようになりました。

  

 そのおはぎを、息子夫婦が来た時に食卓に出しました。1歳になったばかりの孫が、餡子をおいしそうにモグモグしているのを見て、息子の奥さんも家で作ったそうです。それを昨晩届けに来てくれました。おいしくできていました。

 母から妻へ、妻から義娘へ、そして孫へと、おはぎの味が伝わっていくことを感じます。味よりもさることながら、それをおいしいと喜んで食べる人の顔を思い浮かべて作る「思い」が受け継がれていくのだと思っています。いつか母も私たちもいなくなってしまいますが、思いと技は受け継がれていくのだと考えると感慨深いものがあります。

 各家庭で子供たちに受け継がれていくことってなんでしょう?意識してみると、胸の奥が熱くなるかもしれません。

73 校長室が明るくなりました!(9/3)

 昨日は午後2時頃から1時間近く、断続的に強い雨が降りました。4年生以下は、雨が収まる時刻を見定めて下校させましたが、お迎えに来てくださった保護者の皆様、ありがとうございました。

 この雨が降り出す20分ほど前から、窓ふきワイパーを片手にホースでガラス窓に水をかけていました。校長室や職員室のガラス窓が、土埃で汚れているのがずっと気になっていたからです。窓からは気持ちのよいくらい汚れがどんどん流れ落ち、反対に背中や頭からは気持ち悪いくらい汗がだらだらと流れ落ちます。さらに、両手が塞がっているにもかかわらずやぶ蚊が腕や頭に止まる始末。

   

 でもきれいで明るくなった窓ガラス越しに、降り出した大粒の雨筋が見えるようになりました。

 あっ、今パソコン画面の前をやぶ蚊が横切りました。パシッ!あれ、左手親指を蚊に刺されている!

72 一気に回答します(9/2)

 PTA広報の質問にお答えしますコーナー。今回でラストですが、そのほかにいただいた質問の回答は、今後発行が予定されている広報誌に掲載されますのでよろしくお願いします。

 さて、今回は3つ一気に回答いたします。

 ① たくさんいる児童の顔と名前をどのように覚えているか

 印象的な出来事があればすぐに覚えます。また、体操服を着てる時が一番良いのですが、話すときに名札や上履き、プリントに書かれた氏名などを手掛かりにしてインプット。でも最近は、忘れてしまうこと、思い出せないことが多くなってしまいました。ヤバい。

 ② 先生以外になりたかった職業はあるか

 小学生の頃、車好きの私がなりたかったのは、一日中ハンドルを握れるタクシーやダンプの運転手。中学生では、「モノづくり」に携わる職人って格好いいと思っていた覚えもあります。これといった特技もありませんでしたから、「これっ!」というものを見つけられずにいたような気がします。

 ③ 子どもが小学生のころ、どのような父親だったか

 初任からずっと少年サッカーに携わっていたので、幼い娘は「お父さんはどこへ行ったの?」と尋ねられると、「学校!」「学校で何しているの?」「サッカー」と答えるほど家を空けることが多くありました。でも、休みの日はよくあちこちの公園に出かけました。低学年までは夜の歯磨きの仕上げをしていましたし、お風呂は交流できる良き遊び場。下の息子とは、交換ノートで、勉強&いたずら描き交流(小4~小6までの3年間で取り組んだ12冊のノートをつい最近発見!!)を続けました。家にいる時間は大事にしたつもりです。ただ、怒ってミカンが飛んだ場面は、娘のトラウマらしいです。

 自分の子供は、いつまでたっても宝物です。学校においては680名の児童が宝物だと思っています。今しか見られない姿に喜びを見出してこそ親なんだと思います。「子供は3歳までに親に恩返しをしている」と言われるそうです。見返りを期待せず、そのままの姿を受け止めていければいいなぁと思っています。

 

71 しゃ~ぼんだ~ま~飛んだ~♪(9/1)

 随分前に「しゃぼんだま」という題の詩が新聞に掲載されていました。

 「あれ? / 飛ばないね / 電波が悪いのかな」

 幼児のつぶやきですが、現代的です。講評にも「しゃぼん玉もWi-Fiで飛ばす時代なのでしょうか」とあります。

 駅への道すがら、たくさんのしゃぼん玉が左から右へ漂うように流れていく光景を目にしました。遊んでいる子を探しましたがどこにもいません。道行く人は同じように目で追っています。ただ、私 も含めて頬がみな緩んでいることがわかります。しゃぼん玉には、怒りや不安を鎮め、人を幸せな気持ちにさせる効果があるような気がします。しゃぼん玉セラピーなどというものを考えている人もいるようです。

   

 むか~し、石鹸を泡立てた手でしゃぼん玉を作って飛ばしたことを思い出します。先日、娘から送られてきた動画には、キッチンで洗い物中に、薬缶の注ぎ口から息を吹き、蓋をかぶせる部分に付いた洗剤を大きく膨らまそうとする様子が映っていました。そして「あっ、割れちゃった!」という消えそうな声も添えられて…。

 私は今でもしゃぼん玉が好きです。夏休み中に、保育クラブの児童が遊んでいるのを羨ましく眺めていたのは、何を隠そう、この私です。