校長の部屋

2020年7月の記事一覧

虱の話(風ではありません)

 今日は「質屋の日」、語呂合わせです。そこで、山形県の民話「虱(シラミ)の質入れ」を紹介します。

 むかしむかし、米沢の近くの村に佐兵と言う、とんちの上手な男がいました。貧乏な佐兵の着ている着物はボロボロで、その着物には、いつもシラミがたかっています。ある日、お金が必要になった佐兵は、家の中で一番上等な着物を質屋へ持って行きました。すると、質屋の番頭が、

「おい、佐兵よ。お前の着物には、シラミがいっぱいたかっているぞ」

「うん。確かにたかっているな。だが、お前さんの店では、《何でもお受けします》と書いてあるぞ」
「まあ、それはそうだが」
「そうだろう。それじゃあ着物と一緒にシラミも預かったと、ちゃんと質札に書いてくれよ」
「シラミをか? まあいいが、それでシラミの数は?」
「そうだな。五升(約9㍑)のシラミを預かったと書いてくれ」
「へいへい」
 番頭がその通りに書いて渡すと、佐兵はニヤリと笑って帰りました。
 そして数日後、佐兵はお金を持って着物を引き取りに来ました。着物を受け取った佐兵は、質札を取り出すと番頭に言いました。
「確かに着物は受け取ったが、でも、返してもらう物がまだ足りないぞ」
「足りないって、何が足りない?」
「五升のシラミだ。質札にちゃんと書いてあるものだろう。だからシラミも返してもらわねえとな」
「へっ?」
 シラミの事など冗談だと思っていたのですが、確かに質札に書いて渡したので、客から返せと言われれば返さなくてはなりません。でもシラミを五升なんて、どこを探してもありません。番頭は、頭をかきながら、「まったく、佐兵にはかなわんな」と、シラミの代わりに酒代を渡して許してもらったそうです。   

     《引用》http://hukumusume.com/douwa/pc/minwa/03/18.htm

 虱(シラミ)と言われても「?」という感じかもしれませんが、意外と身近なのが頭髪に寄生して頭皮から吸血するアタマジラミ。“不潔”なイメージがあるかもしれませんが、それは大きな間違い。被害は8歳以下の子供が8割といい、保育(幼稚)園などで頭を寄せ合ってお昼寝をしたり、お風呂やプールでタオルを貸し借りしたりすると、どんなに清潔にしていても簡単に感染してしまうそうです。1年を通じて被害が見られるので、1,2年生は特に頭髪のチェックに気を配る必要がありそうです。

 

ウルトラ5つの誓い

 七夕です。あいにくの天気と折からの感染症予防から、織姫と彦星はステイホームでしょうか?また、九州での豪雨が続き、ご親族や知り合いがいらっしゃる方にとっては心配でならない毎日であることを推察いたします。

 さて、少し前ですが6月20日(土)から「ウルトラマンZ」の放送がスタートしました。「ウルトラQ」から見始め、ウルトラマンシリーズは、「仮面ライダー」シリーズとともに欠かさず視聴しました。さすがに今は???

 ところで、「ウルトラ5つの誓い」をご存じでしょうか?「帰ってきたウルトラマン」最終話で、地球を去るウルトラマンが少年に伝えた誓い、これを少年が叫びながら見送るという場面がありました。

  1つ! 腹ペコのまま学校へ行かぬこと

  1つ! 天気のいい日に布団を干すこと

  1つ! 道を歩くときに車に気をつけること

  1つ! 他人の力を頼りにしないこと

  1つ! 土の上を裸足で走り回って遊ぶこと

 この5つの誓いから、ウルトラマンの地球人への深い思いやりと愛情が感じられます。当時の子供たちの間でも有名でした。そして、令和2年4月14日の円谷ステーションには、「ウルトラ5つの誓い2020」が登場したのです。

  ① がんばって おうちのなかに いること
  ② きちんと うがいを すること
  ③ てを あらうときは すきなうたを 1つうたいおわるまで、しっかり あらうこと
  ④ おうちでできる たいそうなどで からだを しっかり うごかすこと
  ⑤ できることを つづけて、ぜったいに まけないこと

 読んでおわかりのとおり、新型コロナ感染症拡大防止のためのウルトラマンから愛あるメッセージです。

 東京都の感染者数が、107、124、131、111、102人と5日連続で3桁となっています。千葉県も数は多くないまでも予断を許さない状況に変わりはありません。旧ウルトラの誓いにあることは、免疫力をつけることと置き換えられます。そして。新ウルトラの誓いでは、一定の生活様式定着を呼びかけています。こうしたことを、自分事として確実に行えることが、第2波、第3波を心配する現在において大人にも子供にも求められていると考えています。

 

球磨川決壊に思う(7/6)

 今日も雨でスタートの一日です。

 本日の新聞の一面には、「熊本豪雨 死者22人 ~心肺停止17人 不明11人~」とあります。この時期、昨年8月には「北九州豪雨」、一昨年は広島や岡山、愛媛などに被害をもたらした「西日本豪雨」、3年前は福岡や大分を中心とした「九州北部豪雨」と毎年のように犠牲者を出しています。また、今回の球磨川同様、大きな河川の堤防決壊で記憶に新しいのが、昨年10月の長野県千曲川、2015年9月の鬼怒川です。

 ♪ 雨 雨 ふれ ふれ かあさんが~ 蛇の目で お迎え うれしいなぁ~ ♪ ってわらべ歌を歌っていた頃が懐かしいですが、現在、雨は油断すると母さんではなく、天国からお迎えが来ることになってしまいます。冗談ではなく、それほど警戒する必要があると感じています。特に、河川が近い地域はなおさらです。

 そう考えると、市川小学校区は大きな河川「江戸川」と警戒河川「真間川」に挟まれた地域です。気候のよい日は、ランニングやサイクリングに江戸川土手はもってこいの場所かもしれません。でも、ひとたび前線停滞・台風襲来ともなると警戒地域に変わってしまいます。実際、市川市の昔の写真などを見ると、洪水で小舟が救命ボートとして使われていた記録が残されています。

 児童の登下校時や授業時間帯に河川決壊・オーバーフローという可能性だって否定できません。コロナ対策の一方で、地震や水害対策も欠かせません。学校では「津波」を想定した避難訓練を行いますが、むしろ「江戸川・真間川決壊」を想定した避難、あるいは引き渡しをどうするか再検討することも忘れてはならないと、今回深く考えさせられた次第です。

 市川市では、「ハザードマップ」を作成しています。確認しておく必要がありそうです。

プラごみ削減はどう進む?(7/3)

 昨日、校長室設置の手洗い場を業者にみていただきました。着任してから此の方、少し長めに水栓を開けておくと、「ゴボッ、ゴボゴボッ!」と嫌~な音がして水が溜まり始めるのです。工事が始まって1時間半、排水管を金属ワイヤーが通って行かないことにより工事保留のまま撤収となり、外構の調査に移りました。その結果、校庭の縁にある側溝に土砂がたまって厚い壁となり、配水を遮っていたようです。来週には用務員さんと一緒に側溝掃除でいい汗を流そうと思います。ですから今、洗面台はパイプが取り外されているため、「うっかり対応」としてバケツを受け皿にしてもらっています。

 さて、7月1日からプラ系のレジ袋が有料となりました。これまでもエコバッグを持ち歩いていらっしゃった方にとっては「何を今さら」という感じかもしれません。焼け石に水にも思えますが、定着すればこれがスタンダードになるわけですし、環境改善に役立てばよいと思います。

 今日の新聞には、学校給食用にストローがなくても飲める牛乳パックやパッケージにプラスチック代替として紙製品が採用されるキットカット(チョコ菓子)のことが掲載されていました。身の回りの商品がどう変わっていくか楽しみです。子供たちが大人になったとき、学校給食の牛乳のストローなどを懐かしく語れるようになるかもしれません。瓶牛乳や三角パックの牛乳が給食に提供されていたことを懐かしく思える方もいらっしゃるでしょう?

 そういう私の通勤バッグに忍ばせた黄色いバッグを紹介!ウータン副校長のエプロンではありません。

   

 

悲しい思いをする子が出ないように(7/2)

 先日、インターネットの記事の見出し「コロナ感染は自業自得」に目が留まりました。調査をした3~4月時点で「新型コロナウイルスに感染するのは本人が悪いから」と考えていた人の割合が、日本は11%と諸外国に比べて突出していました。(イギリスやアメリカが1%台、中国でも4.8%)この結果だけをみると、本来ならば「被害者」のはずの人が過剰に責められ、まるで悪者のように非難されたり差別されたりする傾向が日本では強いということになりそうです。

 心理学の専門家は、こうした傾向はコロナに限らないと言います。今では、だれが感染してもおかしくない状況にあって、もし本校で感染者がみられたとすると、「どこの誰だ?」と個人を特定するまで執拗な詮索がされるかもしれないと思うと心配です。

 コロナ感染者を受け入れた病院の近くにある学校の児童が、塾などで「コロナ小の子」と言われたといいます。コロナ感染者に過剰に反応するのは児童生徒より、むしろ大人かもしれません。その大人の言動が子供に刷り込まれて、心無い言葉となり無責任な行動を誘発するようにも思えます。

 有事における必要な情報は保護者・地域の皆様に伝えるとともに、関係機関と連携を図って対応します。そして、子供の人権が守れるように努めますのでご協力ください。珍しくまじめな話でした!

 そういえば、学校だよりで紹介した「ミツバチの一枚画コンクール」に3名の応募がありました。今週中に送らせていただきます。また、1年生の教室前廊下にはアサガオの鉢が、昨日までの強風を避けて取り込まれていました。きれいな花が満開になるのはこれからですね。左奥の七夕飾りがされた笹竹が見えますか?