校長の部屋

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054 さりげない心遣い(6/25)

 今日は午前中に5,6年生の授業参観、午後は林間学校保護者説明会です。5年生の保護者の方は、二度も学校に足を運ぶことになり、遠い方には申し訳なく思います。

 さて、こんな話を聞いたことがあります。仕事帰りに乗った路線バスで、停留所に止まるたび、運転手が車内アナウンスを繰り返すのだそうです。「週末の金曜日です。1週間お疲れさまでした」「寒いですから気を付けて」「自転車にご注意ください」など。学生たちが「ありがとうございました」と笑顔で降りていったといいます。心がポカポカしてきます。

 またこんな話も…。こだわりのスープが売り物のラーメン店。ある客がラーメンを注文したあとに携帯電話が鳴りました。込み入った内容らしく話しながら店外へ。出来上がったラーメンが席に置かれましたが、客はなかなか戻りません。しばらく経って席に着いた客がラーメンに手を伸ばそうとした時、店主はさっとラーメンの器を引いて、湯気の立つ作りたてに取り換えたといいます。店主曰く、「お客さんに、冷めたラーメンは食べさせられませんから」と。この店のラーメンがうまい理由が分かったと、見た人は語っています。

 最後にファミレスでの出来事。ある休日の夕方、店は混んでいる時間帯です。客に料理を運んできた若い店員が「ピザは12時、サラダは3時、チョリソーは10時の方向に置きますね」と説明したといいます。これは、「クロックポジション」という方法ですが、客が白杖を脇に携えているのに気づいて、とっさ出た心配りだと思います。驚きです。

 バス運転手もラーメン店主もレストラン店員も、まさにプロフェッショナル!そして、私たちは教育のプロです。教員ならではの目配り・心配りが自然にできる人、言動に滲み出る人でありたいと、いまさらながらに思います。

 家でできないことが、外でできるわけがない!という声が聞こえてくるようです。

053 ある平凡な一日(6/24)

 先週、2年生が『新聞紙と遊ぼう』という学習をしていました。「新聞紙で」ではなく…。教室内で新聞紙を布団にして寝転がったり、身に着けたり丸めたりする姿がありました。最後は、みんなでちぎって紙吹雪でフィナーレ…。同日、4年生の算数では『1億をこえる数』を位取りに気をつけながら読んだり書いたりしていました。

 校長室に戻って新聞を開くと、1ページ(15段)全部を使った「道玄坂43」のデビュー・ラストシングルの広告に目を凝らして見入ってしまいました。ある事務所所属の全メンバー43人が参加したユニットらしいのですが、紙面の10センチ四方にも満たない部分(写真の囲み部分の合計)しか使っておらず、あとは真っ白!どんな写真や文句を載せるよりインパクトがあります。

  

 費用対効果を考えると、広告掲載料が断然気になる私。全国版カラーだと、1億を超えはしませんが4千万円をはるかに超える金額とあって驚きです。この広告紙面を枕にしたり掛けたりして寝れば、よい夢がみられるかも?

 目的や課題などが明確な広告やポスター、キャッチコピーを使った戦略は心に突き刺さりますが、そのセンスにも感心します。市川小でも150周年をスタートとして未来につながるキャッチコピーを広く募集しようかなぁ。ラグビーW杯2019日本大会のキャッチコピー『4年に一度じゃない。一生に一度だ。』やサッカーW杯『Road to Russia』などになぞらえて…う~ん、思い浮かばない!

052 未来を信頼する(6/23)

 昨日の午前8時57分、妻から西瓜の絵文字だけがLINEで送られてきました。正解!と送り返したのは言うまでもありません。なぞなぞの答えです。

 さて、学校や学級で掲げる目標に「信頼される学校をつくる」「信頼関係を築く」という文言が使われます。本校においても例外ではありません。ここで使用する「信頼」と混同しがちなのが「信用」です。どのような違いがあるのでしょう。

 「信用」は、「ある人や団体が過去に行った行為やこれまでの業績、出来栄えなどに基づいて、人や団体を信じてもよいと判断すること」を指します。ですから、行動や実績などを確かめたうえで「信用」を感じるわけです。相手に対する一方的な評価と言ってもよいと思います。

 一方「信頼」は、必ずしも過去の実績を判断材料としません。一定の時間を経て「信用」を感じた上で、その後「この人なら大丈夫」というその人や団体の未来の行動を期待する行為や感情を指していると考えられます。未来を信頼するわけです。また、相互の気持ちのつながり〈双方向〉の上に成り立つものであるという点に「信用」との違いが見られます。

 こう考えると、「信頼」してもらうためにはまず「信用」が前提にあります。「信用」なしには「信頼」を勝ち取るのは難しいといえます。

 令和3年度が始まってもうすぐ3カ月になろうとしています。児童や保護者の方にとって昨年度担任していた過去の学級の実績は必ずしも判断材料にはなりませんから、信用の土台をいま積み上げている最中と言えます。その振る舞いを見たうえで、人間性や習慣、感覚といった目に見えないものに対して期待し、その期待に応えてくれるだろうという気持ちの表れが「信頼」となります。

 まずは夏休み前までを大事に指導していきます。双方向の感情づくりですから、不明なことや要望などは直接話し合えると理解が進みます。先週末に個人面談のお知らせを配付しましたが、有意義な時間となるようにしたいと考えます。面談日を待たずとも、不安なことなどがあればぜひお声かけください。

051 フル回転!(6/22)

 今日はボウリングの日です。教員になってからも、職員レクをボウリング場で行った時代もあります。もっと昔は、テレビで放映されるボウリング番組をよく見ていましたから、中山律子さんや須田開代子さん、矢島純一さんなど、プロボウラーの名前を思い出します。家にはボウリングゲームだってあり、♪中山~律子さん~♪なんて歌だって流行った時代を過ごしたので、今でもスコアを自分でつけられます。海馬やシナプスが正常に機能している証拠でしょうか?

  

 3連続ストライクを「ターキー」と呼びますが、その昔、3回連続でストライクだった時のお祝いに七面鳥が振る舞われていたからだといいます。4連続は「ハムボーン」で、12連続までちゃんと名前があるみたいですが覚えきれません。

 このボウリングは、紀元前数千年の古代エジプトからあったもの。ピンとボールになる物さえあればどこでもできます。クラスのお楽しみ会などで、ペットボトルボウリングを見かけますから、遊びとしては自然なのかもしれません。

 さて、まん延防止等重点措置が7月11日まで延長されたことに伴い、授業参観や5年生の林間学校への対応など悩みは尽きません。プロボウラーがボールにすごい回転をかけるように、変化する状況の中で私も頭をフル回転させて脳の活性化を図ります。

 まず朝一番、なぞなぞで頭の体操!『イカの頭に酢をかけるとできる食べ物、なーんだ!?』

050 植物の生命力(6/21)

 クチナシの花の季節がやってきました。実家の庭にあったこの花の香りは、幼少の頃の甘美な思い出と結びついているのかもしれません。現在の我が家では、ひと月前まであったカモミール、今が楽しみなラベンダー、一年中香るローズマリーなどがちょっと触れるだけでよい香りを振りまいてくれます。

 匂いとは別に、視覚的な効果を期待して、植物を菓子や料理に添えることがあります。例えば、和菓子の器に添えたモミジ。青いモミジも紅葉したモミジも趣きがあります。南天の葉も使われます。料理の添え物としては山椒の葉。その心遣いに、おいしさも増すように感じるから不思議です。

 さて、比較的簡単に根付くので、私は気に入った紫陽花の茎を挿し木して増やします。ピンク・アナベルや切り花だった紫陽花など。我が家の挿し木2年生のアナベルも今年はたくさんの花をつけています。ホームセンター等で結構なお値段で売っているのを見ると、「うちのものも売ったらこんなに値が付くんだぁ」「食べるのに困ったらいろいろな植物を売ればいいかな」と考えてしまいそうです。

 挿し木した紫陽花以外にも、種から育てたモミジも何種類かあります。大小を問わず数が増えてきて、そろそろ邪魔になってきました。でも自分で育てた植物にはどれも愛着があります。そして、その生命力に驚きます。生命力といえば、もう5年以上前に根元で伐採した中型の木がありますが、先日その切株付近から芽が出ているのを発見!「お前、まだ生きていたんだ?」と思いながらもチョキチョキ。ごめんね!

 1~3年生が世話している植物も、ベランダで元気に育っています。単なる観察に始終せず、小さな生命を慈しむことを大切にしてほしいですし、茎が折れても育っていく逞しさに感じ入ってほしいと思います。