校長の部屋

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179 チンドン屋(2/24)

 ♪バ~カ~ カ~バ~ チンドン屋~ お前の母さん 出ベソ~♪

 友達と喧嘩した時、昭和の子供の常套句!この後、「ついでにお前も出ベソ」と続きます。言われた相手は「そういうお前も出ベソ」と言い返すパターンでした。でも、兄弟げんかでは使っちゃいけません。ただ、ここ何十年も聞いたことがありません。保護者の中にも「言ったことない」「知らない」という人がいるでしょう。今考えると、バカとかば、チンドン屋、出ベソが同じ並びで語られるということがピンときません。その前に、「チンドン屋」自体、見たことのなくて「?」という世代の方が圧倒的に多いと思われます。

 

 チンドン屋は、戦後~昭和30年代にかけての広告業界の花形でした。全国各地で見られた人気のパフォーマーといえます。白塗りの化粧をして、ちょんまげや日本髪。派手な着物の前に括り付けた太鼓や鉦(しょう・かね)をチンチン・どんどんと鳴らしながら街中を練り歩いていたのです。どこかで新装開店があることなど、これを見て子供ながらに知ったのです。当時全国に三千人位いたといわれますが、20年ほど前には二十分の一に減ったそうです。そして今、楽器も多彩になって復権の兆しがみられるとか…。

 コロナが収束して、晴れ晴れとした気持ちでチンドン屋さんが街中を練り歩く姿を眺めたいものです。ちなみに、私はずっと「ばかばか チンドン屋」とばかり思いこんでいました。

178 験を担ぐ(2/22)

 昨日の昼休みにミニバスケットボールクラブの6年生が校長室にやってきました。「県大会でベスト8に入りました」とみんなで報告に来てくれたのです。うれしいですね。中学生になっても全力を傾けて何かに取り組み、きっと活躍してくれるだろうとわくわくさせてくれる6年生です。

 「どういう振りだったの」と自分でも理解しがたい話に展開します。仏壇へのお供え物の基本は、香・花・灯明・水・飲食の5つ。その中の「香」は、一般的な仏事のときに使われる粉状のお香や線香のことを指し、お参りする本人や周囲の人々の心と体が清め邪気を払うとされます。また、良い香りを通して仏様と話ができたり、故人とつながることができたりするともいわれます。(長継山 妙遠寺コラムから一部引用)

 さて、仏壇に線香をたむける際は、火をつけて立てる方もいるでしょうが、我が家は「半分に折る→火をつける→横に寝かせて置く」という流れ。この線香を半分の折ったとき、ピッタリ等分されると何かよいことがありそうな気分になる単細胞の私。ただ、そんなことすらすぐに忘れてしまうため、線香の等分折りとよいことの関係は未だわかっていません。同じように、雑誌などに星座占いを見つけると仕事運・金運などが気になったり、どうでもよいことに験を担いだりすることってないでしょうか?

 そういう今日は「2」のゾロ目。「2」が6つ連なるのは鎌倉時代(1222年2月22日)以来800年ぶり。きっとよいことがあると信じて疑わないピュアな心。あらら?「ピュア」と入力したつもりが「プア」になっていて、「貧しい心かよ」とつぶやきながらバックスペースキーを叩きます。でも、この歴史的ゾロ目だってすぐに忘れてしまうはず。多分!

177 努力とは(2/21)

 3回目の接種券が、私にもそろそろ届くかと思われますが、学校でも感染報告等が途切れることがありません。また、家族の感染に伴い濃厚接触者となって勤務できない教職員もちらほら。この対応にも追われる毎日ですが、笑顔と安心のために学校が一体となって、できることを精一杯取り組んでいます。

 さて、昨日20日で北京冬季五輪が幕を閉じました。この間、2月上旬にスノーボード(女子パラレル大回転)に出場した高校3年生の三木つばき選手の記事がありました。見出しには“「運動音痴」努力でカバー”とあります。この運動音痴は自他ともに認めることらしく、子供の頃の柔道大会では開始3秒で背負い投げを食らい、陸上では周回遅れの最下位。縄跳びの二重跳びもキャッチボールもまともにできなかったといいます。4歳でゲレンデに立って徐々にスノボにはまっていきます。小学校入学前に静岡に引っ越しましたが、その後も長野に通い、しばらくすると長野の民宿に住み込んだほど。「自信があるのは幼いころからの練習量」と言い、「次の五輪で金メダルを目指します」と語っていました。一方、スノーボード(ハーフパイプ男子)で金メダルを取った平野歩夢選手は3度目の正直。超人的な技はチャレンジと努力の賜物以外の何物でもありません。

 逆にフィギュアスケートの羽生結弦選手は「努力しても報われないことがある」と大会後に語っています。イチロー選手も似たようなことを言っていたように思います。これは、最大限の努力を続けてきたからこそ言える、深い言葉です。この歳になっても、私にはまだまだ言えそうもありません!

176 兄弟姉妹(2/18)

 先日14日に日記を書いていると、欄外に「将棋の羽生善治、史上初の七タイトル全制覇(1996)」とあります。藤井聡太竜王の史上最年少での五冠もすごいですが、棋士の脳ってどんな構造なのでしょう。

 一方、スポーツ界の活躍に目を移すと、兄姉よりも弟妹が活躍する例が目立つような気がします。古くはサッカーのキングカズこと三浦知良、フィギュアスケートの浅田真央、柔道の阿部兄妹(一二三選手は第1子ではありません)。なぜでしょう?

 生まれてから常に目の前にいるライバル的存在で、自然と負けん気が強くなり向上心が育まれていくのかもしれません。また、憧れの存在として自然と観察したり真似したりする中で、良いことも避けるべきことも学習しているとも思えます。親も第2子以降は過去の反省点を改善して子育てしていくことになりますし…。

 こう考えると、兄姉(第1子)は損な役回りなのでしょうか。兄や姉だからと言って怒られたり我慢を強いられたりすることもよく言われます。でも、責任感が強かったり、面倒見がよかったり、弱音を吐かずに頑張ったり、まじめで正義感が強かったりするのも兄姉の特徴ではないでしょうか。個々が生まれ持った素質を生かしたり、兄弟構成の特性を生かしたりして、適材適所での活躍ができることが一番です。

 兄弟姉妹がいることのよさ、一人っ子のよさ、それぞれあると思いますが、歳を重ねても仲良く交流できる関係でいたいと思います。また、自分の子供たちにもそうあってほしいと願います。週末ですし、久しぶりに栃木に住む弟にメールしてみることにしましょうか。

 さぁ、今日30年目を迎えるJリーグが開幕します。楽しみが一つ増えます。

175 役割で育つ(2/17)

 今週一週間、教頭不在です。月曜日はは火災報知機の発報からスタートして、戸締り、見回り、業者及び外部対応ほか、担ってきたこと、求められていた役割を思い出させてくれました。校門に立っての挨拶運動も今週は休止。

 さて先日、何年かぶりで鰹節を買いました。既に削ってあるパックものではなく、削り器でその都度カリカリするものです。この鰹節には雄節と雌節があり、雄節は背部、雌節は腹部のこと。さらに、裸節と枯節、産地も枕崎産と指宿産の2種類。そして、選んだのは、枕崎産の雄節(枯節)です。6年生の算数「場合の数」で、“鰹節の選び方には何通りあるでしょうか?”なんて問題を作って樹形図で求める姿が思い描けそうです。ちなみに、削り器は10年以上前に買ったものがありますので大丈夫。削り節パックと違ってその都度削るので風味は抜群ですが、面倒くさいと思うことも…。また、熱々のお好み焼きを舞台にダンスを披露することはありません。そうそう、鰹節削りは子供のころの私の仕事でした。

 もう一つ、子供のころの担当だったのが「お磨き」。以前書いたかもしれませんが、仏壇や神棚の金属製の仏具を金属磨き液できれいにするのです。複雑な形だったり水シミがしつこかったりして大変でした。人差し指が痛くなるくらい頑張っていたような?それでも、「きれいになったね」「さすが」と褒められて、自分が役に立っていることが誇らしかった記憶があります。

 子供たちが家庭において、自分の役割として、あるいは役に立っていることを自認するものは何でしょう。学校でも家庭でも社会でも、自分の存在・有用感を感じられることが、人を伸ばす推進力になるのではないかと思うのです。