校長の部屋

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144 夢をありがとう(12/21)

 6年生児童の作品ですが、なんて読めますか。「ありがとう」の5文字を使って「夢」。漢字アートですが、筆づかいも素敵です。(作品を掲載することは本人の了解を得ています)このほかにも、この5文字で、「宝」「愛」「美」「誇」「桜」「歌」「徳」「結」「産」「翼」などを書いてみようとする発想が好きです。

 

 もう1枚の写真も、同じ「夢」を描いていますが、ひらがな5文字がわかりますか?気づくと、なるほどと感心してします。ぜひ自力解決を!

 

 この6年生の卒業文集もとりまとめが済んだようです。今年度は、自分の考えを「書く」ことに力を入れていましたので、一人一人がどんな内容をどんなふうに書いたかが楽しみです。それとクラスのページも学級のカラーが出るので興味深いのです。子供たちの手元に渡るのは卒業式の数日前です。校長室にある「秘密の部屋」には、過去の卒業アルバムが保存されています。そういえば、南極の氷をくださった保護者の方の写真を、他校の卒業アルバムで確認しました。知的な可愛さがあります。私も含めて、みんな若かったのです。

 今年一年間、ありがとうございました。そして子供たちよ、夢をかなえよう!

143 親知らず(12/20)

 「親知らず」の痛みを経験したことがない私。8番目の奥歯の根っこすらないのでしょう。その理由を「まだ大人になりきれていないからじゃない?」と分析されますが、反論できないことが悲しい。

 先週、日本漢字能力検定協会が発表した、2021年の漢字は「金」でした。27年続く中で4回目の「金」だそうです。コロナ禍で実施したオリンピックやパラリンピックの金メダルは大きな喜びでしたし、二刀流・大谷翔平選手や藤井聡太四冠の活躍は圧巻です。つらい時だからこそヒーローを待ち望むのだと思いますが、私が今年を漢字一文字で表すと何だろうと悩みます。

 一方、週刊誌や著作物の見出しを覗くと、「A級戦犯は誰だ」的な記載をよく見かけます。何かある度に必ず悪者を仕立て上げようとします。そうすることで安定するのかもしれません。視聴率のよいテレビドラマにも悪役というか憎まれ者が存在します。時代劇にも悪代官が登場していましたから、視聴者を引き付け、何とかやっつけてやりたいという団結力にも似た感情を湧きあがらせる気がします。

 保護者や学校は、悪者(弱点)探しをするより、対象をよい方向に高めていくことに力を注ぎたいものです。挑戦する気持ちと行動の過程に価値を見出し、メダルをあげるつもりで…。すると、知らず知らずと、メダルの色が金色に近づいていくかもしれません。それはうれしい親知らず!

142 実践を通して(12/17)

 1週間ほど前になりますが、正門の看板を新調しました。古いものがボロボロの状態だったので交換です。書く言葉も考えます。ネット上にはあげ足を取るようなコメントが散見されるからです。以前の「学校に用の無い者の立入~」だって、「児童の写真を撮りたいという用があったから」などと言い訳されかねません。「許可なく校内への立ち入りを禁じます」ですら、「“許可なく”は連用形なので、これは体言の“立ち入り”にはかからず、用言の“禁じます”にかかる」と写真付きで解説。だから、その方が「これなら許せる」という表現にしました。ただ、白地のままでは寂しいので、水色で縁取りをしてみましたが、お気づきいただけたでしょうか?

 

 さて今日は、「学力向上推進指定校公開研究発表会」を実施します。国語科で特別支援学級を含めた7学級が展開します。研究主題は、『進んで学びに向かう子供の育成』で、5年前から取り組んできました。そして、『深い学びにつながる“対話的な学び”の充実を通して』追究した一年間です。さらに、低・中・高・特支別に手立てを絞って、物語文や説明文などで実践を重ねてきました。

 今日は、第1学年「スイミー」、第2学年「かさこじぞう」、第3学年「川をさかのぼる知恵」、第4学年「ウミガメの命をつなぐ」、第5学年「まんがの方法」、第6学年「自分の考えを発信しよう」、ひまわり「さけが大きくなるまで」を展開します。指導いただいたことを、子供たちに還元できるようにすることが目的ですので、普段どおりに…。

141 炬燵が恋しい(12/16)

 寒い日が続くと、「炬燵(こたつ)が恋しい」「ストーブにあたりたい」と思ってしまう私。家でも学校でもエアコンですが、手がかじかんだ時こそストーブの前にしゃがみこんで揉み手しながら温まりたくなるのです。この「ストーブにあたる」「焚火にあたる」といった「あたる」という言葉、経験がない子供たちも辞書にはないでしょうが、そのぬくぬくとした感覚は知ってほしいと思います。

 また、床暖房が当たり前になった我が家からは、炬燵が姿を消して久しい。炬燵に掛った布団に頬ずりしながら家族みんなでテレビを見たりみかんを食べたり…。夜はこたつに入って寝てしまって、翌日は喉が痛いとか…。もっと懐かしいのが掘りごたつ。熱源は練炭、まさに冬の風物詩でした。

 冬の風物といえば「行火」。夜、寝る前に入れておけば、布団の足元を温めてくれたもの。そう、「あんか」です。子供のころは、湯たんぽや電気あんかではなく、「豆炭あんか」が我が家の主流。火鉢で赤々となった豆炭をあんかに入れれば(写真)最強の暖房器具でした。

 

 さらには、今でこそ使い捨てカイロが当たり前ですが、カイロといえば「白金カイロ」。ベンジンを入れて着火すれば、今の使い捨てカイロより断然長持ちだったようです。断言できないのは、祖母が使う様子を羨ましく見ていただけでしたから。でも、ベンジンの匂いが独特だったのを思い出します。

 年末年始には家族が揃う機会が多くあります。炬燵は無理でも、暖かさに包まれながらたくさん話をして、心もポカポカに。ぜひ楽しい会話やファミリーゲームなどで盛り上がってください。焚火を囲んでもいいなぁ。

 ♪ たきびだたきびだ 落ち葉焚き~ あ~たろうか あたろうよ~♪

140 見えないところにこそ(12/15)

 新聞をめくっていると、見開きに面にわたって黒を基調とした企業広告が現れました。巨大な地下下水道トンネルです。そして、「幻の川 UNDER RIVER」と書かれています。そのすぐ脇にQRコードがあるので覗いてみると、新しい発見があります。原文のまま紹介します。

“ 年々増える集中豪雨。コンクリートに覆われた都市の、行き場のない雨水。

その雨水は、東京の地下30メートルにある巨大な地下トンネルに流れ込む。

その時、幻の川「アンダー・リバー」は現れる。

地下街、地下鉄、地下道路・・・ 街と同じように、複雑な発展を遂げた東京の地下。

(中略)東京の下に広がる幻の川「アンダー・リバー」。それは、都市を守る秘密。”

 近年のゲリラ豪雨などで、都市部の下水処理能力が限界を超えていることがニュースの映像からも伝わります。タワーマンションの地下電気設備が浸水して機能不全に陥った案件が2年前にありましたし、地下街や地下鉄なども。暮らしを支え、安心できるようにするために被害を最小限に抑えることが急務ですから、そういう意味でのこ「アンダー・リバー」の写真は衝撃でした。

 見えないところにも、いや見えない場所だからこそ人間の知恵と努力が詰まっているように感じます。学校における「アンダー・リバー」は何なのか、ゆっくり考えてみることにします。

 そういえば、学校でもこのQRコードを活用し始めています。学校評価にもご協力ください。