校長の部屋

124 主体的な学びを目指して(11/19)

 プラタナス読書会の方による朝の読み聞かせが始まりました。本の種類や読む前の導入、英語版の併用など、様々な工夫が見られました。子供たちが聞く姿を想像していろいろ考えてくださっていることをうれしく思います。

     

 さて、随分前になりますが、6年生が理科の学習で、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液に鉄やアルミニウムを入れてその変化を観察していました。中には変化の有無をノートに記録しただけで、それ以上に思考が進まない子も見かけました。観察や実験で大切にしたいのは五感。手触り、音、匂い、味、目に見えることなど、感覚をフルに活用して事象を見つめたいものです。こうしたことは1年生のアサガオや虫の観察などからすでに始まっています。葉のザラザラ感、長さ、数、色など…。

 五感の次は第六感です。「理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働きのこと」と言われますが、ここではそんな大層なことではなく、いわゆる事実から導き出される考えや新たな疑問と思ってください。でも、これこそが学びであり、学びの連続性です。先の実験で言えば、「この泡みたいなものの正体をつかみたい」「溶けたものが泡に変わったのではないか」「試験管が温かくなったことと関係あるかも」など、観察しながらどんどんノートに思っていることを書ける子が増えてほしいのです。そして、どうやったら確かめられるかを考え進めていくのです。

 与えられた餌(課題)をもらって食べている学習から、自分で餌を探す主体的な学習にスイッチできれば、自ずと勉強が自分の目的になって楽しさを感じられるのではないでしょうか。塾で学習が先に進んでいるからといって教室での学習をおざなりにする子と、真理を求めて学校でしかできない学びを大切にする子とでは思考・判断力・主体的な態度に大きな差が生じると思っています。後者の学びができる子、学びを提供できる学校に!