校長の部屋

校長の部屋

205 メンテナンスは大事(3/24)

 暖かくなって、校長室前の観察池では活発に動き回るメダカと、それ以上の数のオタマジャクシが見られます。水がぬるんで喜びを全身で表しているようでもあります。

  

 さて、年齢とともに指先の潤いがなくなり、新聞や資料などをめくるときに、ついつい指先を舐めたくなります。今の時代にそれはいけません。スーパーのビニール袋だってなかなか口が開かずにイライラすることもあります。だから保湿は必須です。学校の机の引き出しにハンドクリームを入れて、時々手の甲でコネコネし、風呂から上がったら腕や脚、顔にも塗らないとパリパリ音がしそうで怖い!

 何事にも定期的なメンテナンスが必要です。ウクレレだって指板オイルでひび割れを防ぐそうです。植物の剪定や花殻摘みが生長をさらに促すメンテナンスですし、愛車も明日から1泊でメンテのために入院です。

 子供たちも、短い春休みで心と体のメンテナンスをして、新しい力を蓄えてほしいと思っています。

204 彼岸の墓参り(3/23)

 黒の礼服は冠婚葬祭には欠かせません。「慶」での着用は、先週の卒業式が久しぶりで、近頃は「弔」で使用する機会が増えました。この「弔」ですが、最近は大人でも子供でも、人が亡くなったり葬儀に参列したりした体験のある人は少ないのかもしれません。ましてや火葬場で骨を拾った経験に至っては…。

 40年近く前に祖母が亡くなり、その時初めて骨を拾いました。小さかった体が焼かれると、「これだけ?」と思うような骨だけが鉄板の上に広がっていました。係の方が「これは喉仏の部分の骨、これは…」と説明をしてくれました。そして、親しい親族から順に二人のペアで長い箸を使って、骨壺に収骨していきます。残った骨粉まで、係の人が箒と塵取りで丁寧に集めてくれました。

  

 先日、ドラマを見ていたら火葬された骨を家族が拾う場面がありました。不謹慎ながらプッと吹き出してしまいました。思い出し笑いです。本人の名誉のために言いませんが、その人は、骨を拾うときに一人1本の箸(二人で一膳)を持って行うと思っていたようです。「難しい、どうしよう」と困っていたと後から聞きました。だから、先にやっている人が、普通に一人一膳の箸を持っているのを見て、ホッと胸をなでおろしたみたいです。

 焼香も知らない人は周りに合わせて見様見真似になります。宗派によって、香を目の前に掲げる回数に違いがあるようです。慣れたいものではありませんが、知っていればその場への臨み方も違ってきそうです。人の死は悲しいことです。でも、普段当たり前になりすぎている「命」や「生」について考えるきっかけであることも確かだと思います。

 この彼岸にお墓に手を合わせながら、日頃のお礼と「生」への想いを念じてきました。

203 未来へアタック!(3/22)

 令和2年度もあと4日。先週木曜日の卒業式準備では、5年生の働きぶりに感心させられました。4月からが期待されます。その翌日には卒業生80名の晴れやかな姿が見られました。

 式辞の最後に6年生へ谷川俊太郎さんの「卒業証書」という詩を贈りました。

『卒業証書』 谷川俊太郎

  ひろげたままじゃ持ちにくいから / きみはそれをまるめてしまう
  まるめただけじゃつまらないから / きみはそれをのぞいてみる
  小さな丸い穴のむこう
  笑っているいじめっ子 / 知らんかおの女の子
  光っている先生のはげ頭 / まわっている春の太陽
  そしてそれらのもっとむこう / 星雲のようにこんとんとして
  しかもまぶしいもの
  教科書にはけっしてのっていず / 蛍の光で照らしても
  窓の雪ですかしてみても / 正体をあらわさない
  そのくせきみをどこまでも / いざなうもの
  卒業証書の望遠鏡でのぞく / きみの未来

 未来は覗いているだけではつかめません。未来を引き寄せるためには、タイミングをみてアタックを繰り返すことです。これは、卒業生だけでなく在校生にも望みます。当然、教職員も同じです。今日からしばらくは600名弱ですが、市川小は元気です。

202 80名が卒業します(3/19)

 子供のころから大のクルマ好き。ミニカーは何台持っていただろう?車名は大体覚えていましたし、今もシルエットであっても答えられそうです。そんな私ですから、今もトイレに欠かせないものは車雑誌。ボックスを置いて紙が擦り切れるくらい見ています。マイカーが変わるたびに雑誌も変わりますが、捨てられずに本棚で余生を送っています。

 夢は「ガレージライフ」。家の中から車が眺められたり、天気に関係なくメンテナンスなどができたりするガレージが欲しい。でも、「ばからしい」と切り捨てられること必至!

 さて、私はハンドルを握ると人が変わるようです。行政時代に上司を乗せて運転することが何度もありましたが、「怖い」という共通のありがたくないコメントをいただきました。運転手の時は、道路は車優先、歩行者になると道路は人が優先になる身勝手な考えの持ち主です。「早くいけよ~」「何やってるんだよ~」という言葉に、「口に出さないで!」と助手席の妻に叱られます。あっ、決して煽ってはいませんよ。

 さて、10時から卒業証書授与式が行われ、6年生が卒業します。5年生以下も25日に修了式です。短い春休みです。ただ、希望に胸を膨らませたこの時期に、事故で命を落とす児童生徒の事故が報じられるたびに胸が痛みます。急発進することなくアクセルは緩やかに、全員が健康で新しいスタートが切れますように!咲き始めた桜に願いをかけます。

201 給食最終日に思う(3/18)

 いい天気です。14号沿いに植えられたユキヤナギが満開です。

 バタバタしてもう11時。あと30分もすると検食の時間です。今日で今年度の給食が終わります。来週からはお弁当を作ってもらうことになります。自分の分だけでなく家族の分の弁当作りをするお父さんだっている中で、なんとも情けない自分を感じる部分と恵まれていると思う部分が交錯します。学校でも上げ膳据え膳。調理員さんが盛ってくれた検食を栄養士さんから受け取り、美味しい美味しいと食べます。家でも、朝起きれば朝食はできており、夜帰宅すれば夕食の準備は整っていて、あとは食べるだけ。一人暮らしの経験のない私は、いざ作る段になっても、メニューを考え材料を調達しなくてはなりません。さらに手際も悪いとなると…。だから、料理番組のように全部整った状態がいいなぁなんてことを思ってしまいます。

 さて、最近、給食で出された皿うどんの麺を揚げ過ぎたため、それを食べた児童や教員の歯が欠けたり口の中を傷ついたりしたというニュースを見ました。硬すぎたら食べないのが普通だから、事故に至ったのが不思議と考える人もいるでしょう。でも、私が思う事故防止の視点はそことは違います。

 給食提供時間にに間に合いそうもないので、通常とは違う調理の仕方をしたそうですが、まずはその事実を速やかに管理職に相談すべきだったと考えます。多少の遅れは、きちんと担任や児童に説明すればよいわけで、安全・安心に勝るものはありません。こうした考えを、本校の給食委託業者マネージャーに報道の翌日に話をさせてもらいました。

 真夏の暑い中でも、水がとても冷たい時期も、朝早くから750食を作るために準備を始める給食室のスタッフです。きっと来年度も、安全でおいしい給食を作ってくれると思っています。