校長の部屋

2020年7月の記事一覧

量感を大切にして(7/30)

 自分の体の一部を使って物の長さを測るということが時々あります。巻き尺や物差しを用意すれば簡単なのに、必要な時に限って忘れるということは物事の常。そこでよく使うのが、手のひらを広げた親指から中指(小指)の先までの長さです。私の場合、ほぼ20cmなので、例えば机の横幅を測ろうとすると、手を広げて尺取虫のように動かしていきます。この姿を妻は笑いものにしますが、気にしない気にしない…。

 また、両腕を広げた長さは、自分の身長とほぼ同じくらいですから、およその数値ならこれでも大丈夫です。もう少し小さいものを測りたいときには、肘から指先までの長さを知っていればよいわけです。およそ身長の4分の1と言われます。ちなみに、私の場合は約45cmでした。

 こうした長さの単位を、昔は「あた」(手を広げたときの親指から中指まで長さ)、「つか」(握りこぶしの横幅)、「ひろ」(両腕を広げた長さ)と言っていました。小学校2年生の算数「長さ」では、こうした量感を大事に指導しています。面積や体積に関しても同様で、新聞紙や教室、校庭の広さを目安にしたり、消しゴムや牛乳パック、水槽、プールなどを手掛かりに考えたりします。

 手の大きさに戻りますが、私の手は成人男性より小さめだと思います。掌はそれなりの大きさでも指が短め?で、娘の指と比べると一関節分違うのではないかと思うくらいです。だから、男同士の握手は苦手です。分厚くでかい手だと、圧倒されて気後れしてしまいますから。でもこのご時世、「エア‣握手」もありませんから、ちょっとホッとしています。

 

思いやりという魔法(7/29)

 我が家の近くに小中学校が向かい合ってあります。下校時の歩道は、当然子供があふれかえります。

 少し前に、たまたま下校時にその通学路周辺を車で通った時のことです。信号のない横断歩道で、ランドセルを背負った高学年女児が2人立っています。道路を渡りたいけれども車が止まってくれないので待っている様子が窺われました。一時停止して「どうぞ」と合図をすると、一礼して渡りました。渡り終えて改めてこちらを向いて丁寧に頭を下げた時には嬉しくなりました。「これはこれは、ご丁寧に」「痛み入ります(「家政夫のミタゾノ」風に)」と言いたくなってしまいます。

    buhitter.com家政夫のミタゾノのTwitterイラストより

 ただ、こちらが止まっても、対向車線の車が通過するケースも多い気がします。逆に、渡るのか渡らないいのか判断がつかない場合は困りものです。横断歩道の前でおしゃべりしている人、一時停止したのに「渡る気配なし?」なんてこともあります。手を挙げるというのは、渡りたいという意思の表れですから、大人であっても手を挙げて意思表示してほしいものです。

 さて昨年、「信号機のない横断歩道実態調査」の結果が報道されました。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は17.1%という結果、逆に言えば8割以上の車が止まらないというものでした。ちなみに千葉県の一時停止率は31.0%でした。

 先述の出来事から、以前放映されたACジャパンのCMを思い出しました。仕事の帰りで長時間運転に疲れ気味の男性が、タイミング悪く押しボタン式信号で停車させられます。なかなか変わらない信号にイライラが募る中、横断歩道を渡り切った少年が、「待ってくれてありがとう」と深々と頭を下げるのです。すると、これを見たドライバーのイライラが解消されるというものでした。

 もうすぐ始まる夏休み。夏季休業入りあるいは明け、それぞれの前後に子供の交通事故や水の事故が多く報告されます。ドライバーも歩行者も、相手への思いやりとそれを表す仕草・言葉を大切にしたいものです。互いの気持ちをほぐせる、事例のような「魔法」をかけることができる人、あるいはその魔法に気づける人でありたいと思います。

教職員の夏休み事情(7/28)

 6年生が「将来設計図」を学習で作成していたことは以前書きましたが、その中に「小学校の先生」と書いている子がいました。ずっと昔は、将来の夢の上位に「学校の先生」があったと思いますが、最近では「ブラック」のレッテルを勝手に貼られて、教員を志願する学生が減少しているのが現実です。「どこが?」という思いでいっぱいですし、大変な思いをするのは教員に限ったことではないはずです。だからこそ、先生になりたいと思う子供たちを応援したい気持ちでいっぱいです。現在も含めて、これからモデルとなる先生に出会えることが大切であると、なぜかしら身の引き締まる思いになります。

 さて、そんな教員を「夏休みがたくさんあっていい」と思っている方もまだ多いかもしれません。今週末で夏休みに入る今、教職員の夏休みを簡単に紹介します。

 例年のように約40日の夏季休業の場合、土日祝日以外は勤務を要する日です。まず、輪番で日直勤務が数日割り振られます。また、必ず受講しなければならない研修がいくつもあります。普段は教室を離れられない職業柄、夏季休業中に集中するのもうなずけます。さらに、夏休み明けからの授業準備などで出勤してじっくり取り組みます。そのほかに、夏季休暇を取得します。これらをカレンダーに落とし込むと、積極的に取得が奨励される年次休暇は数日となりますので、一般企業の夏休みと何ら変わらないのです。

 さすがに今年度は、悉皆(しっかい)研修の多くが中止になりましたし、学校閉庁日が例年の3日から7日になっていますので、万全なコロナ対策をしながらリフレッシュして叡智を養います。

 子供たちには、この時期あるいはこうした長めの休みだからこそできることを考え、目標を明確にして貴重な体験を積んでほしいと願っています。

 

名字について(7/27 Part2)

 先週は5年男児が歴史漫画をもって校長室にやってきてくれました。「加藤清正」の本に「蜂須賀正勝」が登場していたのでわざわざ知らせてくれたのです。少しの間本を借りて、改めて勉強しました。嬉しいことです。

 今日は2年男児が本を抱えて校長室に来てくれたので話をしました。この本には阿波(徳島県)の殿様であった正勝の子「蜂須賀家政」のことが記されてます。歴史好きのようで、前にも「蜂須賀談義」をちょこっとだけしました。

 今日午前中に書いた記事には、蜂須賀姓は全国で4800人程度と書きましたが、この2年生の子の名字はずっと珍しいと言って去って行きました。気になって仕方ないので調べてみると、全国で230人くらいで、長野県・東京都・埼玉県に多いとのことです。680名の児童名簿を見ると珍しい名字は他にもたくさんあります。その中に全国60人あるいは90人という名字も見つけました。まさに珍名さんです。

 ありがたいことに、蜂須賀は印象に残るのか初対面の方にも覚えていただけます。でも、妻が「三文字の名字なら『西園寺』とか『伊集院』『綾小路』だったらカッコよかったのに…」と言っていたのを思い出してしまいました。

昨日は幽霊の日!(7/27)

 昨日の天声人語に、ソーシャルディスタンスを保ち、接触のないお化け屋敷が登場したことが書かれていました。車に乗ったまま楽しむ世界初の「ドライブインお化け屋敷」で、停車した車内で数々の恐怖を体験するのだそうです。(株)怖がらせ隊が発案したホラー企画で、イベントの予約は現在完売、入手困難とありました。

   

 さらに、昨日7月26日は「幽霊の日」だったことも知りました。約200年前のこの日に、日本を代表する幽霊「お岩さん」が登場する「東海道四谷怪談」の初演の日だからと言われています。この「幽霊」にちなんで、こうした文字を含む珍名さんがいないか興味がわいたので調べてみました。さすがに「幽霊さん」はいませんでしたが、以下の名字を読めるでしょうか?また、お知り合いにいらっしゃったりして?

  

「幽谷」……「かすや」さん《全国約30人》 ※「幽」のつく名字はこれだけ

「霊」………「みたま」さん《全国約10人》

「霊山」……「よしやま・たまやま」さん《全国約110人》

「霊元」……「よしもと」さん《全国約10人》

「霊園」……「れいえん」さん《全国約30人》

「霊鞍」……「たまくら」さん《全国約10人》

「霊鷲」……「たまわし」さん《全国約20人》

「霊田」……「たまた・たまだ・れいだ」さん《全国約10人》など

 ちなみに、「蜂須賀」は全国で4800人ほどいるみたいで、データでは愛知県に多いようです。

 さて、担任をしていたころは修学旅行で訪れる湯元の源泉で肝試しを行ったことが思い出しました。また、体育館のステージ下にある、パイプ椅子収納場所あるいはプールの下での暗闇体験、理科室に暗幕を張ってお化け屋敷など、子供たちが企画して実施したことも今は昔のお話。昨晩のような稲光も、子供のころは怖かったことを思い出します。

 ただ残念なことは、例年一中ブロックで開催されている「お化け屋敷」が、今年度は中止となってしまったことです。結構、本格的だったと聞きましたので…。

記念植樹(7/22)

 各ご家庭に記念日があるでしょう。家族の誕生日、結婚記念日、出会いの記念日などなど。若者は知り合った日を毎月記念日にするようなこともあるようです。「付き合って3か月目!」みたいに。例えは悪いですが「月命日」のような感じです。

 さて、明日23日は我が家の結婚記念日です。夏休みに入ってすぐ式を挙げたので、暑い盛りでした。礼服を身に纏う招待客にはいい迷惑だったはずです。あれから30数年、よくぞ耐えてくれたという驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。

 先日、八千代の京成バラ園に行って、夏の小さな庭を彩るよい植物はないか物色していました。すると、売り場を見て回っていた妻が寄ってきて、「欲しいもの見つけた」と言うのです。行ってみると「ジューンベリー」の苗木。日曜市で半額対象商品(これって大事なこと!割引に弱い人間なので)でした。「結婚記念日のプレゼントでいいよ」と言い、さらに「結婚してくれてありがとう記念植樹をしようか」とさらっと付け加えたのです。ブルーベリーは数鉢を栽培していますが、さすがに地植えの実りには勝てません。そこで、実をたくさん収穫して喜ぶ自らの姿を想像した妻は、お買い上げして帰るや否や、別の木を伐採し、その根元に1mにも満たない苗木を植えることを私に命じたのでした。(悪妻に聞こえるなぁ)来年の5~6月が楽しみです。ただ、翌日は腰が痛くて…。

 教職員も保護者の皆様も、どうぞ記念日を大切にしてください。まさにワークライフバランスです。

 

糸瓜の思い出(7/21)

 明るいうちに湯船でゆったりくつろぐのは最高です。

 さて、風呂で体を洗う時に何を使っているでしょう。手ぬぐい?スポンジ?ボディブラシ?ボディタオル?いろいろです。中には手で洗うという方もいらっしゃるかもしれません。

 私が幼少のころは糸瓜(ヘチマ)です。ヘチマが乾燥して繊維だけになったものを使って体を洗います。アマゾンで調べると、2個千円とか3個二千円といった価格で今も売っています。買ってすぐのものは繊維も硬くて痛いのなんのって、皮膚にこすった痕が付くくらいです。でも1週間も使うとなじんできていい感じになります。こういう硬さに慣れた私の皮膚は、柔らかいボディタオルより、ごわごわ感のあるものの方がお好みです。

    

 このヘチマ、理科の学習教材として取り上げていたのはいつの頃までだったでしょうか。ヘチマのつるを切ってその先端をペットボトルに差して水の通り道を学習したり、花のつくりや受粉の勉強をしたりすることに使われました。校舎のネットにつるを這わせたので、グリーンカーテン風になっていました。今でこそ4年生がゴーヤを育てて収穫することはありますが、ヘチマの実に関しては実ってもそれを使う術を知らないため、大きくなって腐って、はい、おしまい…だったように思います。

 今はヘチマの存在自体知らない子供ばかりでしょうが、それでも、風呂場では固形石鹸を使用し、シャワーを使わずいまだに風呂の湯をひしゃくで汲んで使っている私は、今一度、ヘチマ復活(復権)を秘かに目指そう考えています。

救いの神?いぇ、自己満足です!(7/20)

 例年どおりであれば、今日は終業式あるいは夏休みを迎える会が行われ、「明日からの長い夏休みは…」という口上が先生方から聞かれていたはずです。今年度はあと2週間先。子供と一緒にもう少しがんばります。

 昨日の午後には久しぶりの青空が見られました。そこで思い立って、私の実家があった場所に足を運んでみました。高齢の父母が施設に入って、主なき家(土地)を3月に売却しました。その跡地の様子を見に行ったのです。1棟が建ち上がり、もう1棟は土台と足場ができていました。昔の面影があるべくもなく、寂しい気持ちになります。

 半世紀前、建て前(上棟式)につきものだったのが「おひねり」です。柱を組んだ2階から袋に包まれた餅や菓子、5円玉が放られたのです。放課後だったりすると、足を延ばして拾いに行ったことを思い出します。

 さらに、建築現場は宝の宝庫でした。私にとっての宝は「端材」。適当な大きさのものを集めて家に持ち帰り、のこぎりや釘でモノづくりに勤しむのです。現在のように、工場で作られた建材を現場で組み立てる工法ではありませんでしたから。

 子供たちが図工の時間にのこぎりや金づちを使う場面があります。経験がない子供たちの手つきは怖い!そして、先生方も正しい使い方を熟知していないということだってありえます。5年生が掲示板づくりで電動のこぎりを使用していましたが、時々おせっかいをやいてしまいます。家庭科の玉結び、玉止め、運針、ボタン付けなども含めて、教室を回っているとまだまだ「救いの神」になれる自分がいるのがうれしく思います。ただの自己満足ですが…。

私の♪少年時代♪(7/17)

 今日は、広報委員の方からの質問、「小・中学生時代はどんな子どもでしたか」にお答えします。

 私の出身は千葉県八千代市です。未だに夢の中で通学路を歩いている自分が登場します。当時のスポーツといったら専ら野球。そして誰もがジャイアンツの野球帽。市川市と違って、八千代市には少年サッカーという文化がなかったようで、校庭にもサッカーゴールなど影も形もありません。5年生の時、オーストラリアから転入した友達が、休み時間に「サッカーやろう」と言っても誰も振り向きません。「サッカーって、よくわからないし~」という時代だったのです。今では考えられません。

 小学校高学年では算数に四苦八苦した覚えがあります。特に「集合」(わかる方は同世代)という単元は、夜遅く帰宅する父を待って教えてもらいました。月曜日の朝は、必ずと言ってよいくらい学校に行きたくなくて、布団の中で体温計に不正を働いてみたこともあります。

 ある時、母が個人経営の算数補習塾を探してきました。渋々行ってみると、わかるようになっていくのが不思議です。それ以降、高校の「微分・積分」までは順調でした。何がきっかけになるかわかりません。

 中学校は、自宅から徒歩3分。往々にして近すぎることは決して良いことではありません。遅刻常習者でした。朝自習のプリントを週に何度も廊下でやっていましたから。1年生で入った部活は剣道部。理由は簡単!近所の人からもらった防具が家にあって、もったいないからと勧められたせいです。そんな理由ですから、竹刀の素振りと防具の臭さに辟易して、夏休みには退部。そして2年生の夏前にサッカー部へ入り、高校まで続けました。

 小・中ともに自転車少年。フラッシャーが付いてディスクブレーキ、セミドロップハンドル、10段変速。まさに、「ザ・昭和」のスポーツサイクルは憧れでした。

         

 子どもたちが、今の姿のまま大人になることはありません。自分で見つけたり外から与えられたりする「きっかけ」が進む方向に大きく影響するように思います。どんな大人になっていくか、今からとても楽しみです。

 

 

ながらスマホ(7/16)

 抜けるような青空をどれだけの期間見ていないのでしょう。恋しくなります。

 さて、毎日電車に乗っていると乗客の7~8割はスマホをいじっているように見えます。そういう私も例外ではありません。行きは読書、帰りはスマホで漫画というのが日課です。ただ、電車を降りても相変わらずいじっている人もいます。階段を下りながら画面を見入る人は危なくていけません。しかも歩くのが遅い!私も含めて急いでいる中で、邪魔この上ない!そこまでの必要性があるのか尋ねてみたいものです。

 神奈川県大和市では「歩きスマホ」禁止条例が、全国初で施行されたと聞きます。スマホに気を取られて他人にけがを負わせる可能性がありますし、転倒や転落など自らも負傷しかねません。文科省内では、中学校でのスマホ持ち込み容認に関する検討が佳境を迎えていますが、ルールは必須です。

 さて、小学生においてはどうでしょう?小学生のスマホ所有率をみると、小学生全体で4~5割。高学年ですと過半数です。ゲームy動画視聴、コミュニケーションが主な目的で、特にコミュニケーションツールとしての使用割合が増加しているデータがあります。小学生の3人に1人はLINEを利用しているというから驚きです。中学1年になると、なんと4人に3人。まさに名刺代わりと言っても言い過ぎではないようです。

 しかし、スマホを媒体としたいじめや犯罪、事件が増加しているのも事実です。だからこそ、フィルタリングは当たり前として、親子でしっかりルールを確認しておくことが求められています。「スマホ・インターネット安全教室」を実施する小学校も増えてきましたが、今年度コロナ禍の状況で本校が実施できるかは定かではありません。

 危険といえば、自転車に乗りながらスマホをいじる中高生(偏見?)。しかも、イヤホンで音楽でも聴いているのでしょうか。ヒヤリとする場面に何度か出くわしました。ながらスマホ、「市川小の児童(あるいは卒業生)は大丈夫!」と胸を張って言いたいのですが…。