校長の部屋

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079 ありがとうをつなぐ(9/10)

 ネット上に見つけた女性の投書。

 スヤスヤ眠る息子を乗せたベビーカーを押し、もう片方の手に買い物袋を持って小さな娘の手を引いていた。駅のホームへ下りる階段の前で迷っていると20代の女性がベビーカーを一緒に持ってくれた。しばらくして、娘がジュースを飲みたいというので自販機で買ったが、疲れのせいかうまく飲めずストローをねだって泣いた。我慢するようになだめながら歩いていると、別の20代の女性がコンビニに入ったかかと思うとすぐに出てきてストローを差し出した。ともに、きちんとお礼を言う間もなく去って行った。

 ありがたいと恩義を感じる場面は多々ありますが、「もらったら返さなければならない」といったプレッシャーを感じる必要はないかもしれません。というのも、ある人の話の中に相手に直接返そうとするよりも、自分がよりよく生きようとすること。そうすれば、きっと誰かが自分から何かを受け取ってくれるという言葉がありました。「恩を受け継ぐ」「感謝の輪廻」にはいろいろな形があってよいのだと思うのです。

 1学期、4年生のあるクラスの靴箱はいつ見ても整っていてきれいでした。「すばらしい!」と担任に伝え、話を伺うと、特定の児童がきれいにしてくれていたようです。でも、クラス全体が褒められたとあれば、他の子たちにまで「友達の靴であっても整っていなければそろえる」という行為が広がっていくかもしれません。さらに、同じ昇降口の靴箱に乱れた靴を見かけたら、クラスや学年に関係なくきれいにする子が現れるかもしれません。そんな連鎖を期待して止みません。

078 後ろ姿を見せて…(9/9)

 今日9月9日は、「重陽の節句」「救急の日」「手巻き寿司の日」「ロールケーキの日」「栗きんとんの日」「カーネルサンダースの誕生日」と賑やかです。昨日、36年前の卒アルの話をしましたが、今日6年生が卒業アルバム用の個人写真を撮影します。どんな表情で写るのか楽しみです。

 さて、5月も下旬になろうかという頃、某社の試乗車を自宅駐車場で車庫入れしている隣人を見た私。15年は乗ったと思われる車をそろそろ新車に替えるのだろうと考え、「今注文しても納車は7月だろう」と勝手に予測。7月中旬に駐車場脇の植栽を伐っている様子を目撃した私は、間もなくだなとなぜかワクワク。でも、いつまで経っても動きがないため、気をもむ変な隣人と化す私。そして7月末、めでたく納車!胸をなでおろした私はやっぱり変?

 夏休み中に屋外で作業をしていると、公園へ虫捕りに出かける親子に出会いました。夕方の散歩をしていれば、家の前で水遊びやシャボン玉を飛ばしている親子を見かけます。顔見知りでなくても、どちらからともなく「こんにちは」と笑顔を添えてあいさつする場面が時々あります。すると、子供も一緒に声を揃えます。ここにこの親子の「子育て」を垣間見られる気がします。親ができないこと、やらないことを子供はやろうとはしません。先生が後ろ姿を見せながら語らなければ、口先だけでは子供たちは行動しません。同じだと思うのです。私自身、お座なりにしてしまったりいい加減で済ませてしまったりしていることはないか、改めて見直さないといけません。

 ちなみに、隣人の息子さんは、顔を合わせると私より先にいい顔であいさつをしてくれます。

077 36年前の卒アル(9/8)

 7月中旬頃から各学校のPTA広報誌が届きます。今年度の第1号なので職員紹介があります。写真を見ると、毎年知らない顔と名前が増えていきます。大量退職で世代交代が凄まじいスピードで進んでいる昨今、さみしい気がする一方で、以前講師として頑張っていた方も正規採用されて頑張る様子が写真から伝わってきます。

 さて、夏休み前半に行った保護者面談の際に、ご自身の卒業アルバムを持ってきてくださった方がおり、担任を通して受け取りました。わざわざ実家から持ってきてくれたといいます。この卒アルは、私が初任だったときに最初に受け持った5年生の子供たち。力不足で6年に持ち上がることは叶わなかったので、手元にはない貴重なものです。写真や名前を見て懐かしさがこみ上げます。他のクラスの子も「いた、いた!」「元気にしているかな?」という感じ。「写真のこの子は、今○○さんのお母さん」ということまで教えてもらいました。

 ページをめくった先の「社会のニュース」欄では、マラドーナ擁するアルゼンチンがW杯優勝とかスーパールーキー清原和博などという文字が並びます。そして一番驚いたのが名簿!なんと教職員と児童の住所・電話番号がすべて載っているではありませんか。この卒アルが売買の対象になっていたようですが、「個人情報」云々と気にしすぎる時代ではなかったのも確かです。

 最後に、教職員の寄せ書きに「頭でっかちよりも、心でっかちな人になってください」という自分の文字を見つけました。36年経って、私自身、心が豊かに膨らんだかどうか、未だ不安です。現在48歳?の116人はどうでしょうか?

076 お気に入り(9/7)

 秋の清々しさを感じる朝です。大きく深呼吸をしたくなります。

 さて、夏休みに入ってすぐ、BICボールペンが廃版になるというニュースを見ました。1961年発売というから同い年です。世界160か国で愛用され、筆記距離は2~3kmあるそうです。コアなファンも多く、惜しむ声が聞かれます。

 一方、腕時計用アルミ製カレンダーを懐かしく思う方もいらっしゃると思います。先のボールペン同様、コアなユーザーに愛され続けますが、職人の腕と機械確保ができ、なんとか生産の見通しが立ったといいます。私自身、お世話になった時もあり、懐かしい限りです。

 この夏、私のお気に入りに加わったものが、BUFF(バフ)。ネックゲイターやフェイスマスクにもなりますし、ヘッドバンドや帽子としても使える代物です。ジリジリと刺すような日差しを頭皮がダイレクトにキャッチするため、じっとしていると焼けるように熱くなります。そこで、私は専ら頭に被ることにして、林間学校での日焼け&汗対策、庭の手入れ・水撒きの際のやぶ蚊対策で、頭皮を守ってくれました。ランニングでは滴る汗を吸い取り襟首を陽射しから守ってくれて、洗濯すればすぐに乾くので帽子よりお手軽。しかも、様々な色模様があるのであっという間に3枚目。その日の気分や恰好で替えています。夏休み中の朝食前の40分程度のランニングにも大活躍。

  

 2歳になった孫は、ミッフィーちゃん→おさるのジョージ→ドキンちゃんと目まぐるしくお気に入りが変わりますが、手放せないのは古びてきたタオルケット。というわけで、皆さんにとって今一番気になっている物、お気に入りってなんでしょう。子供たちは?

075 置いていかれないにように…(9/6)

 ドラえもんの誕生日は2112年9月3日。そこで先週4日(土)に誕生日スペシャルが放映されました。ただよく考えると、91年後の未来に生まれるのに、生まれる前に毎年誕生日を祝うってどうなの?と首をひねってしまうひねくれ者です。

 このひねくれ者の部屋に保管されていた、タブレットの入った何十箱もの段ボールが、ドラえもんの誕生日に各教室へ運ばれて行きました。自席から見える景色が少し変わったような…?教室に旅立ったタブレットは、充電保管庫と呼ばれるホテルに滞在中です。これに並行して、児童一人一人にタブレットを配付して学習で活用したり、欠席した場合の支援等に使ったりするために、教員の研修や児童がセットアップ・練習する準備を進めています。まずは4年生以上に配付、来年度からは3年生以下にも配られる見通しです。

 さて、GIGAスクールに向けたスピード感は半端ではありません。その速度についていくのがやっと!人に聞かないと、スタート地点にすら辿り着きません。スマホのように画面を指でタップしてもよいことだって知らず、パッド部分を指の腹で擦っているうちに遅れが広がる始末。教員も老若男女関係なく得手不得手がありますので、様々なことを校内・市内で共有して誰もが積極的活用ができるように進めていけるようにしなければなりません。教室に居ながら他の学校と、他の市や県と、世界とつながることだってできるようになるのですから…。ただし、期待しすぎてはいけません。機械ですから機嫌を損ねることが度々あることを想定する必要がありますし、間違った解答が提示されることも少なからずあると聞きます。教室での対話式学習の方が効果的な場面もたくさんあるので、上手に併用していくことが求められます。

  

 というわけで、写真正面に見えるのがタブレット用充電保管庫です。そして、左の棚上にあるのがサーキュレーター。先週のような10月下旬の気温でも、感染防止のためにどの教室もフル回転で空気の循環・換気に大忙しでした。

 ドラえもんが生まれた2112年ってどんな世界になっているのでしょう。