校長の部屋

2021年3月の記事一覧

206 はげまし(3/25最終)

 今日で令和2年度が終了します。修了式と離任式はZOOMで行います。市川小学校を離れる職員に関しては、氏名のみをこの後お知らせします。そして、この独り言も今年度最終回です。読んでくださる方がいらっしゃるというだけで励みになりました。子供も同じです。一緒に喜んでくれる家族や先生がいるからこそ前に進んでいこうとするのです。

 「はげみ」と言えば、年齢とともに髪の毛の密度が薄くなっていくのを感じます。先日は、エスカレーターを降りながら、上の段から繁々と私の頭を見つめ、「ずいぶん薄くなったね」と呟く妻。ついでに、「目立たない髪型でよかったよね」と。励みにもならない「ハゲ増し」の指摘です。

 さて、先週、初めて校長室に本を探しに来た中学年の児童がいました。聞くところによると、学校だよりを見ておうちの方が『マスカレードホテル』の原作を読みたいとおっしゃったようです。貸し出し中だったのですが、うれしい出来事です(先日、お貸ししました)。涙を浮かべて校長室にやってくる子もいれば、学校のことを知りたくて取材にくる子もいます。怒りを鎮めるために来室する子も…。ルールとマナーは守りながらも気軽に話ができる関係でありたいと思います。

 そんな何気ないことがうれしいのは、子供たちが学校にいるからこそ!4月の始業式まではしばらく、保育クラブに通う子供たちの声に癒されることにします。1年間、ありがとうございました。次回は4月1日の予定です。

205 メンテナンスは大事(3/24)

 暖かくなって、校長室前の観察池では活発に動き回るメダカと、それ以上の数のオタマジャクシが見られます。水がぬるんで喜びを全身で表しているようでもあります。

  

 さて、年齢とともに指先の潤いがなくなり、新聞や資料などをめくるときに、ついつい指先を舐めたくなります。今の時代にそれはいけません。スーパーのビニール袋だってなかなか口が開かずにイライラすることもあります。だから保湿は必須です。学校の机の引き出しにハンドクリームを入れて、時々手の甲でコネコネし、風呂から上がったら腕や脚、顔にも塗らないとパリパリ音がしそうで怖い!

 何事にも定期的なメンテナンスが必要です。ウクレレだって指板オイルでひび割れを防ぐそうです。植物の剪定や花殻摘みが生長をさらに促すメンテナンスですし、愛車も明日から1泊でメンテのために入院です。

 子供たちも、短い春休みで心と体のメンテナンスをして、新しい力を蓄えてほしいと思っています。

204 彼岸の墓参り(3/23)

 黒の礼服は冠婚葬祭には欠かせません。「慶」での着用は、先週の卒業式が久しぶりで、近頃は「弔」で使用する機会が増えました。この「弔」ですが、最近は大人でも子供でも、人が亡くなったり葬儀に参列したりした体験のある人は少ないのかもしれません。ましてや火葬場で骨を拾った経験に至っては…。

 40年近く前に祖母が亡くなり、その時初めて骨を拾いました。小さかった体が焼かれると、「これだけ?」と思うような骨だけが鉄板の上に広がっていました。係の方が「これは喉仏の部分の骨、これは…」と説明をしてくれました。そして、親しい親族から順に二人のペアで長い箸を使って、骨壺に収骨していきます。残った骨粉まで、係の人が箒と塵取りで丁寧に集めてくれました。

  

 先日、ドラマを見ていたら火葬された骨を家族が拾う場面がありました。不謹慎ながらプッと吹き出してしまいました。思い出し笑いです。本人の名誉のために言いませんが、その人は、骨を拾うときに一人1本の箸(二人で一膳)を持って行うと思っていたようです。「難しい、どうしよう」と困っていたと後から聞きました。だから、先にやっている人が、普通に一人一膳の箸を持っているのを見て、ホッと胸をなでおろしたみたいです。

 焼香も知らない人は周りに合わせて見様見真似になります。宗派によって、香を目の前に掲げる回数に違いがあるようです。慣れたいものではありませんが、知っていればその場への臨み方も違ってきそうです。人の死は悲しいことです。でも、普段当たり前になりすぎている「命」や「生」について考えるきっかけであることも確かだと思います。

 この彼岸にお墓に手を合わせながら、日頃のお礼と「生」への想いを念じてきました。

203 未来へアタック!(3/22)

 令和2年度もあと4日。先週木曜日の卒業式準備では、5年生の働きぶりに感心させられました。4月からが期待されます。その翌日には卒業生80名の晴れやかな姿が見られました。

 式辞の最後に6年生へ谷川俊太郎さんの「卒業証書」という詩を贈りました。

『卒業証書』 谷川俊太郎

  ひろげたままじゃ持ちにくいから / きみはそれをまるめてしまう
  まるめただけじゃつまらないから / きみはそれをのぞいてみる
  小さな丸い穴のむこう
  笑っているいじめっ子 / 知らんかおの女の子
  光っている先生のはげ頭 / まわっている春の太陽
  そしてそれらのもっとむこう / 星雲のようにこんとんとして
  しかもまぶしいもの
  教科書にはけっしてのっていず / 蛍の光で照らしても
  窓の雪ですかしてみても / 正体をあらわさない
  そのくせきみをどこまでも / いざなうもの
  卒業証書の望遠鏡でのぞく / きみの未来

 未来は覗いているだけではつかめません。未来を引き寄せるためには、タイミングをみてアタックを繰り返すことです。これは、卒業生だけでなく在校生にも望みます。当然、教職員も同じです。今日からしばらくは600名弱ですが、市川小は元気です。

202 80名が卒業します(3/19)

 子供のころから大のクルマ好き。ミニカーは何台持っていただろう?車名は大体覚えていましたし、今もシルエットであっても答えられそうです。そんな私ですから、今もトイレに欠かせないものは車雑誌。ボックスを置いて紙が擦り切れるくらい見ています。マイカーが変わるたびに雑誌も変わりますが、捨てられずに本棚で余生を送っています。

 夢は「ガレージライフ」。家の中から車が眺められたり、天気に関係なくメンテナンスなどができたりするガレージが欲しい。でも、「ばからしい」と切り捨てられること必至!

 さて、私はハンドルを握ると人が変わるようです。行政時代に上司を乗せて運転することが何度もありましたが、「怖い」という共通のありがたくないコメントをいただきました。運転手の時は、道路は車優先、歩行者になると道路は人が優先になる身勝手な考えの持ち主です。「早くいけよ~」「何やってるんだよ~」という言葉に、「口に出さないで!」と助手席の妻に叱られます。あっ、決して煽ってはいませんよ。

 さて、10時から卒業証書授与式が行われ、6年生が卒業します。5年生以下も25日に修了式です。短い春休みです。ただ、希望に胸を膨らませたこの時期に、事故で命を落とす児童生徒の事故が報じられるたびに胸が痛みます。急発進することなくアクセルは緩やかに、全員が健康で新しいスタートが切れますように!咲き始めた桜に願いをかけます。

201 給食最終日に思う(3/18)

 いい天気です。14号沿いに植えられたユキヤナギが満開です。

 バタバタしてもう11時。あと30分もすると検食の時間です。今日で今年度の給食が終わります。来週からはお弁当を作ってもらうことになります。自分の分だけでなく家族の分の弁当作りをするお父さんだっている中で、なんとも情けない自分を感じる部分と恵まれていると思う部分が交錯します。学校でも上げ膳据え膳。調理員さんが盛ってくれた検食を栄養士さんから受け取り、美味しい美味しいと食べます。家でも、朝起きれば朝食はできており、夜帰宅すれば夕食の準備は整っていて、あとは食べるだけ。一人暮らしの経験のない私は、いざ作る段になっても、メニューを考え材料を調達しなくてはなりません。さらに手際も悪いとなると…。だから、料理番組のように全部整った状態がいいなぁなんてことを思ってしまいます。

 さて、最近、給食で出された皿うどんの麺を揚げ過ぎたため、それを食べた児童や教員の歯が欠けたり口の中を傷ついたりしたというニュースを見ました。硬すぎたら食べないのが普通だから、事故に至ったのが不思議と考える人もいるでしょう。でも、私が思う事故防止の視点はそことは違います。

 給食提供時間にに間に合いそうもないので、通常とは違う調理の仕方をしたそうですが、まずはその事実を速やかに管理職に相談すべきだったと考えます。多少の遅れは、きちんと担任や児童に説明すればよいわけで、安全・安心に勝るものはありません。こうした考えを、本校の給食委託業者マネージャーに報道の翌日に話をさせてもらいました。

 真夏の暑い中でも、水がとても冷たい時期も、朝早くから750食を作るために準備を始める給食室のスタッフです。きっと来年度も、安全でおいしい給食を作ってくれると思っています。

200 日曜大工(3/17)

 実のない話でも、あれよあれよという間に200号。びっくりです!「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」とは言いますが、ブログ数は相当数に達しましたが、何かに当たっているのでしょうか?

 私は小学生のころ、家の建築現場から端材を集めてきては、鋸や金槌を使って工作していました。最近はやる機会がありませんが、日曜大工で仕上げた棚や柵、看板などが目につきます。

 以前、息子の夏休みの課題に木工作品製作が出たことがあります。その時は、洗面所用ラックを一緒に作りました。完成して、いよいよ長めのネジで壁に取り付け。洗面所周辺がすっきりしました。息子は自分の作品に鼻高々ですが、6~7割は私が手伝っています。

 さて、それからしばらくしてのこと。洗面所の床に水が浸み出てくるようになったのです。原因不明で困り果て、業者に見てもらうと、ラックを取り付けた壁の裏側に水のパイプが通っていたようです。ネジがパイプに穴をあけていたとのこと。夏休みの宿題は、家を傷つけることではなかったはず?

 そんな息子が新居に引越した記念に手作りの表札をプレゼントしたのは1年半前。その表札が黒ずんだと写真付きメールを最近受け取りました。「紙やすりで擦ってみた?」「やってない。そもそも紙やすりがない」というやりとり。画鋲も必要な数だけ、少し前に持って行ったようです。こう考えると、モノづくりは「できる環境」「やってみようと思える環境」が必要なようです。

 モノづくりには限らず、子供と一緒に何かに取り組む親子って素敵で微笑ましい気がします。

199 チュチュンがチュン♪(3/16)

 1,2年生が一鉢栽培しているチューリップやビオラ、デイジーに、登校後入れ代わり立ち代わりベランダで水やりしています。愛おしそうに世話する子供たちが、私には愛おしい!

 昨年12月にお亡くなりになったコメディアンの小松政男氏。デンセンマンの「電線音頭」や「しらけ鳥音頭」などのネタや歌で人気を集め、「小松の親分さん」の愛称でも親しまれました。♪電線に スズメが三羽止まってた それを猟師が 鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いてさ 食ってさ ヨイヨイヨイヨイ おっとっとっと♪というように、電線を止まり木にしていたスズメをあまり見かけなくなったような気がします。巣から10mほど離れた場所で電線に止まり、餌を運ぶ前に巣の周囲の安全確認をしているらしいのですが、個体数や巣が減ってしまったのでしょうか。

 さて、電柱の上の方には大きなトランスが乗っていました。落ちてこないか心配でした。最近ではあまり見なくなったような気がするのは、小型化されたせいでしょうか。結構絵になるので、図工の時間に風景画でトランスを入れて描かせたこともあります。

  

 一口に「電柱」と言いますが、架かっている線によって3つに分けられるそうです。1つは、家に電気を繰る電線が架かる「電力柱」、2つ目は、インターネットや電話、ケーブルテレビなどの通信線が架かる「電信柱」。最後に、電線と通信線の両方が架かる「共用柱」と言われるものです。

 最近新しくできた住宅街では、無電線化の街づくりが進んでいるようですが、「電線バードウォッチング」なるものを楽しむのもよいかもしれません。さらにその上方を見上げてみると何かしら発見があるかもしれません。UFO(未確認飛行物体)に夢中になったのも今は昔ですが…。

198 離れて眺める?間近で見る?(3/15)

 啓蟄を過ぎ、空き地では小型の鳥やカラスが地面を突いている姿が見られます。活動を始めた虫を食べているのかもしれません。植物の変化・生長も目覚ましいものがあります。1年生の教室前廊下から見た桜のつぼみが、今日は3つ開花していました。東京では、昨日開花宣言が出ましたから、これから日々の変化に目が離せません。校長室の君子蘭も花を開き始めました。

  

 空き地や田圃の土手を見ると、ピンク色の絨毯が敷かれたような場所があります。一面のホトケノザです。近づくと感動が薄れてしまう感じなので、離れて見るからこそというか適度な距離は大事なようです。ほかのことにも当てはまりそうな…?

 さて、卒業式を今週末に控えています。証書授与も一緒にやってみました。だんだん動きが自然になってきました。最初の練習の時に感じたことは、6年生児童の顔が未だによくわからないということ。残念でなりません。マスクをした顔しか見ていませんし、運動会や修学旅行という6年生のメイン行事が中止になったこと、卒業前の会食も叶わなかったことなど理由はあります。でも、きちんと見ようとしていなかった自分に一番の原因があるのだと反省しきり。だから今、そうした隙間を埋めようと体育館に足を運ぶようにしています。離れて見るより間近で見たほうがかわいい子供たちですから!

 ただ、式辞がまだ完成しておらず焦りが…。

197 卒業の歌といえば…(3/12)

 卒業式に向けた練習が進んでいます。今年の6年生は、在校生代表として式に参加した経験がありませんから、流れや雰囲気など短い時間内で一つ一つ丁寧に指導するところから始まりました。式の中で歌う曲は2曲。うち1曲は歌詞を6年生から集め、担任が作曲しました。よくできています。自分たちで一から作った歌ですから、堂々と歌い上げてほしいと願っています。今日は、通し練習をするそうです。

 さて、卒業式の歌は時代とともに変遷します。私の小学生時代は「蛍の光」「仰げば尊し」でしたが、担任をしていた頃、担任を離れてからと、年を経るたびに新しい曲が登場しているような気がします。そして、昔歌っていた歌は「今月の歌」に入っていたり「みんなのうた」に収められていたり…。

 小学校の卒業式で歌う歌ランキングをみると『友 ~旅立ちの時~(ゆず)』『旅立ちの日に』『最後のチャイム(山本惠三子)』『変わらないもの(山崎朋子)』『YELL(いきものがかり)』『トモエ学園(福山雅治)』『さくら2019(森山直太朗)』などで、半分は知りません。

 『群青』という曲もあるようです。2013年東日本大震災復興支援コンサートで歌われ、大反響があった曲です。被災したり亡くなったりした友や遠く離れてしまった仲間への想いを綴った、南相馬市の中学生の日記や作文、普段のおしゃべりを先生がつなぎ合わせて、歌詞の大筋が出来上がったといいます。

 誰かへの想いを歌にのせて伝えようとする姿には感動があります。合唱祭や卒業式で一生懸命な子供たちの歌声に鳥肌が立つこともあります。ですから、19日の卒業式の歌や呼びかけ、証書授与など、どんな表情を見せてくれるか今から楽しみです。

196 みんなが嬉しい学校が一番!(3/11)

 次の1万円札の肖像である渋沢栄一氏に関する記事や書籍、テレビ番組等をよく見かけます。NHK大河ドラマ『青天を衝け』も渋沢栄一氏の少年時代から始まりました。第1話で、少年栄一に母親が言った、「あんたが嬉しいだけでなくて、みんなが嬉しいのが一番」という言葉があります。その後の栄一の言動の端々にこの言葉が生きています。近代日本経済の父と呼ばれる渋沢氏が関わった会社は500以上といいます。今電車の中では、渋沢栄一氏の生涯を綴った『雄気堂々』(城山三郎S51発刊)を私も読んでいる途中です。

  

 さて、学校でのトラブルの多くは、「自分さえよければよい」「価値観の押し売り」が引き金になっていることが多くあるように思えます。これは子供に限ったことではありません。大人社会でも喫煙マナー、電車の座席占有、あおり運転、ながらスマホなど気になることはたくさん。

 「相手の思いを酌むこと」が、最近では「忖度」とイコールになってしまう風潮がありますが、「自分がよいと思うことを、相手の尺度で客観的に見直して、判断すること」と言い換えられるかもしれません。

 「みんなが嬉しい」の「みんな」については、100%とか全員というのはなかなか難しいことです。だから、8割方の満足を基準にしながら、「みんなが嬉しい、みんなが活きる学級・学年・学校づくり」をしていきたいものです。

195 通勤地獄なんて死語?(3/10)

 車を使用する必要があって自家用車で通勤した際、観光バス8台とすれ違いました。校外学習のために学校に向かう途中でしょう。大規模な学校ではなく、座席の間隔をあけて座るためです。11列あるので1台に最大22名計算といったところです。来年度の校外学習も同様の対応が求められそうです。もう少し走行すると、国府台経由市川行きの路線バスが前を走っていました。ふと見ると「急行」の表示があります。急行ってバス停を間引いて停車すること?

 さて、新型コロナウイルス感染症に後押しされる格好で、テレワークが当たり前の昨今です。この4月から1年間のテレワークが決まっている会社もあると聞きます。ただ、教員や医療関係者のほか、テレワークがそぐわない職種もあります。混雑しない時間帯の出勤を推奨されることもありますが、これもなかなか難しい問題です。

 この「時差出勤」、50年以上前からあったようです。「通勤地獄」といわれた当時の国電のラッシュアワーの写真は、高度経済成長期の日本の縮図ともいえます。朝のラッシュで国電が遅れて混乱するとかけが人が出るとかあったようです。乗客の「シリ押し係」としてアルバイト学生まで動員された時代です。

  

 今後、緊急事態宣言が解除されても、できるだけ空いた時間帯の出退勤を心がけ、不要不急の活動は自粛を継続したほうがよさそうです。

194 ラジオの思い出(3/9)

 3月9日というと、「レミオロメン」の歌を思い出します。せわしく過ぎる日々の中で、『♪瞳を閉じればあなたが まぶたの裏にいることで どれほど強くなれたでしょう あなたにとって私もそうでありたい』という歌詞に未だ近づけない自分がいます。

 半世紀前は、こうした曲をラジオで聴いていました。ラジオは映像がない分、何かをしながらでも有益な情報が入ってくる手段になりますし、パーソナリティーの巧みなおしゃべりも楽しみの一つ。

 さて、いつ頃のことか定かではありませんが、海外の短波放送受信がブームだった頃があります。BBCは英国会議事堂の時計塔ビッグベンの鐘の音が合図でした。短波を少しでも感度よく受信しようと、ダイヤルを回して周波数を調整し、雑音に負けないように耳を澄ますことには「宝探し」のようなワクワク感がありました。当時、ナショナルのクーガーという機種が欲しくてカタログをいつも眺めていた記憶が蘇ります。

    

 それから数年してラジカセが流行ります。カセットテープに音楽を録音するのは、専らラジオ番組。ボタン2つを同時に押してスタートですが、失敗してパーソナリティーの声が入ってしまったり、逆に音楽の冒頭が切れていたり…。深夜番組「セイ・ヤング」を聞きながら布団の中で笑いを堪えたりいつのまにか寝てしまったりした頃も懐かしい!

  

 カセットテープを差し込むタイプの初代ウォークマンが登場したのは、そのずっとあとのことですが、まさに音楽を持ち歩く時代の到来でした。

 今では、ワイヤレスイヤホンが普及し、インターネットラジオ「radiko(ラジコ)」があり、災害時にも有効といわれます。ラジオで聴く歴史番組も多数あるようです。「大切なことは耳から学べ」と言われますが、残念なことに私には無理かな。その分、生身の人間の心の声にも耳を澄ましたいと思います!

193 今日は「ミモザの日」(3/8)

 今日3月8日は、イタリアでは男性が女性にミモザを贈ることが習慣になっていて「ミモザの日」と も呼ばれます。また、「国際女性デー」でもあります。ミモザは春を告げる花として、ヨーロッパでは大変人気があり、ミモザ祭りが開かれる国もあるようです。このミモザの花言葉は、「優雅」「友情」。

  

 我が家のミモザもどんどん花を広げています。蕾の状態から開花までがとても長い植物なので、やっと咲いたという感じです。ドライフラワーにしてもきれいなので好きな花です。

 「国際女性デー」は、素晴らしい役割を担ってきた女性たちによってもたらされた勇気と決断をたたえる日だそうで、日本でも「女性の生き方を考える日」とされています。少し前に、東京オリ・パラ大会組織委員会の会長だった森喜朗氏の発言が女性蔑視だと大きな話題になりました。安易に「女性蔑視発言」で終わってしまうことに違和感をおぼえますが、ジェンダーについて立ち止まって見つめる良い機会になったことは確かです。

 話は戻りますが、黄色のミモザの花言葉は「秘密の恋」。ん~?縁がなさそうです!

192 スケベ心が…(3/5)

 毎日鏡を見るたびに、ウサギの目になっている自分に気づきます。花粉症で点眼薬は手放せません。

 5月の中旬から「校長の部屋」を続けていますが、このペースだと卒業式前に200回。「よく毎日書けるね」と声をかけられることがあります。皆さん、ホームページをまめにチェックしているんだぁと感心してしまいます。「毎日読んでます」なんて言葉をいただくと、10回に1回くらいはクスッと笑いも提供できたらいいなぁとスケベ心が沸々と…。

 さて、昨晩最寄駅から自宅へ向かって歩いていると、歩道上に黒い物体が横たわっているのが見えます。近づいて初めて人であることがわかりました。意識と呼吸の確認をしながら119番!近くにいた中学生には学校からAEDを借りてきてもらいました。通りかかる人も心配して、交通整理などをしてくれます。学校の先生もすぐに駆け付けてくれました。心強いというのはこういう時に感じます。そして、救命訓練を受けていることで多少であれ慣れていることの大切さを痛感しました。

 ニュージーランドで大地震が連続しています。国内で発生した最近の地震も、3.11直前と似ていると指定する専門家もいます。先の例同様、有事に備えて準備や訓練することには意味があります。後悔しないためにも、土日どちらかで防災用品・食料等の確認をしようと考えています。

 最後に、たまたま目に留まったネットの記事から。メールの誤変換に、相手の意図を読み取ってください。

■LINEで、待ち合わせ場所が最寄りの駅の『洗濯機』とある。どこ?

■『帰りに噛み切ってくるから遅くなるよ』と来た。なにを?

■車で駅まで迎えに来てくれた相手から、『地球上に着いたよ』と無事生還?のメール。

■メールの結びに『良い終末を!』と添えられていた。

 どうぞ、よい週末をお過ごしください。

 

191 アクリル板に想う(3/4)

 先日の雨を含んだ畑に、霜柱が立つ寒い朝です。

 職員室にプラスチック板の飛沫防止用の透明パーテンションを置いてみようと考え始めてから随分経つのにまだ踏み切れずにいます。放課後等に、学年で話し合いや会議を行う際に、少しでもリスクを減らさないと、教員が感染してしまった場合の影響は計り知れないものがありますから…。たとえアクリル板で仕切られ、目の前の顔がぼやけたとしても、気持ちは透明感をもって明るく接していける職員です。でも、使用頻度と必要性を考えると…悩みます。

 一方、児童向けには机上にコの字型で設置するタイプもありますが、学習や作業等の妨げになりますし、それより先に学習の形態・方法への配慮が優先だと考えました。

 さて、国会でもアクリル板の設置が当たり前になりましたが、大きな透明ボードを見るたびに水森亜土さんを思い出してしまいます。この名前を聞いてピンとくる方もいらっしゃるでしょう。透明なアクリルボードに、歌いながら両手で同時にイラストを描くパフォーマンスで、50年くらい前にテレビに登場していた方です。イラストは水森亜土さんのLineスタンプだそうです。

  

 昨晩、1歳半の孫が遊びに来ました。何にでも興味を示して手に取るので目が離せません。でも、雛人形には近づきもしません。きっと顔が怖かったのかも。孫を寄せ付けない威圧感があるのでしょうか?私たちも、アクリル板のような仕切りを人との関わりの中で感じさせないように接していきたいと思います。

190 給食もひなまつり~(3/3)

 今日の給食は、菜の花ご飯とすまし汁、桜餅ほかで、ひな祭りにちなんだ献立です。

 では、「ひなまつりの食べ物を挙げなさい」と問われて思いつくものは何でしょう。桜餅、ひし餅、ひなあられ、はまぐり(お吸い物)、白酒(甘酒)、ちらし寿司、てまり寿司といったところでしょうか。

 「ひし餅に使われる3つの色とその意味を答えなさい」と尋ねられたら如何ですか?赤・白・緑で、それぞれ桃の花・生命、雪・大地、木々・芽吹きを意味しています。ひなあられも元々はひし餅を砕いて作ったとされ、3色だったようです。4色の場合は四季を表すとか…。

 ところで、市川小にはひな人形はないのでしょうか?どこかにしまわれて陽の目を見ないということも考えられます。内裏びなを来客用玄関に飾りたいものです。コロナの時代だからこそ、5月の節句なども季節感ある明るい環境で来校される方をお迎えしたいと考えます。

 今日は低学年の教室から、「♪灯りをつけましょ 雪洞に~♪」と聞こえてくるのを楽しみにしながら校内を回ります!

189 あなたにとっての邪気とは?(3/2)

 久しぶりの雨。校庭で子供たちが遊ぶと舞い上がる土埃もしばらくは抑えられそうです。そして明日はひな祭り。2年目に入った新型コロナの影響で、勝浦の「ビッグひな祭り」や御宿の「まちかどつるし雛めぐり」を中止せざるを得なくなりました。それでも映像を配信するなど工夫する姿に熱い想いを感じます。

 我が家のひな人形も30年の年月を経て、髪の乱れや褪色はありますが、まだまだ現役!新田にある人形「たえみ」で購入したものです。2~3年前に、屏風の蝶番を自分で修理し、ぼんぼりは新しいものを厳選しました。

 さて、「五節句」(1/7七草がゆ, 3/3桃の節句, 5/5菖蒲の節句, 7/7星祭, 9/9菊の節句)は中国から伝わったものですが、季節の節目を意味する「節」の頃は、昔から邪気が入りやすいとされていました。だから、日本では「桃の節句」に、紙などで作った人形で自分の体を撫でて穢れを移して川に流す「邪気払い」が行われたといいます。「流し雛」のルーツと言えるでしょう。これがひな祭りの始まりのようです。

 少しずつ暖かくなる季節。気が緩んでしまいがちですが、邪気とコロナに侵されないよう老若男女、改めて気を引き締めて新年度を迎えたいものです。私は、「甘いものを食べたい」という邪気?を追い払うために、桜餅の葉っぱまで食べてみます。好きじゃないのですが…。

188 伝統と創造(3/1)

 あっという間に3月です。忙しい中ですが、植物の芽吹きが楽しな季節になります。

 さて以前、国語の教科書に『附子(ぶす)』という狂言が教材として取り上げられていたことがあります。太郎冠者と次郎冠者が登場し、主人が毒であると言い残して外出したあと、桶の中の毒(実は砂糖)を食べてしまうもの。それを隠すために言い訳する様や掛け合いが独特の言い回しで面白く感じました。「それ、覚えている」という方もいらっしゃると思います。

  

 狂言や能楽は日本の伝統芸能ですが、決して馴染みのあるものではありません。これをドラマにしているのが長瀬智也さん主演の『俺の家の話』です。能楽師でありプロレスラーという面白い設定で毎週目が離せません。

 能楽は、能楽師によって演じられます。能の主役を「シテ」、その相手役を「ワキ」、その他「ツレ」や「アイ」、「地謡(じうたい)」、「囃子」などといい、それぞれ専門の役割を演じます。一方、狂言も主役が「シテ」、相手役が「アド」と言われます。

 読売新聞(2/24付)に、シテ方能楽師の山井綱雄さんがハードロックバンド「聖飢魔Ⅱ」の現役信者だとありました。その音楽は、生きる力の源泉であるとも。そして、デーモン閣下の「能楽を知らない多くの人に向けて広く発信する活動をすべきだ」という声を受け、閣下や津軽三味線奏者と全国公演を続けてきたそうです。

 型は大切にしなければなりませんが、ある時は型を破り、柔軟な発想をすることにより進化(深化)していくこともあります。伝統ある市川小の子供たちには、基礎基本と考え方をきちんと学んだうえで、相手を意識した柔軟で創造的な学習へと発展させてほしいと願ってます。

 リングで舞う能楽師(リングネーム:世阿弥マシーン)がいたっていい!