校長の部屋

校長の部屋

064 四コマ漫画(7/9)

 毎日、朝日と読売新聞に目を通します。教職員への情報は切り抜いて配付しますが、植田まさしさんの4コマ漫画『コボちゃん』は楽しみの一つです。この漫画は、1982年4月に連載がスタートして以降、一般全国紙の連載漫画として最多記録を更新中のようです。40年が経つわけですが、連載当初5歳だったコボちゃんに11年前に妹が生まれ、今は小学校3年生の設定。家族のほのぼのとした日常が好きな理由です。植田さんの作品は、ほかにも『かりあげクン』『おとぼけ課長』『フリテン君』『のんき君』など、サラリーマンを主人公としたウィットに富んだ内容が笑いを誘います。床屋に並ぶ単行本を読んでクスクス笑ってしまったことも…。

 4コマ漫画には起承転結があり、これを使って国語や道徳の授業もできますし、自分で漫画にまとめるという活動も実践したことがあります。その他、4コマの「並び替え」をしたり、「見出し(タイトル)付け」をしたりもできますし、「吹き出しの穴埋め」や「ストーリーの文章化」という学習方法もあります。特に「ストーリーの文章化」は、夏休み42日間毎日取り組んだら文章力が向上するんじゃないかなぁ。暗い話題が多い中で、オアシス的な存在の『コボちゃん』はこのあとのお楽しみ!

 さて、今日は校内授業研究会(国語科)で、「大きなかぶ①」・「この間に何があった?②」・「めだか③」・「一つの花④」・「雪わたり⑤」・「きつねの窓⑥」・「どうぐのはたらき(ひ)」です。今週6年生の授業を見ていますが、深い読み取りと活発な意見交換には感心しました。私も指導した物語文ですが、遠く及ばないダメ授業だったことは苦い思い出です。

063 粋と野暮(7/8)

 門の前に立って子供たちを迎えますが、通勤される人たちも含めて「おはようございます」を言う回数をカウンターを持って数えてみたい気もします。主に低学年児童へのあいさつには配慮が必要です。できるだけ顔や目を見て声をかけますが、さすがに集団で門に向かって来ると1対1でのあいさつは不可能です。ある意味集団に対してあいさつをしてしまう場面がありますが、そんな時必ずと言ってよいほど、行き過ぎてから戻ってきたり集団が行き過ぎるまで待っていたりする子がいます。自分に対するあいさつを求めているのです。ですから、教室で30数人もの児童に話をしたとしても、自分に言われていると思っていない子もいるのは確かです。

 さて、先日のニュースで、昭和4年から90年以上続く銭湯が店じまいをすることを報じていました。家風呂があっても銭湯通いを日課としてきた人も多いようで、惜しむ声がたくさん聞かれました。常連さんにとっては、番台に座る店主との何気ない会話も楽しみの一つだったと思います。また、常連同士の裸のつきあいも1対1の深い関係といえます。一方、教卓は番台ではありませんから1対1というわけにはいきません。でも、そういう気持ちを感じられるような温かな問いかけや工夫は大切にしたいものです。

  

 ニュースの最後に映された銭湯入口の木札が気になりました。板の表に「わ」、ひっくり返すと「ぬ」というひらがなが大きく書かれています。これは、「わ板(=沸いた)」と「ぬ板(=抜いた)」を表したものなのです。洒落と粋を感じます。ただ、こうした洒落や粋が身の回りから減っていくような気がするのは時代の流れなのか、少し寂しい気がします。こんなことを考えるのは「野暮」?

062 星の還暦って?(7/7)

 理科で月や星の動き、星座について学習するのは4年生。冬には代表的な星座であるオリオン座を観察します。そのオリオン座の1等星ベテルギウスの爆発が間近ではないかと言われていたようです。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンとで「冬の大三角」を構成するベテルギウスは800万歳だというから驚きです。ただ、「生まれてまだ800万歳」という表現。太陽の46億歳に比べたら、宇宙規模では子供なのでしょう。でも、その太陽よりもはるかに大きいため寿命が短く、すでに晩年を迎えているようなのですが、「爆発するまで少なくとも10万年はかかる」と研究者は結論付けていますから気が遠くなります。

 さて、今日は七夕ですが、夏の星座をいくつ思いつくでしょうか。「冬の大三角」同様に「夏の大三角」もあります。ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)、と名前は聞いたことがあると思います。

 アルタイルは、七夕の彦星ですし、ベガは織姫星として知られています。夜空を見上げながら、ギリシャ神話をそらんじることができたら鼻高々ですが…。私は、小さな声で口ずさむ程度にします。「きらきら星」ではなく、♪いいえ~私はさそり座の女~♪。星座板がなくても、今は便利な星座無料アプリがあります。しかも、星や星座について解説付きのものまで…。星の年齢以上にこちらのほうがびっくり!

 今晩の天気より、1週間後の15日(木)林間学校初日の天気のほうが気になって仕方ない。

061 私の日曜日(7/6)

 空飛ぶ車を開発している企業が、海外の2国間を35分ほど試作機で試験飛行したといいます。BMWのエンジンと後部に固定プロペラを搭載します。3分足らずで飛行機から道路を走る車に変身できるといい、もうSFの世界のことではなくなっているようです。

 さて、ある日曜日。午前中は施設へ。帰ってからたまたま点けたテレビで大リーグの野球中継を観ました。大谷翔平選手が在籍するエンジェルスの試合です。3塁にランナーがいる状況で打席が回ってきたので、身を乗り出すようにワクワクしていると、おもむろにレガースや手袋を外し始めるではありませんか。何?なに?なんで。おーい大谷君、一塁へ行っちゃうの~?「申告敬遠」なんて初めて見ましたし知りました。ガッカリです。この試合で2度もあったとか。

 ピッチャーが4球でも投げれば、何が起こるかわかりません。ボール球をホームランにしたり投手が暴投したり…。あらゆる可能性を最初から排除ですかぁ。試合時間の短縮が目的とするなら、大差がついたゲーム終盤に「うちの攻撃は省略するので、どうぞ相手の攻撃を連続でもう一度」なんて…?

 不満ぶつぶつ、未練たらたらで夕飯の買い物へGo。そのあと餃子作り。皮に具をのせたあと、ひだを作って閉じるのが苦手です。「自己流でもいいじゃない」と言うと、「焼く時に揃わないし、焼き目がバラバラになるから嫌なの!」というお返事。隣が2個3個と包んでいる間に、私は指先が攣る感覚で1個を完成。一人で調理しなければならない日が来ることがありませんように!でも、おいしければその苦労も報われるわけで…。調理実習で慣れない包丁を使って野菜を切る子供の心境に似た私です。

 そして夕食後は、去年観たかった映画『糸』の視聴。WOWOWでやったのを録画してくれていたのです。字幕必須の画面では知った女の子が好演しています。心の中で「元気そうですね」とつぶやきました。一日雨降りでしたが、最後は気持ちよく床についた日曜日でした。貴重なお時間を、他愛ない話にお付き合いさせてしまい、すいませんでした。

060 人種差別(7/5)

 いきなり問題!下のお話の題名は何でしょう?

 “父の名はジャンボ、母はマンボ。その息子が、ジャングルで4匹の虎に出会います。食べられそうになったので、両親にもらったばかりのカラフルな上着・ズボン・靴・傘を虎に与えて食べられずに済みます。この虎たちは、もらった服や靴で着飾って「自分が一番立派だ」と争います。互いに譲らず、いがみ合って木の周りをぐるぐると追いかけ回ると…ドロドロに溶けてバターになってしまいます。服などを取り戻し、その虎のバターで作ったパンケーキを家族で食べました。”

 そう、『ちびくろ・さんぼ』という物語。1950年代に日本で刊行された絵本で、私もむか~し読みました。教科書にも載っていたような?大好きなお話でしたが、「サンボ」が黒人の蔑称で、人種差別であるという抗議から絶版に追い込まれました。

 では、写真の人形の名前は何でしょう?

  

 昭和35年にタカラが、南洋の現地人が木登りする姿をソフトビニールの人形にして売り出したところ、若い女性までが腕に絡めて歩くようになり、『ダッコちゃん』の愛称で爆発的なヒットをみた商品です。これもその後、黒人蔑視の批判を受けて製造停止となりました。タカラの社標にまでなっていたダッコちゃんでしたが…。

 これとは別に、一世を風靡した商品が『写ルンです』。これも含めて、オートフォーカス機能付きコンパクトカメラを「バカチョンカメラ」と言っていた時代があります。でも、この「チョン」は、朝鮮人の蔑称として使われていたため、「馬鹿でも朝鮮人でも撮れる」と解釈されて「バカチョン」は現在放送禁止用語になっています。

 それまでは問題視されることなく親しまれていたものや言葉が、「差別」というレッテルを貼られた途端、いつの間にか消えていきます。ただ何事もなかったかのように、忘れられてしまうということに問題が潜んでいるように思うのですが…。