校長の部屋

071 知識のワクチン(7/21)

 今日から夏休み。子どもだけで過ごす時間や留守番する機会も増えます。お出かけやワクワクするイベントも多くなる時期。一方、親も子も開放的な気分になることで警戒心が乏しくなる時期ともいえます。つまり、事件に巻き込まれる可能性も高くなるので、「知識のワクチン」接種による「犯罪免疫」を植え付けてほしいと後述の小宮先生は訴えています。

 子供を狙う犯罪者が向かう場所は、標的となる子供のいそうな場所、つまり「人が集まる場所」です。海水浴場やキャンプ場、夏祭りや花火大会会場、遊園地、ショッピングモールなどの場所は犯罪者をひきつけますので、子供だけでの行動を避けるに越したことはありません。ちなみに、公共の場所で子供を一人にすることは、欧米では児童虐待と見なされるといいますし、TVの人気番組『はじめてのおつかい』は言語道断とか。

 誰もが入りやすい場所は、逆に見えにくい場所であるともいえます。たくさんの人がいるから、「誰かがうちの子を見てくれているだろう」というのは親の錯覚。実際には、人の注意や関心が分散して、結果「誰もうちの子を見ていない」ことになり、犯罪者の行動が見過ごされやすくなります。不特定多数が居合わせても、「犯罪なら誰かが行動するだろう」「誰も行動を起こさないから、深刻な問題ではない」といった集団意識・傍観者効果が働いてしまうようです。つまり、わが子にスポットを当てているのは親だけであることを認識する必要がありそうです。

 また、性犯罪を予防ために、水着を着る機会を利用して「水着ゾーン」を教えることも大切です。

 犯罪学の視点から、立正大学の小宮信夫教授は次のように述べています。“「知識のワクチン」の主要成分は、「景色解読力」である。景色解読力とは、景色に潜む危険性に気づく能力だ。学校用語で言えば、「危険予測能力」ということになる。要するに、犯罪が起きやすい「入りやすい場所」と「見えにくい場所」を見抜く能力のことである。それを伸ばすのが「地域安全マップづくり」。地域安全マップは、夏休みの自由研究にもってこいのテーマだ。”

 この小宮先生の防犯教室『あぶないとこって、どんなとこ?(アニメ)』がYouTubeで見られるので、親子で視聴するのもよいと思います。健康かつ事件・事故に巻き込まれることなく、9月には元気な子供たちの顔を見られるのを楽しみにしています。   <ヤフーニュース7/20 参考>